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2008年8月19日 (火)

職場での「合理的配慮」とは

■障害者団体ヒヤリング 権利条約研究会

 厚生労働省の「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会」(座長=今野浩一郎・学習院大教授)の第4回会合が7日に開かれ、障害者が就労する際に企業などが取るべき「合理的配慮」について障害者団体から意見を聞いた。

 同研究会は、条約でうたわれた「職場における合理的配慮の提供」という概念を国内で導入する際、雇用・労働面でどのような対応が求められるのか整理するため設置された。

 この日、ヒヤリングを行ったのは全国精神保健福祉会連合会、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、日本盲人会連合、全日本ろうあ連盟、日本身体障害者団体連合会、全国盲ろう者協会の6団体。次回以降も障害者関係団体へのヒアリングを続ける予定だ。

 精神障害者の家族でつくる全国精神保健福祉会連合会の川崎洋子・理事長は「精神障害者の雇用は大変厳しい。多くの人は働きたいと思っているが、ストレスに弱く就労しても継続できない。精神障害者は雇用率の算定対象になったが、義務雇用でないため企業での雇用が進んでいない。法定雇用率の中に義務雇用化してほしい」と述べた。

 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の高岡正・理事長は「就労後にコミュニケーション支援が得られず、離職や転職、昇進差別に直面している。企業に聴覚障害者の相談部門の設置を義務付けるべき」とした。中途失聴の新谷友良・常務理事は「中途で聞こえなくなると退職に追い込まれるが、コミュニケーションできないだけで仕事の能力を失ったわけではない。十分な配慮があれば能力を発揮できる」と訴えた。

 日本盲人会連合の時任基清・副会長は「視覚障害者は移動や文字処理、コミュニケーションが困難。音声パソコンなどの補助機器だけでは不十分で人的支援があらゆる場面で必要。中途視覚障害者は退職勧奨や解雇されることがあり、これらは明らかな差別として禁止すべき」と訴えた。

 全日本ろうあ連盟の松本正志・理事は「ろうあ者は職場で上司からの指示がうまく伝わらない、会議の内容が分からないなど情報やコミュニケーションから阻害される。必要な時に手話通訳が保障されることが合理的配慮」とした。

 日本身体障害者団体連合会の森祐司・常務理事は「障害者雇用納付金を原資とした調整金や各助成金は障害者の雇用促進に成果を上げている。こうした支給金制度は合理的配慮の具体化だと思う」と述べた。
 全国盲ろう者協会の福島智・理事は「盲ろう者は情報を得ること、コミュニケーション、移動の三つの困難が重なっている。手足に不自由がなくても一人では動けないので、仕事に行くまでの基礎的な部分でハードルがある。盲ろう者の多くは無職なので職域開拓にも取り組むべき」とした。

福祉新聞2399(8/18)号

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