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2009年8月26日 (水)

富田試案

精神神経学会で発表された富田試案について、詳細を読んでみました。学会での発表では結論部分がはしょりながらだったのです。結論として提起しているところを読むと、措置入院、医療保護入院を中心とした強制入院を柱とする提案でした。これではちょっと飲み込めないものです。イギリスの例などを参考にしたのかなとも思います。イギリスでは司法精神病棟を中心とした入院施設と、他の大半の「精神病者」は通院を中心とした処遇になっているそうです。

富田試案は措置入院、医療保護入院に人的配置を重くし、いまの精神科特例をなくする方向性が出されています。その面では評価できます。任意入院については触れられていないのは、任意の人は入院させないで処遇するということなのか、手厚い人的配置をしないから書いていないのかは判然としません。

医療観察法病棟を廃止し、社会的入院15万人の退院で浮いた予算を精神医療の底上げに使うという発想は大いに評価できるものです。措置と医療保護を中心とするということの意味をもっと明確にしてもらうことが必要です。いまの措置と医療保護の貧弱な人的配置を考えれば、そこを手厚くするということは評価できるのですが、根本的に措置と医療保護が必要なのかという議論がまずなされないといけないと思います。そうでないと措置病棟が実質的な司法精神病棟になってしまうだけではないのかという疑問があるからです。

医療的判断に裁判官が関与するという医療観察法が、保安処分であることは明白です。裁判官は「再犯のおそれ」ありという判断をするためにのみ関与するのです。医療的判断に裁判官が関与するという矛盾は医療観察法をなくすることによってのみ解消されます。

医者だけが判断するからといって司法精神病棟である限り「再犯のおそれ」の判断をするのであり、精神神経学会の「再犯の恐れは判断できない」という見解を否定することになります。そこの疑問について富田医師は答える必要があります。

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