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2008年8月24日 (日)

「弱者差別」怒りの渦/戦後築いた世代に仕打ち

沖縄タイムス08.8.23

 沖縄戦を経験し、戦後復興に全力をそそいできたお年寄りたちが、厳しい表情で拳を振り上げた。二十二日、那覇市の県民広場で開かれた後期高齢者医療制度の廃止を求める県民集会。「長生きは許されないのか」、「生活できない」。声を震わせ、怒りをあらわにする男性、悔し涙を流す女性の姿も。県内各地から集まった参加者は口々に制度の矛盾を訴えた。

 うるま市の知念キクさん(84)は、右足の関節痛をおして、親類に頼んで会場に駆け付けた。「高齢者いじめは許せない、とどうしても言いたかった」

 二カ月で十三万円の国民年金から一万数千円が天引きされている。暑くても冷房をつけず、野菜も一番安いのを選ぶようになった。「私たちは戦争で、青春さえなく、戦後は食糧も着る物もない中、必死で働いて子どもを育ててきた。今になって、こんな仕打ちは本当に悔しい」。つえで体を支えながら、ハンカチで涙をぬぐった。

 那覇市の前盛ヨシ子さん(75)が後期高齢者医療制度を知ったのは、年金の受給日に、約九千円の保険料が天引きされたのがきっかけだった。これまでは厚生年金を受給する夫の扶養に入る形で国民健康保険に加入していた。夫婦別々の保険料負担になって世帯全体の負担が増えたといい、「今は健康だからいいが、病気になったとき、年金の残りで治療費を払いながら生活ができるのかとても不安だ」と表情を曇らせた。

 「高齢者を前期、後期に分け、健常者と障害者を区別する。まさに弱者差別の制度だ」。那覇市の宮城徳一さん(78)は語気を強めた。約三十年間、看護師として働いてきただけに、医療費や社会福祉費を削減し、道路財源を維持する政府の姿勢に納得がいかない。

 「大げさかもしれないが、『銃剣とブルドーザー』で土地を強制接収された時代を思い出す。弱い者が搾取されても仕方ない、という考え方は本質的には同じだ。こんな社会にするために頑張ってきたのではない」と訴え、「皆で声を上げ、政治を変える必要がある」と力を込めた。

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