「脳死」を人の死として臓器移植するための法律の改悪が狙われている。WHO世界保健機構が臓器売買を防ぐために外国へ渡航して移植を受けることを禁じる方向であることが理由だ。ただこの渡航移植の禁止は、新型豚インフルエンザで忙しくなったために先延ばしにされている。脳死臓器移植法改悪だけが先行するかたちとなっている。今は禁止されている15歳以下の子どもの脳死移植を認めるかどうかが焦点となっている。
今の法律で15歳以下に認められていないのは主に自分の意志を表示することの出来ないものの脳死移植は認められないというのが理由だ。だがそれだけではなく、子どもの脳死の場合、脳死後の延命が1年半続いた例など、「脳死イコール人の死」とはいえないという実態があることがある。子どもの場合だけなのかどうかは不明だが、明らかに子どもの場合は脳死イコール死とは言えない。大人の場合でも脳死臓器移植のために臓器を取り出すときには痛がってのたうちまわるために、麻酔をかけないとメスを入れられないという実態があり、それを死体と言えるのかどうか大いに疑問がある。
子どもの場合親の意志での脳死移植を認めた場合、虐待で脳死になった子供の人権が守られないという問題がある。また、15歳以下の子どもの生前の意志を確認することはほとんど出来ないから、今の脳死移植の基準を大きく変える必要がある。本人が望んでいない場合にも拡大しなければならず、もともと国民的合意のない脳死は人の死という基準を法律によって強制するという大きな矛盾が生じる。
脳死を人の死とするのは、生きる価値なき生命が存在するという新たな基準を設けることであり、そのようなことを国家が国民に強制するというのはとんでもない強権政治となる。とくに、脳性まひ者や「精神障害者」にとっては生きる価値なき生命を認めるということは、自分たちに対する死刑判決に等しい。生きる勝ちなき生命として殺されてきた重度障害者の歴史がある。「母よ殺すな」と立ち上がってきた脳性まひ者の歴史がある。脳死立法そのものが重度障害者に対する死刑判決に等しいのだ。
そのような脳死法改悪が16日の衆院本会議を通過しようとしている。成立には参議院をさらに通過しなければならないが、一旦動き出せばマスコミの扇動などもあり一気に進むことも予想される。6・14改憲阻止の全国闘争からさらに2日間、国会に駆けつけて闘おう。
最近のコメント