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2008年5月

2008年5月29日 (木)

怒りネット通信 34号

怒りネット通信 第34号
2008年5月29日
<怒っているぞ!障害者きりすて全国ネットワーク>
■障害者自立支援センター スペースつどい
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■もくじ
4・23厚労省交渉の報告         
茨城で聞いた危機的な現状 

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4・23・厚生労働省交渉の報告
新潟・木村

 本年最初の厚労省交渉が、4月23日に衆議院第1議員会館会議室で、63名の参加を得て行なわれました。障害者自立支援法体制下で、いよいよヘルパーの確保が困難になり、生存すら脅かされている実態が、切実な怒りの声として明らかにされました。基準該当事業所に対する低い報酬と、資格問題の不合理さに対して意見や質問が集中しました。

 厚労省側の出席者は、障害保健福祉部から障害福祉課・訪問サービス係の芝海(しかい)係長、同課の松永、雨宮、福祉サービス係の山田、企画法令係の木島、精神障害保健課の平野係長、老健局老人保健課の大内と寺田の8氏。
 一部の担当者が先に退席するとのことで、質問事項(質問書は前号の『怒りネット通信』に全文掲載)の12番~14番の回答を先に受けました。(以下、厚労省側の発言に◆、怒りネット側の発言に◇をつけました)

■自立支援医療について

◆平野:自立支援医療制度について、所得に応じた負担上限月額を設定するなど軽減措置を計っていて、概ね無理のない負担と考えている。また、自立支援医療制度の負担軽減というのは、各医療保険制度の自己負担部分を軽減する制度なので、各医療保険制度自体が、同じ医療保険制度に加入している方々を範囲として設定していることから、自立支援医療も同様、同じ医療保険に加入している方々を世帯として、その世帯の所得で決定する。ただ特例として、自立支援医療を受けられるかたと同一の世帯でも、税制や医療保険、いずれも受診者を扶養しない場合には、受診者とその配偶者を別の世帯と見なすこともできる制度となっている。また障害福祉サービス・補装具・自立支援医療を総合的に合算して負担軽減を図ることは、今後、利用者の負担の実態を踏まえ検討を行なっていきたい。
◇高見:実際に僕の場合、月額で7~8千円の新たな負担が生じている。それを無理がないと言う感覚自体が理解できない。僕は年金だけでやっているが、そこから引かれる。家賃とか除いたら生活保護基準以下から更に引かれている。生活保護を受けていない多くの精神障害者は、同じ状況にある。もともと低い年金額しかないのに7~8千円の負担が増えている。
◆平野:厳しい意見として受け止めたい。自立支援医療を導入する際に、精神の方で5%の自己負担を10%に変えて、実際の医療費負担の増加を計算した結果に踏まえても、現状の基準額が妥当だと認識している。
◇高見:調査しているのか。
◆平野:精神障害保健課には自立支援医療として実際にどれだけ医療費がかかったかの数字はある。自己負担額のデータもある。自己負担が旧制度に比べて増えたのは認識しているが、急激に増えたとまでは言えない。
◇高見: 5%から10%に変ったというが、僕はゼロから10%に負担が変っている。調査の数値を示してもらいたい。最低、手元にいくら残ったら妥当だと考えているのか、次回明らかにして欲しい。
◇古賀:調査のデータは出してもらえるのか。
◆平野:上と相談して、調整させていただきたい。

■退院支援施設について

◇古賀:13番、退院支援施設について。病院から退院支援施設に移った人を、退院に数えるのか否か。
◆雨宮:受け入れ条件が整えば、退院可能な精神障害者について地域生活への移行を進めることは重要な課題と認識している。厚労省として実施している調査は、病院・診療所に現に入院している患者数であって、統計上退院支援施設の入所者を入院者に含めることは困難である。退院支援施設はあくまでも地域移行にむけてのプロセスと考えているので、退院支援施設への入所をもって社会的入院問題が解決したとは考えていない。
◇古賀:退院支援施設に移行した人たちは、どういう数字で表されるのか。
◆雨宮:退院支援施設入所者の数はとっていないが、必要に応じて調査を行ないたい。
◇古賀:「退院した人たち」という形で出してしまうことはないのか。
◆雨宮:患者調査は、3年に一度病院・診療所に対して調査期日における入院・外来患者の状況を調査するものなので、退院支援施設に入所した人は退院した人に含まれる。しかし障害福祉計画でいう地域移行した者にはカウントしていない。つまり退院はしているが、地域移行したとは認識していない。
◇鷹林:前回交渉で、退院支援施設が病院敷地内というケースがあることを認めている。同じ敷地内で看板を書き変えた建物に移しても、入院と同じではないか。問題は社会にどれだけ移行できたかということ。数字のまやかしに過ぎない。
◇古賀:退院支援施設に入った人が、地域移行したなどというデータを示さないようにして欲しい。退院支援施設に何人と(私たちの感覚では入院と示すべきだと思うが)、社会がわかりやすいような形にして欲しい。

■不平等な支給決定(立川・福生の問題)について

◇古賀:1番の質問に戻る。立川・福生(ふっさ)を例にあげているが、今まで福祉を受けていた人と、新しく福祉を利用しようとする人との間で、自治体によって格差が作られている問題。とくに立川市・福生市については厚労省のほうで調査する約束だった。
◆木島:支給決定基準に格差を設けている市町村があり、それが立川市と福生市であると前回話があった。これについては当課の担当者が電話にて連絡を取り、障害者自立支援法第22条に定められている支給要否の決定が行なわれているかどうかの事実確認を行なった。立川市と福生市においては、支給要否決定にあたっては障害者自立支援法施行規則に定められている事項、法令に定められている事項をしっかり勘案して、支給要否決定を行なっているとのことであった。両市の支給決定基準は、市町村がそれぞれの地域の実情にふまえて独自に策定しているものなので、こちらでその内容を判断することはできない。というのは、これは自治事務といって、地方自治法の自治事務という形で法令に規定されているもので、市町村と対等の立場にある国がどうこう言うことができないからである。なお、両市の担当者のかたは、厚労省が昨年4月13日に発出した事務連絡の内容について認識しているとのことであった。
◇古賀:要は、これまで受けてきた人と新しく福祉を受けようとする人の間で、立川市の支給決定基準だと差が出るだろうということを問題にしたのだが、厚労省の問題意識はどうか。
◆木島:必要なかたに必要なサービスが行き渡るようにしていただくのが一番いいと思うが、地域に応じて福祉資源には限りがあると思うので、そちらを市町村の方でしっかりと調整して、必要なかたが必要なサービスを受けられるようにしていただければと考えている。

■「常時介護を必要とする」人に介護を保障しない国庫負担基準

◇古賀:国庫負担基準の問題から、こういう事態がおこっている。必要な人に必要な福祉が行き渡らないような国庫負担基準を作っているから、立川市や福生市のような状況が各地でおこっている。障害者自立支援法において「常時介護を必要とする」障害者に、それを保障する国庫負担基準が出ていない。これが問題ではないか。
◆芝海:国庫負担基準は全国どこでも支援の必要度に応じて、一定のサービス利用が可能となるよう、障害程度区分ごとに設定していて、これにより限られた国費を公平に配分する形をとっている。また地方自治体に対しては、支給決定基準の決定に当たっては、国庫負担基準が個々の利用者に対する支給量の上限ではないことに留意することなど、取り扱いの留意事項も示している。その他として、国庫負担基準における障害程度区分間の流用や、特別対策の在宅重度障害者地域生活支援基盤整備事業の基金により、事業所の収入の激変緩和策を講じている。要望事項に「法律違反の水準ではないか」とあるが、国の負担を規定した障害者自立支援法第95条に、「政令で定めるところにより」という記述があり、その障害者自立支援法施行令で、「介護給付費等については、障害者等の障害程度区分、他の法律の規定により受けることができるサービスの量、その他の事情を勘案して厚生労働大臣の定める基準」という記述がある。この基準と実際とのいずれか低い方の金額を出す形になっているので、厚労省としては、法令に則った形で行なっているので法律違反ではない。
◇T:今厚生省が言ったことは絶対におかしい。私たち「青い芝」は40年前から、常時介護を必要とする障害者に対する介護保障を訴え運動をしてきた。今、自立支援法自体に間違いがある。厚生省は自立支援法そのものを廃止して、新しい制度を作らないかぎり私は納得いかない。障害の区分だとか、障害の程度、障害の分類、そんなの私たちには関係ない。支援費制度ができて、やっとこれから良くなるかと思ってきたのに、それが今度は自立支援法だ。一体誰がこんな法律を作ったのか。重度障害者が地域の中で共に生活ができることが私たちの求めてきたもの。自立支援法は絶対納得がいかない。形式ばかりを言うのは、官僚・役人の一番悪いところ。年金の問題など、問題だらけではないか。厚生省の見解を聞きたい。
◇梶原:自立支援法は、全く逆で自立阻害法だと思う。
◇石田:僕は40数年間、障害者運動一筋にやってきた。今の自立支援法はなしにして欲しい。僕は本当に怒っている。憤っている。みんな怒りをこの場でぶつけよう。障害者を取り巻く状況は非常に厳しい。自立支援法をなくしたいと思っている。
◇里内:「青い芝」で一度要望したが、事務処理を簡素化して事業所を通さなければ、ヘルパーに時給1500円位出せる。
◇古賀:障害者自立支援法体制に対する怒りが、色んな人から発言された。「常時介護を必要とする」という名目で対象者を絞っておきながら、その人たちに常時介護を保障しないような、国庫負担基準を政令で作ってしまうこと自体がむちゃくちゃな話。つまり国は保障しなくてもいいと表明したようなもの。もう一度考えを聞かせて欲しい。
◆芝海:「怒りネット」以外にも同じような要望を受けているが、国としては国庫負担基準が個々の利用者の上限ではないことを示している。重度のかたについて、来年の報酬改定があるので、今行なっている経営の実態調査も踏まえ、今後検討していきたい。
◇鈴木:来年まで僕たちは身体が持たない。今度・今度といっているが、実際にヘルパーやってみろ。俺たちが教えてやる。それやってからこの問題をやれよ。

■高齢者にも必要な介助を

◇古賀:次に3番、われわれの仲間にも、高齢で介護保険の対象になっている人もいる。障害者には必要に応じた介助をすべきだと言うが、高齢者だって同じではないか。
◆寺田:介護保険制度については、給付と負担のバランスのなかで要介護・要支援の状態の程度により、実際に必要とされるサービスの量や質を踏まえて一定の範囲内で保険給付を行なう仕組みとなっている。このような観点から現行の支給限度額は設定されている。要支援者などの平均的な生活実態を踏まえ作成された標準的なサービスの組み合わせに基づき、それに要する平均的な費用の額を基準として作成している。
◇古賀:高齢者の介助もそれぞれの必要に応じて行なうべきではないかという質問。
◆大内:もちろん出せる分だけ際限なく出せればいいが、平成12年の制度開始当初に、ある程度のモデルを考えて、一番高額になるものを基準にして支給限度額を決めた。
◇H:そのモデルケースを具体的に出せるか。
◆大内:後で資料として示すことはできると思う。

■基準該当事業所の厳しい現実について

◇古賀:4番、厚生労働省が基準該当事業所の報酬単価を15%減らしたために非常に苦しい状況になっていることを認識しているか。
◆芝海:話は聞いている。指定事業所と比べて、柔軟な運営になっているので、同じ報酬ではいけないという認識である。
◇酒井:どこが柔軟なのか。
◆芝海:個人での事業の実施が可能である。ヘルパーの配置規準が常勤・非常勤を問わず3人以上で可能。サービス提供責任者が非常勤でも可能。管理者についても非常勤でも可能等の点。また全体の事務費用、人件費や労務管理等ふくめて指定事業所に比べ、少なくて済むということ。
◇古賀:前回、逆に小規模だから事務費の割合が多いことを指摘した。しかし同じ答えでしかない。次に5番に、報酬単価をどのように考えているのか。
◆山田:障害者自立支援法については、従前の支援費制度の報酬水準にふまえ、各事業所の必要経費について総合的に評価を行なって設定している。またサービスの利用実績において報酬を支払う日額払いを導入した。しかしながら制度改正に直ちに対応できないところも多く見られることから、18年度補正予算の特別対策として平成20年度まで従前の報酬額の9割を保障する激変緩和措置と日額報酬払いの導入に伴う改変措置を実施してきた。今般の緊急措置においては事業者にとって経営の安定化を図る緊急的な改変措置を実施することで、今年度4月より通所サービスの報酬単価を4.6%引き上げるなどの対策を実施した。今後は、与党プロジェクトチームが昨年12月に報告した、「障害者自立支援法の抜本的見直し」という報告書にもとづいて、現在全国の事業所に調査を実施している。
◇古賀:総合的というが、具体的に事業所の必要経費、社会保険、賃金等、総合するにはそれぞれをどの程度に考えるかの根拠があるはず。
◆芝海:中身については示すことができない。
◇沼尻:私はT市からきた。実は私が利用している事業所は指定事業者だが,3人いたヘルパーの一人が辞めて2人になった。2人ではヘルパーが回せないので、事業所をたたむかも知れないと言われた。T市は受け入れてくれる障害者専門の指定事業者が数箇所しかないのに、その1つがなくなる。私たちはいつまでこの苦労に耐えなければいけないのか! ヘルパーを探すのは私たちの責任か。明日のヘルパーの心配をいつまでしなければいけないのか! みんなこの単価のせいではないのか。私たちはすごく大変な思いをして明日の心配をして暮らしている。簡単に言うな! ヘルパーが明日いなくなった場合の心配なんてあんたたちにはないだろう。今すぐ答えろ!!
◆芝海:ヘルパーの確保は、今非常に重要な問題になっていると厚生労働省としても考えている。ヘルパーの養成や確保について全体的に考えている。報酬単価については、来年4月の報酬改定に向けて検討を進めていきたい。
◇沼尻:明日ヘルパーが辞めたら皆さんが来てくれるのか。
◇鷹林:今日、ぜひここに来て訴えたいと希望していた基準該当事業所の人が、結局休みが取れず来れなかった。その人のところでは、一年365日を6人でやっている。それで昼夜2交代、日中の人は11時間、夜勤の人は13時間である。6人のうち夜勤に入れる人は3人だけ。来る予定だった人は36時間ぶっ続けの勤務もやっている。一人倒れたら成り立たなくなる。指定事業者で引き受けてくれる所がなかったから基準該当を立ち上げざるをえなかった。ボロボロになりながら勤務している。いい介助ができない可能性だってある。労働基準法から言ってどうなのか。重度訪問介護は単価が低い。やっていけない。先ほど基準該当は事務量が少ないとか柔軟にできるなどと言われたが、そうではない。一人で色々複雑な事務をやらなくてはいけない。この実態をどうするのか。
◇J:20万切る給料で家族養っていけない。事業所に言っても、重度訪問介護の単価が安いから給料を上げられないと言われる。重度訪問の方が介護が大変で、この単価では無理。人がどんどんいなくなる。介護の人手が足りない。10時間・20時間の勤務も当たり前。家族とも会えない。そんな労働してたら、介護者も倒れる。
◇沼尻:ヘルパーは事務処理と介護と両方やらなきゃならない。
◇古賀:今重度訪問介護の事業所やヘルパーの状況をどう認識しているのか。
◆芝海:国会での質問などで、特に重度訪問の単価が安いという批判を受けている。ヘルパーの勤務も厳しいという状況を聞いている。現在行なっている経営実態調査の結果もみて、来年の報酬改定にともなって、国庫負担基準についての議論も予定している。
◇古賀:事業所の必要経費、社会保険、賃金等は考えているのか。
◆芝海:報酬のなかに、そうした事務費的なものが入っている。
◇古賀:事務費はどのくらいの割合とか、そういう根拠となる数字。
◆芝海:どれくらいの割合かということについて、この場では答えないが、ある。
◇古賀:なぜ答えないのか。
◆芝海:この部分について、どのように答えるべきなのかについては、相談をして、答えたいと思う。
◇酒井:とにかく事業所が重度訪問介護という低い単価ゆえに運営が成り立たないことと長時間介助を受けている人が、介助者を確保できなくて生活できないということは表裏一体。こうした厳しい実態について、データを集めていると言ったが、24時間介助を必要としている人たちに、24時間全部支給量が出ている自治体があるのかないのか。そういうデータはあるのか。
◆芝海:それはない。
◇酒井:世田谷では、24時間必要な人に、最大で1日16時間・17時間しか保障されない。地方はもっと厳しい。24時間の残りの時間は、どのように介助者を確保していると思っているのか。
◆芝海:例えばボランティアを使うとか、そういう所もある。
◇酒井:事業所が持ち出しているケースもある。だから運営が成り立たない。私たちは、まさにそうだ。そういうケースは聞いていないのか。
◆芝海:聞いていなかった。
◇高林:足りないところはボランティアでやれと言うのか。
◆芝海:ボランティアでやれとは言っていない。市町村が支給決定をした時間数とが、まずあって、支給決定に当たっては、障害程度区分や利用者にどれくらいの支給量が必要かの審査を行なっているので、基本的には国庫負担基準を上限に考えるものではないという話はこちらからしているので、それ以上のものというのが―。
◇古賀:今回でなくていいので、あらためて答えを検討してもらいたい。常時介助を必要としている人と、国庫負担基準との間に乖離があるということは認識していると思うがそのうえで、地域で常時介助を必要としている人がいっぱいいて、その人たちがどう生活しているのか。それに関して調査をすべきだと考えるが、どうか。
◆芝海:都道府県を通じて、どうなっているか聞くことはできると思う。
◇古賀:是非それを聞いて欲しい。現在行なっている事業所調査はいつ頃できるのか。
◆山田:昨年度3月(2008年3月)末に全国に配送している。内容としては、平成19年度一年間の経営状況や事業の実施状況、職員の配置、賃金の状況等を全国的に把握できるように調査している。 6月中旬までに回答をお願いしている。来たものから順次集計して秋頃には結果を出せるようにと考えている。結果は公開予定である。
◇渡辺:調査について、ぜひとも要望したい。事業所に調査を求められると、また事業所の事務量が増えるので、別途調査費を支給して欲しい。そういう考えはあるのか。
◆山田:できるだけ事務量を増やさないよう、十分な配慮をしたつもりである。
◇古賀:その事業所調査には、基準該当も入っているのか。
◆山田:含めている。

■資格問題について

◇古賀:8番だが、重度であればあるほど短い研修期間で入れたり、全く研修がなくても入れる。だったら他でも、例えば知的障害者・精神障害者なんかは、「気心が知れる」というような関係を作らなければ介助は難しい。しかしそういう配慮はされていない。ヘルパー2級以上じゃないと普通の単価が出ない。その点をどう考えるか。
◆芝海:知的障害者とか精神障害者のかたに対して、気心という点で介助に当たるのは同じだと思う。ただ知的障害者や精神障害者の独特の障害特性についてヘルパー養成研修において理解していただきたい。もちろんヘルパーの量も確保したいのだが、基本的に質の確保が必要だと考えている。
◇古賀:11番まで進める。次9番。重度の人は、入院のときもコミュニケーションとか着替えとか色んな問題がある。したがって入院の時も、今厚労省は認めていないが、介助が必要ではないか。
◆芝海:ここは本来、保険局医療課から回答させでいただく話だが、今日担当者がいないので、メモを預かっている。「付き添い看護について、患者の費用負担が重いこと、また患者個人の雇用によるため、医療機関の負担との連携が取りにくいことにより、サービスの質の確保の上で問題があること等が指摘されていたところである。このようなことから付き添い看護を必要としない看護・介護体制を早急に確立すべきとの医療保険審議会の平成5年12月8日の審議等をふまえ、原則として平成7年度末までに付き添い看護を廃止することとして、平成6年6月に健康保険法等の改正を行なったところである。現在、医療機関の看護士により患者の病状に応じた十分な看護が実施されることを目標としており、付き添い看護を認めることはできない」というメモである。
◇古賀:10番に行く。厚労省も見解で認めているように公的な研修をうけることと利用者に対して良好な介助を保障することはイコールではない。ヘルパー資格には減算を設けているが、同一労働同一賃金という観点からもおかしい。それについて答えて欲しい。
◆芝海:10番11番は、つながりがあるので、一緒に答える。厚生労働省としては、18年3月1日の課長会議でも示しているが、居宅介護は、1級2級ヘルパーを基本とすることとしていて、3級ヘルパーその他の「見なし」のかた等が、サービス提供を行なった場合は減算している。3級ヘルパーが身体介護を行なう場合の30%減算というものは、介護保険制度と標準をとった形となっている。基本的にヘルパーの質の確保を行ないたいという方向性をもっていて、そういう観点から1級2級を基本としている。それから利用者が推薦すれば公的な研修を受けなくともヘルパーとして認めてもいいのではないかとの質問だが、より多くの研修を受けていただくことで、より知識も蓄えていただき、サービスの質の向上も図られると認識しているので、今のところこの研修がなくてもヘルパーとして認めるという考えはない。
◇古賀:資格と質の向上とは関わり合いがないということ。気心を知るような人間関係と作っていくことと、資格とは関係がない。その辺はどうか。
◇M:研修を受けたからといって素晴らしいヘルパーになるわけではない。逆に研修を受けてきたから、弊害も起きている。今までよりも悪くなっている! 障害をわかっているような顔して付き合っているだけ。気心が知れて付き合うということではない。
◇木村:「広く従業者を確保する観点から研修時間の短縮を行なう」と、量を確保するために、資格要件を緩和すると言ってる。資格要件と量の矛盾は、厚労省自身が認めている。では今、ヘルパーの量は確保されていると思うのか。
◇桐沢:自立支援法のおかげで、学生たちが極端に減っている。なぜなら、資格を取らなきゃ介助に入れない。資格を取るには十何万かかる。十何万出してヘルパー資格取る学生などいない。
◆山田:介護職員の人材不足は今社会問題になっていて、厚生労働省と全体で、昨年12月の与党プロジェクトチームの報告書、『抜本的な改革について』という報告書の中で、去年の夏に改定された指針を踏まえた適切な給与水準の確保や、人材の育成システムの推進とされていて、これを踏まえて、抜本的に見直しを行なうと、大臣も今後とも様々な声に耳を傾けながら実態をよく把握しながら、把握したうえで残された課題について抜本的な見直しを行ないなさいという指示が、国会でも答弁があったので、これをよくふまえて、厚生労働省全体として考えていかなければならないと認識している。
◇P:資格とは関係なく、良いヘルパーがたくさんいるのはいいことだと思う。たくさんいれば、選べるから良質の介助を得られる。しかし現実は、T市の話のように、確保自体がものすごく大変になっている。その対策がなければ、質の向上など無意味。
◆山田:来年度の報酬改定と合わせて、厚労省全体としてヘルパーの確保について検討することになると思う。資格の弊害についても、本日の意見にふまえ、厚労省全体として考えていくべきと認識している。
◇古賀:厚労省全体での検討というが、今後具体的にどんな検討方法を取るのか。
◆山田:作業は、福祉人材確保指針を所管している福祉基盤課がまとめてやっていて、具体的な進め方は把握していない。
◇酒井:資格問題についての私たちの訴えを、厚労省は受け止めると理解していいのか。
◆山田:実際にそういう声が上がっているのは事実。事実は、受け止める。
◇酒井:自分達が推薦した人を公的ヘルパーとして認める自薦方式だが、支援費以前、厚労省は人材活用せよと毎年、都道府県に通達を出していた。とにかくヘルパー数が足りなかったので、地域で現に支えている人たち、特にコミュニケーション取れる人たちをおおいに活用しなさいと、毎年通達を出してきた。そのことで自薦方式が大きく広がった。しかし支援費以降、厚労省は私達の要求に耳を貸さず、資格要件を強要してきた。
◇高林:一方で介助したくても資格がないからできない人がいて、他方で介助を求めている人もいっぱいいて、仕事がない若い人たちがいっぱいいる。資格が大きなハードルになっている。
◇酒井:重度包括の人たちには自薦方式になっている。資格がなくていい。
◇古賀:自薦方式で問題になったということがあるのか、ないのか。
◆芝海:自薦方式に何か問題があるのかは正直わからない。要は公費を使っているので、国民が納得するような形が必要。
◇鷹林:自立支援法から公費になったわけではない。
◇高林:自薦方式の方がはるかに安上がりではないか。
◆芝海:研修を受けて、資格を取っていただくのが基本だと考えている。重度包括は色んなサービスを包括的に組み合わせることによって、重度障害者の中でも、より重度の方に対応してもらう趣旨なので、居宅とか重度訪問介護のヘルパーと少し違っている。
◇古賀:よけい困難性が高いではないか。答えに矛盾がある。
◇高林:全部自薦方式にしろと言う訳ではないく、併せて使えるようにしろということ。
◇古賀:この矛盾点についてはこれまでも指摘してきた。この8番につき、文章で回答を いただけないだろうか。
◆芝海:検討させて欲しい。

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茨城で聞いた危機的な現状
古賀 典夫

 このところ、茨城にいく機会があって、そうした中で非常に介助保障が危機的な状況になっていることを知りました。
 まずは、介護保険の事業者も含めて、車を使っての移送事業が次々と崩壊して行っているということです。筑波市や土浦市周辺だけでも、3つの事業所が撤退する事態になっています。その内の1つの事業所は、300人の利用者を抱えているとのことでした。職員は30人です。石岡市の方でも、やはり移送事業者が閉鎖となってしまったとのことですので、茨城県全体でどのくらいの事業所が閉鎖になっているのか、かなり危機的な事態だということが予想できます。もちろん、全国的なことでしょう。
 原因としては、やはり報酬の問題です。これまで移送事業のいわゆる福祉タクシーは、身体介護30分の単価=2310円で送迎をおこなってきたそうです。ところが国が移送は1000円だとの方針を徹底させる動きがあり、そのため事業者が採算に合わず撤退を始めているのです。介護保険では要介護4以上だと2310円が認められるようですが。
 都市部から離れると、公共交通機関は少なく、車社会で身じかな商店もなくなっています。外出不能状態となってしまいます。

 また、「重度訪問介護」を引き受ける事業所がないという状況も進んでいます。筑波市周辺では、2件しかありません。「支援法」の登録事業所になっている所でも、実際には引き受けられないとして断っているのです。これも報酬単価が安く、採算が合わないためです。そのため、筑波市が「重度訪問介護」の支給決定をしたとしても、それを受けることができず、「身体介護」に変更せざるをえない方々が出ているそうです。そのため、「重度訪問介護」の支給決定時間数よりも、少ない時間数になってしまっているのですが、全く介助を受けられないことを考えるとやむをえないということで、支給決定の変更を申し出ざるをえないそうです。

 ひたちなか市は、15万人都市だそうですが、この市内で日曜日に「視覚障害者」が使えるガイドヘルパーは1人しかいないそうです。しかも、18時までしか使えないそうです。
 事態はますます悪化しているようです。

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