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2006年2月

2006年2月28日 (火)

怒りネット通信 第19号

怒りネット通信 第19号
 2006年2月 日発行
■怒っているぞ!障害者きりすて全・国ネットワ-ク
■目次
3・22厚生労働省交渉の報告           P1
3・26茨城「自立支援法を考える集い」の報告   P9
悪法はゆく                    P13
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障害者自立支援法の撤廃をかちろとう!
様々な人々に署名を呼びかけよう!
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3・22厚生労働省交渉の報告
木村(新潟) 怒りネットは前回2月1日に続いて、3月22日、衆議院議員会館において今年2度目の厚労省交渉を持ちました。前回同様、約90人が参加しました。障害者自立支援法の施行直前ということで、参加者の不安や憤りが前回以上に、より一層強く示される場となりました。 全体を通して印象的だったことは、出席した厚労省の担当者が、聞いている事とは無関係に、分かり切った制度の説明や、既に出されていてとうの昔に知っているような解説を得々と続ける場面が多かった点です。当事者の指摘に誠実に向き合うのではなく、一方的に国の見解を押し付けるだけの姿勢に終始していました。
 そのふてぶてしい態度には大いに不快な印象を受けました。前回の、答えに窮して沈黙してしまうような様子とは大違いです。前回は沈黙で貴重な時間が費やされたのに対して、今回は分かり切った説明で貴重な時間が奪われたようです。
 前回2月1日の交渉では、利用者負担の上限設定が分野毎に別々に設定されているため合算した負担額が大きくなり、軽減措置の意味を失わせる結果になっているのではないか。負担軽減申請に際しての預貯金等の資産確認が、他制度と異なって利用者に苦痛を強いるのではないのか。生活保護移行防止のための減免申請手続きの煩雑さが、利用者に不必要な負担を強いるのではないか。精神障害者の医療費負担の上限管理を当人にやらせることによって当人に不利益が及ぶ恐れはないのか。また長時間介助を要する重度障害者の介助保障の具体的中身等々。こうした点について質問や検討要請が行われ、不明確な回答に対しては、次回の交渉までの宿題としてあらためて質問書を提出することにしていたものです。
 その後、社保審の障害者部会(2月9日)や全国主管課長会議(3月1日)等で、新たに具体的な国庫負担基準や報酬単価等が示されました。そのため前記質問書に、1:低い国庫負担基準の算定根拠、および「現行水準を下げない」とした尾辻答弁に反するのではないかという点、2:資格による報酬格差を設ける理由、3:知的障害者や精神障害者に対する介助時間の少なさ、4:長時間介助の単価の低さが利用者からヘルパーを奪うことにならないのか、など質問を「追加質問」として加え、事前に厚労省に送りました。そして、今回の3月22日の交渉を迎えたものです。
 追加質問の方に重点を置きたかったのですが、前回宿題とした点の再質問に対する厚労省の回答が納得できないものであったために、多くの時間をそこに費やしてしまいました。その結果、追加質問に関しては十分な質疑ができず、再度の宿題として残ってしまいました。それでも限られた時間のなかとは言え、大事なやりとりがおこなわれました。残念ながら紙数の関係で全部掲載できないため、今回は追加質問の方を報告します。詳しい報告文はあるので、読みたい方はお申し込み下さい。
 質疑の過程で、関西の高見さんから、障害者自立支援法の撤廃を求める署名が、わずか1ヶ月程度のうちに3575人分集まっていることが紹介されました。
 今後、さらに新たな驚くべき中身が示されて来ると思われます。今回の宿題にさらに加えた「追加質問」が必要になってくると思いますが、繰り返し交渉を要求して厚労省を追い詰め、障害者自立支援法のデタラメさを暴いて、撤廃に向けた闘いを一層強化して行きましょう。
 交渉の模様は、以下の要約の通りです。怒りネット側の発言には、発言者名の前に「◇」、厚労省側には「◆」の印をつけました。 厚労省側出席者は6人。障害保健福祉部社会参加推進室の国松係長、改革推進室の松田係長、企画課障害認定係の佐藤係長、障害福祉課企画法令係の阿部係長、障害福祉課の林氏(当初予定されていた川島係長の代理)、障害福祉課施設支援係の元木係長。

【これでいいのか障害程度区分の認定調査】
◇ (神奈川県の障害者):障害程度区分の認定調査について3点質問する。一つ目に、調査項目106項目の中に、例えば「歩けるか、片足で立てるか、おしっこやウンコができるか、パンツがはけるか、自分の名前や年が言えるか、あるいは作り話をするか、暴言を吐くか、暴行するか、物を壊すか」このような質問が並んでいる。こんなことを聞かれるのは苦痛で耐えられない。まるで裸にされて身体のすみずみまで検査され、行動の細かなところまで調査される、まるで犯罪の容疑者か収容所の囚人かという扱いである。障害者は何も悪いことをしていないのに、障害者であるために、必要な介護を受けるために、何故こんな屈辱的な調査をされなければならないのか。2点目に、質問項目の中に「他者と交流するのが不安である、話がまとまらず会話にならない。他者に拒否的である」というような項目がある。このような症状をもった人が、果たしてこのような評価に耐えられるのか大変疑問である。3つ目に、一人一人必要な介助は違う。なぜ障害程度区分に分けるのか。
◆ 佐藤:障害者自立支援法においては、支援の必要度に応じて公平にサービス利用が図られるように、統一的なアセスメント、障害程度区分を導入することにした。特に市町村間で、障害の種類や程度の把握のしかたにばらつきがあって、自治体間で違うということがあったので、統一的な項目による調査、障害程度区分を導入することとした。一つ目の調査項目については、身体的な面、知的な面、精神障害にかかる面と色々あり、確かに調査項目には専門的な面があるので、普通に聞くとどうかというところはあるが、そこは調査のマニュアルを設け、明らかに聞かなくても大丈夫な点は省略しても構わないし、質問の仕方や順番についても、プライバシーに配慮し、優しく問いかけるなど、調査されるかたの負担が軽減されるようにやっていきたいと考えている。2番目の、他者と交流できない人にどうやって調査をするのかという質問だが、基本的には市町村の職員が調査をするが、相談支援事業者に委託もすることもできる。限られた支援を受けている場合、そういうかたが委託を受けて、実際に調査に行く場合も考えられる。3つ目の、必要な介護の内容は一人一人違うという話だが、市町村は今後サービスの支給決定にあたり、障害の種類や程度を把握するための障害
程度区分のほかに、サービス利用の意向や他のサービスの利用状況、介護を行うかたの状況、置かれている環境、これらを概況調査や勘案事項調査という形でしっかり調査をして、良く話を聞いた上できちんと判断していく仕組みを考えているので、一人一人の介護の違う部分も、しっかり確認して支給決定をされると考えている。
◇ 松本(東京都板橋区):この調査項目自体が不当だ。
◆ 佐藤:調査項目にいては、現在介護サービスの必要度を計る指標として、介護保険の方で使っている項目である。追加項目については、専門家の意見や審議会の意見も聞いたうえで、より障害者の特性を踏まえるために配慮されているので、理解いただきたい。
【なぜこんなに低い、国庫負担と報酬単価】
◇ 古賀:国庫負担基準が出たが、介護保険と比べても、なぜこんなに少ないのか。
◆ 松田:国庫補助基準について、介護保険との比較の話があったが、今回示した障害の訪問系のサービスの国庫負担基準については、あくまでも訪問系のサービスの部分の負担基準であるということ。介護保険の方の基準というのは、ケアマネージャーがサービスの手順の段階で個人の上限を勘案してその後のサービスを検討していく。障害の場合はこれまでの支援費の時の議論等もあり個人の上限として設定するものではない。国の負担金が義務づけられた訳だが、あくまでその義務的経費の自治体に対する配分基準であるということで説明している。国会等々でも議論となったが、在宅で暮らしている特に重度のかたの基準は、これまで支援費の中で、丙地で最高22万という全身性障害者の基準があった。これを引き上げるよう議論されて、今回もともと全身性障害者22万、一般7万弱の基準だったが、障害程度区分ごとに細分化して、さらにサービスごとに細分化しているということがある。利用の現状から、今の基準7万位より下がっているところもあるが、細分化によって重度の方の分が上がって行く反面、低い方の部分が下がっている区分もある。そこは公平な配分という観点で理解いただきたい。
◇ 古賀:この国庫負担基準の算定の根拠は、どういう調査なり考え方で出てきたのかという資料は今あるか。
◆ 松田:資料としては、審議会の資料とか、先だって3月1日に行った全国課長会議の中で資料を示している。根拠としては、当然今まで利用されているかたの水準を、まず大前提としなければならないので、これまでの実績を基にして全部の市町村、自治体で平均水準がどれくらいかということを出して、5万4千円という数字が出ている。ただこれはあくまで全市町村の平均で、それに今の支援費制度の国庫補助基準が配分の基準なので、それを下回って利用しているかたもいる。そこで市町村平均の水準で作ることは考えていなかったので、現実に今の自治体の水準の9割部分に全体の水準を合わせようと。つまり平均的に9万5千円位のレベルにまで上げたうえで、それを標準的なレベルとして判定しようとしている。
◇ 古賀:引き続き聞くが、色々保障するとか高めたとかいうが、実際に最重度とされる包括支援の人で、45.5万円という数字が出ているが、一日の介助量が8時間にならない。法律上では「常時介助を必要とする者」と書いてありながら実際には8時間しか介助を保障しない。それから障害程度区分では、非該当の人を出すことを前提として、法律で規定された事業でもない「生活サポート事業」でめんどう見ろと言っている。結局全部引っくるめると、尾辻さんが「24時間の人を念頭において考える」「福祉サービスは減らないようにする」と言った。いろいろ激変緩和措置が取られたって、今言った9割でしかない。これでは尾辻さんの答弁はウソになるじゃないか。
◆ 松田:今回、設定の中で重度障害者等包括支援、重度訪問介護、行動援護と、「常時介護を要する」かたについての国庫負担基準も当然設けている。現行の支援費制度でも、当然こういう障害のかたが各地域でサービスを受けていることは承知している。現行の支援費制度の全身性障害者の国庫補助基準が、最高で月約22万円。これは支援費制度を決めるときに、月125時間程度、1日に換算して4時間程度だった。今回はこの22万という水準を上回った基準をつくるという議論があり、重度訪問介護、行動援護、重度障害者等包括支援につき22万の水準を超える設定とした。この国庫負担の配分基準は、現にサービスを利用されているかたの個々の上限になるわけではない。現在も支援費制度の中、先程22万が最高と言ったが、色んな程度のかたがいる中で、市町村の中で流用できる設定としてきた。今後、新しく自治体で始まる長時間サービスを考えた時、当面そういう流用という部分を設定しようということである。それから、非該当になるかたが出ることを前提として、生活サポート事業で行うというのがあったが、これについては現にサービスを受けられているかたが非該当となった時、現実に今サービスを受けているので、引き続き何らかサービスを必要とするということで、市町村の地域生活支援事業の項目として設けたものである。もう一点、総額が9割であるという話だが、これは先ほど私の説明で9割と言ったが、これまで使われているサービス水準の総額9割で、予算を決めたり、国庫負担基準を設定するということではない。尾辻大臣の答弁で、これまで受けている水準を下げるということはしないとの話があったが、当然その通りで、実績の9割をカバーする、全体の9割をカバーするということでない。9割をカバーできる水準のとこまで標準値を引き上げて、それによって設定するという話をしている。だから全体の費用額が、これまでより下がるとか、今までの9割程度の金額で設定するという趣旨ではないので、その辺はご理解いただきたい。
◇ (府中市の介助者):常時介護なんてできない。月29万円とは1日1万円ではないか。(24で割ったら)時給400円になってしまう。国はこれで常時介護が要する人に対応していると思っているのか。
◆ 松田:これまでの支援費制度も同じ。確かに今回、重度包括なり重度訪問介護なり行動援護なりを引き上げたと言っているが、現実にそのサービスを受けているかたで、これを超えて利用しているかたが当然にいることは理解している。これは、先ほど言ったように、個人の利用上限にするというわけではない。市町村の方でこれまでと同様、必要なサービスと状況をきちんと認識しつつ支給決定をすることになる。
◇ 酒井:これではとても長時間介護の保障にならない。それに対して、「個人の支給量の上限ではない」と再三強調しているが、ペテンである。というのは、支給量は市町村が決めることだと言っておきながら、国が出すお金はこれだけしか出さない。なぜこれで24時間、あるいは長時間の人が生活できるのか。あとは全部市町村がもてってことではないか。国が24時間介助が必要な人に対して全く保障するという立場に立っていないことである。24時間の人が必ず生活できるようにするという尾辻答弁はどうなったのか。
◆ 松田:今の支援費制度の国庫補助部分も、今回の国庫負担部分も、実際は基準を超えるかたは当然いるが、これからもそのかたのサービスが変わることはないと思っている。これまで使われている実績等を見ると、先ほど市町村の中での流用の話もしたが、基準を逆に下回って使っていたかたはでは計算上そこまで落とすのかというと、そうではない。今の支援費制度の中で、流用という形で、その分市町村が全体として費用を計算したときに、たまたま少なく使われたかたの分というのも全部合算して必要な部分に当てるという話になっていた。その部分は今回も国庫負担基準設定上、もともとは障害程度区分ごとでの流用は可能と言ってきたことはあったが、そこについては全体の合算で行うことを示した。それから従前額の保障というものも、今現在の支援費制度の中でもあるので、これについても同様に設ける形で示している。
◇ 酒井:時間の関係で急ぐ。重度包括支援を設けたというが、これは「コミュニケーションの難しい人、寝たきりである人、気管支切開をしている人、あるいは知的な重複がある人」こういった点を全部クリアしないと対象にはならないとなると、ほとんどの人がこれに当てはまらない。もう一つは、知的障害者にとっては、行動援護って類型があって、そこに区分6の人は25万1500円とあるが、これはあくまでも外出中のことで多くの知的障害を持っている人はこういった重度訪問介護もないわけで、知的障害を持ってる人達が、地域で一人で介助をつけて暮らすことは想定していないのではないか。
◆松田:知的障害者のかたの行動援護という話だが、行動援護なり重度訪問介護なりのサービス内容については、居宅におけるサービスと、それから移動の部分のサービス、両方が必要であるという前提で基準を、
◇酒井:知的障害を持っている人が地域で、介助を入れてアパート生活するとする。そうすると、身体介助が3時間まで、家事援助は1.5時間でやれと言い、それを超える人は特に市町村の了解を得ろという制限を付けている。しかも報酬単価も、昨年、身体介護について言えば、1.5時間超えたときは1830円から820円に下がったばかりなのに、さらに下げて30分につき700円という加算でやっていけと言う。どこに知的障害の人達が地域で生活して行くことを保障する内容になっているのか。
◆ 松田:では報酬の話に移る。今言われた点は追加質問の3番目になると思う。知的障害者と精神障害者のかたにとって、市町村に認められた人しかサービスの延長ができないのではないかという点については、記載の通り、1時間半を超えるサービスについてはこういう単価を設定している。ただ過去の実績等を見ると短時間の利用で行われている場合があったので、とりあえず固定の標準単価として書かせていただいた。
◇ 酒井:とりあえずじゃダメなんだ。
◆松田:そのうえで長時間のものについても認めている。
◇ 酒井:だからそれは、「特に市町村が認める場合」ということではないか。
◆ 松田:認めている。
◇ 酒井:認めてはいるけど、何で「特に市町村が必要な場合」などという注釈を付けるのか、撤回してほしい。試行事業で、知的障害を持っている人が地域で単身で介助者付けて生活している人がほとんどいないことをもって、そういうことをやっている。単価も安くしている。これ市町村の方で、「認めない」というケースが出かねない。「1.5時間以上は特に市町村の了解を得よ、身体介護3時間以上必要な人は特に市町村が認めなければならない」と、なぜわざわざ条件を付けるのか。
◇ 古賀:その点だけ、何でそんなのわざわざ付けたのかってことだけ。
◆ 松田:必要なかたにつきましては、長時間の利用も市町村の判断で認める事になっている。
◇鷹林:制約を設けているんだよ、それは。
◇ 酒井:30分700円で、引き受けてくれる事業所があるのか、本当に。
◇ 沼尻:その話に関連してだが、私たちヘルパーがいなくて困っている。ヘルパー資格取って爆発的にヘルパーが増えたはずなのに募集しても来ない。それは今言われたように30分700円でヘルパーが来るはず無い。特に男の人で月12万位の給料しか貰えない。あなたたち月12万で暮らしてみなさいと言いたい。(会場:そのとおりだ。そうだ)私たちヘルパーいなかったら生活できない。お願いだから、少なくとも20万や25万貰えるような単価にして欲しい。今日はこれだけは言おうと思ってきた。
◇ 古賀:引き受ける事業所が無かったら、あるいは事業所がつぶれたらどうする。単価をあげるか、別の形でヘルパーを保障するか、答えてくれ。
◇ 早坂:今の関連で一言。私今失業中。去年の3月まである事業所で働いていたが、事業所が閉鎖になってしまったので退職した、それから1年間休職中である。つい先日、ある障害者のデイサービスに常勤での就職が決まりかけたが、報酬単価の発表を受けて、施設長から「この話はなかったことにしてくれ、こんな単価じゃ雇えるだけの給料は出せない。どうしてもと言うなら、パートで来てくれ」と言われた。
◇ 古賀:厚生労働省の人に、追加質問の2以降を、ざーっと答えて貰いたい。
◆ 林:では追加質問2から順に答える。身体介護で30%、家事援助で10%、3級ヘルパー、見なしヘルパーについては減算されているが、ヘルパーの介助に違いがあるのかとの質問。報酬の考え方として、身体介護、家事援助については、集中的に短時間でサービス提供が行われるものであり、それに応じた報酬単価を設定するということを考えた。それに伴い、専門的な支援を行う観点から、1・2級を原則として、その結果、3級あるいは見なしのヘルパーについては減算させていただく。規準該当事業者に15%減算を行う点については、基準該当の事業者についてはヘルパーの数等も少ないので指定事業者に比べて管理費の割合が減ってくる。そういった観点からの減算である。
◇ 古賀:残念ながら時間がきた。早急に次回交渉をもって、もう一回答えてもらいたい。

・・・・・・・・・・・・・・茨城の報告・・・・・・・・・・・・・・
3・26「障害者自立支援法を考える集い」
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西村隆雄
 里内さんや沼尻さんの介助をなどをしている福祉関係の労働者です。茨城では3月26日に「自立支援方を考える集い」をつくば市・春日公民館で、おこないました。里内さん・沼尻夫妻を呼びかけ人として、僕や学生たちが事務局となり、地域の障害者、労働組合、学生団体に呼びかけて120名以上の集まりとなりました。以下、簡単に報告します。
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●私たち実行委は1時少し前から準備を開始しました。1時を過ぎると、ぞくぞくと参加者が顔を見せ始めてくれました。受付は、1時半からでしたが早めに受け付けを始めました。その位にしないと、開始には間に合わなかったと思うくらいでした。100席分の椅子を用意しましたが、足りなくなりました。
 大学生の折戸くんが前半の司会、後半が呼び掛け人の沼尻かつえの司会で「集い」を始めました。折戸君は、学生とは思えないくらいに、落ち着いて会を進めていきました。
 まず開会の挨拶は呼び掛け人の里内龍史(茨城青い芝の会・脳性マヒ者の団体)が行いました。
* 『これから障害者の生活に深刻な影響がでてくる。障害が重いほど負担が増してくる常識はずれの考え方、まさに、自立阻害法です。障害者が座敷牢という物置に入れられて一生を終える時代から、何度も役所に座り込み、曲がりなりにも、障害者に対する施策を勝ち取って、障害者が地域で当たり前に生きられる時代になったかな、と思っていました。しかし、この自立支援法によって、その財産を奪われ、生命維持すら危なくなる。今、小泉政権は、社会保障にお金をかけないようにしようとしています。このまま社会保障がなくなり、格差社会が拡大すれば、一般の健全者から差別される人たちがでます。たから健全者も、社会保障について黙っていたらいけない問題です。自立支援法だけではなく、障害者を取りまく社会的状況がどういう方向に向かっているかを皆さんとともに考えたいと思います。』
*その後「自立支援法の問題点」というテーマで、古賀典夫さん(怒りネット、視覚障害者の方)の講演をお願いしました。古賀さんには、話してくださる時間を40分でと、無理なお願いをしたにもかかわらず、分かりやすく話してくれました(分かりやすかったと言うアンケートも多かった)。その後、質疑応答に入りました。20分の時間でしたが、3人の質問に答えていただきました。また、全国育成会事務局の方で、自立支援反対の意見も、発言していただきました。
* 『障害者区分の質問事項があまりにもひどいと思う。どう抵抗したら良いのか?』
* 『生きていくために必要なもの、息をしたり、水を飲んだり、トイレに行ったり、ということがお金がないと買えないものにされている。4月から私たちは具体的にどういう闘いをしていけばいいのか。沼尻さんや里内さんの闘いに対して、僕らはどのような要求をして取り組んでいけばいいのか?』
* 『育成会は残念ながら賛成している。私は事務局だが反対。各地から苦情がたくさん来ている。補助金が月割りではなく日割りになって、利用者が休むと補助金が減る。「休んだら罰金だ」といわれている利用者もいるくらい。利用者からも奪い、労働者からも権利を奪っている。事業所が運営出来なくなり、ヘルパーもどんどん止めていく。今後も反対していきたい。』
* ここで前半は、終了です。10分の休憩にしました。後半は、まず障害者関係の団
体より報告をしてもらいました。
* 「障害児の高校進学を実現する会」稲川さん
  障害児も分離教育ではなく、地域のこどもたちと一緒の学校生活を送りたいと、普通高校進学を求めてきた稲川さんからの報告です。茨城県教育委員会と何度も話し合った末の高校受験でしたが、結局落とされてしまった、知的障害者のお母さんから、今日の会に出席できないのでと、手紙を代読されました。高校に進学できない悔しさが、にじみ出て大変胸の打たれる手紙でした。
* 「水戸事件の闘いを支える会」小島さん
  知的障害者に虐待が繰り返された事件の支援団体。被害にあった知的障害者の生活の場を創っていくための活動報告。
* つくば自立生活センター「ほにゃら」尾和さん
  障害者が運営の主体となっている介護派遣事業所。事業所が受ける問題点の報告がされました。障害者の送迎も困難になるそうです。
* 新潟「障害者の生活を共に考え実現する会」桐沢さん
 『支援費制度に反対してきた。それはなぜかというと、福祉というのは金をだして買うべきものではないんだ、ということ。4月から施行される、自立支援法に対して、絶対廃案、撤廃、できれば、撤廃という気持ちは沼尻さんも同じ気持ち、皆さんも同じ気持ちだと思っています。一生懸命地道な活動を繰り返して作り替えていきたいと思います。ということで、新潟では、まだこれから、労働者と障害者とのネットワークを作り出していく。つくばに先を越されちゃったなという感じです。沼尻さんや里内さんのように新潟でネットワークを作っていきたい。』(力強い発言で、思わず握りこぶしを上げそうに成りました。/沼尻かつえ)
●自由討論の時間には障害者、学生、福祉関係、市議会議員、市民団体等に話をしてもらいました。
* 『わたしたちの分からないところで自立支援法が決まってしまった。県や市の職員も分かっていなくて返事も返ってこない状態です。4月から始まるので、不安がたくさんある。』(当事者)
* 『私は地域で自立生活をしている。年金生活なのですが、どうやって生活していけばいいのかわからない。皆さんの協力をお願いしす。』(当事者)
* 『地域で生きる障害者の介助、交流会、学習会を通して、自立生活を考えています。多くの障害者は障害者年金でやりくりしている介助に入ってるので、それがどれだけ窮屈か知っています。そこから1万5千~2万5千取られる。それがほんとに自立支援なのか。生活保護以下の水準になる人もいる。生存権から見て問題。トイレ、息、水を飲むということは贅沢ではない。必要最低限のこと。お金で保されるという次元の問題ではない。自立支援法は、根本的な見直しが必要。』(学生)
* 『医療福祉の職場に勤めています。医療と福祉が切り捨てられ、一方でもうけの対象にされ、労働条件が悪化し、障害を持った人、病気の人の生活が破壊されている。低賃金で、悪くなってからしか病院に行けない。混合診療や、株式会社の医療への参加など、お金のある人とお金のない人で差が出てくる。根底から変えられようとしている。現場の労働者、なにを選んで、なにを切り捨てるのかが、問われてくる。しんどいことですし、ほんとにいやです。一人では声を出すことはむづかしいですが、今日こういう場に参加できたので一緒に考えていきましょう。』(医療労働者)
* 『息子は医療費控除を受けていたが、これから一割自己負担になる。息子は無職で年金生活。大変なことになるのに、今頃気が付き、後悔している。東京の斎藤さんの知的障害の息子さんが高校を退学になってしまった。退学の取り消しを求めて署名をしているので協力して下さい。』(親)
●この集会には、準備段階から参加していただいていた、県職員組合、地元の交通会社の労働組合の方、百万人署名運動の方、など沢山参加されていました。その活動からの報告と、自立支援法に対しての怒りと反対の意見が多く出されました。また、障害者だけの問題だけではなく、社会保障全体の問題であることも話していただけました。
* 『自立支援法は大変問題がある。私たちもひどいと思っている。私たちの仕事は物
語を書くことと言われていた。国から出てくることを地域の実情に併せて組み替えて実施する。しかし、私たちが従えないような法律であっても、国に言われたこをそのままやれということで公務員制度改革があり、成績主義で縛ろうとしている。今日集まった県職員の仲間19人それぞれ職場に広めて行きたい。』(茨城県職員組合)
* 『財政赤字と言うことで、原因が福祉や医療に金を掛けすぎと言うことにされる。真っ先に福祉医療が切られる。それが規制緩和、民営化。スクールバスも競争入札。お金で判断され、競争にたたき込まれ、信頼関係もなくなる。なんとかしようと先生・保護者と反対署をやってきた。』(城南交通労働組合)
●最後に、事務局の西村から経過と目的を報告し、1:介助時間を減らさない事、2:市独自の減免をする事、3:障害程度区分判定に当事者を入れること、3項目の請願署名をつくば市、土浦市に提出する事が提起されました。まとめの挨拶として、呼び掛け人の沼尻好夫が会を締めくくりました。
 『こうして大勢の人と話し合いをして、組合の人とか、一般の人に呼び掛けて、大きな大きな輪を広げて運動を広げて、国家権力に負けないものを創ると言うことで、こうした集会を開いた。また、国の責任、厚労省の責任を追及する抗議行動をやっていかないと、いけない。運動やらないのはおかしい。これからも皆さんと一緒に運動をやっていきたい。よろしくお願いします。』(沼尻好夫)
 『つくば市の周辺にこんなにも多くの自立支援法反対の人がいるという事がわかって、力を貰った。これからも頑張りましょう。』(沼尻かつえ)
 1月から三度準備会を重ね、二回の街頭ビラまきを行い、7団体21名より賛同を頂きました。障害者、介助者、学生などが中心となり、地域の労働組合、市民団体の協力を得ながら「集い」を成功させることが出来ました。本当にありがとうございました。なにより、これだけ多くの人が集まってくれたことで、一見孤立した状況にある当事者は勇気づけられたと思います。また地域の労働組合から全面的な協力を得られたことも重要でした。とくに、自立支援法を執行する側にある、自治体の労働組合から19名もの参加があったことは画期的なことです。今後も協力関係を強めるための活動を10月本格施行に向けて行っていく予定です。申請が終わり、国庫補助基準も出され、いよいよこれから、市町村での判定や支給決定が行われます。資産・収入調査もこれからです。
 9月にかけて、具体的な問題点が明らかとなってきます。つくば市・土浦市の署名を集めながら、今後も活動を強めていきます。

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 悪法は、ゆく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・       遠藤 滋
 年度が明けて4月1日。
厚労省や世田谷区との交渉、それに記者会見の顛末などの報告を思い返しているうちに怒りがこみ上げてきて、以下のような歌(短歌)となりました。
 まだ荒削りですが、今のぼくとしては精一杯の「檄」のつもりです。
 短歌などに馴れしたしんでいない方にとっては、理解しにくい、の一言につきるかもしれませんが、使えるところがあったらどこにでも使ってください。
 以上をもって連帯の証とさせていただきます。
 とりあえず、先年度中は本当におつかれさまでした。
 なお、ついひと月ほど前までは手術後の後遺症で心身ともに、そのきつさに凍りついてしまっていた私でした。
 それが突然に歌が浮かんできたというのは、あるいは多少体調が戻ってきているせいかもしれません。
 なんとか生き残ります!
■障害者自立支援法施行 (2006/04/01) 
   穏やかな春の日なるに今日よりは身を剥ぎつくす法施行さる
   納得のゆく説明も避けしまま問答無用と年度(とし)は明けたり
   わが頸椎(くび)の手術の痕も癒えざるに問答無用と悪法はゆく
   寝返りにひとの手足を借りるとも時間いくらと国の決めをり
   記者たちも小粒になりぬ真相に敢へて踏み込む剛胆なきや
   財界の益と国とはひとつなり狂ひ求めむその行く先を
   税・保険かかわりなきが顔をしていかにせむとす音なき民は
   算定の根拠を問はれ机上なる表の数字を按分する君
   用意せる説明のみをくりかへし問ひに応へずやり過ごす君
   小ざかしき保身のみにてはじき出すつましきが上(へ)のつましき数字
   エリートの道のみを来し彼らなれ実生活を毫も想へず
   従順に日々の仕事をくりかへすこの上にありかのホロコーストも
   顔もなき鉛の兵隊行き行きて何方(いづち)に向くやその銃口(ほこさき)は
   舵取りの誰(た)ぞやそれさへ分かぬまま波の間に間に沈みゆく日本(くに)
■私の友人である大津留直から、以下のような批評文が送られてきました。先日の歌に対する、彼の激励と受け取っています。
 彼は自分が関係する障害学関係のメールマガジンにこれを掲載し、また個人的な友人・知人たちのところへこれを送るそうです。私は喜んで承諾しました。
 この悪法に反対する運動のなかにこんな自己表現活動(?)こそがあってもいいのではないかと思い、そのまま紹介することにしました。稚拙な歌ばかりですが、彼の批評は私の訴えたいことをかなり正確に受け取ってくれています。
 読ませたい人がいたら、ぜひ読んでもらってください。また、私の歌で使えるものがあったらどこでもぜひ使ってください。よろしくお願いします。
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 大津留 直です。ご無沙汰しておりますが、皆様にはお変わりなくお過ごしのこととお慶び申し上げます。
 さて、私の親しい友人であり、脳性まひの仲間でもある遠藤滋氏が、障害者自立支援法の施行にたいして以下のような数々の短歌を送ってきましたので、皆様に是非読んでいただこうと思います。なお、いくつかの歌に対する私の拙い批評を加えました。ご笑覧いただければ幸いです。
◆『穏やかな春の日なるに今日よりは身を剥ぎつくす法施行さる』
 「身を剥ぎつくす」の凄みが効いている。しかし、多くの人が、この表現を大げさな被害妄想と受け取る危険性はあるかもしれない。国民の多くが、まさにこの法律の施行によって、「身を剥ぎ尽くされる」思いをしている障害者がいようとは想像も出来ないのではないか。これは何なのだろう。想像力の欠如?情報の偏り?情報操作?それでいて、誰もがうすうすは、何かおかしいと感じてはいるらしい。結局は、決定的な対案に欠けることが人をこのように「その日暮し」的にしてしまっているのか。「えらそうなこと言ったってなるようにしかならない」という諦めが蔓延しているように思う。いや、これは諦めよりももっと性質が悪い。国だけではなく、国民の多くが、「ローン」に浸かった生活をしている。だから、小泉構造改革は彼らにとって唯一の希望であるかに見えるのではないか。
 「音なき民」は結局、自分の生活のことしか考えていない。僕自身結局そうだ、と告白しなければならないだろう。しかし、誰でも明日は寝たきりになり、一割負担の介護を受けることを強いられ、「身を剥ぎつくされる」可能性に付きまとわれていることも確かなことなのだ。だから、この歌には、もしかしたら、それこそある国民的運動のうねりを作るきっかけになる力が潜んでいるのかもしれない。君の歌にはいつもそのような力がある。それは君が身を晒して歌を詠んでいるからだ。
◆『用意せる説明のみをくりかへし問ひに応へずやり過ごす君』
 小泉さんのことだと読んだ。彼の答弁を聞いていると、何時も何かはぐらかされている感じがする。しかし、野党の人々は、小泉さんと比べるといつもお人よしで、その「はぐらかし」をそれとして完全に暴露するまで食い下がるのを未だ嘗て見たことがない。だから、彼の答弁を聞いていると、いつもイライラさせられる。そもそも、この「障害者自立支援法」という名前が「はぐらかし」の典型なのだ。この法律は実は「社会保障費削減法」であり、「障害者支援介護保険化法」と呼ぶべきなのだ。
◆『従順に日々の仕事をくりかへすこの上にありかのホロコーストも』
 『顔もなき鉛の兵隊行き行きて何方(いづち)に向くやその銃口(ほこさき)は』
われわれがわれわれの「いのち」の決断へと立ち還る必要性を訴えているように思われる。われわれがそうすることを拒み、例えば、世間の常識に従順に、効率性と機能性を絶対視し続けるならば、そこでは、その原則に沿えない「いのち」が排除されるホロコーストのような状態へと突き進んでいかざるを得ないのではないかということを詠っている。そこでは、われわれ自身が、あのミヒャエル・エンデの「モモ」に出てくる灰色の人間たちのような「顔のない鉛の兵隊」になるのであり、その銃口は実は、われわれ自身の「いのち」に向けられるのである。特に、「顔のない」という表現が、われわれ自身が自分自身を失ってしまう危険を指し示している。以上、大津留の拙い批評です。
 なお、遠藤氏から今届いたばかりのメールの一部をここに貼り付け、注とさせていただきます。
 「ぼくはいま、自分だけのための『結・えんとこ』という准・事業所を立ち上げています。もともと事業所などやりたくてやったわけではないのに、例えば確定申告のとき、いらざる苦労をしました。介助を支えるためだけのものなのに、下手をすると自分自身の収益のように扱われかねないからです。
 現にもし一割負担を免除されようとすると、個人の収入だけでなく、これまでの預貯金や相続した不動産まで、ほぼ全財産を開示しなければならないではないですか!
 少なくとも今月からは、この准・事業所への補助事業費の支給は、これまでの一割五分も減額となります。金額にして、月に約十何万円…。これは主に必要経費に対する補助だとしても、ヘルパーにきちんと労働報酬を保障することは、ますます困難になってしまう。准・事業所(基準該当)の存在そのものが狙われているのではないかという危惧を、絶えず持たざるを得ない現状です。
 それから、昨日の民主党の山井和則議員のメルマガの一部もここに貼り付けさせていただきます。
「いま悲しいニュースが入りました。去る3月11日に福岡市で、障害のある娘さんをお母さんが包丁で刺殺し、自分も自殺をはかるという痛ましい心中事件が起こりました。恐れていたことを現実になりました。原因は、この4月からスタートする障害者自立支援法により、自己負担がアップし、今まで利用していた作業所などが利用できなくなったからでした。悲しすぎる出来事です。心よりご冥福をお祈り申し上げます。合掌」
 このようなことがこれから次々と起こることがないことを祈るのみです。
                        大津留直拝
・大津留直:哲学博士(チュービンゲン大学)。関西学院大学非常勤講師。日本における論文:『障害と健康』(『現代思想』2000年9月号)・『言葉への道。芸術の現象学へ向けて』(『思想』 2004年12月号)など。遠藤と共に短歌結社「あけび」会員。光明養護学校では同級生であり、とくに中学部時代以来の親しい友人である。

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2006年2月23日 (木)

怒りネット通信 第18号

怒りネット通信 第18号
2006年2月 日発行
■怒っているぞ!障害者きりすて全・国ネットワ-ク

2月1日の厚生労働省交渉の報告をします
木村(新潟)
 2月1日、怒りネットは、社民党の阿部知子議員に仲介していただき、衆議院議員会館で厚生労働省に対する今年最初の交渉を行いました。90人が参加する大きな集まりになり、会議室に入りきれない人もいました。怒りネットが呼びかける交渉の参加者としては、かつてない数になりました。障害者自立支援法の施行を前に、全国各地で地方自治体による説明会が行われているなか、不安や疑問が大きくふくれれあがっている証とも思われます。
交渉は、午後2時から4時までの2時間行われました。
 厚生労働省側の出席者は、障害保健福祉部から企画課の武井補佐、社会参加推進室の国松係長、障害福祉課の元木係長、同川島係長、障害保健福祉改革推進室の上井補佐、精神保健福祉課の佐野係長の6名。
 怒りネットは、古賀さんを司会に議事を進行させていきました。
議題は、負担の上限設定が分野別であるため合算した負担額が膨大になる問題。減免申請に際する資産確認の問題。精神障害者に対する医療費負担の上限を自己管理させる問題。障害程度区分の根拠や、長時間介助を要する重度の障害者に対する「重度訪問介護」や「重度包括支援」といった新類型についての質問など、新法の核心をつく内容でしたが、厚労省の6人は、答えに窮して、いたずらに沈黙の時間が過ぎてゆき、会場からヤジや憤まんの声がわくような場面がたびたびありました。
以下、発言のやり取りを要約して、順に報告します。怒りネット側の発言には、発言者名の前に

「◇」、厚労省側には「◆」の印をつけました。

■《尾辻答弁の方針にそって施策を進める》
◇古賀:
今日は自立支援法の中身、あるいはその運用の中身について話を進めて行きたい 。まず最初に聞きたいことがある。尾辻前大臣が国会答弁の過程で、10月21日には24時間介助の必要な人についての介助保障をきちんと検討していると述べている。また10月26日には現状のサービスを後退させることはないんだと言っている。しかしその後政省令に関するパブリックコメントに寄せられた、「国庫補助の基準は現行サービスを下げないようにするべきだ」との意見に対して、厚生労働省は「適切な水準のサービスを行っていく」と回答している。尾辻大臣の答弁よりもニュアンスが後退しているのではないかと思えた。あるいは別の交渉の場では「激変緩和措置が必要なんだ」との発言があって「激変するのか」との疑いもある。尾辻答弁と今の厚生労働省の立場が同一か否かを、まず、うかがいたい。一切の前提になると思うので。
◆武井:
抽象的すぎて答えにくい、個別具体的な点について答えられる。
◇古賀:
現在の厚労省の立場の確認であり、重要なことなので答えてほしい。
◆武井:答えるとすれば、大臣の答弁の方針にそって施策をすすめるということになるのでその方向で準備をしている。
■《分野別に上限があっても、合算したら意味がない》
◇古賀:
介護・訓練等給付での上限、補装具での上限、自立支援医療の上限、地域生活支援事業(自治体が決めるので今のところ不明)の負担、入通所施設の食費負担の上限などなど、これらが別個に決められている。これでは上限はあって無きがごとしである。
これでは生活ができなくなるが、この点はどうか。
◆川島:
介護給付、補装具、自立支援医療等、それぞれ低所得者に対して配慮措置をもうけている。それぞれ利用料が発生した場合には合算する。これについては今後検討すべき重要な事項と考えているので、今後の状況と所得保障の問題とあわせて検討させていただきたい。
◇酒井(世田谷):
分野ごとの上限設定なので、合算すると生活できなくなるケースも出てくると言っている。それに対して、「今後検討していく」と言うが、4月1日から始まる応益負担に対して、その前に新たな対策を示すということか。
◆川島:
その点は法律改正も必要になってくるので、4月1日までには(新たな対策を示すことは)考えていない。
◇酒井:
「今後検討」というのは漠然としたものなのか。
◆川島:
今後の状況を見つつ、すみやかに検討して行きたい。
◇酒井:
政省令で出して来ているのだから、4万200円を3万7200円に変えたように、厚労省の判断で出来るはずではないか。‥‥‥‥(誰も回答せず)‥‥‥‥◇古賀:上限とは何のために作ったのか。生活が困窮してしまうということで作ったのではないのか。合算でそれ以上の困窮になる可能性について、今まで検討されずに4月1日から施行すること自体おかしい。何の対策も取らないのであれば、施行をやめて欲しい。
◆佐野:
検討課題であると言ったが、省内に障害者自立支援推進本部を設置して、その中でこういった問題を検討していく。
◇高見(関西):
法律改正が必要だとの発言があった。それに対して政省令で対応できる問題ではないのかと質問した。その回答をしてほしい。
◆武井:
今日もらった質問の中で、介護給付、地域生活支援、補装具など色々ある。その内容におうじて、政省令で対応するものとか、通知とか、法律とか、色々あると思う。
◇古賀:
「所得保障とあわせて考える」というが、所得保障に関しては3年後をめざして考えるということではなかったか。つまり、3年間はこのままでゆくということになるではないか。
◇高見:
具体的に聞く。私は精神だが、非課税なので医療は上限の5千円を使う、別にホームヘルプの負担がある。すると、この5千円の上限設定は意味がなくなる。「5千円位しか負担できない」から5千円を上限にしているのではないか。なのに、ホームヘルプを利用したらそちらでも金を取るというのは、上限を設ける意味がなくなるではないか。
◆佐野:
医療の場合の5千円というのは、医療での上限になる。福祉での上限は福祉の考え方にそった上限額なので、それぞれ別々に考えてもらう必要がある。
◇渡辺(北区):別々に考えろといっても、こっちの財布は一つしかない。別々に考えられないから質問している。
◇古賀:
では2万4600円とか5千円というのは、何を根拠につくったのか。
◆武井:
あらかじめもらっている質問とだいぶ違う。今の質問は担当者を変えないと答えられない。「負担が発生する時、いかなる対策を考えていますか」ということなので、その軽減措置とか減免があるということの説明はできるが、その算定根拠などの話になると別の担当者になる。ここで答えられる内容とは異なる。
(会場:ブーイングとヤジ)
◇渡辺:
減免というのは、それぞれの減免ではないか。たとえば合算した時、年金額に届くような額になって、残りわずかでどう生活しろというのか。「状況を見ながら」と言うが、見なくたってはっきりしている。年金生活の人で、これを払えず介助も受けない、医療にも行かないとなったら、生命にかかわる。
◇酒井:
世田谷区では低所得1で1万5千円の上限に当てはまる人など、ほとんどいない。2級年金で6万6千円の人でも、世田谷区で独自に出している手当が1万6千なにがしかあるのでそれらが全部所得となる。ほとんどの人が低所得2の上限2万4600円になる。くわえて移動介護が地域生活支援事業に移ったから、それも別に取られる。そうなったら生活どころじゃない。
◆武井:
生活保護に移行しないような措置がとられる。
◇岡田(千葉):
生活保護にならないようにというが、こんなにとられたら生活保護になる。千葉市で説明会をうけたが、年間所得で80万こえるとお金とられると言われた。
80万円の根拠は何か。
◆川島:
根拠については、障害基礎年金2級相当のみの収入で生活をしている方がいるということで、個別減免では負担なし、上限では1万5千円といった減免をしている。
◇古賀:各負担上限額の数字の根拠については、もち帰って調べて、あらためて報告してほしい。またなぜ別々に上限をつくったのかについても調べてほしい。川島発言で「今検討中」とのことだったが、どう検討し、4月までにどのように間に合わせようとしているのかについても質問する。
■《ご都合主義的な、他制度(介護保険等)との整合性と、財産調査の異質さ》
◆川島:
福祉サービスの上限設定については、他の老人保健サービスとか、他の制度で上限を設定している等を勘案して設定している。
◇古賀:
それは多分、「介護保険と同じだ」と言いたいのだと思うが。
◇渡辺:
介護保険は、上限は最高でも3万6千円位である。いろんな制度を使っても上限はそれだけ。ところが障害者の場合は、介護給付に3万7200円、補装具に3万7200円、そして医療に5千円・1万円と、これは他制度=介護保険とはあきらかにちがう。
◇酒井:なぜ所得だけじゃなくて、財産把握までしてしぼりとろうとしてるのか。通帳のコピーを出せとか、しかも本人だけじゃなく世帯の生計中心維持者の預金通帳のコピーも出せという。減免をうける場合、なぜ預金通帳などの財産までチェックするのか。世田谷区では、原則1割負担の介護保険を3%にする減免措置がある。その減免にあたって預貯金等の財産を、通帳のコピーまで出させて確認するのかと聞いたら「そういうことはしていない。収入と支出のバランスだけで判断している」と言っている。なぜ通帳コピーまで出せということになったのか。
◆川島:
制度を今後安定的に支えてゆくために、基本的に皆さんで支えていこうという趣旨から定率負担の考えでやっていて。
◇鷹林(世田谷):
介護保険でも通帳コピー出させているのかって聞いてる。
◇沼尻(茨城):
私たち貯金して、たしかに350万以上の人もいると思います。若い人の場合、これから50年60年と生きて行かなければならない。先の事が心配で、親が障害者名義の貯金をしてくれて350万以上になっている人もいると思う。それは何のためだと思っているのか。生きて行くためだ。ゼイタクなんかしてない。行きたい所だって、買いたいものだってガマンして貯金ためている。それは生きて行くための蓄えだ。それを取りくずせっていうのか。この先、誰が面倒みてくれるのか。(会場)答えろ。(会場)答えなさいよ。(会場)あこぎだと思わないか。
◆川島:
わざわざ預貯金の通帳の写しを出す必要はないのでは、ということについては、原則的に負担していただけるところは負担していただいて、そこのラインを350万とか、他の低所得者世帯の平均の預貯金なり、マル優なりの金額を参考にして設定した。
減免する場合は、一定の確認が必要であるということで作った仕組みと考えている。収入で将来のために蓄えているという場合でも、保護者は障害者を受益者として設定する信託財産とか、個人年金等の一定期間使えない状態にある資産については、除外する事例もあるので、理解いただきたい。
◇古賀:
介護保険にも社会福祉法人減免ある。世田谷区の話では、介護保険では預金通帳の確認はしていないそうだが、障害者自立支援法での社会福祉法人減免ではなぜそこ(通帳の写しの提出)までするのか?
◆川島:
介護保険の方は存じていないので明確に答えられない。考え方としては、原則的は定率的に皆さんに負担していただき、ただ払えない方もいるので、個々に減免措置を細かにもうけている。その減免にあたって、預貯金が一定以上の場合は負担能力があると考えており、払えないのかを判断する際にそういった資料を示していただく。
◇沼尻:誰が判断するのか。
◆川島:
350万円なりの基準を示しているので、そういった資料を自治体の窓口に出して確認いただくことになる。
◇渡辺:
介護保険では基本的にやっていない。医療保険では、健康保険料は所得で決まる。預貯金では決まらない。これ一つを取ってみても、他制度との整合性という説明は納得できない。
◆川島:
かたや保険制度で成り立っている制度だが、かたや障害者福祉サービスについては税収によってまかなわれているという違いがある。
◇渡辺:
違うんだったら、なんで介護保険や医療保険を参考にしてそれに合わせようとしているのか。言ってることが矛盾している。他制度との整合性をはかるためと称して障害者からお金をとる。都合のよいところは整合性というくせに、この預貯金、通帳問題は他の制度のどこもやっていないのに、障害者制度だからやる。それは税金と保険の違いだと。違うんだったら1割負担も変えろ。
◇古賀:
今までの応能負担だって税金だ。
◇松本(板橋):
他制度との整合性とかいうが、うちの母親は介護保険受けているけど預貯金まで調べられなかった。唯一調べられるのは生活保護世帯だが、これも後から収入をえて、給付されている金額を貯めていくことについては許されている。なのになぜ、この自立支援法では財産・預貯金を調べるのか。個人情報保護の観点からもまちがっているのではないのか。
◆川島:
先ほどからのべているように、原則として皆で制度を支えて安定した制度にして行きたいというのが大原則。
◇古賀:
これも答えられないようなので、あらためて省内にもち帰って答えてほしい。
■《財産調査に際しての同意書の問題》
◇鷹林:
生活保護の場合でも財産を調べるには、屈辱を強いるが、同意書を出させている。障害者自立支援法では同意書について書かれていないが、同意書は取らないのか。
◆佐野:
私個人の考えだが、窓口で確認する書類が複数あるので市町村の考えて、できるだけ皆さんの書類提出の手続きが簡単になるように配慮していると考えている。
◇松本:
市町村はやりたくない。厚労省から通達がおりるからやっているだけ。
◇梶原(府中):
東京都は、通帳のコピー等の提出は必要ないと言っている。
◆佐野:
あちこち、いろいろな所から書類を集めてきていただく手間を考えて、そういった同意書というものをもって、市町村の方で手続きの簡素化を図っているのだと思う。
◇渡辺:
それは生活保護の話。障害者の場合は、同意書ぬきで勝手に調べるのか。
◇酒井:
財産の把握はプライバシーの核心にかかわる。生活保護の場合でも、本人の同意をえて銀行や関係機関を調べる。自立支援法の法文には同意という言葉がない。そのことを言っている。
◆川島:
軽減措置については申請にもとづいて必要な書類を出していただくという扱いになっているので、通帳の写しを出してもらうというのは現実的なあつかい。ただ、そうは言っても自立支援法の十二条には、収入等の状況において「官公署に報告を求めることができる」とあるので、原則は申請に際して出してもらうということだが、実際の運用にあたっては、必要に応じて申請者の同意書を取るという対応はありうる。ただ法律上は、そういった報告を官公署に求めることができるという規定があるということ。
◇古賀:
介護保険法にも今言った十二条と同じような規定がある(二百三条)。生活保護法だってある。しかし他ではそういう運用をしていないと先ほどから皆が言っている。
なのに、なぜ障害者自立支援法ではこういうことをするのかということ。
◇渡辺:
現場の判断次第でコピーを取らなくてもいいという見解か。疑義があっても別に調べなくてもよいと。
◇川島:
提出書類なので、写しは出していただく。収入等の状況について「官公署等に報告を求めることができる」という規定はあるが、必要なら利用者から同意書を取るというような運用をしてくださいということ。
◇渡辺:
各市区町村の判断で必要なしと認めれば、銀行に調査に入らなくてもいいのか。
◆川島:
同意書について言っている。通帳の確認は必要。
■《通帳のコピーは本当に出さなければならないのか》◇渡辺:通帳の確認は絶対しなければいけないのか。
◆川島:
と考えている。
◇渡辺:
それをしなかった場合には何かペナルティがあるのか。市町村に対して補助金降ろさないとか。そこまで法律では書いてなかったような気がするが。‥‥‥‥(誰も答えず)‥‥‥‥◇渡辺:市区町村がやらなくても、それにペナルティを加えることはないということか。
そこだけ確認したい。
◇酒井:
十二条で「自立支援給付に関して必要があると認めるときは」「銀行、信託会社その他の機関」に対して「報告を求めることができる」と書いてあるところは、市区町村にとっては義務ではないということか。
◇渡辺:
「ことができる」だから、市区町村が対象の障害者全員について必要なしと認めれば、別に銀行を調べなくても良いことになるではないか。
◆川島:
提出書類で市町村の方に異議がないということであれば-。
◇渡辺:
分かった。
■《たらい回しの減免手続き》
◇古賀:
先ほど、生活保護移行防止のことがでたが、生活保護移行防止のやり方はイヤガラセとしか思えない。というのは、まず障害者福祉関係の、窓口に行って、どういう福祉をうけるか決めて、かかるお金の通知をうけて、それで今度は生活保護の窓口に行って「これだと生活保護になっちゃうから」と保護の申請して、福祉事務所が「これだけ減免すれば生活保護にならなくてすむ」と却下通知を出して、それをもってまた障害福祉の窓口へもっていく。障害福祉の窓口だけで一括して完了する話である。それをなぜこんなことをさせるのか。
◇渡辺:減免の申請をやりにくくしているとしか思えない。先ほどの「書類を集めてまわるの大変だから」との話とぜんせん違う。
◇古賀:地域によっては、障害福祉の窓口と生活保護の窓口が、地理的に離れているところもある。僕の住んでいる所もそうだ。‥‥‥‥(誰も答えず)‥‥‥◇渡辺:そこ移動したらまた(移動介護の)一割負担が来るではないか。‥‥‥‥(誰も答えず)‥‥‥‥(会場ざわめく)答えろ。ふざけんなよ。冗談じゃないぞ。
◆川島:
先ほどとも共通するが、減免するにあたって生保に当たるのかどうかは生保の担当なので一定の手続きをふんでいただきたい。
◇古賀:
障害福祉課で所得も何もおさえている。そこが生活保護の窓口と相談して決めればすむことである。なぜ障害者にぐるぐる回させるのか。
◇杉並の介助者:
障害者のヘルパーをしている者だが、今日障害者がここに来るのに、どれだけ苦労していると思うのか。まず介助者探して、体調を整えてやっと来ている。障害者はどこに行くのにも介助者が必要である。障害福祉課に行け、生活保護の窓口へ行けという場合も介助者が必要。そのたびに介助者をさがしていく苦労を理解しているのか。介助者さがしは本当に苦労する。電話しまくって断られて、なんとか頼み込んで、無理やり入ってもらっている人もたくさんいる。そういうなかで、あっち行けこっち行けと言う。あんたらがやれよ。
◇古賀:
一つの窓口ですむようにしろという通知を出してほしい。市区町村の側で一カ所で全部すむようにしてもかまわないではないか。地方自治として当然だと思うがどうか‥‥‥‥(誰も答えず)‥‥‥‥
◇世田谷の障害者:
言葉悪いが「お前ら」って言いたくなる。都合の悪いことは答えないでその場逃げていればいいんだから。私たちは自分で書類を書けない。介助者や家族に代筆してもらう。この面倒な書類をあっちだこっちだって、不合理だ。すごく面倒臭くてしんどくて、あげくのはてには個人情報まで提出させられて、記入するにも分からなくてあちこち電話しまくって、相手も答えられない。肝心の保健福祉課も。「ちょっと待ってください」「ちょっと待ってください、調べますから」と。お前ら、納得できるような説明してからやったらどうなんだ。
◇古賀:
さて、どうか。少なくとも地方自治体が一カ所の窓口ですますことについて厚労省としては文句をつけないか。
◆武井:
厚労省の立場ではなく個人の立場だが、そういう自治体の判断で効率化をはかるということはできると思う。
◇古賀:
こういうことを撤廃する通知が出せるかどう、あらためて質問する。省内にもち帰って検討されたし。
■《自立支援医療の負担上限管理を患者本人にやらせるのか》
◇高見:
「利用者のための手続き」などと言う。先ほど言ったが、私は精神障害者である。自立支援医療で負担上限管理表というのある。五千円なりの負担の上限に達するかどうかを各患者が自己管理しなければいけないという制度である。A4の用紙だが、それを自分で管理して、病院や薬局に行く度に記入してもらって、上限になったらそれ以上払わなくていいというもの。自分できちんと管理できる人、何人いると思っているのか。この制度がうまく行くと思っているのか、また、うまく自己管理できなくても本人の負担にするなということ。2点に答えてほしい。
◆佐野:
上限管理の方法については、これまで各都道府県の課長会議などで、意見をつのった結果、最善の方法として行っているのが、この上限管理表と考えている。
◇高見:
最善かどうか知らないが、診療所は責任もてないと言っているし、薬局はもちろん責任もたない。この負担上限管理表は破産する。そのときに患者本人の負担にならないようにすると一言、言ってほしい。
◆佐野:
よりよい医療制度をめざしている。その中で、私どもでできる最良の方法をとらしていただいている。
◇高見:
患者が負担上限になるまで、その書類を紛失せずに管理するなんてことは、絶対成立しない。書類だって無くすし、病院いくとき持っていくのを忘れることもあるし。
そういう形で制度が破綻した時に、一言患者本人の負担にならないようにすると確認してくれたら、それでいい。
◆佐野:
申請主義の形をとっている。また患者が自分で管理するというのが本来の姿と考えるので、患者が医療をうけるたびに必要なものとしてもって行き自己管理する方向で考えている。
◇八王子の精神障害者:
精神保健福祉法の32条、公費負担のときは患者表というのがあって医療機関が保管をしていて、本人はそれを携帯しなくてもよい形をとっていた。自分で自分の事を、責任もって判断しながらやって行けるようになれば一番よいわけだがそれができないから、支援を必要としている。個々人が、自分の医療費を自分で管理するっていうのは大変なこと。今までの患者表と同じようなあつかい方はできないのか。
◆佐野:この点については、当然社会に出て生活していただくことなので、健常者と同じように、自分で管理していただくという形になると考えている。
◇高見:
いまの発言は、こんなことの管理ができないような奴は社会で暮らすなと言っているのか。
◆佐野:
決してそういう話ではない。
◇高見:
社会で暮らすのだから、これくらいの管理は自分でできるものだと言った。逆に言えばできない人は、社会で暮らしてはいけないということか。
◆佐野:
やっていただきたいということ。
◇高見:
できない人はいっぱいいる。負担上限をこえて負担してしまうことも、すぐ現実になる。そうなった場合に、本人の犠牲にしないということを、最低限言ってほしいということ。
◆佐野:
私ども、患者本人に管理をお願いしたい。
◇世田谷の障害者:
健常者と同じと言うなら、自立支援法なんかつくるなよ。
◇古賀:
いずれにしても、実際、精神障害者の方から、そういう形ではできないと言っているわけだから、患者を犠牲にしないという方法を厚労省の方でキチンと立てることを要請する。検討されたし。
■《国庫補助は、認定時間に対してではなく、区分に対して出す》
◇古賀:
先に進んで障害程度区分のことに入る。障害程度区分で生活がどうなるかということについて、みな非常に不安をもっている。障害程度区分の政省令案がパブリックコメントでだされて、介護保険の要介護認定時間と、まったく同じ時間を障害程度区分時間にもってきている。結局これは介護保険と同じ水準になるのかとの不安がある。そもそもこの何分何分という障害程度区分時間とは一体何なのか、厚労省の説明を聞いてもわからない。その資料もないと厚労省も言う。透明で客観的な基準というが、人に理解できないものは透明でも客観的でもない。しかも障害程度区分試行事業のなかで、現にホームヘルプを利用しているのに非該当になった人がいる。その非該当になった人は、「生活サポート事業」で支えると、12月26日の資料にでているが、これは全く市町村まかせ。国の補助金の対象ともいえない。つまり地域生活支援事業の必須事業ではない。さらに、あらたな「重度訪問介護事業」とか「重度障害者等包括支援事業」がどうなるのか全くわからない。このへんの問題について説明してほしい。
◆武井:
企画課の武井です。障害程度区分をどのように作るかということを担当している。部会や課長会議に適宜資料をだしている。今回の障害程度区分時間の数字の考え方だが、これは今まで先行しておこわれた研究事業にもとづいて算出された数字であり、一つは実験モデルでだされた数字、それから昨年の夏におこなわれた試行事業によるデータ、それから平成16年度に行われた研究事業の成果をふまえて、一定のロジックを作成してだした基準の区分時間となっている。現在一つの算定根拠の目安として出しているが、実際に皆さんが使う時間は非常に様々だと思う。今回の区分時間は、実際に使う時間の上限値ではない。「生活サポート事業」について質問があったが、これは介護給付の対象外、区分1に該当しない方に対して、日常生活に関する支援か、家事に対する支援を行っていくということ。現状すでに何らかのサービスを使っている方々に「地域サポート事業」という新しい事業を作ってサービスを提供したい。
◇府中の介助者:
実際の支給と程度区分時間の相関関係はないのか。
◆武井:
一つの目安にはなると思う。
◇府中の介助者:
「分」と書いてあるから普通に読んだら、自分が一日何分位の介助コースなのかと読んでしまうのが普通。「分」でなくてもよかったではないか。
◆武井:
「分」表示については、16年度より前の先行事業のデータを使って、一定のロジックを組み立て、あと17年度に行われた調査も使って組み立てる。先行事業のデータを使うので、そのデータが反映された形ででた。たしかに誤解をまねく危険性があるのできちっと表示をして、誤解がないよう伝えてゆきたい。
◇酒井:
何で必要なのか。
◆武井:
客観的な基準というものが無かったので、そうした障害程度区分をつくることによって、大きかった地域格差の解消の一助になると思っている。
◇府中の介助者:
介護保険を参考にしているのか。
◆武井:
介護保険および障害にかんする研究のデータを使っている。
◇酒井:
基準と言ったが、区分1から区分6まであって、区分6が一番重いことになる。
区分6は基準時間が110分以上である状態、その下の区分5が90分から110分未満とある。基準が必要だからといいながら、その一方で、一人一人の使う時間はまちまちなので、個々人の上限ではないという。市町村が一人一人の障害程度区分を1から6までふり分ける時、たとえば区分5になった人の基準時間は、90分から110分相当だというふうに読むのか。
◆武井:
時間を材料に区分を判定するが、その区分に該当する人がその時間を使うということではない。支給決定のベースはあくまで区分であり、時間はその区分をだす上での通り道。
◇府中の介助者:
(区分判定の)時間を補助金配分のベースするのではないのか。
◆武井:
区分ごとに国庫補助基準がきまる。たとえば区分3の人が10人いると、区分3の国庫負担基準×10が国庫から自治体に払われる。
◇府中の介助者:
国庫補助と時間の関係は。
◆武井:
国庫補助は区分に対して行われるのであって、時間はあくまで区分を出すうえでのプロセス。
◇府中の介助者:
区分あたりの補助額はまだ決まってないのか。
◆武井:
決まっていない。
■《「重度包括支援」とは何か》
◇酒井:
障害程度区分を一人一人出して、各自治体で区分6なら6の人の人数が出る。厚労省は区分ごとに国庫補助基準を示して、区分6についても一人当たりいくらという形でだすのか。
◆武井:
多分そういう形ででると思う。
◇酒井:
たとえば重度で16時間くらい支給出ている人も、区分6になったら、区分6の人が1人に付きいくらという形で基準額を示すのか。
◆武井:
そこは十分議論する必要がある。いわゆる重度の方、例えば110分となっているが、150分の人もいれば、もっと多い人もいる。その方に対してどのようなサービスを提供していくか。それには二つある。一つは区分外の金額を支援費制度のように柔軟に使って対応する。もう一つは今回重度包括支援というサービスの提供が始まるのでその部分については、区分だけのものよりも、他のサービスも包括して使えるので、なんらかの金額的なサポートが必要となる。そういったものもあわせて今回提示したいと考えている。
◇酒井:
重度包括というのを皆が聞きたいと思っている。重度包括を区分1~6以外におくのか。
◆武井:
多分区分はずっとそのまま使う。区分6の中でも軽重ある。区分6の中で非常に重い方々に対しては、さらに特別の方法がとれるような、そんな対応をとりたいと思っている。
◇府中の介助者:
それいつ頃分かるの?
◆武井:
年度内に決める予定なので年度内に示す。
◇酒井:
重度包括になる対象の基準は厚労省が決めるのか?
◆武井:
一部は当然、みなさんの意見を反映させるため、審議会の障害者部会などで、議論して検討過程をへて最終的に厚労省が示す。
◇酒井:
自治体で重度包括の対象を決められないのか。
◆武井:
原則それは厚労省で決めるが、自治体独自のサービスにまで制約をもうけるものではない。
◇古賀:
2月9日の障害者部会で、サービス内容がでるのか。
◆武井:
まだ資料がまとまっていないが、なるべくだす予定。
◇酒井:
障害程度区分に対する介護報酬は、6の人はいくらと厚労省が決め、その人数分だけ地方自治体にわたすのか。
◆武井:
基本的にはそう。
◇酒井:
一番重い区分6で110分以上相当というが、今までは、はるかに超える保障を国も地方もだしていた。今後そのこえる部分は地方自治体の持ちだしになるのか。
◆武井:
そこで重度包括支援の考え方がある。区分6だけでは不十分。重度ゆえに追加的な特別なサービスを設けて、区分6の方々に手厚いサービスをすることになると思う。
■《審査会の意見》
◇酒井:
厚生労働省が作ったパンフ「自立支援法が施行されます」に、「市町村は、障害程度区分やサービス利用意向聴取の結果をふまえ、市町村が定める支給決定基準にもとづき支給決定案を作成します」とあり「市町村は作成した支給決定案が、当該市町村の定める支給基準に乖離するような場合、市町村審査会に意見を求めることができます」と書いてある。「支給基準と乖離する」とはどういう意味か?
◆武井:
たとえば金額で分かりやすく言うと、今市町村がある区分に5万円という基準を作ったとする。利用者の意向をきくと、「もっと必要だ」という場合がでてくる。その意向を反映させるには「7万円が必要」という場合には、市町村は自分が作った基準とは異なるので、審査会に意見を聞き、審査会から「まあこの人の状態であれば5万円となっているけれども、7万円必要だろう」との意見をもらえるなら、市町村として7万円だすことも可能だという意味。
◇酒井:
「意見を求めることができます」だから意見を聞かなくてもいいのか。
◆武井:
「審査会の意見を聞くことができる」なので、合意が形成されていて、支給が可能な場合は、聞かなくてもいい。意見をきいて、今後の支給決定に役立てることもできるし、市町村によっては、今までの歴史があるのでその経緯や歴史をふまえた対応もできる。
■《「重度訪問介護」とは何か》
◇府中の介助者:
重度訪問介護について聞きたい。自治体レベルでは、すでに利用者説明会も事業者説明会も行われている。まだ類型ごとの内容が細かく国から示されていないなかで、自治体「こういう類型があります」との説明をせざるをえなくなっている。僕らの自治体では、自己負担の減免申請とのみならず利用申請書を出させている。すると出す側もそこに希望類型を書かなければならない。しかし、その類型の中身が不明確なので、すごく不安である。重度訪問介護は、うちの自治体のように「今までの日常生活支援と移動介護をミックスしたもの」という理解でいいのか。
◆武井:
新たに作られる制度なので、それに似たようなもの。どういった人が対象になるのか、受けられるサービスは何かという点は、皆さん気になると思う。ホームヘルプと移動支援を合わせて利用したい人は、申請した方がいいと思う。介護給付に移動支援をふくめるか否かは長い議論があった。移動支援も含めたサービスが必要な人は重度訪問介護を検討してほしい。
◇府中の介助者:
これまでの日常生活支援と全身性移動介護のミックスという理解でいいのか。
◆武井:
今の時点ではその理解になる。検討中なので審議会や省令告示等で示してゆく。
◇府中の介助者:
もう利用申請書が来ていて、締め切りもすぎている。
◆武井:
これから省令告示をだすので、その後にしかるべき申請はできる。
◇府中の介助者:
申請できると言うが、一旦書いたものをまた書き直すのか。国が先にキチンと内容を示すのが順序ではないか。
◆武井:
今回、施行の期日もせまっていることもあって、便宜上おこなっていると思う。
◇府中の介助者:
重度訪問介護や重度包括支援について、対象者をこれから示すというが利用意向で重度包括支援や重度訪問介護を使いたい人でも、ダメだという人もいるのか。
◆武井:
重度のサービスで、手厚い支援を受けるので、一定のルールができる◇府中の介助者:どういう人達が対象になるのですか。
◆武井:
重い人達。
◇府中の介助者:
先ほど、重度包括支援の方は、程度区分にかかわらず何らか仕組みをつくっているとの話があった。われわれの介助している障害者は、単身で一人暮らしをしている。市の説明では重度訪問介護とは、日常生活支援と移動介護を足したようなものだと言う。では彼は、重度訪問介護なのかと思ってその方向で考えている。24時間介護の場合、一カ月では最大744時間になる。そういう人は障害程度区分6になると思うが、重度訪問介護にも、程度区分以外に何らかの上乗せがあるのかわからない。長時間介護が必要な全身性障害者の単身生活の人に対して、国としてどういう負担保障を考えているのか聞きたい。
◆武井:
やはり審議会等の場をふまえて検討したうえで示したい。
◇酒井:
10月21日の国会で尾辻前大臣は「24時間どうしても支援が必要となるケースも想定されますので、その場合は今国庫補助基準を上げる方向で検討しています」と答弁している。24時間介助が必要な人は重度包括支援になるのか。
◆武井:
そこは簡単にはいかない。今検討している。
◇酒井:
それいつ頃でるのか。
◆武井:
年度内にだす。
◇府中の介助者:
要は、これまでの支給水準、保障水準を下げないという理解でいいのか。市区町村が上乗せをどんどん出せば可能だというのは保障とは言わない。国庫負担を最終的には出来高の半額に近い形で義務的に負担する方向で考えているのか。
◆武井:
意見としてうかがっておく。尾辻大臣が答えた方向で、具体的な内容を今検討している。
◇府中の介助者:
支給を決定する要素は何か。
◆武井:
金額。
◇府中の介助者:
決定は市区町村独自にできるのか。
◆武井:
独自にはできない。独自にできないという意味は第三者の目が入るということ。
審査会をへての決定となるので、勝手に決めるわけにはいかない。最低基準は大まかに示しているので、それをふまえた上での審査会の判定があり、その後市町村の決定となる。市町村が独自に勝手に決める訳にはかない。
◇府中の介助者:
決定基準は市町村が決めるのではないか。
◆武井:
省令告示で示されたものをふまえて決める。
◇府中の介助者:
決定基準の基本的な要素は。
◆武井:
それはすでに決まっている。
◇府中の介助者:
現場的には、障害程度区分3位の人が、4か5の人と同等の支給決定を受ける場合もありうるか。
◆武井:
現場としてはありうると思う。
◇古賀:
国庫負担基準は毎年変わるのか。つまり昨年の国会答弁で、その基準について質問があった際、「まだ予算が決まっていないので」との答えがあった。予算に規定されるということは毎年変わるものかと思えたが。
◆川島:
報酬の話だと思うが、報酬自体も今作業中である。当然予算と人数のからみがあるので、毎年毎年予算どりして、それにもとづいて毎年見直しをして行く方向になる。
◇古賀:
では今日検討をお願いしたものを、あらためて提出するので、ぜひ答えていただきたい。

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