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2008年12月 1日 (月)

■障害福祉経営調査 事業所全体で6.1%の黒字■委員「人件費抑えた結果」

■厚労省「これのみで判断しない」

 厚生労働省は11月21日、「2008年障害福祉サービス等経営実態調査」の結果を社会保障審議会障害者部会に報告した。06年10月に障害者自立支援法を全面施行してから初の全国調査で、事業所全体の収支率は6.1%と黒字を確保したことが分かった。しかし、09年度報酬改定の基礎資料となる調査なだけに、委員からは「職員の給与を抑えたり非常勤化したりしてなんとか保った結果だ。『プラス6.1%』を基に議論すべきではない」などと指摘が続出。厚労省は「この調査結果のみで判断はしない」としている。

 調査は、自立支援給付費と障害児施設給付費について、経営実態と制度の施行状況を把握するために実施した。08年4月1日を調査期日とし、07年度の「収支差率」「従事者数」「給与」に焦点を当てている。

 調査票を配布したのは1万6728施設・事業所で、このうち有効回答数は5047施設・事業所だった。

 利益の割合を表す収支差率の状況を見ると、事業所全体ではプラス6.1%だが、旧体系がプラス7.0%だったのと比べると新体系は5.4%に落ちる。障害児施設等ではマイナス4.2%だった。

 新体系に着目すると、旧体系が全体的な黒字だったのと比べ、サービスによって収支差率はまちまちだ。赤字だったのはマイナス32.1%の児童デイサービス、マイナス6.3%の共同生活援助単独型、マイナス5.9%の自立訓練(機能訓練)、マイナス4.0%の訪問系サービス。訪問系サービスでも居宅介護はマイナス7.9%で重度訪問介護はかろうじてプラス0.9%だった。

 従事者の人数と給与についても、新旧体系で差が見られた。

 従事者の配置状況を見ると、直接処遇職員の常勤率は、全体で81.5%。ただし、新体系では68.0%で、旧体系の89.7%を下回っている。障害児施設等は90.5%だった。

 また、従事者1人当たりの給与は、新体系のホームヘルパーの場合、常勤率19.3%で年収258万3000円(月給21万5250円)だった。単純比較はできないが、介護保険の08年介護事業経営実態調査では、訪問介護の介護職員は常勤率40.8%で月給約22万3000円。介護保険より約1万円低い。

 調査結果について同日の障害者部会では、委員から意見が相次いだ。「収支がプラスとなった背景には、給与を下げたり人員を削減したりしたことがあるはず。これを基に報酬改定を進めてほしくない」「新体系に移行した方が経営は苦しいという実態は、国が『新体系への移行を』と言ってきたことと矛盾する。移行しても困らない報酬に改定して欲しい」と言った声だ。

 「単年度の数字だけではなく、支援費制度からの変化など一連の流れを見るべき」「有効回答数が少ないため、一つ二つ大きな特徴を持ったケースが入るだけでも結果は変動する。平均で見てしまって良いのか」などの疑問も続出した。

 これらの指摘を受けて、潮谷義子・部会長は、厚労省に対し「財務省と交渉する時に使う客観的データとして耐え得るものとすることが大事だ。クロス集計するなど、実態が見えるように分析すべき」と注文。今後に議論を残した。

 厚労省は、収支差率が全体でプラスと出た結果について「人件費を抑えてなんとかした様子が見て取れ、この調査結果だけで判断はできないと思う。人材確保など総合的な視点で判断したい」と説明した。

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