10年度社会保障:2200億円削減せず 財務相が明言
10年度当初予算の大枠となる概算要求基準(シーリング)で、社会保障費の自然増分から2200億円を削減するとの従来の目標が、削除される見通しとなった。与謝野馨財務・金融・経済財政担当相が22日、自民党執行部に「来年度は削減はしない」と明言した。社会保障費の削減は、政府の歳出改革の柱の一つだったが、衆院選を控えた与党の圧力で棚上げされることになった。公共事業など他分野の歳出削減方針にも影響を与えそうだ。
政府は06年に策定された、歳出や歳入改革の道筋を示す「骨太の方針06」に基づき、毎年の概算要求基準で、医療や年金などの社会保障費が少子高齢化などで自然に増加する分から、2200億円を削減することを明記してきた。しかし、09年度当初予算で実際に削減できたのは230億円にとどまり、残りは道路特定財源などから削減分の財源を手当てするなど、「一律的な削減は限界に来ている」との声が与党内から強まっていた。
現在、与党内で調整中の「骨太の方針09」は来年度予算の方向性について、「骨太の方針06等を踏まえ歳出改革」と明記。政府はこれまでの歳出削減の姿勢は維持しつつも、予算の「特別枠」を設定し、社会保障費などに重点配分を図ることで与党の理解を得ようとした。
しかし、「2200億円を削減しないことを明確にすべきだ」とする自民党内の反発は強く、22日の自民党臨時総務会でも骨太の方針の了承が得られなかった。このため、与謝野財務相が来年度予算については削減しないことを確約。23日に了承され、閣議決定される見通しだ。【平地修】
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