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2009年7月

2009年7月28日 (火)

心神喪失等医療観察法をなくす集会

090726_2 7月26日東京芸術劇場にて、「なくせ!差別と拘禁の医療観察法全国集会」が開かれた。

心神喪失等医療観察法をなくすという一点での共闘を実現した集会だ。集会は民主党支持者から左翼党派まで幅の広い共闘が、一点共闘の元に集結した。120人で会場を満杯にした。

集会の前半は「精神障害者」自身が司会を勤めた。医療観察法によって収容された当事者が発言し、収容施設での体験を語った。淡々と語られる中身が法を糾弾するものだった。二番目の発言として僕が発言した。収容施設の自殺者についての報告を行なった。「重厚な医療を施す」といううたい文句とは裏腹の「絶望製造工場」となっている保安施設で通院を含めて12人の自殺者が出ている。きわめて高率な自殺だ。法とシステムに矛盾があるに違いない。自殺した人の思いを我が物として医療観察法をなくして行こうと訴えた。続いて精神神経学会理事の富田さん、法学者の足立さんが、拷問をなくしていく会の方がそれぞれの立場から法をなくしていこうと訴えた。

後半は基調報告やフリートークで各地から参加した「精神障害者」などの発言があった。こもごもに語られる中身が法をなくすという一点での共闘ということを照らし出し、さまざまな幅の広い立場から、法をなくしていくんだという意思を表明した。発言には、これから民主党政権が出来ていったりするなかで「なくすという一点で」結集し続けることの重要性を訴えるものや、法をなくす市民立法を考えているという「精神障害者」からの訴えもあった。

民主党はマニュフェストでも心神喪失等医療観察法のことは触れていない。法の成立時に反対したからといって、すでに稼動している法をなくす立場に立っているとあらかじめ決め付けることは出来ない。法をなくす立場に民主党・社民党・国民新党の議員を一人一人獲得していかねばならない。これから開く予定の院内集会も重要だ。

法が約束した、「重厚な医療」も、「車の両輪としての精神医療の底上げ」も嘘だった。このような悪法は廃止しかない。廃止という一点の共闘をさらに深めていくことが求められている。進もう。

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2009年7月23日 (木)

8月2日の9・20集い実行委員会へご参加を

8月2日日曜日午後2時から、尼崎小田公民館にて、9・20集い実行委員会を開催します。当初怒りネット関西交流会を行うということでご案内をしていましたが、集いの日程から考えて実行委員会を開催しないといけない時期にあたりまして、事務局の判断で変更させていただきました。

 

9・20集いは、障害者自立支援法の撤廃に向けて、重大な情勢の中で開かれます。法の根本的な廃止と障害者介助制度の根本的な見直しが行われなければなりません。仮に民主党・社民党・国民新党の政権が出来ていた場合は、その条件は整います。障害者の要求をまとめ上げる時期に集いは開かれます。政権交代が障害者福祉の実現となるのかどうかを障害者自身の要求をまとめ上げる中から決して行きたいところです。万が一自公政権が続けば、弾劾集会となることは言うまでもありません。

 

そのような情勢に大きな影響を与える時期に開かれる集いです。浮ついた議論ではなく、障害者自身の要求に根ざした地に足の着いた議論がなされるようにみんなで考えて行きたいと思います。ぜひ多くの皆さんのご参加をお願いします。

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2009年7月16日 (木)

近畿支社抗議行動

090715

昨日7月15日、郵便局会社近畿支社に行ってきました。もちろん郵便を出しにいったのではなく、郵便局会社に抗議するためです。僕のライフワークとして、「障害者」解放運動と共に、自分の解雇撤回闘争と絡めて、郵便局会社の利潤追求のためならどんな非道なこともする悪辣さを許さない闘いというものがあります。僕の首を切ったのは郵政省ですが、その時の利潤追求の役に立たない「精神障害者」を職場から排除するという体質は、民営化されてさらにあくどくなっています。現役の「精神障害」労働者に対する締め付けは激しいものがあります。一日でも休むと休職処分をおそれてゆっくり休めないという状況であり、病気を治療する環境ではありません。首になる「精神障害者」も後をたちません。

15日の抗議行動は、「人事交流=強制配転に反対する近畿郵政労働者の会」の主催で緊急闘争であったにもかかわらず10人集まりました。何に抗議したのかといえば、郵便小包会社が郵便局会社から完全に切り離され、日通ペリカン便と合体してJPエクスプレスという新会社になります。宅配便業界3位と4位の統合ですが、いずれの会社にとっても赤字部門であり、本体としては厄介払いというところです。だから新会社の労働条件は民営化後ひどくなった郵便局会社のそれよりもさらにひどいものです。年間労働時間は11日増え、定期昇給はなく、午後の休憩時間もないというものです。実質的な賃下げであり、定期昇給がないので本体の労働者とは年々格差が広がります。出向は義務とされています。また、期間雇用職員という非正規雇用労働者に対する雇い止めも行われます。

こんなにひどい条件であるにもかかわらず、最大労働組合であるJP労組はそれらの条件に合意しており、出向を拒否する社員に対しては組合が説得するとまで言っています。「生産性向上に寄与する」と宣言している労働組合らしい惨状です。

ただ、郵便局会社の出した10月1日分離案が総務省によって拒否されるということがおきています。小包の値上げが伴っているからだといわれています。当初予定の10月1日分離独立という郵便局会社のプランが破綻しています。

強制配転に反対する会は、闘わない労働組合になりかわってこの日の抗議闘争を闘いぬきました。僕も発言を求められたので、自分の解雇撤回、現場の「精神障害」労働者の状況を糾し、障害低料第三種郵便への不当な規制強化はJPエクスプレスに現われた郵便局会社の利潤第一という体質を糾しました。民営化されれたから公益性を排除して良いということにはなりません。僕の発言は、反対する会のメンバーから温かく迎えられました。

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2009年7月13日 (月)

「精神障害者」懇談会

日ごろの「ガマン」について話し合いましょう

8月9日(日曜日)に「精神障害者」の生き辛さを語らう懇談会を開催します。

 5・22「心神喪失等医療観察法撤廃」集会で柴田医師が、事件に至るまでには《小さなガマンの積み重ね》があると言われたことについて、もう少し掘り下げてみませんか。

 《事件、保安処分に至る、または自殺に至る「精神障害者」の小さなガマンの積み重ねについて。「病を抱えた」人間の生き辛さとは何か。精神科で「病」とされるものの実体は何か。「病者」のしんどさを共感していく。》などをテーマとして。

 毎年3万人以上の自殺の9割は何らかの「精神障害」という研究報告が出ています(NHK教育放送6・22)。さらに膨大にあるであろう未遂事件や自殺未遂者がいます。ガマンを強いられていること、ガマンを強いるものがあるのではないでしょうか。

自分はこういうことにガマンを強いられていると感じる、といった意見を出しあいましょう。

 兵庫県立光風病院の精神科医師・柴田明さんにアドバイザーとして参加していただきます。話がもつれてきたら臨床経験から解きほぐしてもらおうと思います。

 5・22に参加していなかった方も、労働者もぜひいらっして下さい。

日時/8月9日(日曜日)午後2時
会場/神戸市勤労会館409号室
アドバイザー/柴田明医師(兵庫県立光風病院精神科)
     主催/保安処分病棟に反対する有志連絡会
      共催/兵庫県精神障害者連絡会

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2009年7月 8日 (水)

脳死臓器移植時には麻酔薬を使っている事実

守田です。法的脳死判定・臓器摘出で麻酔がかけられたと判る患者は、報道や医学文献で分かる範囲に限定しても1、2、9、12、30、40、47、53例目の計8例に麻酔が投与されています。報道または文献の要旨は以下のとおりです。

法的脳死判定1例目(高知赤十字病院)
*     「臓器摘出開始時に、急に血圧が上昇した。そのため麻酔を実施した」、と主治医が記者会見にて公表。
*     西山 謹吾:心臓移植の麻酔、日本臨床麻酔学会誌、20(8)、S146、2000
 今まで使用してきた抗生物質、ステロイドの投与、筋弛緩剤の投与が必須である。あくまで脳死患者であるから、脳以外は正常と考える必要がある。すなわち脊髄反射により高血圧を来たすことはあり、降圧剤が必要になることもある。これに対しては吸入麻酔が調節性に富んでおり使いやすい。脈搏に関しては大きな変動はない。

法的脳死判定2例目(慶応大学病院)
*     川瀬 斌:臨床の現場から 脳死判定医が語る臓器移植、中央公論、150-160、1999年9月号
 心臓摘出の部分は日本臓器移植ネットワークに、麻酔代と手術にかかわった医師五人、看護婦3人という最小限の人件費だけをあとで請求しましたが(後略)*Aikawa Naoki:A 35-year-old Man with Cerebral Hemorrhage andPheochromocytoma:The Second Brain-dead Organ Donor in japan(大脳出血及び褐色細胞腫をもった35歳男 日本における脳死臓器提供第2例)、The Keio Journal ofMedicine、49(3)、117‐130、2000
(事前の超音波検査により、肝および副腎近傍に腫瘤のあることがわかったため、移植用臓器の摘出前に良性か悪性かを調べるため生検が施行され、それぞれ肝海綿状血管腫、副腎褐色細胞腫と診断された。下記は、生検時に昇圧剤や降圧剤を投与しても血圧・心拍が大きく変動したため、ガス麻酔が必要だったことを報告している)
ムライ医師 :生検を行ったのは私ですが、肝臓の針生検を行った際に、患者の血圧は 非常に高くなりました。そしてその後、副腎から楔状に生検組織が採取された時は、 患者の血圧は大きく変動しました。タケダ先生、あなたは外科手術の時の血行動態の記録を持っていますか?
タケダ医師 : 褐色細胞腫の診断は、通常は術前になされています。褐色細胞腫は血中のカテコー ルアミンの濃度(レベル)が上昇しますので、拮抗薬が使われたり、循環血液量の低下を補うために血液製剤が投与されます。 褐色細胞腫の患者は手術直前の、この様なコントロールのもとであっても血圧の変動は依然として激しいことが多いのです。 しかしながら、今回の症例では、褐色細胞腫の診断は手術中(当サイト注:生検中に?)になされました。我々のデーターを調べてみますと、血行動態は、非常に激しく変動しており血圧はある時は210/120mmHgに上昇し、直後には80/75mmHgまで低下したことが記録されています。 心拍数は一般的にはだいたい100拍/分ですが、手術中には140拍/分まで上昇しています。しかし、こういった事態は、我々が何も対処を行わずにいた間に起こったわけではありません。我々は様々な降圧剤、昇圧薬を投与しましたが、血圧の異常な変動は収まりませんでした。 さらに、脳死の患者さんに対して麻酔が必要かどうかは、興味ある点でしょう。通常は筋弛緩薬のみを投与します。しかし、この患者には血圧コントロールのために一定量の吸入麻酔薬が必要でした。
アイカワ医師:2回目の脳死判定をもって、脳死患者となりました。引き続いて行われた臓器摘出手術やその手技における患者のマネージメントに関わる管理は、いくらかの麻酔薬は使用されますが、「麻酔管理」と呼びません。「ドナーの呼吸・循環管理」 と呼びます。 ここまでお伝えした中で、何かご質問はございますか?

法的脳死判定9例目(福岡徳州会病院)
*     三浦 泰:脳死臓器提供者の麻酔経験、麻酔、50(6)、p694、2001 ベクロニウム(筋弛緩薬)4mgを静脈注射した。臓器摘出手術の開始直後に一時的に高血圧となったため、ニトロプルシド(血管拡張薬)とイソフルラン(ガス麻酔)0.5%を数分間投与した。
法的脳死判定12例目(川崎市立川崎病院)
*     西部 伸一:臓器移植と手術室(一般病院麻酔科の立場から)、日本臨床麻酔学会誌、21(8)、S181、2001
 臓器移植法に基づく臓器摘出手術の経験のある施設から適宜アドバイスを得ることができたため、比較的支障なく臓器摘出手術の麻酔へかかわることができた。しかし、ドナー管理中の電解質以上および摘出手術中の血圧管理には困難が伴った。

法的脳死判定30例目(日本医科大学付属第二病院)
*     大島 正行:脳死ドナーの麻酔管理経験、日本臨床麻酔学会誌(日本臨床麻酔学会第24回大会抄録号)、S59、2004および付属CD\endai\1-023.html
 フェンタニル0.1mg、ベクロニウム20mgで麻酔導入し、酸素-イソフルランで維持した。各摘出予定臓器周囲の剥離と臓器の視診、触診後、ヘパリン20,000uを静注し、灌流用カテーテルを挿入した。その際徐脈を来したためアトロピン0.5mgを静注した。脳死後も脊髄反射が残存するため、筋弛緩薬は必須である。胸骨縦切開時の血圧上昇時にフェンタニル、イソフルランを使用した。徐脈時にはアトロピンは無効とされるが、我々の症例では有効であった。
*     大島 正行:脳死ドナー臓器摘出の麻酔 あらためて感じたコミュニケーションの重要性~「命のリレー」に携わって、LiSA、11(9)、960-962、2004
 この資料にも、麻酔投与とアトロピンが効いたことが記載してある。
 注:脳死判定の補助検査としてアトロピンテストを行なう施設もある。アトロピンを投与して脈拍が増加すると脳死ではないと判断される。

法的脳死判定40例目(浜松医科大学医学部附属病院)
*     木下 恵理:本院における脳死ドナー移植の経験、日本臨床麻酔学会誌(日本臨床麻酔学会第26回大会抄録号)、S208、2006
*     木下 恵理:本院における脳死の麻酔、麻酔、56(9)、1119、2007
 ドナーの麻酔は少量の吸入麻酔薬と、筋弛緩にて行った。脳死移植ドナーの管理において、純粋に医学的な麻酔管理だけでなく実務上必要な事柄が多く、麻酔科医の負担が大きかった。

法的脳死判定47例目(帝京大学医学部附属市原病院)
*     長谷 洋和:脳死ドナーからの臓器摘出術の麻酔の実際、日本臨床麻酔学会誌(日本臨床麻酔学会第26回大会抄録号)、S208、2006
 脳死という特殊な状態に医学的な麻酔管理が必要であった上に、各臓器摘出チームから個別に細かな依頼に対応しなければならなかった。脳死ドナーからの臓器摘出の経緯と麻酔管理を紹介する。

法的脳死判定53例目(札幌医科大学付属病院)
*     山本 清香:レミフェンタニルを使用した脳死ドナー患者の麻酔管理、臨床麻酔、31(8)、1353-1355、2007
 手術室入室後、有害な不随意運動と十分な筋弛緩を得るため、ベクロニウム5mgを単回投与した後、5mg/hrで持続投与した。手術刺激に伴う循環変動に対処するため、レミフェンタニルを0.06μg/kg/min持続投与で開始し、体重1キロ当たり毎分0.1~0.3μg/kg/minの範囲で循環を管理した。

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2009年7月 7日 (火)

急性薬物中毒の場合脳死判定は可能か?

守田です。今回送信する文章の要点は3項目です。
1、 現行の臓器移植法の審議の過程で、脳死判定に積極的で著名な医師が「脳死判定は確実にできる」と国会で参考人意見を述べたことが、脳死判定の対象外=除外例とすべき急性薬物中毒患者・中枢神経抑制剤投与例については嘘であったこと。
2、 各発言がなされた当時は周知の事実ではなかったことですが(学識経験者は知っていなければならないことですが)、急性薬物中毒の症状が予想以上に長く残ることについて、現代では広く重大な問題と認識されるようになったこと。
3、 脳死判定の対象から除外すべき急性薬物中毒患者が非常に多いと想定されるにもかかわらず、法的脳死判定においても除外されていない。検証会議はまったく検証していないことについての指摘です。
 まず、脳死判定の対象外(除外例)とすべき急性薬物中毒、中枢神経抑制剤投与例について、念のため説明しておきます。
 患者が薬物を自殺目的や誤って大量に飲む場合があります。また医療機関では患者を治療する目的で、様々な薬物を投与します。手術する時に麻酔をかけます。少量の麻酔薬で安全に手術を行うためにも、筋弛緩剤が同時に使われます。患者の治療に有害な体動や反射を抑えるためにも、筋弛緩剤が投与されます。脳を休ませる目的で薬物が投与されることがあります(バルビツール療法)。
 このように様々な薬剤が患者に投与されて、その薬物の影響で患者は昏睡状態や自発呼吸を消失した状態や瞳孔が開いた状態に陥ることがあります。脳死に類似した状態になって、薬物の影響でそうなっていることに気づかれなければ、誤って脳死と判定される恐れがあります。急性薬物中毒の状態、中枢神経抑制剤に影響された状態にある患者は、時間が経てば回復する可能性があるため脳死判定の対象から除外すべきことが昔から規定されています。
 これからやっと本題ですが、まず、過去の衆議院・厚生委員会議事録から武下浩、加来信雄、竹内一夫の発言を紹介します。
・     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第132回国会 衆議院 厚生委員会議事録第15号(1995年6月13日)参考人=社会保険小倉記念病院長・日本学術会議会員・武下浩p6 私は、竹内基準で脳死は間違い無く判定できるということを申し上げたいと思います。p7 竹内基準で十分に脳死の判定が可能で、間違うことはありません。示された前提条件、除外例を厳格に守り、確実に検査を行なえば、竹内基準による判定は科学的である。(中略)脳死状態になりますと、一般的対応では数日のうちに心停止、心臓が止まります。(中略)省令として予定されている判定法、竹内基準に準拠は、医学界からも十分に支持される内容と考えます。

第136回国会 衆議院 厚生委員会議事録第31号(1996年7月12日)に掲載された派遣委員の福岡県における意見聴取に関する記録 平成八年六月二十日(木) 
(50/68) 意見陳述者=久留米大学医学部教授・加来信雄
 脳死に対して正しく判定できるか否かについて今なお論議が続いていますが、高度の救急医療を行っている施設においては、脳死の判定は正しく行えますし、竹内基準を基本としたもので十分であります。そして、脳死判定後にそれを評価する組織委員会が機能することも必要であろうと思います。

第140回国会 衆議院 厚生委員会議事録第13号(1997年4月8日)参考人=杏林大学学長・竹内一夫p3
 脳死の判定基準の最初に「前提条件」あるいは「除外例」というものが厳重に設定されております。(中略)まだこういう治療方法をやればいいのじゃないかということが、余裕が残っている場合には当然脳死の判定はすべきではないというのが脳死判定の常識だと思っております。
・     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 上記のように武下、加来、竹内は「脳死判定はちゃんとできる」と国会議員に保証したのです。竹内らは、多数の論文で「各国で誤診とされた脳死患者は、中枢神経抑制剤の影響が残る状態で脳死判定を行なわれたケースがもっとも多い」と書きました。ところが、竹内らが知らない重大なことがあったのです。

有効血中濃度域が不明の薬物が多いこと
 竹内は「脳と神経」誌2002年7月号掲載の「脳死の判定」p557~p563において、「船橋市立医療センターの唐澤らによると脳死判定に影響を与える29種類の薬物のうち、有効血中濃度域がわかっているものは12種類しかないという」と書きました。薬物中毒状態かそうでないかは、血液を採取して血中の薬物濃度を検査しますが、そもそも、どれだけの薬物濃度だったら神経活動に影響があるのか判っていなければ薬物の濃度を測定しても意味がありません。竹内は「除外例というものが厳重に設定されております」と国会で参考意見を述べ臓器移植法の制定に大きな影響を及ぼしながら、本当は除外すべき薬物がどれだけあるかも知らなかったように思われます。

血中の薬物濃度と脳組織内の薬物濃度が乖離していること
 次に書くことがさらに重要なことですが、薬物中毒になっているのかいないのかは、脳の血流が低下していると見込まれる患者の場合は、血液を分析してもあてにならないということです。それは、血中の薬物濃度と脳組織内の薬物濃度が大きく異なるからです。
このことについて、日本医事新報は2001年に4042号p37~p42に守屋文夫氏(高知医科大学法医学)による「脳死者における血液および脳内の薬物濃度の乖離」を掲載しました。守屋氏は、臨床的脳死状態で薬物を投与された患者が約72時間後に心停止し、解剖して各組織における薬物濃度を測定したところ、心臓血における濃度よりも53倍 の薬物が大脳から検出されたことを報告し、薬物が投与された患者の脳死判定は慎重に行うべきことと、「第三者機関による脳死判定の検証では、薬物分析のための血液と脳組織の採取が望ましい」と検証方法についても提唱しています。血液検査では、薬物中毒患者かそうではないのか判らないということです。この知見は、同時に読売新聞も報道した。「脳死判定に新たな難題」という見出しだったと思いますが、この段階で一般人にも周知の情報になりました。

 脳組織内薬物濃度と血中薬物濃度が乖離していることの報告は、私が見た範囲では1994年以降で以下の文献にもあります。
 斎藤剛は日本法医学雑誌48巻補冊p93(1994年)に、ペントバルビタール投与期間28時間、投与中止後4日で死亡。バルビタール濃度は小脳皮質で血液の7.7倍だったと報告。
 實渕成美は、日本法医学雑誌51巻2号p181(1997年)に、脳死から7日後、脳中薬物濃度の血中濃度に対する比はジアゼパムで14.1倍だったと報告しています。
 脳組織内薬物濃度と血中薬物濃度が、脳不全患者では乖離してくること。また、脳死判定のために患者の脳組織を採取する検査はできないため、「患者の治療目的の麻酔も含めて、脳死判定に影響する薬物を摂取ないし投与された患者は、その影響が無くなっていると判断できる情報がある場合以外は、脳死判定の対象外とする、除外例とする」としなければならないはずです。竹内らは脳死判定基準の権威と見なされており、何回も脳死判定基準について書いているのですから、臓器移植法の成立前からこうした警告を発すべき立場にあったと私は思います。
 ところが竹内は、さきほど紹介した「脳と神経」誌2002年7月号では、脳内薬物濃度が末梢血中の数十倍も高濃度な「脳死」患者がいることについて「脳死判定の目的で被験者の脳組織を採取するような検査は、まず実施不可能であろう」と述べるにとどまりました。

脳死判定の対象外とすべき患者を対象とした、やってはいけない脳死判定の横行
 竹内らが関与している厚労省検証会議は、昔ながらに「薬物投与終了後から長時間が経過したので脳死判定に影響なし」としています。一例をあげると、2004年に神戸市立中央市民病院で法的に脳死と判定された患者は、第31例目の脳死下での臓器提供事例に係る検証結果に関する報告書
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/03/s0318-1.html によると「6月29日に、フェニトイン(250mg)が一回投与されたが、臨床的脳死診断の開始まで約4日が経過しており、脳死判定への影響はないと考えられる」としています。
 7月2日の参考人質疑で、福島議員が柳田邦男参考人に「実際今回検証されて、これは問題ではないかとか、いかがだろうかというケースはあったんでしょうか」と質問したところ、柳田参考人は「結論を言いますと、ありませんでした」と応えました。そもそも脳死判定の対象外とすべき患者にまでも、脳死判定を遠慮なくやっていることに認識さえもないから、柳田はこのような回答をしたのでしょう。
 竹内ら厚労省の検証会議に関係している脳死判定医は、脳死判定の対象外とすべき薬物中毒の可能性のある可能性のある患者について、十分な知識を持っているはずです。ところが、検証会議では何の指摘もしない。だから柳田も問題を認識していないのでしょう(新聞も読まない人だとすればですが)。結果として、脳死判定の対象外(除外例)とすべき患者を対象とした脳死判定を横行させています。


脳死判定除外例も脳死判定し、人体実験まで行った医師の後悔
 昨年の市民会議の学習会で私が報告したことですが、熊本大学の木下順弘教授は、2007年11月2日、日本脳死・脳蘇生学会のワークショップでこう話しました。「残存薬物の問題ですが,急性薬物中毒は,判定の対象から除外すると,ごく簡単に竹内基準はなっていますが,日常臨床では,鎮静剤や抗痙攣薬,時には筋弛緩薬のような薬物を脳死判定以前に使っていることは多々あると思います。そして,それらの薬物に影響が一切ないのかと問われた時に,私は自信を失いました。特に守屋らの報告ですが,血液中の濃度と,薬物の脳内濃度は一緒なのかという問題を突きつけられた時,非常に頭を悩ませました。つまり,脳血流がそもそも非常に少ない段階では,薬物は血中から脳のほうへ移行していかないかもしれませんが,脳循環がいい時に,高濃度の薬物が脳の中にたくさん溜まって,その後脳循環が停止したら,その薬物はずっと脳の中に残存し続けているのではないかと言われた時に,そうでないと自信をもって誰が言えるでしょうか。ましてその活性代謝産物まで調べないといけないと言われた時に,この問題は頭を悩まし,できれば避けてとおりたいというぐらいの気持ちです」と。

 1980年代に木下教授は、大阪大学の特殊救急部時代に脳死前提の人体実験をしています。当時、特殊救急部では患者の治療中に鎮静剤や抗痙攣薬,筋弛緩薬を投与した場合、投与終了から24時間経過したら脳死判定を開始していました。この当時は、投与終了から1日たったら、薬の影響は抜けると思い込んでいた。ですから木下らは、本当な脳死ではないかもしれない患者を対象に、患者の治療目的で投与した麻酔剤などの影響が残っている状態で脳死と思い込んで脳死判定をしてしまった可能性がある、そして脳死患者の救命に反する心臓の筋肉の採取、ホルモン投与など人体実験を行ってしまった。加えて、脳死ではないかもしれない患者を検査して、「脳死になった患者の医学的生理的な状態はこうです」と論文を発表してしまっています。

 木下らは、脳不全患者の人権、生命を侵害したことに加えて、患者家族には脳死であると不正確な説明をした、それだけではなくて脳死患者の生理的状態・医学的情報について、脳死ではない可能性のある患者の情報も混在させて発表した、その論文が今も脳死患者の情報として引用されうる状態にある、という3重の罪を重ねています。(各施設の脳死前提の人体実験の概要はhttp://www6.plala.or.jp/brainx/experiment.htm を参照)
 木下は「この問題は頭を悩まし,できれば避けてとおりたいというぐらいの気持ちです」と講演していますが、避けて通れる立場ではありません。脳死判定の対象外、除外例とすべき患者までも脳死判定をしてしまうことは、これほどまで長年にわたって当事者を悩ませることです。
 では法的脳死判定は、どのような効果を持つのでしょうか。患者から臓器を取り出すこと、生命維持を終了することにより、患者を死に至らしめるのです。いい加減な脳死判定を行うならば、木下教授が講演したように、家族・脳死判定医・さらにその臓器をもらった移植患者に永遠に傷を残すでしょう。法定脳死判定手続きにも不信を蓄積し続けます。


国会審議も見直しが必要
 脳死判定の除外例について、生存している患者の脳内薬物濃度を測定する技術は開発されておらず、開発できたとしても有効域がわからない薬物を投与した患者を「脳死」判定対象から除外することは、不可能です。存在しない前提条件、除外例を守ることはできないのに、竹内らは国会で参考人として「示された前提条件、除外例を厳格に守り、確実に検査を行なえば、竹内基準による判定は科学的である」と述べたのです。国会における論議を白紙に戻さなければならないと思います。

以上

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2009年7月 6日 (月)

脳死判定基準の原理から

関西市民の会の、守田憲二さん(ホームページ:死体からの臓器摘出に麻酔?の開設者http://www6.plala.or.jp/brainx/)から脳死問題で重要なメールを怒りネット古賀さん宛にいただきました。ホームページに公開して良いという了解をいただきましたので3回に分けて掲載します。

古賀さん、おはようございます。守田です。
 7月2日の参議院厚生労働委員会における参考人質疑について質問をいただきました。こちらで調べなければならないこともあり、正確に回答するには長文になりますので、何通かに分けて送信します。

 まず、日本移植学会理事長・寺岡の発言の再録からです。寺岡は、厚生省研究班による小児脳死判定基準で「脳死と判定された後に回復した事例はありません」と発言しました。
 以下が私の反論ですが、まず脳死判定の原理、その原理から想定される限界を踏まえなければなりません。
 脳死判定は5つの必須検査で構成されます。このうち頭皮上に電極を置いて脳波を測定しても、脳の深部、脳幹部の状態がわからないことは頭蓋内脳波や鼻腔脳波の研究で示されているとおりです。
 他の4つ(深昏睡、瞳孔の散大固定、脳幹反射の消失、自発呼吸の消失)は、刺激を加えて反応の有無を調べる原理で共通しますが、このような検査は、果たして反応するに足る十分な刺激を加えているのか判らない、という問題があります。
 例えば瞳孔を見る時に光を当てますが、その時に室内の明るさ、当てる光の強さ、照射時間により結果は異なります。そもそも脳死判定基準は、対光反射の有無を検査する際に、室内の明るさについて、当てる光の強さについて、照射時間の長さについての規定がない検査です。室内の明るさは何ルクスにしておくのか、照射する光は何カンデラの懐中電灯を使って、何秒間当てたら十分な刺激を与えたといえるのか?長時間、強い光を当てたら瞳孔が動くかもしれませんが、失明をさせる恐れのある検査はできない。そんなことをする医師はいない。

 深昏睡の検査は痛み刺激を与えますが、これも与える痛み刺激の強さについての規定がない検査です。1平方センチあたり何キロの強さで何秒間押しても反応がなければ、深昏睡といえるのか。強く押せば、患者は目覚めるかもしれないが、患者を傷つけるほどの激烈な痛み刺激を与えることはできない。そんなことをする医師はいない。しかし、米国のザック・ダンラップ事件

 この資料について解説します。米国、カナダ、英国の脳死判定基準は、無呼吸テストで自発呼吸がないことを確認する動脈血二酸化炭素分圧レベルが異なります。英国は50mmHg、カナダは50mmHgから55mmHg、米国は60mmHgです。このような微妙な炭酸ガス刺激の強度の違いで自発呼吸をする、脳死ではないことがわかるケースがあります。死亡宣告をされたり、されなかったり、臓器摘出をされたり生体解剖として臓器提供は拒否されるケースがあります。では我が国の脳死判定基準を満たした状態は、まったく本当の脳死なのでしょうか?
 厚労省基準は、動脈血に溶け込んでいる炭酸ガスの圧力(二酸化炭素分圧)が60mmHg以上になったら無呼吸テストを終了してよいとしていますが、その閾値と設定された60mmHgを越えてから、呼吸をした患者が多数報告されています。値の低いほうから8例を並べると以下のとおりです。

1~2例目:日本大学付属病院では2例、64.7mmHgと72.2mmHgで自発呼吸をした(脳蘇生治療と脳死判定の再検討、p97)
3例目:帝京大学医学部附属市原病院では59歳女性が66.4mmHgで自発呼吸をした(日本救急医学会関東地方会雑誌8巻2号p524~525)
4例目:京都大学付属病院では86mmHgで自発呼吸をした(麻酔37巻10号臨増S66)
5例目:米国ワシントンDCのChildren's National Medical Centerでは、3歳男児が91mmHgで呼吸。同日2回目の無呼吸テストでは71mmHgで呼吸をし、その後数日間は人工呼吸の設定を超えて規則的な自発呼吸を始めた。現在、患児は気管切開と胃ろう造設がなされ慢性病棟で介護されている(Critical care medicine26巻11号p1917-p1919)
6例目:日本医科大学付属病院では、54歳女性がPCO2(肺胞内二酸化炭素分圧)が100mmHgを超えてから自発呼吸をした(人工呼吸器装着時の連続測定でPCO2の最高値は、PaCo2よりも1~5mmHg低いとされる)(救急医学12巻9号S484)
7例目:米国ニュージャージー州のCooper Hospitalでは、髄膜炎の3歳女児は、第2病日に自発呼吸のあったことを除いて脳死判定基準を満たした。無呼吸テスト開始から8分45秒後に息を1回吸った。その時の血液ガス分析結果はpH6.94、PaCO2は112mmHgだった(Journal of child neurology10巻3号p245-p246)
8例目:公立昭和病院では、36歳男性が呼吸刺激薬ドキサプラムを併用した無呼吸テストで119.6mmHgで自発呼吸をした(脳死・脳蘇生研究会誌10巻p64-p66)
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 無呼吸テストを長くし過ぎて動脈血二酸化炭素分圧を80mmHg以上とか上げると、血液が酸性に傾き過ぎる。pH7.2くらいになると、血液中のヘモグロビンから酸素が切り離されにくくなって患者の負担が大きくなりすぎて本当の脳死作成法になるから、これ以上無呼吸テストを長くするわけにもいかない(上記の報告は長くしすぎています。医師が患者を傷つけている)。となると、脳死判定の最重要テストとされる無呼吸テストは、ある程度のところで止めなければならない。これは自発呼吸能力の廃絶を証明できないこととイコールです。

 さらに、いったんは無呼吸とされて脳死判定されながら、大阪大学付属病院(日本救急医学会雑誌2巻4号p744~p745、1991年・Pediatrics96巻3号p518~p520、1995年)


 脳死判定基準を満たした状態は、重症の脳不全であることはわかるけれども、年齢が低くなるほど精度が落ちてくる。成人でも、現代では心停止の予告はできない判定になっていると思います。脳死という言葉も、死の型を分類する時に限って使う用語にすべきと思います。
 脳死判定基準の原理から、は以上です。
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http://www6.plala.or.jp/brainx/recovery0.htm#40d-respiration-3m では40日後に自発呼吸が復活した。
 公立高畠病院(日本小児科学会雑誌99巻9号p1672-p1680、1995年)
http://www6.plala.or.jp/brainx/recovery15.htm#126d-eeg-11y では9ヵ月以上経過後に自発呼吸が復活しています。
 この大阪大学付属病院、公立高畠病院の脳死からの復活例は、昔のことですから現行の脳死判定基準とは細部が異なりますが、「一時的に脳死判定基準を満たした後に回復してくる患者を、区別できない恐れがある」ことは十分に指摘できるでしょう。

 A案支持者が盛んに「無呼吸テストも行った法的脳死判定ならば、正確に判定できる」と宣伝していますが、根拠がないデマ、煽動です。脳波も、神経学的検査も、無呼吸テストも脳の機能の不可逆的停止を原理的に証明できる検査ではない。過去の脳死判定のすべてに、何を判定していたのか?という疑問があります。

何を判定できているのか不明の判定基準 許容される行為と許容されない行為の分別が必要
 日本移植学会理事長の寺岡は、厚生省研究班による小児脳死判定基準で「脳死と判定された後に回復した事例はありません」と発言しましたが、そもそも脳死判定基準を満たした状態が何を意味するのか。確定的なことはいえないことを、脳死判定基準の原理から踏まえておかなければならないと思います。
原理的に、何を判定できているのか皆目不明の脳死判定基準を満たした患者を対象に、重大なことを行うこと。死亡宣告をしたり、さらには臓器摘出までも行うことは暴挙というしかないでしょう。
http://www6.plala.or.jp/brainx/wrong.htm#D では、患者の親族が足の裏をナイフで切ったり、爪の下の柔らかい部分に痛み刺激を与えることで脳死ではないことを発覚させて、生体解剖を回避しました。臓器摘出時の激烈な痛みで、はじめて深昏睡から覚めて、そのまま生きたまま臓器を切り取られて殺された患者もいるのではないかと想定されます。

 人工呼吸器の普及で脳死が認識されたように、自発呼吸能力が廃絶したことの確認、無呼吸テストは「脳死判定の骨格」と言われる最も重要なテストです。息をこらえると、血液に溶け込んでいる酸素が減り二酸化炭素が増えてくる。この状態を呼吸中枢が感知して息を吸い込む動作が起こる。この原理から無呼吸テストは、低酸素と高炭酸ガスの両方の状態を作って、自発的呼吸が出現しないか確かめる必要があります。ところが、脳死判定基準における無呼吸テストは、酸素を投与しつつ人工呼吸器を止める。高炭酸ガス刺激だけ加えているが、低酸素刺激は行っていません。
 また、どれだけの炭酸ガス刺激を加えても反応がなかったら「自発呼吸がない」と判断してよいかの科学的根拠もありません。重大な資料を紹介します。カナダの脳死判定基準で脳死とされ、アメリカに臓器提供しようとして、アメリカの脳死判定基準で判定したら息をしたために、家族が臓器提供の同意を撤回したケースです。*Simon D.Levin(McMaster University Medical Center):Brain death sansfrontiers、The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE、318(13)、852-853、1988
37週で出生した2530グラムの女児が、生後41時間後にカナダの脳死判定基準を満たした。動脈血二酸化炭素分圧を54mmHgまで上昇させて、自発呼吸がなかった。米国の移植組織により 心臓の利用が検討され、60時間後に米国の脳死判定基準(無呼吸テスト時に動脈血二酸化炭素分圧を60mmHgまで上昇させる)にもとづいてテストされた。この女児は動脈血二酸化炭素分圧が59mmHgまでは無呼吸だったが、その後64mmHgに上昇するまでsteadilyな(しっかりとした)呼吸をした。臓器提供の同意は、両親により撤回された。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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2009年7月 5日 (日)

やしきたかじんの番組

「たかじんのそこまでいって委員会」という番組で怒りネットが取り上げられました。番組は1時間半のものです。冒頭から憲法9条を亡き者とすることがいろいろ論じられているという驚くべき番組でした。僕自身は以前保安処分が取り上げられたときに一回見ただけだったのですが、保守の論壇という感じの設定の番組でした。そのなかで脳死臓器移植問題が二番目のテーマとして約30分にわたって議論されました。その冒頭の問題提起の中で移植推進派とバランスをとるように「臓器を取るのはいいことだということになれば、どんどん脳死判定基準を緩和したり、植物状態の人を死としたりすることが広がっていく。」という発言(古賀さんのものだそうです。番組内では固有名詞は出てきませんでした)が「障害者団体」の発言として紹介され怒りネット全国のホームページのアップが写されました。各コメンテーターの意見は一様ではなく、桂ざこば氏が反対(臓器移植に反対)、宮崎氏(てつやだったか下の名前は不確か)がD案支持、その他のメンバーはA案支持というものです。D案提出者の民主党議員も出てきて、A案対D案という対立構造で議論が進みました。脳死ということ自体が国民的合意もない中、保守論壇も分裂しているということが端無くも現われたものです。A案とD案の違いは脳死を人の死とするか、臓器移植の場合に限って死とするかという違いです。議論にはかみこみませんでしたがざこば氏の立場は保守の中でも移植には反対というものが根強くあるということを示しています。A案支持者は法案にも詳しくなく、「やってみてだめだったら法律を変えればいい」ということが結論とされるという代物でした。脳死臓器移植反対派の意見を広めていく余地はまだまだ広いということを示した番組と感じました。

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