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2005年5月

2005年5月 1日 (日)

怒りネット通信 第12号

怒りネット通信 第12号
2005年5月1日発行
■怒っているぞ!障害者きりすて全国ネットワ-ク
■もくじ
障害者自立支援法案の国会傍聴報告
4・13院内集会の報告
●障害者自立支援法は、廃案あるのみ!
国会ハンスト第1波(5/10火~13金)を行います
一人でも多く、ご参加下さい!
法案の成立を命をかけて阻止しましょう!
●4月26日に衆議院本会議で趣旨説明がおこなわれ、本格審議は、5月11日からです!
●日程
5/10(火) 11時半 衆議院第2議員会館前(ハンスト座り込み闘争)
5/11(水) 8時 衆議院第2議員会館前(衆議院厚生労働委員会がある日)
5/12(木) 8時半 霞が関クレオロビ-(8団体集会へのビラまき)
5/13(金) 8時 衆議院第2議員会館前(厚生労働委員会がある日)
※10日以降、お問い合わせは、070-6653-5391へどうぞ
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4月26日の衆議院本会議
27日の厚生労働委員会の傍聴報告
 4月26日、衆議院の本会議は午後1時からはじまり、憲法調査会からの改憲推進の報告、何本かの法案の採決のあと、自立支援法の趣旨説明が尾辻厚労大臣からおこなわれました。これに対して民主党の中根議員と与党を代表して公明党の古谷議員が質問にたちました。
 中根議員は、応益負担について「応益負担は所得にかかわらず1割の自己負担を求めること自身が問題であることはもちろん、たくさんの介助が必要な『重度』の人ほど所得はわずかで負担は重くなる。そもそも障害者に対する福祉サービスは『利益』なのか?」。
 また「自立」について「この法案の『自立』は『一人でできるようになる』という意味で使われており、当事者が主張する『自立』つまり地域で自己決定し暮らしていくという考え方とはあまりにもかけ離れたものだ」と批判しました。
 さらに「法案は今後の施策がどのようになるのか具体的になにも示していない。政府は当事者に自分の生活を政府に白紙委任しろと言うつもりか?。審議の過程で具体的な中身を明らかにするつもりはあるのか」等々を追及しました。
 翌27日は、許せないことに厚生労働委員会で介護保険改悪案が採決されました。そのあとただちに自立支援法の提案理由説明が尾辻大臣によっておこなわれました。これはたった数分間、提案理由を棒読みするだけ。とにかく委員会審議に入ったという形式づくりのためとしか思えないものでした。実質的な審議は連休明けになります。国家でのハンスト闘争の力で、これを食い止めましょう!
●26日の午前中には、社会保障審議会・障害者部会も
 今回の部会では自立支援法の準備状況などについての厚労省の説明が、1時間ほど続きました。質疑では、ろうあ連盟の安藤委員から応益負担への批判がだされ、さらに「厚労省は『国民の理解が得られない』という言葉をよく使うがこれは障害当事者への脅しだ。やめてほしい」という指摘がありました。知的障害者、精神障害者関係の委員は障害程度区分について「介護保険の要介護認定の基準を参考にするとしているがこれでは膨大な人が介護を受けられなくなる恐れがある」と指摘しました。
 今回も厚労省の説明ばかりに時間がとられてしまい、充分な質疑の時間は取られていません。
 次に心神喪失等医療観察法の準備状況についての説明がありました。この法律では犯罪を犯したとされた精神病者を隔離するための保安処分施設を、当面全国8ケ所、そして24ケ所へと整備することになっています。ところが7月の法律施行前に施設がなんとか出来上がるのがたったの1ケ所、年度内に3ケ所ができるかどうかで、あとの施設建設の見通しはまったくたっていません。司法鑑定にいたっては、ひきうける所がゼロだとのことです。これに対して医療観察法を推進する委員の中からも「こんな状態で7月に施行ができるのか、延期することは考えられないのか」という「心配」の声が上がる始末です。保安処分にも強く反対してゆきましょう。
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★中野区では、すべての障害者団体が支援法反対でまとまって区議会に要請。
区議会が小泉首相、尾辻大臣、衆参両院の議長宛に慎重審議を求める意見書を提出。
 最初に呼びかけたのは、聴覚障害者のグル-プで、廃案を呼びかけましたが、議会をまとめるために慎重審議となったそうです。
 ほかにも意見書を出した地方自治体があり、DPIのメ-ルマガジン(4/6現在)では次のように紹介されています。
 大阪府・高槻市議会
 奈良県議会
 高知県・土佐山田町議会
 長野県・栄村議会
 北海道・浦河町議会
 茨城県議会
 北海道・八雲町議会
 高知県・吾川村議会
 奈良県・三郷町議会
 高知県・奈半利町議会
 ※川崎市もその後、意見書を提出
★各地で地元の自治体に働きかけよう!
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4・13障害者自立支援法を廃案へ!
障害者と議員の懇談会の報告
 4月13日、衆議院第2議員会館において、怒っているぞ!障害者きりすて全国ネットワ-ク主催の「障害者自立支援法を廃案へ!障害者と議員の懇談会」がおこなわれました。これにむけて2回、厚生労働委員を中心に国会議員に廃案を訴える働きかけをおこないました。この日は石毛えいこ議員(民主党)に会場の手配をしてもらい、福島みずほ議員(社民党)、東門みつこ議員が参加。そのほか社民党と民主党から議員秘書6人が参加し70人の集会となりました。
 はじめに怒りネット代表の小山正義さんから「障害者自立支援法は、従来であれば公的責任で行われてきたものが、介護保険と同様、障害者に1割負担・2割負担ということでお金をかけさせるものです。福祉の世界にお金ばかりが通って、お金がある人はそれなりにやっていけるけど、お金のない人はひどい目にあうわけです。そうさせないため、多くの議員の皆さんに私たちの意向を聞いていただきたいと思い、この席を設けました」と挨拶がありました。
●怒りネットの主張「自立支援法を廃案へ」
 つづいて古賀典夫さんが「自立支援法を廃案へ」と題して怒りネットの主張を提起しました。「厚労省は支援費制度でお金が無いと言っていますけど、とんでもない。支援費制度自体、提供する福祉の水準がそのままだってお金がかかる制度として作っちゃった訳です。そういう制度を自分達で作っておきながら、お金がないと言ってこれを切って行く。その切り方として、まず障害者に介護保険を適用しようとした。ところが全国の障害者が反対して、それは出来ませんでした。しかし今度の障害者自立支援法というのは、介助制度のあり方にしても、1割の応益負担にしても、介護保険とほとんど同じ。だから全国の障害者の声を素直に言えば、廃案しかない。このことを私たちはトコトン求めていきたい。厚労省は、強引にこの法案を進めています。社会保障審議会の障害者部会の委員からも、全国の障害者からも反対の声があがっていますが、全く無視です。そして、まだ法案も通っていないのに、5月には全国の自治体にいっせいに準備を開始させます。6月には法案が通ることを前提として、政令・省令を出すと言っています。さらに本当にふざけていると思うのが、7月にこの法案を元にした具体的な事業計画を出すと言っている。それは、そもそも法案を国会に出す前に皆に明らかにすべきではありませんか。そういう形でどんどん進めようとしている。予算委員会の質問に答える場合でも本当にふざけている。どういう介助制度がおこなわれるのか、応益負担の低所得者対策をどうするのか等、結局すべて具体的なことは『検討中』としか言わない。障害者が本当に知りたいことは全部『検討中』。私たちは法案を廃案にして欲しい。そのうえで最低限、全体でどんな福祉になるのかという事業計画を出すまで、国会審議をしないで欲しい」と強く訴えました。
●法案の具体的な中身とは
 「この法案については『理念は良いんだけど中身がひどい』ということがよく言われます。『能力と適正に応じて』自立生活とか社会生活をできるようにするんだと言っている。この『能力と適正に応じて』なんてこと、なぜ言わなければいけないんでしょう。『すべての障害者が地域生活をできるように』って言えばいいじゃないですか。そうじゃないんですね。グランドデザインの時に、社会保障審議会の障害者部会で話合っている時に、厚労省の人が言いました。『訓練すれば施設から出られる人もいる』と。この社会の現状に適用できる人だけ、そういう能力のある人しか施設から出さないんだって言っているんです。それが、この法案の全体を貫いている理念ではないかと思います。
 具体的なことをあげてゆくと、もっとヒドイ。1割の応益負担ということが言われていますけど、一体僕ら何か『益』を得ているんですか。応益負担というのは障害者に対する介助制度とかについて、国が保障すべき、必要欠くべからざるものなんだ、絶対必要なものなんだということではないんですね。考え方が。『これはサ-ビスなんだ、サ-ビスだから、あなたたちは利益を得る、だから金を払え』そういう話なんですね。介助があって動けたり、生活できたり、人とコミュニケ-ションがとれたりできる、そういうのが障害者な訳ですよね。それが『サ-ビスで利益を得る』ということなんですか? 厚労省は、障害者はサ-ビスに対して金払っていないってことだけ声高に言うんです。だからこの応益負担ということは、高齢者もそうですけど、その人の状況なんか考慮しないで、とにかく支払わない奴にはやらないんだと。生存権の否定だと思います。
 きめ細かに低所得者対策やるって言うけど、住民税ふくめて全然課税されていない人達を2段階に分けているだけですよ。『低所得1』という、障害基礎年金で言えば2級、月に6万6千円もらっている人が該当するんですが、この人からも1万5千円とる。で、もし自立支援医療というのにかかると2500円さらにとられる。補装具などでもさらに別にとられる。また障害基礎年金1級の人が当てはまる『低所得2』、ここの人は介助と訓練だけで2万4600円とられます。さらに自立支援医療にかかれば5千円とられ、補装具でまた取られます。地方自治体にまとまったお金を渡して、あとはいっさい割り振れという地域生活支援事業も有料になる可能性がありますから、そこでもお金をとられる可能性があります。
 施設の障害者はどうなるのか。今まで1級の年金の人が3万4千円が上限だったのが、6万8千円とられる話になります。今までの支援費制度は、その前の措置制度の時の状況をうけついでましたから、ホ-ムヘルプなどの地域での介助については住民税非課税の人はタダだったし、住民税課税で一番低いところの人は1100円が上限だった。ホ-ムヘルプとかの関係は。それがそれだけとられるようになっちゃうんですよ。こんな値上げってありますか。そうなると、例えばグル-プホ-ム関係者から、生活が成り立たなくなって破綻する人が続出するって声がでています。グル-プホ-ムにいたって作業所か何かに通うだけになっちゃう訳ですよ。施設にいるのと変わんないじゃないですか。下手すると、ホ-ムヘルプ受けている人だって家から出られなくなっちゃう。本当に生活が成り立たなくなる状況だと思います。
●国は法案の中身を障害者に隠すな!
 ホ-ムヘルプの時間数についても、どれくらいの時間を保障するかということも何もでていない。介護保険の基準とか、一昨年に国が示したホ-ムヘルプの上限では、どんなに重い人だって1日4時間程度しか保障しないって話ですよね。これじゃ生活が成り立たない。だからこの4時間という話が結局ここでも出てくるんじゃないか。障害程度区分という介護保険の要介護認定と同じような発想をしているんです。そのなかで最高でも4時間程度しか保障されないとも考えられています。厚労省はこのことについて絶対『検討中』としか言わない。こんななかでは本当に生活が成り立たなくなって死ぬ人が出るんじゃないか。
 さらに自立支援医療といって、更生医療、育成医療などの身体障害者関係の医療と、精神障害者関係の通院公費をまとめると言っています。実は単にまとめるのではなくて、たくさん対象を切り捨てちゃうんですよ。例えば更生医療・育成医療にかんしては、目から耳から身体中のいろんなことに関しての医療が入ってたんですけど、それを腎臓関係・免疫関係・小腸関係だけにしちゃって、ほとんど消してしまうんですね。ただ身体障害者については、地方自治体の医療無料制度があるので、それでなんとか直撃をうけずに済むのですが、直撃を受けるのは精神障害者の方々です。精神障害者には、差別的な福祉制度のもとで、この無料医療制度がありませんから、対象から外されたら、あとは健康保険の3割負担です。では、この自立支援医療というところに精神障害者が残れたとして、それでも5%だったこれまでの負担は1割になる。また本当にこの医療の対象なのかということについて毎年チェックされるし、さらにどこの病院に行くべきか、精神障害者にとってどのお医者さんにかかるかは、すごく大きな問題なんですね。その先生と合うかどうかというのは。それなのに医療機関が指定されてしまうということになる。この法案をつくる時に精神障害者も身体・知的障害者と一緒に入る福祉制度だということで、これはすばらしいんだとって、うたい文句がありましたけど、何もいいことないですよね。社会復帰施設でも利用料が新たにとられるようになりますし、精神保健福祉法の方も大きな改悪が一緒に行われます」。
 そして「ハンストでも何でもやって廃案にしたいって声が、本当に上がっています。この間、ピープルファーストの人達を先駆として徹夜の座り込み闘争とか、色んなことが行われて来ているけど、もっと激しい闘争もやっていきたいと思います。国会議員のみなさんには、ぜひともこの私たちの思いを受け止めてもらって、生きてゆけなくなってしまう自立支援法案を絶対廃案にしていただきたいと強く思います」としめくくりました。
●国会議員の発言
 次に、社民党の福島みずほ議員から発言をうけました。「私は介護保険改悪法案と障害者自立支援法案反対という立場で、皆さん達とがんばって廃案にむけて大きな運動をつくっていきたいと思っています。一番問題なのは、生存権を侵すことです。国会の憲法改正の議論の中で危機感を持っているのが、生存権の見直しが言われていることです。二極分散の中で福祉のきりすてが行われていって、勝ち組以外はきり落として恥じない社会をつくりつつある中なかで、この障害者自立支援法案も位置づけられると思っています。財政負担のことを言っていますが、それは違うと本当に言いたい。原子力発電所のゴミの再処理の問題には、六ヶ所村だけで19兆円以上お金がかかると言われている。沖縄の辺野古の沖で、14年かけて1兆4千億円かけて海上基地をつくりつつある。ミサイル防衛計画でも最終的には何十年かかるか分からない。命を殺すことにお金をかけるのではなくて、命を救うことにお金を使えという、そういう当たり前のことを通していきたい。」
 「介護保険の改悪法案が今議論中ですが、介護保険に準拠して将来的に介護保険と合流できるように設計されている。だから2005年10月、介護保険の施行が10月1日なんですが、10月から段階的に実施になる。駆け足でポイントだけお話します。
 第1の問題点は、当事者無視、あまりに拙速な法案。グランドデザインが出たのが10月12日ですから、当事者の意見も聞かずにあまりに拙速ではないか。
 2つ目は、公費負担医療の見直しによって自己負担が増加する。これはもし成立すれば今年の10月1日から実施予定ということになっています。障害の種類によって異なっている医療費負担軽減の仕組みを統一することを題目に利用者の自己負担増加になると。現行は医療費一律5%である精神通院公費については一定所得以上は3割負担と言う話が先程もありましたが、そうなります。また医療機関指定制度の導入、一年ごとに医療の必要性や所得状況の確認を一年ごとにやる。いかに当事者の人にとって負担になるだろうと。厚生医療、また18歳未満の児童が対象の育成医療、腎臓機能、小腸機能、免疫機能障害等についても、利用者の医療費負担が増えて、入院時の食費、材料費、人件費が原則自己負担になると。これが非常に重くなると思います。」
●応益負担は生存権の破壊だ!
 「3点目が、先ほど言いました、応益負担の導入が、生存権を壊していくと。これは、来年1月から、もし法律が成立すれば実施予定ということになります。先ほども言いましたが、応益負担となると障害が重ければ重いほど利用者負担が重くなるというふうになってしまいます。多くの障害者のかたの収入は、障害年金しかない場合があるわけですが、結局収入の実態と全く見合わない形になっていくだろうと。
 4点目が、世帯収入に基づく減免措置で、家族による費用制限になってしまう。生計を一にする者の範囲によって、その人たちの全体の経済力を勘案すると、対象者が非常に絞り込まれて、保護者・家族の判断でサービスの利用を制限するケースが出てきちゃうんじゃないか。特に知的障害者の多くが親と同居しているため、影響がとても大きい。データを見ると実際にそうですよね。ということが言えると。
 5つ目は、国及び都道府県の負担について国の総額管理につながってしまうんじゃないか。
 6番目が、課題が多い新障害程度区分。今まで支援費だと市町村で認定をしていたわけですが、反面、格差が問題になった。今度の障害者自立支援法案は認定の客観性を担保するために市町村ごとに審査会を設置して、1次2次の判定を設けると。これが介護保険制度の要介護認定は身体機能に偏っているため精神・知的障害者の人達が正当に評価されるかどうかなどの認定についてもすごく危うい。問題がここで決まりますから、きちっと言っていかないと、とても問題が大きくなるんじゃないか。
 7番目が、移動は社会参加の基本だから、これは介護給付でやるべきであると思っています。これは支援費制度だとホームヘルプサービスに位置づけられていた移動支援が、法案では介護給付から外れて、市町村または都道府県が行う地域生活支援事業、相談支援、日常生活用具、手話通訳派遣などのひとつに位置づけられてしまうと。だからこれは介護給付できちっとやらないと駄目じゃないかと。
 8番目、判然としない施設体系、事業体系の見直しで、法案が地域生活支援・就労支援に対応するために各種施設の運営基準の緩和、施設基準の緩和、運営主体の緩和等を行い、5年程度をかけて新体系へ移動するとなっているけれども、中身が判然としないために業者の皆さんや、家族の人達、サービスの利用者の人達にも、すごく不安があるんじゃないかと言うことなど。
 ちょっと細かく8点について申し上げましたけれど、どれひとつとっても極めて大きな問題です。でも大きくは、生存権を壊すなと。人の命を救うことに予算を使え、人が生きていくことは基本的人権で当たり前のことだ、ということで大きく運動を作っていきたいと思っています。とにかく廃案を目指して一緒に頑張って行きましょう」「憲法改悪の問題も、やっぱり平和と基本的人権の問題もあるので変えられないように、そちらの方も逆に応援して下さい」と力強く訴えられました。
●各地からの発言
 各地からの発言にうつり、最初に兵庫県精神障害者連絡会の高見さんが発言しました。
 「自立支援法で精神科医療の大幅な改悪が行われようとしています。今、通院医療費の公費負担というのが行われています。私の場合、妻が働いていて、所得税課税世帯ということになります。医療費が月5万3千いくらかかっている中で、自己負担が、1年間は月5300円と、1年後になると30%と言うことで月1万6千円になります。(私はこう発言しているのですが、最新の情報によると厚労省は、一年毎の見直しを行い、2年目から30%にするというのではないと言っているようです)それを年金の中から払わないと医療を受けられないということになってしまうわけです。所得によっていろいろ細分化されているんですけど。自己負担ゼロっていうのは無くなります。とくに問題だと思っているのは、精神障害者に所得保障がまったく無いということ。なぜなら病気だと言うことで雇ってもらえない。あるいは、働いているところを解雇される。私は見事に解雇された例なんですが。もう片方で年金の認定には重度でないと年金は出ない。そういうところに自己負担が10%、30%と襲いかかって来るということになるわけです。もともと精神障害者に福祉はないと言われているけど、最低限医療はあったわけです。その医療からも弾き飛ばされてしまう人が沢山出てくるわけです。それで厚労省は何しようとしているのか。ご存じのように一昨年に医療観察法というのができまして保安処分病棟というのが作られているんです。その運営費が、拘禁のための費用だけで年間151億円、精神保健予算の実に15%かかるんですね。片方で精神医療費の公費負担制度やめてしまって、もう片方で保安病棟に収容してしまう。これについては知っている精神障害者であれば誰でも反対してます。知ってるという限定をしているのは、実はこの制度でこういうことが行われるっていうことが、全く知らされていない人が殆どだという状況があるんですね。家族会も、何かと僕らと対立しているんですけど、これには反対している家族会は多いです。
 保安処分法の方は、地元の反対で病棟がつくれなくて初年度から破綻することになった。自立支援法についても、たたかいによって破綻させることは全く可能だと思っています。そのためには一人でも多くの精神障害者にこの問題を知らせて行く必要があります。関西からでも国会に駆けつけて、座り込みであろうが、ハンストであろうが、医療が受けられずに殺されるよりは、自らの闘いによって、勝利を切り開いて行くっていう、そういうものとして闘って行きたいと思います」と述べられました。
●支援費制度導入時、「福祉の町田」でおこった介助保障の低下
         
 つづいて町田チェーンの会代表の安藤さんが発言。「町田市は支援費制度でもう破綻がおきています。国庫補助基準額という、1日当たり全身性は4時間という時間に新規申請者は限定されている。なぜこのようなことが起きているかというと、町田市というのはやはり全国屈指の有名な、福祉の町田と言われるぐらい、福祉政策が充実していました。支援費制度が始まる前から町田市に住んでいた人は、1日当たり20時間サービスを受けられていました。しかしながら、今は15時間です。さらに、先程も言いましたように新規申請者は4時間。この4時間というのは国庫補助基準額とリンクしていますし、介護保険法の要介護度5とリンクしています。つまり、どんなに重度であっても、1日当たり4時間しか受けられなくなってしまいました。それで何が起きたかというと、既存の20時間から15時間に下げられただけでも多くの人が入院したり、精神不安に陥ったりして、結果的にお金が、社会保障費がかかったわけです。
 町田市になぜこんなに障害者が多くなったかというと、やはり地方ではなかなか生活できない重度の障害者が、町田市に集まってきたわけですよ。それは厚労省の福祉政策が怠慢であったと言えるわけです。つまりナショナルミニマム(国が最低限保障すべき生活水準)というものは、町田市や八王子市や東京都の多磨地区で、行われたわけです。それなのに格差の是正ということで、まだまだナショナルミニマム以下の地方に合わせようとするのはいかがなものかと思っています。
 障害者自立支援法というのが出ていますが、介護保険との統合というのは今は少し身を潜めていますが、これもみんな基準は1日当たり4時間。これでは高齢者は、家族がいるから何とか生活できるかも知れませんが、僕らは親が主たる介護者だったので、僕らが年を取ると、親はもっと高齢になって行く。自立をしなければならない要請が多くなります。僕は二十歳から障害者ですが、生きる意欲満々です。なのに障害者も、高齢者と同じように生きて行けって言うのは、ちょっと違うと思っています。ぜひともその辺をご理解いただいて、障害者自立支援法を廃案にしていただければと思います」
●新潟で事業体がヘルパ-派遣を拒否
 
 さらに新潟の「障害者の生活を共に考え実現する会」から、代表の桐沢に代わって、介助者の木村さんが報告しました。「ちょっと具体的な話になるんですけど、最近私たちが新潟で経験した、重度の障害者が大変困難な状況に陥っている友人Aさんの例を紹介したいと思います。交通事故が原因で脊髄を損傷し、首から下が全く動かせなくなった女性で、まだ20代です。介護を受けながら単身で生活しています。このAさんが、どこからも介護を受けられないという事態が起きています。Aさんは首から下が動かせないのですが、痛みやしびれ等の感覚は全身に残っています。したがって、ヘルパーに求められる課題は、非常に複雑で困難を極めています。半身を電動で起き上がらせることのできるベッドを、ギャッジベッドと言うんですが、上げたり下げたりすることを、ギャッジアップまたはギャッジダウンといいます。ヘルパーの困難さは、例えばギャッジダウンする場合、角度にしてほんの2~3度下げるのに痛みのために1~2分かかるわけですね、30度位の角度を下げるのに10分以上かかるわけです。また就寝する際、身体の下のシーツのしわを、Aさんと確認しながら一つ一つ取って行く、そうしないと、痛みのために、一晩中その部分をシーツのしわによって、虫が這いずり回るよな感覚に悩まされて眠れなくなると。あるいは、足の向きや位置についても、ミリ単位の作業や注意が必要とされます。ヘルパーをする側としては、細心の注意が必要なAさんなのですが、長期にヘルパーとして係わった人でないとなかなかAさんの満足する介助はできないという状況なわけです。
 新潟市では、市内で居宅介護を提供する事業者としては最大規模で、新潟市内のヘルパーの90%近くがB社の所属になっています。Aさんは、B社以外にも複数の事業所と契約していたのですが、主要な介護はほとんどB社から受けていました。B社以外の事業所は、介護の困難さを理由につぎつぎと契約を破棄していきました。そしてさる2月に、B社が3月一杯でAさんの介護から撤退すると言って来ました。理由は、Aさんの介護ができるヘルパーが育たないというのです。Aさん宅への派遣を拒否するヘルパーが続出していると言います。つまり、Aさんの介護が困難だから契約しないと、B社が言ってきたわけですね。
 2月の末に、AさんとB社と市の障害福祉課が集まって話し合いが持たれました。Aさんの求めに応じて、私と桐沢の2人が、その会談に立ち会ったんですけど、話し合いとは名ばかりの、Aさんに対する解約通告の場に過ぎませんでした。B社は『一昨年から始まった支援費制度によって、一民間事業者に過ぎなくなったので、事業者として、責任の取れないことは出来ない』といいます。市はB社の言い分を黙って聞くだけで、応諾義務を果たすよう求める場面もありませんでした。B社も市も、Aさんが介護を受けられなくなるのは、あたかもAさん自身に原因があるかのような言い方をしていました。ヘルパーを育てるのはAさんの責任だと言わんばかりです。ヘルパーが逃げ出さないように態度を改めなさいと、いうようなことを言うんですね。
 その時点で、Aさんはあと1カ月しか生存が保証されないと、4月からどうやって生きて行けばいいか分からない状態になってしまったわけです。そして新潟市は、4月からは『自分で別の事業者を探しなさい』というわけです。
 支援費制度が始まる際、『利用者本位、サービスが選べる』などと言っていたわけですが、当初予想したとおり、利用者の側が選別され、手のかかる障害者は、このように生存が脅かされる。そしてそれは自己責任であると言われるようになってきました。大変恐ろしいことだと思います。
 Aさんの場合、ヘルパーがなぜ逃げ出すかというのは、限られた時間に、過大な作業を要求されていることが、問題の核心であり、ヘルパーが精神的に余裕をもって、Aさんとの信頼関係をきちんと築けるような、そうした時間的ゆとりが十分に与えられれば、解決する問題だと思います。
 障害者自立支援法案は、結局Aさんのような重度の障害者の自立生活を、致命的に阻むことは明らかだと思います。支援費制度のような利用契約制度は、生存権が自己責任にされてしまうものであり、納得できません。憲法には国が生存権を保証すると記されています。生存権とは当事者がサービスを期限付の契約で買うようなものではないと思います。ぜひとも障害者自立支援法案を廃案にしていただきい。なおAさんは3月中に、これまで係わったことのない新たな事業者と一応契約して何とか4月からの生存は今のところ確保されているという状況です」。
●率先して厚生労働省に座り込んだピ-プルファ-スト
 知的障害者のグル-プでピープルファーストジャパンの小田島さんと佐々木さんからも発言をうけました。小田島さんは「代表の小田島です。僕たちも介護がついていないと、できない人はいくらでもいます。障害者のなかでも、それを何で介護ができないんだと悩まされていて、介護保険になったらお金がかかるようになる。自分たちは働いていないのに、そんなにお金をどっから運んだらいいのかっていうのを考えても考えられなくなって、ピープルファーストとして、ジャパンとして厚労省前で座り込みをやりました。もっとピープルファーストとして、なぜ知的障害者と他の障害者の人達がこんなに楽にならないんだろうと、僕たちは本当につらく思っています。それでやっぱり、介護保険になって、どこにも行かれなくなって、大阪まで行かれなくなっちゃうんじゃないかと。じゃあジャパンとしたらどうしたらいいのかっていうことも、本当に考えなきゃいけなくなって、自分たちの会合もできなくなって、これ困るなぁと、一人一人思っています。よろしくお願いします」と発言。さらに佐々木さんからは「副会長の佐々木のぶゆきです。ピープルファーストジャパンは、ピープルファースト東久留米が中心になって座り込みをやって、怒りネットの人も泊まり込んでもらいました。ありがとうございました。DPIとかも来たけど2~3時間しか居なかった。これからもピープルファーストジャパンの仲間もみんな、この法案に反対していて、ビラ撒きとかをやっています。一緒にたたかって行きましょう」という発言がありました。
●知的障害者の親の立場から
 また知的障害者の親の立場から「26歳の知的ハンディのある子の親です。支援費自体がサービス業になったから色んな問題が出てきたように思うんです。障害者にこんなにお金がかかって、さらにさらにお金がかかるんだよって言うために、厚労省がアリバイ的にやったことではないかと思っています。介助者の質っていうのも、自分たちが実際に経験していないから、机上で考えている。質っていうのは、ひたすら勉強して資格を取って、さらに上の資格をとって、質を上げるっていうふうに考えているんですが、そういうことではないということを本当に知っていただきたいと思っています。あとQOLというのも、言葉として昔からあるんですが、QOLというのは誰のためのQOLなのか。当事者のQOLということきっちり考えてもらいたい。その人が求めていることがQOLなんだということを解ってもらいたい。今、うちも週に2回介助体制に穴が空いちゃったんですね。資格がないと入れないということで、完璧に穴が空いちゃいました。これを誰がどのように保障してくれるのか、本当にどうしようかと思っています。また事業者にも今、人がいないんですね。現実に人はいるんですが、知的の場合は、うちの子もまだ若いですから、体力がありますから、年配の人ではダメで、体力とかそれなりの対応力とか必要なものですから、誰でも良いというわけじゃない。それを合わせますと、今全く事業所にもそういう人がいないと言うことで、穴があいています。応益負担も、言わばサービス業にしたから応益負担みたいなものが出てきているんだと思うんですね。だからその法律自体が良くないんですが、その法案を前提にしての話でも、知的の場合で、行動援護という審査の内容が出ていたんですが、その中に『不適切な行動』というのがあって、さらにその中に『他人に抱きついたり、物を盗んでしまうなど結果として暴行、窃盗などの触法行為となるもの』、それがいろいろ月に何回あるとか。すごくもう、犯罪者の予備軍的な捉え方をされていて、これを読んでて、すごい憤慨してしてまったんですけど、行動援護自体、法案を認めるということではないんですが、その中にこういうことが入っていたんで、その点を言いたいと思っていました。廃案のみだと思います」と述べられました。
●つづいて会場からの発言
 京都から参加した佐々さんが発言。「関西から来た者です。この法案が通ったらどうやって生活していこうかと思って迷っているところです。私は今精神科に通っているんだけれど、この法案が通ったら、その精神科も変えないといけない状態で、どうしようかと思っています。絶対に廃案に追い込みたいです」
 大田区の鈴木敬治さんは「大田区では移動介護が32時間に削減されてしまい、それに対する運動を行って来ましたが、この間全国の署名活動を行ってきました。1950人分の署名が得られて、これを大田区役所の区長に提出しに行ったんですけど、受け取ってもらえませんでした。区会議員、代議士の方々とか、多くの方々に協力してもらってありがとうございました。それから先日JRの蒲田駅で、僕の車椅子が持ち上げの介護を拒否されたことに対して抗議をしたところ逆に駅員から暴言を吐かれて、警察に僕の介護者が逮捕されました。今この2つの問題を、大きな問題として動いています」と発言がありました。
 また世田谷区の森下さんから「世田谷では、森下は日常生活支援と移動介護合わせて、1日16時間まで制度として保障されているんですけれども、もちろん24時間生きて行かなければいけないんで、その間、介助者の要る人については8時間については出ていないという状況なんですね。今年の初めになってからさらに世田谷区は、公務員としてヘルパーが何人か、40人ちょっとですか。40人ちょっとが世田谷区の職員として公務員のヘルパーが、40人ちょっとの利用者のところに派遣されているんですけど、それが来年4月に打ち切られるという話が出てきまして、その利用者の中の22名は、公務員のヘルパーだけしか受けていないと。そういう中で、打ち切りの理由が、民間の事業所が育ったからという安易なことだったんですけど、今までの報告や何かでも民間がどれだけいいかげんなことをしているだとか、障害をもっている人を選別しているというようなことを考えると、かなり厳しいという状況です。それがさらに障害者自立支援法が施行されれば公的責任はなくなるだろうし、暮らして行けなくなる。絶対廃案にするしかない」と語られました。
 さらに茨城の里内さんは「前は移動30時間取ってた。生活圏内の外出は日常支援で出来てた。土浦に引っ越ししたら生活圏の移動も入れて8時間しか認定されなかった。8時間が土浦の基本的水準。3回の交渉でやっと前の水準にしてたけど土浦は自立支援法の先取りをしてると思う」と発言。介助者から「4月に引っ越す前は移動で30時間取ってたんですけれども、8時間にされて、それが8時間というのも、土浦市の方で役所の人が、これが重度障害者の基本的基準だと。月8時間。これが日常生活支援では買い物とか散歩とかは出来なく、外へ出る行為は一切移動であると。それを含めて8時間だと。3回の交渉でやっと、ひとつ前の移動30時間で、日常生活支援の範囲で買い物・散歩、近くの外出等が認められ、やっと前の水準に戻ったということです」と報告されました。
 つづいて板橋の松本さんから「聞いていて思ったことを言うと、随分格差があるんだなぁということ。今板橋で、15~6名が24時間。これが来年度支援法が施行されたらどうなるのか。事業所なんかやっているので言うと、来月からうちは派遣したいんだけど、本当に派遣できるのかなってこと。板橋の筋ジストロフィーの方が2名いて、2名の方が自立生活をしている。1人の筋ジストロフィーの方の支援費支給量が20時間だったので、私が交渉に赴き24時間にしました。2名の内の、1名の方というのは、呼吸器とかも付けているわけね。そうすると24時間必要だということで、一応認めたんだけど、もう1人については19時間。この法案が通ってしまったら、呼吸器を付けていて、数時間しか認められなくなるということは、その間なにかあったら、どこがどう責任取るのか問題
。この法案は廃案しかないなぁ」という思いが語られました。
●ハンストで闘おう!
 最後に、司会の酒井さんが集会決議案が読みあげ、参加者全体が拍手で了承。「この集会決議を国会議員の皆さんにとどけ、本当にこれから始まる審議に、ぜひ廃案という立場で頑張るように要請して行きたいと思います」としめくくりました。
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集会決議
 私たちは、「障害者自立支援法」の廃案を求めます。
 今回の「障害者自立支援法」の最大の問題は、障害者施策の仕組みを事実上、介護保険と同じにするということです。1割の応益負担、「障害程度区分」の認定、支給量に上限を設定する全国一律の「サービス提供の客観的基準」など、どれをとっても介護保険と同じです。現在、地域で生活している障害者の多くが介助時間を大幅に削減されるのは明らかです。そのうえに自己負担が払えない障害者は、減らされた介助さえ受けられないという現実が待っているのです。また、これまで障害者福祉から取り残されていた精神障害者にも「福祉施策を提供する」と言ううたい文句とは裏腹に通院医療費公費負担を廃止する等、精神障害者を切り捨てるものとなっています。これでは障害者の生活は成り立ちません。
 「重度」の障害者ほど多くの介助を必要とし、多くの介助を必要とする人ほど多くの自己負担が要求されます。しかし満足な所得保障もなく、障害者の大多数は就職先もなく、高額な自己負担は払えません。そうした障害者に国は死ねと言うのか! どんなに「重度」な障害者でも当たり前に地域生活ができるような介助制度を国が責任もって保障することこそ、障害者福祉なのてはないでしようか。
 「障害者自立支援法」は骨組みが示されただけで、障害者に制度の詳細はまったく明らかにされていません。それを隠したまま、法案だけ先に通すというようなやり方は絶対に許せません。
 私たちは、障害者が人間らしく当たり前に地域生活ができる介助保障を求めます。政府は口を開けば「財政危機だ」と、あたかも社会保障費が財政破綻の最大の原因であるかのように言っています。これはとんでもない大嘘です。財政赤字の最大の原因は「景気対策」の名の下に、大企業と金持ちばかりを優遇する政策をつづけてきた結果です。なぜ、そのしわ寄せを障害者や高齢者、「社会的弱者」ばかりが負わなければならないのですか。施設隔離に反対し「人間らしく生きたい」という思いから障害者が30年かけてかちとってきた地域自立生活を奪わないで下さい。「障害者自立支援法」の廃案を強く求めます。
 以上、決議する。
2005年4月l3日
障害者自立支援法を廃案へ! 障害者と議員の懇談会、参加者一同
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〔定価100円〕

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