« 労働者の解放か狭い利益か | トップページ | 怒りネット通信第36号 »

2008年9月 9日 (火)

■社会保障カード 中間報告 先送り

福祉新聞2401(9/8)号

■厚労省検討会で異論噴出

 厚生労働省は8月29日、「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会」(大山永昭座長)に、中間報告の原案を示した。8月6日の会合で示した案に委員の意見を加筆したものだが、委員からはさらに疑問や異論が続出。当初8月中にまとめる予定だったが、改めて委員から文書で意見を募り、9月20日をめどにまとめることとした。

 同日の会合でもめたのは、中間報告の位置付けだ。6日の会合を受けて、住民基本台帳カードとの一体化を合意したとする報道があったことなどから、複数の委員が「原案に書いてあることの多くはまだ合意が得られていない。国民がこれを読んだら合意したものと誤解する」と主張した。

 原案の第9章「おわりに」は「現段階で本検討会として一定の結論を得たものではなく、様々な仮定を置いた上でこれまでの議論を整理したものである」と明記しているが、この記述を中間報告の最後ではなく冒頭で明示するよう求める意見が多数を占めた。

 このほか「国民生活を混乱させないことが肝要で、ITに不慣れな人にも説明してから検討を進めるべき。また希望者から段階的にガードを導入しても良いのでは」「国民総背番号制に発展しないか不安だ。年金記録の閲覧から始めることとしてはどうか」といった意見も出た。

 こうした意見に対し、厚労省は「中間報告はこれまでの議論の整理であり、制度の具体的な検討はこれから」と釈明。中間報告をまとめないことにはカード導入によって実現可能なこと、コストの試算、リスクを整理して議論することは不可能だとし、「様々なご意見を頂くための整理」と強調した。

 社会保障カードは1人に1枚交付され、年金手帳、健康保険証、介護保険被保険者証の役割を果たすもの。利用者の利便性や報酬請求事務の効率などを高めることが狙いで、検討会は2011年度の導入に向け08年1月に基本構想をまとめていた。

 今後、厚労省は中間報告をもとに意見を募り、08年度中に基本計画を策定。09年度から具体的な制度設計に入る方針だ。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

(福祉新聞2399〈8/18〉号の記事)

■社会保障カード 「住基」との一体化検討

■厚労省、中韓報告原案示す

 厚生労働省は6日、「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会(大山永昭座長)に中間報告の原案を示した。すでに総務省が発行している住民基本台帳カード(住基カード)と一体化し、初期投資を抑えることを検討課題として盛り込んだ。8月中に中間報告をまとめる予定。

 社会保障カードは1人に1枚交付され、年金手帳、健康保険証、介護保険被保険者証の役割を果たすもの。利用者の利便性や報酬請求事務の効率などを高めるのが狙いで、検討会は2011年度の導入に向け08年1月に基本構想をまとめていた。

 4月には作業班が、カードの発行主体を厚労大臣とし、医療、年金、介護の各制度の保険者が健康保険証などの発行を厚労大臣に委任する、市町村がカードの交付事務を行う、各制度共通の個人番号か識別記号を新設する。--と仮定して検討する旨を報告。厚労省はその後の検状況を整理するため、6日の会合で中間報告の原案を示した。

 原案はカード導入の費用対効果を高める観点から「関連しうる他の仕組みを可能な限り活用することで、カードのためだけに新たに投資することを極力避けることが重要」と明記。活用できる媒体の例として、住基カード、金融機関が発行するICカード、携帯電話--を挙げた。

 住基カードについては「既存のICカード矢市町村が有する発行基盤を利用することで費用対効果に優れた仕組みとすることが可能」とする一方、留意点として、市町村をまたがる住所変更の際には住基カードの再発行が必要、住基カードは希望者にのみ交付するものであること、住基カードは市町村長が発行責任者であること--を挙げた。

 このほか「カード導入による効果」「具体化の手法」「年金記録の閲覧方法」「医療保険事務の効率化」「カードの発行・交付方法」「カードの使用できない場合の対応」に分けて検討状況を整理し、カードの導入効果については「社会保障の『見える化』により、国民の信頼・利便性が向上」「効率化による事務コスト軽減やきめ細かなサービスが可能」とした。

 しかし、委員の間には住基カードと一体化することに慎重な意見や、「自分の記録を閲覧することが重要な年金と、保険者らの事務負担の軽減が主な目的の医療・介護は切り分けて番号を設ける方が良いのではないか」と言った意見もあり、見解が一致していない部分がかなり残っているのが現状だ。

|

« 労働者の解放か狭い利益か | トップページ | 怒りネット通信第36号 »

-報道-」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/517951/42426225

この記事へのトラックバック一覧です: ■社会保障カード 中間報告 先送り:

« 労働者の解放か狭い利益か | トップページ | 怒りネット通信第36号 »