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2004年11月

2004年11月 2日 (火)

怒りネット通信 第9号

怒りネット通信 第9号
2004年11月2日
■怒っているぞ!障害者きりすて全国ネットワーク
●11・10厚生労働省交渉に集まろう!・
13:30衆議院第2議員会館ロビ-集合(交渉は14:30~)
●11・26厚労省抗議行動(予定)
(社会保障審議会・障害者部会で介護保険統合の結論をだす日です)
■も・く・じ・
・10・24介護保険適用を許さない全国集会報告
・9・29厚生労働省交渉の報告
・障害福祉サ-ビス法の中身は介護保険への統合だ!
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10・24障害者への介護保険適用を許さない全国集会の報告
 10月24日「障害者への介護保険適用を許さない全国集会」が、福祉きりすて反対!ストップ・ザ・支援費制度集会実行委員会の主催で、国民生活センタ-に66人の参加でおこなわれました。10月12日に厚労省が社会保障審議会・障害者部会で「改革グランドデザイン案(今後の障害保健施策について)」を公表し、事実上介護保険への統合がうちだされ、20日には台風のなかでこれに反対する抗議行動が全国から1500名の結集でおこなわれるという緊迫した状況のなかでの集会となりました。厚労省は11月26日の障害者部会で結論をだし、年内に介護保険との関係についての結論をだし、来年通常国会には「障害福祉サ-ビス法」をはじめ関連法の国会に上程するとしており、それにむかって10~11月が正念場となるなかで今回の集会は介護保険への統合に絶対反対することを強く確認する場となりました。また昨年“怒りネット”の呼びかけでこの集会実行委員会がつくられ、新たな団体の参加もえて1年間活動してきた経過にふまえ、この運動をあらゆる障害者の切り捨てに反対してゆこうという趣旨で「怒っているぞ!障害者きりすて全国ネットワ-ク」(略称“怒りネット”)に名前を変え、一本化してゆくことが主催者から提案され確認されました。
◆「グランドデザイン(障害福祉サ-ビス法)に反対しよう」と基調提起
 集会は、大田区の小山さんと古賀さんの司会ではじまり、最初に代表の小山正義さんから「問題のある支援費制度をもっと問題のある介護保険制度に統合するということを絶対許してはならない。私は生まれて4ケ月で脳性マヒになり、今年で65年。いやがうえにも介護保険適用になり保険料の請求がきた。私は今、障害年金だけで暮らしているので、今もって保険料を払ってない。障害者が高齢者になるとよけい生活しにくくなる。いくつになっても私は脳性マヒ者だ。介護保険に反対してゆこう」という挨拶がありました。
 「急迫する介護保険への組み込みの動き」と題した基調提起では、渡辺さんから「厚労省は今年前半、障害者団体をとりこもうとしてきたが、どこの場でも介護保険統合の結論がだせないという追いつめられた状態で、新たにグランドデザインを出してきた。まずグランドデザインの内容をハッキリさせよう」と6点にわたる提起がありました。
 一点目としてケアマネ-ジメントが導入されるということで、どの程度の介助が必要かをはかる要介護認定が導入されること。すでに施設には導入されている障害程度区分が在宅に適用される可能性がある。支給決定も、これまでの市町村にかわって認定審査会がおこなうことになる。結局は要介護度に応じて上限が設定された支給額と自己負担できる利用料の枠内でをケアプランを作成する仕組みになること。
 2つ目は、応益負担制度が導入され、厚労省は「契約制度では応益負担が基本。支援費制度では激変緩和のために応能負担が維持されただけ」と言っている。障害者の所得状況などを考慮して応能負担にした支援費制度導入時と状況はまったく改善されていないのに応益負担を導入すれば、介助サ-ビスが必要なのに利用できない人がでてくる。扶養義務者負担は廃止するというが、その代わりに「負担能力の乏しい者」を減額する際には「生計を一にする」世帯の所得状況を勘案するとしており「親、兄弟」を除外してきた支援費の扶養義務者規定よりもっと悪くなる可能性がある。
 3つ目に、移動介助が「障害者介護給付」からはずされること。障害福祉サ-ビス法は介助サ-ビスを「介護給付」「自立支援給付」「地域生活支援事業」の3つに分けるとしている。介護給付にはこれまでの居宅介護のほとんどが入り、移動介助はここからはずされて地域生活支援事業に入れられる。そうなると、市町村が委託する事業所しかやらないため、利用者は事業所を選べないし、なによりもその部分が一般財源化されると市町村レベルで切り捨てられる。聴覚障害者のための手話通訳や視覚障害者への情報保障もこれに入り、従来の補助金制度ではなくなってしまう。
 4つ目に、通所・入所施設を障害程度区分に応じて機能別に分類するとともに、入居者の自己負担が増額される。グル-プホ-ムもホ-ムヘルプやガイドヘルプが使えなくなり地域生活に移行する通過型施設ではなく、地域内隔離をもたらす小規模施設化する。
 5つ目に、精神障害者を新たに介助サ-ビスの対象に加えるとして「10年間で約7万床相当の病床数削減をうながす」と言っているが、これは介護保険をつくった時に「社会的入院の解消」と言って高齢者をお金のかかる医療から安上がりな福祉に移行させたのと同じ。精神障害者に対する隔離政策はもちろんやめさせなければならないが、国の社会復帰政策は精神障害者のためを考えているのではない。通院医療費の公費負担も見直すとしており、所得制限や指定医療機関制度の導入によって多くの患者がうけられなくなる。
 6つ目に、裁量的経費だったホ-ムヘルプ予算を義務的経費に変更することを厚労省は大きな成果であるかのように言うが介護保険に移行すれば財源の半分は保険料でまかなわれるため国の負担は半減する。その分は介護保険ではすでに義務的経費になっている。要は介護保険統合を前提にした話でしかない。
 結局、グランドデザインは介護保険統合を前提にしたものであり、これによって支援費制度もそもそも厚労省は、制度それ自体を介護保険にむけた「激変緩和」措置として位置づけていたことがあきらかになった。障害者はあくまで国の公的責任の放棄をゆるさず全身性障害者介護人派遣制度のような地域生活を保障する措置制度によって介助制度の確立をもとめてゆこうと呼びかけました。「障害者部会は11月末まであと3回。むこうも時間がない。障害者の反対で押し返そう」としめくくりました。
 つづいて質疑では「国は福祉をしめながら消費税アップに最後の目的をおいている」「障害者部会では新法に対する正面きった反対がでなかったと聞いたが、新法反対をもっと正面に押し出さないとダメ」「小規模施設はNPOにまかせるとなっていることも重要」という意見や「フィリピンからの低廉な介助労働力の導入という話もあるが、グランドデザインでは介助者の資格化を国はどう考えているのか」「茨城でも脱施設ということでグル-プホ-ムをつくる動きがあるが、介護保険とどう関係しているのか」「ケアマネ-ジメントに厚労省は責任もとうとしているのか」「厚労省の資料ではわかりにくいが、要介護の判定はケアプラン作成の前にやるのか」等の質問がだされました。また「介護保険のヘルパ-もやっているが新規の人には1.5時間が基本になり、これまで長く受けてきた人も時間を短くする締めつけが強まっている」という報告もありました。
 
◆各地からの報告            
 休憩をはさんで各地からの報告に移り、まず大田区の鈴木さんから「移動介助を月124時間とっていたが4月から32時間に減らされた。何度も交渉をもってきたが進展がみられない。次回28日に交渉をやるので参加して下さい」という呼びかけがあり、同じ大田区の「視覚障害者」から「私も月105時間の移動介護をうけていたが、大田区がつくった要綱によって32時間に減らされた。月32時間ということは1日1時間。これでどうして社会参加ができるのか。要綱をとりはずすため大田区の闘いにも力を貸してください」というアピ-ルがありました。 
 次に町田チェ-ンの会の安藤さんから「町田市は措置制度の頃、全身性介護人派遣制度で8時間、ホ-ムヘルプで12時間で計1日20時間受けられた。それが支援費制度がはじまって上限が15時間になり、5時間減らされた。会のメンバ-には午前中3時間だったのが2時間に減らされてトイレのなかで食事をするしかなくなった人もいる。町田市と交渉しても『とにかく出せない』という態度で、もっとひどいのは4月以降、新規に申請した人に1日4時間の上限をつけた。交渉して移動介護を日常生活支援に類型移行することによって時間を長くした。それでもまだ措置の時代よりは1~2割減らされている。社会参加への制限もついて就労参加した人ほど削減された。がんばればがんばるほど、逆にそこが介護の対象外というのも大きな問題。いまチェ-ンの会では『新規の上限をやめよ』など市に対して要求する活動をしています」と報告されました。 
 世田谷の介助連(公的介助保障を要求する世田谷連絡会)からは、3人が発言し、まず高林さんから「石原都知事と仲良しの熊本区長になってから道路にはお金を使うけど福祉は減らすという状況になっている。うちの区では全身性障害者に1日16時間、家族同居の人には5時間、知的障害者にも1日5時間の上限がついている。『必要な人には必要な介助を』要求して区と交渉中で、11月4日にも交渉するので参加して下さい」と発言。
 次に知的障害者の親の立場から「娘は20歳にあるが1人でいられる時間はない。地元の学校に通って地域にいたからこそやってこれたし、これからも地域で生きてゆきたい。つながった人に自薦ヘルパ-として登録してもらってやってきたが支援費制度では資格がなければダメということになってしまった。最大の問題は1日5時間の上限がついていること。これでは生活にならず、この上限を撤廃させたい」、さらに身体障害者から「4年間区と交渉してきたがゼロ回答。来年は福祉予算が12億円削減されようとしており、きびしい情勢です」という発言がありました。
 また関西からは2人が発言。精神障害者の立場から兵庫県精神障害連絡会の高見さんが「全家連はグランドデザインが精神病者にとってバラ色のように言っているが、本当はいいことなんか何もない。いい事と言えばホ-ムヘルパ-が七千人なのが1.2万人に増える事くらいだが、これを受けられるのは精神病者の0.5%にも満たない。7万人の社会的入院患者の退院促進と言ってもうけ皿がなければ福祉とは言えない。かつてアメリカが同じことをやった時にはほとんどの退院患者がホ-ムレスになってしまった。精神科救急も一般の救急と違って本人の希望に対応するのではなく、第三者が呼んだ時ということで、警察ル-トでの入院だ。全家連の態度は障害者を分断するもので、三障害統合と言いながら三障害を分断するやり方は許せない。『精神障害者は社会に害をなす』として保安処分法(医療観察法)もできている。保安処分に反対する闘いと結合してグランドデザインと闘いたい」と発言しました。
 もう一人、京都の野村さんから「家事援助への制限が厳しくなっている。これまで比較的自由がきいた買い物が『日常調理と掃除、洗濯に付随するもの以外は不可』ということになり、貯金の出し入れも公共料金の支払いも5万円まで。ぼくは今、学生で授業料の支払いをしているが精神と身体の障害があるため、しんどい時はヘルパ-に頼んでいた。でもそれもできなくなった。京都市は介護保険の時つくった窓口と支援費制度の窓口を同じにして、いつそうなっても対応できるように担当窓口はもう前もって統合した体制になっている」と報告されました。
◆支援費制度は介護保険にむかっての「激変緩和」措置だった
 
 このあとは会場からの発言を受けました。「地震のために今日これるかどうかわからなかった。障害者運動に何か足りない。障害者同士の連帯がない気がしている。ここに来ると障害種別をこえてやるぞという気になる。帰ったらゆっくりながら足元をかためてやってゆこうと思う」(新潟)、「支援費制度とか介護保険とかみんな行政がきめたもので、障害者の介護のあり方は100人いれば100とおり。それを認めなくてはいけないのに9・29厚労省交渉でも行政は障害者をなめている」(千葉)、「介護保険統合に反対している経済団体を利用できないか。イメ-ジわかないけどね。地域で何ができるか考えよう」(茨城)、「この1~2年の状況をみてると厚労省に最初からはめられた気がする。介護保険統合は最初からあったが、いきなりやるとまずいので激変緩和策をとって半年ごとにジワジワきびしい状況をつくっている。障害者はまだ生きている、まだ死なないじゃないかと。この状況をつくったのは話し合いと妥結。その結果がこのザマ。普通の抗議ではダメ。身体をはってやらなければ」(東京)、「もう制度をどうこう言っている場合じゃない。障害者は殺されてしまう段階にある。ここ何年か運動があったが障害者団体は厚労省にごまかされた。バケの皮がはがされてハッキリしてきた。このことを闘おうとしている障害者にあきらかにして、身体をはってがんばってゆこう。これからの運動にかかっているのではないか」(埼玉)など大変熱のある討論になりました。
◆11・26にむけて、来年通常国会にむけて、身体をはって闘おう!
 最後に司会から、集会実行委員会の「怒っているぞ!障害者きりすて全国ネットワ-ク」への変更が提案され拍手で確認されました。そして「当面11月26日(障害者部会)さらに来年通常国会にむけて闘いをくんでいきたい。今日の皆さんからの激しい檄にこたえるような闘いをみんなで一緒にやってゆきましょう」と今後の行動を呼びかけて、集会を終わりました。                              
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9・29厚生労働省交渉の報告
厚労省が支援費制度の介護保険への【組み込みの方針】を明言!
酒井公道
 阿部議員(社民)の紹介のもと、9月29日衆議院第一議員会館にて,厚労省交渉をおこないました。
・厚労省出席:障害福祉課から川島係長・宮腰係長、企画課から伊藤係長、老健局から上田係長、社会援護局保護課から清水係長
・「福祉切り捨て反対!ストップザ支援費制度集会実行委員会」:参加者45名
 私たちはあらかじめ質問書を提出し、それへの回答を受けるかたちですすめました。
《介護保険への組み込み問題》
・実行委-厚労省はあくまでも来年度の介護保険法みなおしの中に障害者施策の統合を組み込むつもりか?
・厚労省-就労、教育、住まいなどのライフステージ全体について、10月12日の「障害者」部会で【グラウンドデザイン】(これからの障害者総合的施策案)を示す。その中で介護保険への「組み込み」の厚労省案も出す予定。その内容は、若年「障害者」の施策すべてを組み込むわけではない。介護保険と共通するサービスメニューについてはまず介護保険を利用してもらう。介護保険にないメニューや、「全身性障害者」へのサービスなどについては「障害者」施策をプラスする。それに対して、今後さらに国民的議論をしていただいて年内には最終的なまとめを出す。また、介護保険サイドから見ると、この問題は「被保険者の範囲をどうするか」という議論になる。介護保険部会については11月中に結論を出してもらう。
 ※介護保険への組み込みについては、「障害者」当事者団体を中心に強く反対してきました。私たちももちろん大反対です。経団連も保険料負担の点から反対しています。この問題を審議している社会保障審議会の介護保険部会や障害者部会でも、これまでのところ結論が出せず、【推進論】【反対論】の両論併記に終わっています。年内に厚労省としての結論をまとめなければ間に合わないところにおいつめられた厚労省はついに反対論を押し切って「組み込み」の最終結論を出したのです。
 厚労省がこのような強引なやり方を押し通そうとするのは、一にも二にも「財源問題」です。介護保険財政も火の車、支援費についても、居宅介護については今年度早くも予算不足が確実です。
・実行委-もし、このような事態になったら、本当に地域生活は成り立たない。全国の多くの「障害者」は今後、介護保険枠内=最大でも一日3時間に押しとどめられてしまう。特に新規に利用する人、今現在3時間程度しか受けていない人は、介護保険を越える部分は今後も受けられない危険性が強い。また、「障害者」施策をプラスするというがまったく財源の保障もない。なぜそんなに強引なすすめ方をするのか。当事者の意見を聞け。
・厚労省-今後、ニーズにあったサービスを提供するために「障害者」にもケアマネージャーを制度化していく。また支援費支給量決定に当たっては地域によって格差がありすぎる。客観的基準を作る。
 ※このように私たちの追及にはまともに答えようとせず、「客観的基準」を導入するとの考えを示しました。これこそ現行介護保険と同じように、介護メニューごとの時間の積み上げで介助時間を決めるということに他なりません。全国何百万の「障害者」の地域生活=自立は絶望的です。30~40年前に逆戻りです。それが国のやり方です。保険方式に移行させ、民間任せとし、最終的には本人の自助努力です。今こそ全国の障害当事者が立ち上がる時です。
《「知的障害者」の自立生活を位置づけよ。通学、通所介助を保障せよ。》
・実行委-「知的障害者」の自立をすすめる親の立場から。「厚労省は知的障害者の自立についてはまったく考えていない。なぜ、24時間介助が必要な人の中に「知的障害者」は入っていないのか。その点をしっかりみなおしてほしい。
・厚労省-「知的障害者」が24時間の介助が必要ではないと考えているわけではない。何らかの対応が必要だと考えている。どういう人が必要としているのか教えてほしい。
 ※本当に白々しい発言です。これまで重ねてきた交渉で、いったいなにを聞き、学んできたのだろうか。
・実行委-子どもを高校に通わせる親の立場から。「通学介助が、なぜ支援費で認められないのか。子どもにとって学校こそ社会だ。それができなくてなにができるというのか。誰に介助をせよというのか。
・厚労省-【移動介護】については、通年、長期にわたるものはだめということになっている。大変さはわかるが、財源上対応できない。
 ※最終ゴールを介護保険への組み込みに設定して、あとはがんじがらめに締め付け、切り捨ててくる厚労省のやり方に、怒り爆発です。厚労省は、介護保険への組み込みをにらんで、また支援費の経費を1円でも削るため支援費の仕組みも次々に改悪して来ています。
「日常生活支援」類型に30分単価新設。長時間介助が必要な人のために、という口実で、単価を他の類型に比べて格段に安く設定したこの類型に30分単価を作るというのです。こんな矛盾はあるでしょうか。さすがにこれは多くの「障害者」団体の猛反対で撤回しました。
《長時間介助を必要とする人を2類型に分け、包括払い方式を導入する問題》 
・実行委-長時間サービスを利用している人を「生命身体の維持等に重大な支障をきたす恐れがあるために長時間のサービスを必要とするもの」と「それ以外のもので長時間のサービスを利用しているもの」の2類型に分け、包括払い方式の導入を検討するとしているが、そもそもそのように分けることができるのか。文字通り一人一人にに上限を作ることだ。どう考えているのか。
・厚労省-包括払いを導入すると決めたわけではない。ひとつの案として出している。「生命の維持中心に介助が必要な人」には、たとえばバラバラのサービスをかき集めてくるのではなく一体としてのサービスを提供するほうがいいのではないか、と考えての提案だ。
 ※これは「長時間介助が必要な人」に、必要な時間数に関わらず、一定の上限を設定してしまうという、実質的な切捨て、引き下げです。柔軟なサービス、一体化したサービスを口実に、「客観的な基準」を作り、一人一人に上限を作る、これこそ介護保険への組み込みに向けた道です。
《ヘルパー資格を廃止して介護福祉士に一本化するという問題》
・厚労省-介護保険部会で、ヘルパーの質をあげることが今後の大きな課題と報告されている。将来的な方向性として「介護福祉士」に一本化するということだ。
・実行委-ヘルパー1~3級を廃止して「介護福祉士」に一本化するとしているが、そんなことになったら現場での介助者が確保できず、大混乱する。資格、資格というが一番大事なのは本人(当事者)とどう付き合い、向き合っていくかだ。資格があってもできない人もいる。みなし資格の人でもみんな一生懸命やっている。あまりにも実情を無視したやり方だ。
 ※厚労省の役人にとって日々介助者を入れて生活する「障害者」の存在はどの程度現実性を持って映っているのだろうか。厚労省の役人こそ実際に一日でいいから実習に入ってもらいたいと、いつも思う。
《生活保護他人介助加算の問題》
・実行委-昨年度から今年度にかけて、生活保護の他人介護加算が理由なく打ち切られた例もある。厚労省から認定の制限につながるような通達などを出しているか。また、他人介護加算の認定件数を今年度を含む過去3~5年にわたって明らかにしてほしい。
・厚労省-そのような通達は出していない。H13年に838人の人が受けていたが、H15年には735人にまで下がっている。支援費制度がはじまってそれによってまかなわれたと思われる。なぜ認定件数が下がったかの詳しい調査はしていない。
 ※認定者数は2年間で100人以上下がっています。これは支援費制度でまかなわれたのではなく、支援費をきっかけ口実として打ち切られたことは明白です。実際そのように打ち切られようとしたOさんは交渉の席で自分の体験を踏まえ、自治体と国の不当性を厳しく糾弾しました。生活保護の国庫補助率がこれまでは全体の3/4であったが、今後は2/3に引き下げられる。これまでもさまざまなかたちで《申請》自体を受け付けないなどの不法、不当なやり方がまかり通っています。生活保護他人加算は長い歴史の中で「障害者」自身が勝ち取ってきたものです。もちろん公的介助保障制度が、誰にとっても必要な量が十分なものとしてに確立させられればそれが一番ベストです。しかし現実は違います。今後も絶対に必要な制度です。支援費支給を理由に引き下げ、きりすては許してはなりません。
 今後も引き続き追及する課題です。
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障害者福祉サ-ビス法の中身は障害者の介護保険への統合だ
●障害福祉サ-ビス法に反対しよう!
 6月12日、厚労省は社会保障審議会・障害者部会で「障害福祉サ-ビス法」(仮称)をうちだしました。これは、障害者介助にケア-マネ-ジメントを導入し、利用者負担には応益制度(1割の利用料)を導入するという完全に障害者への介護保険適用を前提にした内容です。そのために介助が必要な度合を判定する「客観的基準」なるものがもうけられ(施設に導入された障害程度区分が在宅にも適用される)、要介護度におうじて介助費用の上限が決まり、審査会で決定された支給量と自己負担できる利用料の枠内でケアプランが作成される、「移動介護」は「障害者介護給付」から姿を消すというもので、もしこれが実施されれば障害者の介助制度は介護保険とまったく同じシステムになってしまいます。
 今年前半、障害者団体に介護保険との統合をつよくはたらきかけてきた厚労省の方針とどこがちがうかと言えば、支援費の予算不足をつかってドウカツするやり方をひとまずひっこめて「障害者福祉の総合化のためのグランドデザイン」という積極的な表現に装いを変えたところと言えるでしょう。 
 私たちは介護保険の障害者への適用に絶対反対です。私たちはもともと国による憲法25条生存権の放棄に反対する立場から、介護保険制度と支援費制度に反対してきました。全身性介護人派遣制度のような地域生活を保障する措置制度のもとで、すべての障害者が必要な人は1日24時間365日、全国どこでも介助がうけられるようにするべきだと考えています。
 いよいよ介護保険への統合に反対する闘いが最大の正念場をむかえるなかで、私たちはすべての障害者の仲間とともに力をあわせて闘いたいと思います。
●障害福祉サ-ビス法は、介護保険をアンコでくるんだ毒まんじゅうだ
 厚労省は、障害福祉サ-ビス法は「統合ではなく、介護保険のつかえる所をつかい足りない部分を税で補うもの」とあたかも「2階建て」があるかのように言っています。でもこれは全くのペテンです。「2階部分」を国は市町村まかせにする方針であり、財政難をかかえるほとんどの市町村が介護保険の枠をこえることはありえません。応益負担も「負担能力におうじて軽減や減額をおこなう」「応能負担にあった扶養義務者の所得認定をなくす」と言っていますが、入れ代わりに「生計を一にする家族の負担能力」が認定されることになっていて、低所得で一人暮らしの人以外は、たとえ支給量が認められても利用料が払えなければ介助がうけられなくなります。精神障害者の通院医療費公費負担も、所得制限をきびしくしたり、指定医療機関でしか受けられなくすることで、事実上の廃止とも言える患者の閉め出しをおこなおうとしています。
 しかも厚労省は、これまで裁量的経費だったホ-ムヘルプ予算を、国が予算確保に責任をもつ義務的経費に今後は変えるのだと成果のように誇っていますが、介護保険に統合すれば財源の半分は保険料でまかなわれるため国の負担分は半減し、その部分は今でも介護保険で義務的経費になっています。「厚労省vs財務省」の図式を描き、厚労省は「財務省と闘う障害者の味方」のようなポ-ズをしきりにとっていますが、なんのことはない介護保険への統合を前提にしているだけの話です。
 すでに介護保険のもとでは02年のたった1年間に東京23区だけでも1396人もの高齢者が孤独死しています(NHK調べ)。しかしこの事態に国は一切責任をとりません。介護保険のもとでは本当に障害者は生きてゆくことができません。国はいつまで障害者をだましつづけるのか! 「毒まんじゅう」なんかもういらない!
●介護保険への統合に絶対反対しよう!
 こんなギリギリになって新法をだしてきたこと自体、許せませんが、言いかえれば今年前半、障害者が介護保険統合反対の運動にたちあがって厚労省が「障害者の合意はえた」と言えない力関係をつくりだしたことが背景になっています。闘えば状況は変えられる。「人間らしく生きたい」という叫びから始まった地域自立生活運動の原点にかえって、障害者の未来をかけて闘いましょう! 団結して介護保険統合に反対しましょう!

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