« 2005年5月 | トップページ | 2005年9月 »

2005年6月

2005年6月25日 (土)

怒りネット通信 第14号

怒りネット通信 第14号
2005・6・25
怒っているぞ!障害者きりすて全国ネットワ-ク
---
もくじ
・国会ハンスト座り込み・第2波行動の報告
・都議選で法案賛成候補は落選させよう(アンケ-ト)
・6・5怒りネット関西結成集会の報告
・「修正項目」をだした民主党に対する要請書
---
★障害者自立支援法の国会会期内の成立を阻止しました!
★都議会議員選挙で「自立支援法」に賛成の立候補者は落選させよう!
★廃案は障害者みんなの声だ。障害者団体8団体の幹部は勝手に法案に合意するな!
★7・6院内集会に集まろう!
10時半第1衆議院議員会館ロビ-集合
11時~13時第4会議室で集会
---
国会ハンスト座り込み・第2波行動報告
ガンチャンの国会行動報告
岩崎晶子
●怒りネットの国会抗議闘争
 5/10、11、12、13日 (第1派ハンスト泊り込み)
 5/25、26、27日 (第2派ハンスト泊り込み)
 ガンチャンこと、私、岩崎晶子は、関西から国会行動に参加した「精神障害者」です。5月10~13日の座り込みは、前の号で報告されていますので、私は第2派泊り込み行動を報告します。
<5月25日>
 10日も経ってるし、あったかくなってるだろうと思っていたら、とんでもない! 寒い寒い! 私は例によってスロースタート、お昼頃国会前に着く。みなさんビラまきやアピールをおこなっておられました。午後からは私は「精神科通院医療費公費負担廃止反対」の署名取りをしました。「石原、許せないわね」と言う人が2人は居ました。石原の「障害者差別」をよく理解してくださっていて、うれしかったです。議員回りをしてくださった方もいらしたのかな? ちょっと記憶が・・・。今この原稿を書いている私は、6月5日におこなわれた「怒りネット関西」の結成集会でパワーを使い果たし、空っぽになっています。ごめんなさい。25日は、なんといっても夜が印象的でした。昼の行動を終え、お泊り体制に入って7時過ぎかな、買ってきていただいたお弁当を5人くらいで集まって食べていたんです。そしたらぞろぞろと機動隊やら警官やらが来て、その中のわりと若い一人、麹町署の警官が「この後ここで何をするつもりだ、道路交通法で禁止されているからどけ」と言って私たちを排除しようとしました。みんな壁にぴったり引っ付いて座りました。あらま!いつの間にやら、10人ほどの警察が。取り囲まれてしまいました。でも私たちに話しかけてくるのはその一人だけで、他の年配の警官や機動隊は表情も変えず、にらみをきかせています。「指示に従わなければ検挙する」と高圧的です。「昼間は大目に見ているが、夜ここに居続ける事は許さない。これまでここで夜に座り込みを認めたことはない」と言うのです。こちらはみんなでわぁわぁと、「抗議行動しているんです」「検挙してして! 自立支援法廃案のために徹夜で座り込み抗議していることが宣伝されてうれしい」とか「11日から13日まで徹夜で座り込んだんですよ、記録見てないんですか?」「厚生労働委員会の議事録にも議員が発言していますよ、見てきて下さい」とか口々に反論しました。最初は怒り爆発で、ちょっと汚い男言葉の大阪弁でまくし立ててしまい、H君が横で「こわぁ~い」とひいていました。ごめんちゃい。なんやかんやと言い合っているうち、警官が名刺を出してきました。変な警官。鳥井満君と言うそうです。名刺に書いてある警察の交通安全標語をSさんが尋ねたけど、まったく鳥井君は分かりませんでした。"おもいやり、人に、車に、この街に"だったんで、「私たちにも優しくしてくださいよ、それとも私たち、人じゃないの?」とか「あなたたちは請願権無いのですか?」「ええ! ないの? おかしいよ。人権を認められてないってことですよ。」「人権感覚磨いたほうがいいよ、いい加減いい大人なんだから」などと落ち着いてお話しました。 まあ結局、「どうしてここに居てはいけないのか、ちゃんと根拠を示してください。署に帰ったら六法全書あるでしょ?」と言う話になったのですが、向こうはまったく対応できません、そんな事例はないと言うことなんでしょうね。最後は「横になったら検挙」「はいはい、横になりません」と言うことで、9時近くに警官、機動隊は散っていきました。私たち用に一人、張り付きの警官が一晩中立ってました。交代はしてたみたいですが。 24時を過ぎた頃から、恒例となっているのかな? みんなで少しばかりのおちゃけで交流をしました。楽しかったです。権力との攻防、おちゃけを飲みながらのお話で、ますます仲良しになった気がします。お泊り組みは、夜から参加のAさんを交え10人強だったと思います。
<5月26日>
 地下鉄のトイレが使えるようになるのが5時10分頃からです。夏至も近いことですしもうすっかり明るかったです。寒くてぶるぶる。国会門番の警官は立ったまま、こっくりこっくり。
 私は洗顔セットを持っていざトイレ、議員会館のお掃除をしているおばさんとお会いし、いろいろお話して座り込みの宣伝もして一緒に帰ってきました。ダンボールや毛布を片付け「鳥井君は来なかったね」「私たちに言いくるめられちゃって、先輩に怒られたかな」とか言いながら、買いに行ってくださった方から朝ごはんをいただきながら、早朝から来られた方はもう、ビラまき開始です。7時半頃には出勤アワーです。9時半頃まで続くんですよね。いろんな仕事をしておられる方が居るのでしょうね。ビラはこの日から、「障害者自立法案に賛成する党を都議選で落選させよう」というタイトルが入り「昨日までのとは違うビラです」とできるだけ受け取ってもらえるようにしました。この見出しが入り、議員関係の人たちも、少しはビクッとしたかも? 
 Oさんが今日はお泊りに参加されます、ハンストにも決起です。11時頃、関西の友達が来ました。彼女はいつもしんどそうなのですが、ぜんぜん違って、ものすごい元気! ビラまき、署名取り、議員回り、と、自主的に積極的に、ものすごい勢いでがんばってました。「ちょっと休まんと、しんどいよ」と声をかけましたが、「いや、ここに居る人に比べたら、私なんて・・・」と、がんばり続けました。すごい! うれち~! Kさん、Sさん、Hくん、みんな元気です。ハンスト中なのに、議員回りも果敢にされるし、夕方は自民党本部前や、駅前まで行って、ずっとビラまき! すんごいパワーです!! 尊敬! ビラが足りなくなるくらいです。この夜は、新潟からの方々や、大田区のグループで、大盛り上がりの大宴会でした。30人~40人くらいでしょうか? さすがに権力も手が出せなかったみたいです。大田の方々、遅くまでありがとうございます。終電までいてくださいました。
<5月27日>
 朝起きたら、Sさんが発熱されていて、無念の撤退、その後しばらく具合が悪かったそうです。この命がけのたたかいを、議員・大臣に伝えたい! ちったぁ分かろうとしろ、っちゅうねん! この日は、朝から修学旅行の中学生、小学生がバスでいっぱい来ました。なんだか彼らに話したくなって、「マイクでしゃべっていいですか?」ってお願いしてずいぶん長く話しかけました。教育労働者にも話しかけました。障害者は、2人は居たのがわかりましたが、他にも居たかもしれない、旅行に一緒にこれなかったクラスメイトも居たかも。「障害者」も一緒に地域で暮らしたいこと、民主主義は国会の中だけでは守られないこと、私たちは少しでも良い世の中をあなたたちに受け継ぎたいこと、いろいろ話しました。手を振ってくれる子どもたちも何組かいたし、こっちを向いて聞いてくれる生徒や教師も居ましたが、完全に無視して遊んでいる教師も居ました。でも負けない! 議員回りをしてこられたKさんが「自立支援法の学習会に誘われたので行きたい人はいますか?」と誘ってくださったので、参加させてもらい、質問はするは、最後にはKさんが「障害者代表」として発言しました。学習会が終わった後、私たちの前を通った参加者が、カンパをしていってくれました。「障害者問題」に取り組んでいる地方議員のネットワークだそうです。主催して誘ってくださったH議員は、私たちのところで、「参加してもらって、良い学習会になった。共にがんばりましょう」と発言してくださいました。だけど学習会に説明に来た厚労省の役人に、腹が立って腹が立って! よくもしゃあしゃあと!って感じです。嘘をいっぱい言うので、Kさんが「訂正してください」と何点にもわたって抗議の質問。役人は居直り。くそっ、腹立つ!
<27日=JIL、厚労省役人を呼んだ学習会>
 厚労省-「支援費で赤字264億/04年度」=防衛予算のたったの2日分!
 「(1割の)負担が軽くなるよう単価を下げる」=福祉労働者の労働条件悪化=「障害者」虐待の可能性! 労働者と「障害者」を対立させる!
 「(「精神障害者」の自傷他害に)補償はありません」=凶暴のレッテル貼られて抹殺狙う!
 「国の予算は無いので地方で予算とって下さい」=地方議員怒り心頭!
 「(問題点について)検討します」=政省令で決めるってこと=厚労省のやりたい放題! 
 厚労省の役人は「精神障害者が自傷他害しても補償はない」と言いながら、しゃあしゃあと笑顔で名刺をくれる図太さ。理解不能。「精神障害者」に「わけの分からん人間」って言わんといてくれる!って感じ。あんたの方でしょそれは!って感じ! あーもう腹立つ!
 その他、この3日間で、国会前に来ていたいろいろな方々と交流もたくさんしました。(JIL、共謀罪阻止、ビルマ軍事政権に加担するな税金を送るな、辺野古基地建設阻止,小泉靖国参拝阻止などの方々)
 私が、ビラまきをしながら議員たちに「尼崎から来るのにお金も体力も限界です」って言ってたので、Sさんに申し訳ないことを・・・こんな私にカンパを下さったんです。ありがとうございます。これからもがんばりますから!
 私が12~13日で経験したことは、「精神障害者」がまったく偏見なく一緒にたたかえた事がうれしかったこと、先輩方がめちゃくちゃ元気なこと、議員会館の職員の方がトイレの鍵を閉める時「季節はずれの寒さだから気をつけてください」と暖かかったこと、いっぱいお友達ができたことなどなどです。
●情勢を切り開いたピープルファーストジャパン
 2月極寒の中、厚労省前徹夜座り込み闘争が始まりました。怒りネットも共に徹夜座り込み。このころがんは、鬱々、鬱々、で、お布団と1日中仲良し、情報アンテナもまったく立っていませんでした。(こういう人、今でもいっぱい居ると思うんですよね。たたかいの存在を知って闘う人も絶対いると思うのです。おうちの近所しか行動できない人の中にも「廃案でないと困る」という意志のある方はた~くさんいらっしゃるはず。「国会前に来ている人たちだけじゃない!」という確信は、5月12日の日比谷の集会ではっきり感じました。)
●いやあ ~、尼崎に戻ってから、寝る寝る。(。。)国会前でも寝てばっかりでしたが・・・。
 いろいろ国会前のことが去来するのですが、私たちの力って、もしかして、ほんとにすごくないですか?・私は確かに修学旅行の中学生や小学生に「民主主義はこうやって守るんやで~!!」と話しかけたのですが、いや、ほんとに、なんか私たちがやっている行動で、国会情勢がだんだんと変わってきていますよね! すんなりと、しゃんしゃんと、採決させてませんよね! 私、こんな経験初めてだから、興奮してます。先輩方は、こんなこと当たり前なんですか? いやぁ、ほんとにこうやって国会を動かせるなら、がんばらないと!
●今後の国会情勢、進展の予測
 通ってしまうのかどうか? 民主の裏切り。都議選前に強行採決すると「ヤバイ」という思惑があり、審議再開は7月3日都議選の後になるらしい。まだまだ働きかけが必要。
 「完全参加と平等」をうたった80年代からの国際障害者年。一定の「障害者」団体を体制内派に取り込むことができた。しかし今、「障害者」を食わせる余裕が無くなった(有り余る物に囲まれているのに、おかしなことですが余裕がないのです)。既成の「障害者」団体の陳情にさえ応えられないくらい、逼迫している。「障害者」団体さえ叩き潰さなければならないくらいに追い詰められている。5月12日の「障害者」団体が開いた集会は、自民党八代英太が発言するような集会にもかかわらず、8000人(近年稀に見る結集)もの「障害者」が集まり、参加者はほとんどが絶対反対の姿勢。抗議の嵐。怒りネットへの期待。「障害者」の生活感覚にぴったりフィットしている怒りネットの主張とたたかい。国会を揺るがしている。さらに、色々なたたかいを繰り広げましょう!
廃案までガンバロ~!!-------------------------
都議選で「障害者自立支援法」に
賛成する候補者は、落選させよう
アンケートをとりました!
●都議会議員選挙立候補者および各会派の皆様へ、アンケ-トのお願い
 わたしたちは、すべての障害者が地域で暮らしていける国や自治体の公的保障を求めています。そして、福祉の公的責任を後退させる昨今の動きに対して、反対運動をおこなってきました。
 現在、国会で審議されている「障害者自立支援法」案について、東京都の福祉の水準に大きな悪影響をあたえ、わたしたち障害者の生活や、さらには生命にさえ重大な危機を与えるものであると考えています。
 そこで、都議会議員選挙立候補者のみなさん、またこの選挙にかかわる会派のみなさんに、この法案および福祉制度のあり方について、質問をさせていただきたいと考えています。みなさんの率直なご見解をぜひ教えてください。
 わたしたち障害者にとって、東京都の福祉の状況がどうなっていくか、こうした観点から自らの票を投じたいと思います。お手数ですが、質問にお答えいただければ幸いです。
●質問
1。障害者自立支援法を、どう思いますか?
2。介護保険制度の障害者への適用を、どう思いますか?
3。介護保険制度を、どう思いますか?
4。今国会に上程された介護保険制度見直し案を、どう思いますか?
5。社会保障財源確保のため消費税値上げは必要という意見を、どう思いますか?
6。障害者の入所施設に反対する意見をどう思いますか?
7。全身性介護人派遣制度のような(入所施設の措置制度ではなく)地域自立生活を保障した措置制度の復活を求める意見を、どう思いますか?
●回答(会派のみ)
※文章での回答は、こちらで要約しました。
民主党
1。所得保障などの担保が必要
2。現段階では反対(条件つき賛成)
3。修正
4。修正
5。反対
6。必要とする人には整備すべき
7。反対
共産党
1。廃案
2。反対
3。改善
4。反対
5。反対
6。一律に反対するやり方に反対
7。賛成
生活ネット
1。議論を尽くした上で修正
2。現時点では課題が多すぎる
3。改善
4。修正
5。透明性の確保など条件付きで検討
6。法案の施設再編には課題が残る
7。公的責任は措置制度復活ではなく
自民党
1。賛成
2。国民的議論が必要
3。よい
4。賛成
5。国民的議論が必要
6。賛成
7。反対
公明党
1。回答なし
2。回答なし
3。回答なし
4。回答なし
5。回答なし
6。回答なし
7。回答なし---------------------障害者自立支援法を廃案に
6・5関西集会の報告
高見元博
 「6・5障害者自立支援法案は廃案しかない! 怒っているぞ!障害者切りすて・ネットワーク関西結成集会」は、障害者や病院・施設労働者など40人が参加し、大成功しました。関東の勢いに負けない陣形が作られたと思います。当日いろいろな都合や病気で参加できなかった障害者も今後は参加していくと言ってくれています。情報の共有化からはじめて、緩やかな連合体として作られて行けばよいと思います。
 集会では国会報告を軸に、さまざまな障害の立場から報告がなされました。怒りネットの国会闘争は、燃えに燃えています。国会前でのハンスト・座り込みと国会議員オルグ、日比谷で行なわれた6000人集会参加者との交流などが生き生きと活写されました。
 発言では障害者施設で働く若い労働者が「障害者が人間としての尊厳が守られているかどうか」が問題だと提起し、施設経営者たちが労働者に「ボランティア精神」を要求し、只働きをさせられる中で入居者に対する虐待もあると糾弾しました。施設労働者は入居者を虐待したくて就職したわけではないのに、まったく逆のことになってしまうのはなぜなのかと、悩みながら障害者の解放の道を考えていることがよくわかる発言でした。かつて30年前の障害者解放運動の勃興期にもこういう労働者が牽引したことを思い出します。
 この集会の成功から、国会に行くことはもちろんですが、地元でこつこつと学習会を積み上げて闘う陣形を拡大発展させることも必要です。この集会は確実にその基盤を形作ったと思います。
□集会発言より 
 地域自立生活を闘う障害者からのメッセージが読み上げられました。
◆視覚障害者から
 単身独居で65歳以上なので週に3時間介護保険の介護を受けている。介護保険は1割の応益負担です。年金と少しのアルバイトだけの収入の中から月に8000円かかっている。障害者自立支援法ができると65歳以下でもそうなる。イラクへの戦争の時代に入って小泉は参戦している。国会請願や大阪城での集会など闘って来た。
◆作業所で働く障害者から
 作業所を法人化しないと行政からの補助が削られる。だから1000万円集めたがそれを常に確保しておかないといけないことになっている。株式会社よりもひどい基準で、監査が厳しい。福祉切捨ては許せない。労働者と共に闘う。
◆施設で働く労働者Cさん。
 施設の入居者は自立支援法の事をあまり知らない。実施されると生活できなくなる。食費だけで月に3万円負担が増え、手元に残るのは1万円になるかどうか。今は手元に5万円ぐらい残るが、大阪に出る場合アテンダントに頼むのでほとんどの手元に残っていない。入居者は「戦争になったから役立たずは死ね」と言われているように感じると言っている。
◆施設で働く労働者Dさん
 重度障害者施設で働いている。一番大切なのは人間としての尊厳が守られることだと思う。介助の中で尊厳を守ることが見失われがちになっている。経営者は職員にボランティア精神を求め勤務時間も守られない。量を増やすことで質が落ちている。勤務時間が終わった後で入居者のために働いている。職員と入居者は対等でなければならないと思う。人権感覚を持たねばならない。実際には上下関係になりがちで虐待的なこともある。職員は使い捨てで、只働きをせよと聞こえる。それが入居者にとっていいことか。地獄だと言う人もいる。刑務所の看守になったつもりはない。人間らしい場所とは言えない。もっと地域に生きられる環境がないといけない。
◆精神障害者より
 国会闘争に行ってきた。障害者を殺してしまう法律だ。精神保健福祉法32条はもともと福祉ではない。ライシャワー刺傷事件でできた。32条の切捨てで治安的観点のみが残ろうとしている。ナチスドイツで財政的負担だからと言って精神障害者が殺されたことと同じだ。
◆聴覚障害者より
 小さいときに発病した。今会社に勤めている。聴覚障害者が話すため、聞くために金を払わないといけなくなる。既成の団体が廃案と言っていないのが問題だ。自立支援法は福祉切り捨て法案だから廃案しかない。障害児への特別支援教育改悪に反対です。在日障害者無年金者というのは戦前戦中に強制連行された人たちで今43歳以上の障害者は年金がもらえない。署名の協力をお願いします。
◆精神科診療所の精神科医より
 医療観察法は重大な差別法案。「子どもがいる時間は入所者を外に出さない」と言う形で差別の掘り起しがおこなわれている。予防拘禁であり不定期刑を科すもの。精神医療の治安的再編だ。性犯罪者問題は、人格障害者問題と言う形で予防拘禁的な動きになっている。当面の課題と長期的な視点を持たないといけない。
 自立支援法について。自立より助け合いが必要だ。精神科特例など精神障害者は差別されてきた。政府は治安政策を謝罪したこともない。医療費も入院に76%使われ通院は23.6%にすぎない。一般は50対50だ。社会的入院者は政府の言う72000人を大きく上回り、30万人の入院者の3分の2を占める。財政的問題と言うが措置費が数十兆円ういている。そういう全体を見ないといけない。精神障害の原因を脳内に求めたり、薬物主義や電気ショックなどは許せない。社会保障改革は2007年までと言われている。いろいろな攻撃はなまやさしくはないが、障害者解放運動を立て直し発展させる絶好のチャンスだ。いま自分がどう闘うかが問われている。
◆国会報告を2週間上京していた仲間がおこないました。
 行政はすでに法が決まったかのようにしており、一部障害者が「しゃあない」となっているのが腹立たしい。支援費が264億の赤字と言うが防衛費二日分で有り余る。実際のことは政省令で決めるなど、厚労省の独裁だ。攻撃の激しいときほどチャンスがある。と強調されました。
 会場から積極的な発言が多くありました。精神障害者、精神科医などに続き、精神科診療所の労働組合から発言がありました。法が成立していないのに、行政機関からの研修はすでに終わろうとしている。内容に危機感を持っていると訴えられました。
■6・5集会へのメッセージ
怒っているぞ!障害者切捨て!全国ネットワーク
 「怒り・ネット関西」結成集会にお集まりの仲間の皆さん。東京の地より結成集会の大成功を期待しています。
 私達は、「障害者自立支援法」廃案を目指して5月10日~13日、5月25日~27日の2波にわたる国会前ハンスト・座り込みを行いました。この間2万枚に及ぶびらもまきました。この間の闘いへの関西のかたがたの結集とご協力にこの場をお借りしてこころよりおお礼申し上げます。
 この2波のハンストを含む私達の闘いによって「自立支援法廃案!」の声が大きく広がり、いまやすべての障害者の声となりつつあります。その結果として、与野党を問わず国会議員の中にも動揺が生まれ廃案の声が広がり始めました。法案廃案の可能性は大きく切り開かれています。
 このようなきわめて重要な時期に「いかり・ネット関西」が結成されることは私達怒り・ネットにとっても、すべての障害者にとっても大きな力となると期待しています。
 小泉政権はイラクに自衛隊を派兵し、さらには教育基本法も憲法も改悪して日本を「戦争をする国」に作り変えようとしています。自立支援法はこのような動きの中で出されてきているのです。そして次には「尊厳死法案」まで準備しています。障害者は戦争国家の下では生きられません。
 そもそも、あり余るほどの生産力を持ちながら障害者の生活を保障できないなどということは絶対にありません。こんな社会のあり方は絶対に間違っています。自立支援法をなんとしても廃案に追い込み、障害者をはじめすべての人々が安心して暮らせる社会を力を合わせて作っていきましょう!
 関西の皆さんともに戦いましょう!
2005年6月5日--------------------------「修正項目」を出した民主党に
要請書を出しました
●要請書
民主党・横路様
 わたしたちは、6月8日に貴方の名前で発表された「障害者自立支援法案の主要な論点と修正協議項目」(以下「修正項目」)について、重大な問題があると考えております。このままであれば、民主党が福祉の切り捨てに手を貸すことになるのではないか、との危機感を感じております。そこで、以下の論点について、面談のうえ、お答えをお願いします。
(1)「障害者・児、家族及び関係団体からは一歩でも法案の改善を求める悲痛な叫び声が国会に届けられている。この当事者の声に真摯に応えていくことは、政治の重大な責任である。」について
1。わたしたちは、この法案の一部を修正したとしても、福祉切捨てを進めようとする本質は変わらないと考えています。そのような主張を国会に届けるために、2度にわたり徹夜の座り込み・ハンストをも行ってきました。わたしたちと同様に廃案を求める障害者が全国にいます。にもかかわらず、法案の修正を求める意見にのみ応えようとするのは何故でしょうか?
2。そもそも、この法案を作る過程で、全国の障害者の声を反映させる手続きなど何も行われていません。それどころか、社会保障審議会・障害者部会の障害者委員の反対の声さえ無視して作られたのが実態です。少しでも障害者団体の集会に参加されたことのある方なら気がつかれていると思いますが、この法案に幹部が賛成を表明しているような団体であっても、会員の大多数が反対の意志をもっているというのが今の現状です。したがって、法案を廃案にして、全国の障害者の意見を真摯に受け止めて、今後の制度を検討するというのが「政治の重大な責任」を感じる党の取るべき姿勢であると考えます。
 こうした点についてのお考えを伺いたいと思います。
3。「悲痛な叫び声」を受けたと述べられているにしては、「民主党・障害者政策ワーキングチーム」が5月10日付けて出された「障害者自立支援法案」に係る中間まとめ(案)」(以下、「中間まとめ案」)に比べても後退している点があることは、何故でしょうか? 衆議院厚生労働委員会の本格審議は5月11日からであり、日比谷での大集会は12日です。本格審議が始まってからのほうが、全国の真剣な声が寄せられているはずです。にもかかわらず、後退した内容となっているということは、今後与党との修正協議に当たっては、さらに後退を行うことが懸念されてなりません。この点についてはいかがお考えでしょうか?
 なお、後退していると考えるいくつかの点につきましては、この後の文章の中でも指摘させていただきます。
(2)「法案の目的に、障害者基本法の目的に明記されている『自立及び社会参加』を加える。」について
1。第一条の「目的」で一番問題なのは、「障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ」という文言が入っている点です。厚生労働省は、社会保障審議会・障害者部会で「訓練すれば施設から出られる人もいる」と、介助などをあまり必要としなくなることが地域生活を送る条件であるという発言を行っています。これは同省の伝統的立場です。したがって、「障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、『自立および社会参加』を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行い」と変えてみても、もともとの条文の差別的な意味は全くかわりません。
 この法案の中に6箇所以上出てくる「能力及び適性に応じ」という表現すべてを変えない限り、この法案の目的の差別性は全く変わりません。この点についてのお考えを示してください。
2。「中間まとめ案」では、「障害者福祉における『自立』の概念については、サービスを利用することによって『障害の種別や程度にかかわらず、地域において障害者自身が自分自身で暮らし方、生き方を決められること』である旨を明らかにすること。」との文章が出てきますが、何故これは今回の修正の対象には入れていないのでしょうか?
(3)「定率負担の凍結・所得保障」について
1。「修正項目」の中には、「低所得者対策については、介護保険制度導入時の対策も参考にしつつ、当面の間の経過措置としての定率の軽減や社会福祉法人等による減免等の措置を講じる」という文章が出てきます。これは、応益負担を認めるということでしょうか?
2。ここで言われている「凍結」とは、現行法の応益負担にかかわる部分は法律として成立させた上で、その施行については遅らせる、との意味にも解釈できますが、この点はいかがでしょうか?
3。「定率負担」と「応益負担」とは全く同じものであると考えますが、ここで「定率負担」という表現を使われているのは、どのような趣旨でしょうか? 2000年の国会の付帯決議などでは「応益負担」という言葉を使っていたはずですが。
4。民主党の議員の国会質問で、「障害者への応益負担は世界的にも行われていない」との趣旨の発言が行われています。にもかかわらず民主党は、与党と共に世界初の悪法を作ろうとしているのですか?
5。応益負担を認めておいて、所得保障を語ることは、全くナンセンスです。所得保障で収入が増えた分、応益負担でまた取り上げられることに過ぎないからです。とりわけ、介助をより多く必要とする重度な障害者ほど、たくさんお金を支払わなければならなくなる構造には何の変化もありません。この点についてのお考えを示してください。
6。介助をはじめとする福祉は、国がそれを保障する責任があり、それが憲法25条の規定することです。厚労省は、社保審・障害者部会で「障害者福祉も契約制度になったのだから、応益負担は当然」と発言してきました。しかし、「契約」と「応益」という考え方は、国が保障する福祉という考え方を完全に否定するものと考えます。民主党としては、この点についてどのように考えられるか示してください。
(4)「国及び都道府県の障害福祉サービス費に係わる費用負担については、障害程度区分の基準サービスに該当しない非定型・長時間サービス利用者の場合でも義務的経費の負担対象とする。」について
1。この意味合いは、国庫負担金の対象として作られる「障害程度区分」は認める、ということでしょうか?
2。介護保険の「要介護程度区分」をみても明らかなように、こうした区分は利用者の介助の必要に応じて決められるのではなく、国の都合で決められているに過ぎません。したがって、家族の介助がなければ、地域で生きることはできません。「障害程度区分」とはこれと同じものになることは明らかであると考えますが、民主党としてはどのように考えられているでしょうか?
3。そもそも、障害者の介助保障がどのくらいの時間行われるのかなど、その水準についてはもっともわたしたちの生活に直結した問題です。したがって、国会の審議の場で厚労省の見解を出させ、それについての議論を行うべきであると考えますが、いかがでしょうか?
4。現行の法案をそのままにしておいて、仮に政省令で「非定型・長時間サービスの利用者の場合について」の「義務的経費の負担」が規定されたとしても、それは経過措置のようなものに過ぎないと考えますが、いかがでしょうか?
 
(5)「地域生活支援事業における『移動支援事業』は据え置きつつ、個別給付の『重度訪問介護』『行動援護』対象を拡大し、サービス受給者の範囲を実質的に現状水準に維持することにより障害者の社会参加を保障する。」について、
1。移動のための介助が他の個別給付の介助制度と切り離されて「地域生活支援事業」に組み込まれていること事態が問題であるとは考えませんか? そして、あらゆる障害者から個別給付に戻すように声が上がっていることについては、どう考えられるのでしょうか?
2。「中間まとめ案」では、「今回の制度改正においても、障害者の社会参加の根幹となる移動支援サービスは従前通り個別給付とするべきである。」と述べられているのに、「修正項目」ではそのように主張されていないのは何故でしょうか?
3。そもそも民主党の問題点の指摘の中では、「地域生活支援事業」の問題性に触れていませんが、それは何故でしょうか?これまで、それぞれについて補助金の対象となってきた九つを超える事業を一括した補助金制度にするということは、補助金の削減を狙って行われているとしか、わたしたちには考えられません。この点についてのお考えを示してください。
(6)「自立支援医療」の凍結」について
 「公費負担医療を自立支援医療とする本年10月からの実施は見送り」とは、法案から「自立支援医療」に関する条項を削除するということでしょうか? それとも、付則などで実施の凍結だけを求めるということでしょうか?
●「修正項目」の中に「前記の多くの論点を踏まえれば、本法案に対して民主党は反対である。」と述べられています。そうであるならば、それを貫き、廃案を子祖主張していただきたいと考えます。郵政法案については廃案を主張されている民主党が「障害者自立支援法」案については、そういう主張をされないことについてわたしたちは不可思議な感じを抱いてまいりました。
 そして、現行法や現行制度の見直しや改善の議論からやり直すべきであると考えます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年6月 2日 (木)

怒りネット通信 第13号

怒りネット通信 第13号
2005年6月2日
■怒っているぞ!障害者きりすて全国ネットワ-ク
■もくじ
・国会ハンスト座り込み第一波行動の報告
・『ハンスト宣言』
・「障害者自立支援法」は「自滅支援法」だ!
・戦時下の福祉きりすてと優生思想強化糾弾!
・東京都と都議会は自立支援法に反対してください。
・法案の「修正」で障害者の生活は保障されるのか?
●障害者自立支援法は廃案あるのみ!
●国会ハンスト座り込み闘争第1波(5/10~13)、第2波(5/25~27)をやりました!
今回は第一波行動を報告します。第二波は次号で。
●6月が勝負です!
廃案に追い込むまでがんばろう!
●障害者自立支援法に賛成する候補者は、都議会議員選挙(7月3日投票日)で落選させよう!
-----
国会ハンスト座り込み第一波行動報告
古賀典夫
 5月10日から13日まで、私たち怒りネットは、第1波の国会行動を行いました。この時期は、11日から衆議院厚生労働委員会で「障害者自立支援法案」の本格審議が始まる時期でした。
 私たちは10日から、衆議院議員が多く通る、第1議員会館と第2議員会館の間の信号付近に陣取りました。そこで横断幕を掲げ、ビラ撒き、座り込み、ハンストをもってこの法案の廃案を要求してきました。とくに11日からは、その場に泊り込み、断固として闘う姿勢を示してきました。
 毎日、30名~40名の方々がかけつけていただきました。また泊り込み行動には、11日から12日にかけて13名の方が、12日から13日にかけて19名の方に参加していただきました。季節はずれの寒さの中、本当に皆さんありがとうございます。
 ビラは1万1千枚をまき、カンパが4万円を超えました。
 この行動が国会議員に大きなインパクトを与え、また他の障害者関係者をも励ますことができたのではないかと思います。
 また、この行動のための資材の多くを大田区の鈴木さんの関係の方が提供していただきました。ダンボールの手配を行っていただいた町田市の方、テントの提供をいただいた板橋の松本さん、その他差し入れを持って参加していただいた皆さん、ありがとうございました。
 さらに今回は社民党の阿部事務所に、4日間休息を取るための部屋を確保していただいたり、傍聴券の手配など多くのご協力をいただきました。カイロの差し入れを行っていただいた栗原さんをはじめ、事務所の方々に感謝いたします。
●10日(国会前ハンスト座り込み第一日目)
 集合時間の11時半には、大阪、新潟、茨城の方をはじめ、すでに予定の人々が集合されていました。ビラまきとマイクでの訴えを行いながら、横断幕を広げたり、毛布を敷くなど準備を進めていきます。警察が「横断幕を貼るな」、「泊り込むなら排除する」などと言ってきます。
 この日は、衆議院の本会議があります。ここに集まる議員にビラを手渡したいと考えていました。私たちが結集した時には、議員が集まり始めています。
 ちょうど民主党の石毛議員が通りかかったので、4月13日に院内集会の部屋を取っていただいたお礼と法案の廃案を要請しました。「廃案は無理よ。与党が廃案にしない限りは。この法案の問題性は皆思っているはずだけど」とのことでした。私は、石毛議員、あるいは、民主党の姿勢として頼んだつもりなのですが、その主体的にどうするという言葉が聞かれないのが残念でした。
 本会議では、介護保険法の改悪案の採決が行われることになっていました。私たちは、この改悪に抗議すると共に、「障害者自立支援法」に反対するシュプレヒコールを開会時間に行いました。しかし開会から10分程度で議員たちは帰ってきます。
 実は、この日に採決された案は、自民、公明、民主3党の共同提案となっていたので、審議もなく採決が行われたのだそうです。もともとの政府提出の案について、法律の5年後見直しを、3年後見直しに変えた程度で、実質何も変わっていません。こんなことは介護保険に対しても許せませんし「障害者自立支援法」でこんなことをされたら、たまったものではありません。
 「障害者自立支援法」案関連の取材を行うのが厚生労働省記者クラブだということを知り、そこへの取材要請をおこないました。
 国会議員回りも行いました。わたしは、茨城の沼尻夫妻と共に、八代英太事務所を訪れました。事務所には、秘書の方が一人いて、その人との会話になりました。
 この法案についての議員の考えを聞いてみると「うちは中心で進めている所ですから」と言います。沼尻夫妻の追及が手厳しく行われます。「先生は、同じ障害者なのに、何故福祉を切り捨てていこうとしているんですか?。先生自身の問題でもあるでしょう?。先生はヘルパーは使っていないんですか」
 秘書-「わたしたちが行っています」
 ヘルパーとしての介助者は使っていないということが判りました。
 沼尻-「だから他の障害者は知らないということですか?。先生だって国会議員を辞めたら、秘書の方々が介助するということではなくなるんでしょ?。夫は、この1年で障害の状態がずっと重くなりました。そうした時にこんな法案を通されたらたまりません」
 秘書はただただ聞いていたのですが、最初の笑い顔は消えていたそうです。私からは、2点聞いてみました。
 1点は、利用料の家族負担をなくすと八代氏は言っているのですが、そのためにどうしようとしているのか、ということです。答えは、政省令をそういうものにするということでした。しかし家族からの負担についての内容は、法律に記されているのです。つまり利用料の額を決定する時の基準は、家計への影響であって、障害者個人の生活への影響ではないのです。だから政省令だけをいじることはペテン、ないしは経過措置に過ぎません。
 2点目は、自民党障害者特別委員会(委員長は八代氏)では「重度の障害者」の介助については、公費とボランティアの組み合わせで行うことを述べています。これは公費が、いかに少ないものであるかを証拠立てています。これは切りすてを行うと言っているだけのことではないか、と追及しました。答えはありません。
 その後も沼尻夫妻は、公明党や民主党議員の事務所で厳しい指摘をおこなってきたようです。
 他方、座り込んでいると喜納昌吉民主党参議院議員が、握手を求めてきて「皆さんと音楽をやって交流会をしたいね。『障害者自立支援法』は名前は良いが、中身は悪い」と語られました。また4月13日にも参加していただいた東門参議院議員も握手を求められました。最後に、11日からの泊り込み行動を目指して頑張ることを確認して、その日の行動を終わりました。
●11日(ハンスト座り込み第二日目)
 5月というのに、3月の陽気になる寒さにもかかわらず、朝8時に集まり、訴えを開始します。今日は、衆議院厚生労働委員会で本格審議が始まる日です。
 参加者も増えていきます。町田市からの参加者も次々登場し、この日から3日間ハンストを続ける藤沢さんも登場されます。「脳死」を人の死とすることに反対している「交通事故遺族の会」の方も初めて参加されました。
 外でビラまき、マイクでの訴えを行う一方、厚生労働委員会の傍聴には10数人の仲間が入りました。この日は「全国行動実行委員会」の中の東京を中心とした人たちが、11時より国会前行動をおこないました。その人たちとエールを交換し、「廃案を掲げて闘おう」と呼びかけました。
 また刑法に共謀罪を新設する動きに反対している人たちも行動を行いました。共謀罪とは、犯罪の実行行為がなくても、警察が「共謀を行った」と決めつければ、弾圧できるというものです。その団体から「障害者自立支援法案」の問題について発言してほしいとの要請があり、発言させていただきました。全労連も行動のなかで「障害者自立支援法案廃案」というスローガンをあげており、わたしたちにも「頑張ってください」との声がかけられました。
 この日から、厚労省前では、ピープルファーストの座り込みが開始され、やはり13日まで続けられました。会長さんは、ビラまきや議員まわりで国会にきた際に、私たちに声をかけていってくれます。私たちのところのマイクでも発言していただきました。
 この日の最大のテーマは、国会前で泊り込みができるかどうか、ということです。13人の仲間でこれに挑戦します。警察は、大きなテントは撤去しろ、障害者用のステッカーが貼ってある車をどかせ、などと言ってきます。
 夕方から、この泊り込み部隊に全国青い芝の金子さんが加わります。会長の片岡さんもこられ、交流しました。
 町田の関根さんは、傍聴の後、質問していた民主党の園田議員の事務所を訪れ、質問に不足していた点などを指摘してきたそうですが、事務所に行ってみると、そこには厚労省の塩田障害保健福祉部長がいたそうです。あとで、この園田議員は泊り込み部隊の所にやってきて、修正案をつくっていくことへの理解を求めてきたそうです。これに対して金子さんを始め「野党ならもっと野党らしく闘え」と応酬しました。
 こうして夜もふけ、泊り込みに成功しました。夜はかなり冷え込むので、午前1時過ぎには乾杯の音頭も。そして朝まで語り明かす人たちもいました。この夜、一番元気だったのは、一番年上の金子さんでした。
 翌朝、7時前から人通りが増えてきます。そんな折、通りがかりの男性が「これ、差し入れ」と言って缶コーヒーを20本以上置いていってくれました。寒さの中、ありがたい限りです。
●12日(第三日目)
 国会前では朝8時頃に、かたづけを行い、いざ闘いの体制に入ります。泊り込み部隊が早速、ビラまきとマイクでの訴えに移ります。朝まで起きつづけた金子さんも「一声叫ばないとどうも落ち着かない」とアジテーション。そのまま議員まわりにも出かけます。
 他方、この日は日比谷でJD主催、他大手団体賛同の集会が開かれます。そちらのビラまき部隊は、霞ヶ関に集まりました。また集会での発言を聞くためにその集会に残った人もいます。
 6600人が集まった日比谷では、たちまちビラをまき切りました。参加者は強い危機感をもっているようだったとのことです。
 しかし日比谷公会堂での大手8団体代表による発言は「障害者自立支援法」への絶対反対という言葉はなく「政省令をなんとかして」とか「ほかの法律を整備して」など、まともに闘おうという発言はなかったそうです。その中で唯一「法案をこのまま通してはならない」と主張したのは、日盲連の笹川会長でした。自民党との関係が強いこの団体がこういう主張をしているのは興味深いことであると同時に、他の団体の体たらくを強調することでもあります。
 なかでも育成会の松友常務理事は、政府の努力を評価する発言を行っていたそうです。これに対して会場からはヤジがとび、松友氏との応酬ともなり、司会に止められるまで続いたそうです。松友氏はこれにショックを受けたようで、本来最後までいるはずだった日比谷の集会を早々に立ち去ってしまいました。
 野外音楽堂での4人の学者によるシンポジウムでは、3人が法案への反対を表明し、社保審・障害者部会の高橋(立教大)氏のみが賛成を表明しました。反対を主張した中の一人である伊藤周平さんが高橋氏に食ってかかる場面もあったとか。
 国会前には、世田谷や町田市の方々があらたに集まってこられました。また、関西からも岩崎さんという精神障害者の女性の方が参加されました。昼になると、全国青い芝の役員の方が全員参加していただき、次々とマイクで発言していただきました。
●今日の国会議員まわりのターゲットは民主党
 前日の園田議員の話しを聞いていると、民主党はやはり修正案づくりに動きそうな感じがしました。また民主党議員から「民主党の意見を取りまとめるのは、横路さんと五島さん」という話しも前日に聞きました。
 午前中に、マイクでアジってますます気合の乗った金子さんと私は、一緒に民主党をまわることにしました。ピープルファーストも国会前でビラまきをされていたので、一緒に議員まわりを行うことにしました。横道事務所には、特にピープルファースト北海道の人たちが泊まり込みで闘っていることを伝えたかったのです。そんななかで、金子さんの地元の枝野議員と直接会うことができました。枝野議員は次のように言います。
 「私は、この法案について民主党は反対を主張すべきだと思う。与党が強行採決するなら選挙で争えば良い。その方が判りやすい。ただし民主党の中には、修正をして少しでもよくした方が良いという立場もある。この問題について、民主党の意見をまとめるのは、横路さんと五島さんだから、そこに意見を集中してください」
 横路事務所には改めて連絡し、午後に金子さんを始め全国青い芝の会長、事務局長他3名で、政策秘書の方と会いました。横路議員は、民主党の「シャドーキャビネットの厚生労働大臣だそうです。議員自身の考えを聞いてみましたが「こちらはまとめる立場ですから」として、話してはもらえません。ただし、民主党の見解の文章をもらいました。
 こちらからは「民主党は野党として、とことん廃案を主張してください。それで与党が強行採決するならそれで良いじゃないですか。そういう与党を選挙で落とせば良いんだから」と言ってみました。するとその秘書の方は「じゃあ、この法案のまま通っても良いんですか」と言ってきます。
 こちらは全員、変な修正案で妥結されるよりはよほどいいという立場です。「衆議院を通過した介護保険法の改悪案など、修正されてどこがよくなったのか分からない」と言ってみました。すると気色ばんだ感じで良くしたんだと言いたげな様子。「でも、わたしたち庶民からすると、どこが良くなったのかわからないんですよ」というと「こちらの宣伝不足もあるかもしれないけど」と秘書の方。
 あとで聞いた話しですが、与党と民主党の共同提案とされた介護保険法改悪の修正案に対して、民主党のなかから反対が出ないように締めつけたのが横路議員だったそうです。それでも採決の際には4人の欠席者が出たそうですが。
 その夜、第1議員会館の軒先で雨をしのいでいると、再び園田議員と会いました。彼に対しても「廃案を主張してほしい。与党が強行採決するならば、選挙で落とせば良い」と言ってみました。すると語気強く「それではこのまま通しても良いんですか。来週にも採決が狙われていると言うのに」と言うので、ほぼ横路事務所と同じことを言いました。ただ横路の秘書と違い、介護保険法案のことを言われると反論できない様子でした。
 修正案を出すとしたらどんなものが考えられるのか、聞いてみました。「法案の10月施行を延期して、その間に所得保障についての議論を行う」などが考えられるとのことでした。でもそれでは法案の成立が前提になっています。所得保障を審議すると言うのならば、支援法の審議を止めておこなうべきです。また所得保障が行われたとしても、応益負担が実施されれば、結局、重度の障害者ほど重い負担を行わなければならない状況になるわけです。そのように言ってみると、反論はありませんでした。
 そこに阿部議員が通りかかります。そして話の輪のなかに入られ「修正の余地なんてないですよね」と言われます。園田議員は「皆さん、ハンストなど命を危険にさらすようなことはしないでください。今、命をかけるべきなのは、私たちなのですから」と言われます。「だったら変な修正など考えないでよ」と言いたいところをぐっと飲み込み「頑張ってください。私たちは、この闘いで与党をも崩したいんです」と言って分かれました。もちろん、こうやって討論をしてくる彼の姿勢には好感も感じるのですが。
 五島事務所には翌日、世田谷の佐野さん、茨城の沼尻さん、関西の方など強力女性軍団を中心とした人たちに行ってもらいました。政策秘書からは次のように言われたそうです。「障害者8団体は、慎重審議ということでまとまっている。あなた達だけ廃案と言われても困るので8団体とまとまってほしい」 
 これに対して、強烈な批判がたたきつけられたことは言うまでもないでしょう。私はその場にいなかったので、その内容が書けませんが。しかし、8団体は“八派ひとからげ”にされているのだなあと感じました。
●国会デモとの交歓
 午後4時過ぎ、全国行動実行委のデモがやってきました。何梯団にも分かれ、多くの人がやってきます。衆議院面会所の前では、民主、社民、共産の各党議員が挨拶をしています。共産、社民は廃案を目指すことを述べているのに、障害者団体側が慎重審議をシュプレヒコールで求めるという変な状況が、そこにはありました。
 私たちは「頑張ろう」と呼びかけると共に「廃案を掲げよう」「慎重審議では意見を表明したことにならない」「いっしょに闘おう」と呼びかけました。ビラまき隊もフィーバーし、警察の制止をふり切ってデモ隊にわたします。また、それが次々と受けとられていきます。受けとって「これがわたしたちの気持ちを表現している」という人も。また座り込みを続けるわたしたちに、デモ中の人たちが声をかけていきます。
 デモが終わって帰っていく人たちは、私たちの前を通る時に「頑張ってください」と声をかけていきます。そうしたエールの交換が続いていきます。
 そんな中に、2年前の上限闘争の際に知りあい、こちらの不手際から連絡先がわからなくなっていた「群馬介護保障を考える会」の方とお会いすることができました。こちらの関西の方とデモ隊の関西の方が話しをして盛りあがっている状況もありました。
 雨が降り出し、ますます冷え込みます。この中を泊り込みのために世田谷の鈴木さん、辻さんが駆けつけてきます。
 雨宿りをしていた議員会館も9時過ぎると閉まります。しかし軒先からも出なければならない時間には、日頃の行いが良いせいか、雨があがりました。寒さと空腹のなかで唯一、人数分買うことのできたハンバーガーがおいしいこと。
 車椅子に座ったままの人、毛布に包まる人、テントで寝る人。今夜は疲れもあってか、全体での乾杯は、なしでした。
●13日(第4日目)
 翌朝、この辺りはたくさんの鳥の声が聞こえます。なぜか皆で記念写真、ビデオを撮りました。皆笑顔で全く悲壮さを感じさせません。
 藤沢さんは3日目のハンストに。猛者とも言える雰囲気をかもし出す彼は、もと全障連関東ブロックの役員だったそうです。「本格的な座り込みに久しぶりに参加できて良かった」とのことでした。
 今回も多くの方が傍聴に入られましたが、その中に「遷延性意識障害家族の会」の方もいらっしゃいました。やはり「支援法」で大きな影響を受けるからです。午前10時ごろには、大行動実行委の人々が集まり、ビラまきと集会を開始しました。こちらはマイクを休んでビラをまいていました。向こうのマイクからも発言者によっては「廃案に追い込もう」との発言が聞こえてきます。シュプレヒコールになると「慎重審議を行え」というスローガンが出てくるのですが。
 私が藤沢さんに「向こうで発言してこられたらどうでしょうか」と言ってみたら、出かけられた藤沢さんが取りつけてきたのは、大行動実行委側が40分マイクを中止し、こちらが40分マイクを使うということでした。私のような小物は意外な決定に驚いてしまったのですが、さすがは大物、泰然自若とされていました。
 今回、関根さん以外の町田市の方と多少ゆっくりお会いすることができましたが、それぞれがなかなかの人物ぞろいでした。
 大行動実行委に集まった人々は、昨日から東京に宿泊された人も多く「これから地元に帰って頑張ります」などと私たちに声をかけ昨日同様エールの交換が続きます。ビラをまとめて何10枚ももっていく人もいました。 
 また、全国盲人援護会の事務局長がこられ「昨日の日比谷の集会には、視覚障害者があまりいなくて、どうしているのかと思ったが、ここで会えた。この法案は廃案しかありませんよ」と述べられ、私たちとともに座り、しばらく語り合いました。
 午後には風も出てきて、寒さが一段と厳しくなりました。そんな中で、千葉の岡田夫妻がマイクで頑張ります。板橋区の堀さんが作詞された厚労省に抗議するオリジナル曲もテープで流しました。関西からこられた方も、独特な語り口で聞かせます。そして、ついには「わたしが東京にきてこの行動をするときに限って何でこんなに寒いんや」と怒りの一言が空をも動かし、一瞬晴れ間が訪れたのでした。
 最後に、傍聴者の報告を受け、これから何度でもこうした戦いを行う決意をシュプレヒコールで表明し、第1波行動を終了しました。
-----
『ハ・ン・ス・ト・宣・言・』
怒りネット・ハンスト団
 今、わたしたち障害者の生活と命は、政府の手によって脅かされている。
 30年以上にわたって積み上げられてきた地域で生きようとする運動の成果が根底から破壊されようとしている。
 生存権を保障することが国の責任であるとして進められてきた戦後の社会福祉が無残に覆されようとしている。
 「障害者自立支援法」案のもたらすものは、このような状況以外の何者でもない。
 わたしたちが地域で人間らしく生きていくためには、この廃案を勝ち取る以外にない。これが全国の障害者の思いである。
 法案審議が始まった今、わたしたちに退路はない。体の続く限り、命の続く限り、とことん闘う以外にない。
 そのために、わたしたちは自らの人生をかけてハンストに決起する。「障害者自立支援法」案の廃案を勝ち取るまで、わたしたちの闘いに終わりはないことをここに宣言する。
2005年5月10日
-----
ハンスト宣言
「障害者自立支援法」は、「障害者自滅支援法」だ!
関根 善一(町田市在宅障害者)
 僕ら障害者は、もう何回も厚労省にだまされてきた。
 2年前の「上限設定」の時も妥協して毒を飲んだ。
 支援費制度は、介護保険への「激変緩和措置」だった。
 厚労省は介助を引下げながら様子を見ている。
 「障害者はまだ死なない。まだ生きている」と。そしてさらに切ってくる。
 でも、もう騙されてはいけない!
 障害者自立支援法では、障害者が生きていること自体が否定される。
 もし、この法案が通ったら、障害者は今度こそ殺される。
 それだったら、ハンストで身体をはって闘うべきだ。
 自立支援法とグランドデザインの根底に流れているのは優生思想だ。
 各地で入所施設が新たにつくられている。
 障害者が30年かけてかちとってきた地域自立生活が奪われようとしている。
 厚労省がかかげてきた「施設から地域へ」はどこへ行ったのか!?  
 もう理屈じゃない! 話し合いじゃない! 
 むつかしい話ができなくても、障害者は怒っているぞ!という意思表示はできる。
 いま必要なのは、行動だ。
 だから僕らは、ハンストします! 
 障害者の仲間は1人でも多く参加しほしい!
 障害者自立支援法は、廃案あるのみ! 
 障害者の力をあわせて法案成立を阻止しよう! 
 国は憲法25条にもとづいて、障害者の地域で生きる生存権を保障せよ!
 障害者は命をかけて闘うぞ!
-----
戦時下の福祉きりすてと優勢思想強化糾弾!
茨城青い芝の会
 現代の日本の状況は、アメリカの侵略戦争に協力し、イラクへ自衛隊を送ったり、北朝鮮の脅威をあおって戦争準備が進んでいます。行き着くところは、憲法改悪と思います。
 今、私たち障害者の世界では、法律になろうとしている二つの法案が問題になっています。それは、障害者自立支援法案と尊厳死法案です。
◆障害者の地域生活を奪う障害者自立支援法案を廃案に!
 障害者自立支援法案は障害者版介護保険といわれているものです。この法案が成立したら、生きていくための介助にも一割負担がかかり、障害者に対する公的介助サービスが1970年代の水準まで戻るといわれています。障害者に多大な負担をかされ、まだ障害者が物置で一生を終えても問題にならなかった時代に戻る不安があります。私たちの不安をつぶけて厚労省は答えようとはしません。厚労省は強行に国会上程しました。
 もし介護保険並みなら、生活できなくなります。障害者の地域生活つぶしです。
◆不幸とされる障害者を死に導く尊厳死法制化反対!
 もうひとつの法案は尊厳死法案です。
尊厳死は不幸にされている者を死に誘導される危機感を私たちは持っています。現代社会では障害者は不幸な存在と位置づけられています。尊厳死が法制化されたら、国家が障害者は死ねということではないでしょうか? 歴史を振り返ってみれば、ナチスドイツが障害者をまずガス室に送ったのも不幸な障害者を対象にしてユダヤ人に広まったという歴史があります。
昔から戦争時は障害者は生きにくいと言われていますが、この二つの法案は小泉財政改革の一つの目玉であり、戦争にひたはしっている日本を象徴していると思います。
 この二つの法案を潰さなければ障害者は当たり前に生きられません。国の福祉切捨て優生思想強化を許しては改憲にストップをかけられません。
 皆さん、福祉切捨て、優生思想強化反対の闘いにご支援を。
-----
東京都と都議会は、障害者自立支援法に反対してください!
佐野さよ子
●国と国会に反対の意見書をだしてください!
 息子、雄介は「身体障害」と「知的障害」をもつ「障害者」です。小学校・中学校を普通学校ですごし「0点でも高校へ」と都立高校への就学闘争をおこなってきました。6年間、高校の門前に自主登校をつづけ、現在は世田谷で地域自立生活にふみ出しています。
 いま国会で「障害者自立支援法」が審議されています。この法案は、息子のような24時間介助を必要とする「重度障害者」にとって、地域で当たり前に生活するための介助保障を奪ってしまう法律です。
 世田谷では、区内の地域自立生活運動の団体が全部あつまって「介助連」(公的介助保障を要求する世田谷連絡会)をつくり、これまで区に24時間介助保障を要求して、ねばりづよい交渉を続けてきました。そしてようやく「全身性障害者」の介助時間は1日16時間になりました。それでも「知的障害者」は、その半分にもなりません。「障害者」が親から自立して生活できる「24時間介助保障」の確立にむかって、これからもっと介助時間をのばしていかなくてはいけない時に、この法案がとおれば、せっかくかち取ってきた介助保障さえ大幅に切下げられてしまいます。おおかたの「障害者」には介護保険制度と同じ介助時間の上限がつけられ「最高でも1日4時間」しか認められなくなるでしょう。「知的障害者」の場合は、わずか「1日50分程度」です。これでは到底、地域自立生活は維持できません。国は「施設から地域へ」をうたってきたはずなのに、施設を出てこれから地域生活を目指そうとする「障害者」や親元から自立しようとする「障害者」も、その道が絶たれてしまいます。私はこの法案に絶対反対です。
●地域自立生活運動の発祥の地・東京から反対を!
 国の福祉きりすては、地方自治の破壊とひとつに進められています。「怒りネット」の交渉でも厚生労働省は、ふた言目には「自立支援法の実施主体は国ではない。決めるのは自治体だ」と言います。「地方分権」の名前に隠れて国は直接自分の手を汚さずに「障害者」の命綱である介助のきり捨て役を地方自治体に押しつけようとしているのです。しかし本来、地方自治の一番の使命は住民の生活と命を守ることのはず。ですからその立場にたって東京都には国に対して「自立支援法」反対の声をあげてほしいのです! 自治体が全国で反対すれば、この法案は成立させることも実施することもできません。自治体が利用者の側にたって「自立支援法」に反対するかどうかはそれほど大きな意味をもちます。
 しかも東京都は、日本一大きな自治体です。「障害者」の住民も一番多い自治体です。そして何と言っても「全身性障害者介護人派遣制度」が最初につくられた自治体です。「重度障害」をもった人たちが都庁前に数カ月泊り込んだ府中療育センタ-闘争をとうして、この制度が「重度障害者」の地域自立生活を保障する介助制度として始まっていったと聞いています。東京都こそ地域自立生活の発祥地と言えます。
 雄介もこうした先輩の方々の血のにじむような思いできり開いて下さった道をたどって地域の学校に入学し、金井康治君と一緒に高校にも挑戦してきました。介助制度をもっともっと拡充して後につづく次の世代の「障害者」にバトンタッチしなければなりません。そのためにも「障害者」が30年かけてかちとってきた地域自立生活の介助保障を絶対手放すことはできません。
●契約制度は福祉ではない!
 全身性介護人派遣制度は「重度障害者」にとっては施設生活しか意味しなかった措置制度を、地域生活を保障する制度へと改革する形でかちとられてきたものです。「施設から地域へ」と言うなら、支援費制度ではなく全身性介護人派遣制度のような「改革された措置制度」によって、すべての「障害者」を対象に、必要な人には1日24時間365日全国どこでも使えるようにする(介助者の生活も保障されるよう介助料をあげる)ことが本当なのではないでしょうか。
 厚労省は「障害者」に支援費制度への賛成をとりつけるために措置制度をサンザン悪者にし、今度は「自立支援法」への賛成をとりつけるために支援費によってうまれた財源不足をやり玉にあげています。でも本当に悪いのは厚労省自身がやってきた隔離政策です。措置制度の廃止は、憲法で保障された「障害者」が生きる権利の否定につながります。
●「障害者」を差別する石原知事は許せない!
 そしてその先頭にたっているのが石原都知事です。石原都知事は、府中療育センタ-を視察して「『障害者』に人格あるのかね。安楽死がふさわしい」と言いました。こんな人に福祉行政をまかせておいて、私たちの未来はありません! 「自立支援法」を絶対廃案においこみましょう。奈良県や茨城県では県議会が意見書をだしています。東京都議会もこれに続いて「自立支援法」に反対して下さい!
-----
法案の「修正」で障害者の生活は保障されるのか?
渡辺 博
 「支援法」は、新たな「障害程度区分」や「全国一律の客観的基準」を導入することによって介助保障を介護保険なみに引き下げたうえで、応益負担として利用者に1割の利用料を強制するというものです。これでは障害者の生活はまったく成り立ちません。
 政府・与党は、いま障害者や家族の意見を取り入れて一定の「修正」に応ずるかのようなことを言い始めています。「自己負担の算定は本人の収入だけでおこなう(家族の所得は入れない)」「法案をとうしてくれれば後で定める政省令で利用者の要求を受け入れる」などです。たとえこのとうり修正されたとしても、基本的に介護保険なみの「1日4時間以下」という上限が設定されるため必要な介助はまったく保障されないのです。しも家族同居の障害者には基礎年金から15000円~24600 円の自己負担が求められることになります。
 私たちが絶対に忘れてはならないのは「支援法」の最大の目的が、障害者福祉予算の大幅な削減にあるということです。また厚労省は、あくまで3年後の介護保険との統合をめざしているということです。
 障害者団体の役員の中には「支援費制度は破綻している。いろいろな問題はあっても『支援法』を認めないと今後の生活のみとおしが立たない」といった意見がありますが、とんでもないまちがいです。厚労省は「自立支援法」を障害者にのませるために、今は支援費制度でうまれた財源不足をあげつらっていますが、その支援費制度を導入する際には措置制度を攻撃してきました。これは国の常套手段です。どんな「修正」をしたとしても、それは障害者を取り込むための懐柔策であり、しかも厚労省にとっては介護保険統合を前提にした経過措置でしかありません。介護保険には低所得者対策はなく、統合されれば「自立支援法」の低所得者対策さえなくなるでしょう。さらに介護保険は今後、利用料を2~3割にすることが計画されているのです。
 厚労省は、義務的経費と応益負担は切り離せないものであるかのように言って、これを私たちに認めさせようとしていますが、それは真赤な大嘘です。措置制度のもとでの施設予算は応能負担であるにもかかわらず、義務的経費だったではありませんか! 
 契約制度と応益負担は、障害者福祉と相いれません。「大きな流れの中では、この法律も前進だ」とか「3年後に見直せばいい」とか言う人もいます。しかし応益負担を認めたら最後、障害者運動が30年かけてかちとってきた「施設から地域へ」の流れはせき止められ、歴史の歯車は逆回転してしまいます。それをくい止めるのは今です!
●契約制度では障害者の「地域で生きる生存権」が保障されない!
 厚労省は、支援費制度導入の過程で、自らおこなってきた差別的隔離政策は棚にあげて措置制度が一切の悪の元凶であるかのように宣伝しました。たしかに私たち障害者は措置制度のもとで施設への隔離を強制されるなど、さまざまな困難を強いられてきました。しかしその一方で、1970年代以降「施設から地域へ」を掲げた障害者自身の闘いによって「全身性介護人派遣制度」に代表される地域自立生活の介助保障を措置制度の改革をとおしてかち取ってきたのです。憲法25条の生存権の保障とこれに国が責任をもつという規定が重要な根拠となりました。ところが契約制度にすることによって国の責任は大幅に後退させられてしまいました。「支援法」が出てきた今こそ私たちは「改革された措置制度のもとで地域で生きる生存権を国が責任を持って保障せよ!」という要求を掲げるときなのではないでしょうか?
 「措置制度はなくなった」と厚労省は言います。でもこれまたウソなのです。新潟市では「手がかかりすぎる」としてすべての業者がヘルパー派遣を断った障害者に措置制度によって新潟市が直接ヘルパーを派遣しています。日盲連の笹川会長は国会の参考人質疑で「支援費制度で月々の利用時間ががっちり決められガイドヘルプは非常に使いにくくなった。措置制度の方が柔軟でよっぽど使いやすかったという声が出ている」と述べています。
●戦争ではなく福祉に予算をつかえ!
 厚労省は「財政危機だ」といって障害者の要求を抑え込もうとします。育成会の松友理事のように「社会保障財政が危機的状況の中で個々の財布の中身だけで考えるわけにはいかない」などという意見も出てきます。確かに日本はかつてない財政危機です。でも「景気対策」には何十兆円も使って大企業や銀行を助けています。さらには自衛隊のイラク派兵に毎日1億円、防衛費は毎日164億円も使っています。
 そもそもありあまる生産力を持ちながら障害者の生活は保障されない等ということは絶対にありません。障害者には介助者が圧倒的に足りません。でもその一方で、仕事につけない人が300万人もいるではありませんか。この1点をとっても、この日本の社会のあり方そのものが絶対に間違っています。私たちはこのような社会を変えていくためにも「支援法」に負けず、がんばりましょう!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2005年5月 | トップページ | 2005年9月 »