~障がい者制度改革推進会議、第3回行われる~
「地域社会で生活する権利」を権利規定に盛り込むことを大方の委員の合意となった。
2月15日(月)午後1時から3回目の「障がい者制度改革推進会議」が内閣府で行なわれた。
この日は障害者自立支援法に替わる総合福祉法制に関して活発な議論が交わされた。
障害の定義については社会モデルとしていき、ニーズに基づいてサービスを給付すべきだとの意見が大多数であった。ただ、社会モデルについて委員の間でイメージが一致していないのではないか、とする指摘もあった。また、聴覚障害関係の委員からは、基本法では社会モデルによる定義で行うべきであるが、総合福祉法においては数値的なものをおとしこむことにより、現実的なものとなってくるという意見もでた。
さらに、自立の定義については自己決定という意味合いにしていく方向性の議論となったが、それは支援を前提とする自己決定であるというのが大方の意見の一致したところであった。一方、自分自身で行うことがいまだもって自立とされている社会的な意識の中で、自立という言い方をしなくてもいいのではないかという意見もあった。さらに自己決定を自己責任論と絡めた議論もあった。
他省庁が勝手に障害者関係のものを議論していく中にあって、この推進会議がどういう位置付けとなっているのかという質問もでた。それに対して福島大臣は「他省庁に目配せをさせながらやっていきたい」と発言した。それに対して目配りをするだけではなく、きちんと指示を出して欲しい、他施策、たとえば、女性の政策の中に障害という視点が盛り込めるようにして欲しいという意見がでた。
支援決定プロセスについては本人中心で行うことがおおよその方向性となったが、それは「ケアマネジメント」というのか、「セルフマネジメント」というのかなどの概念の在り方については今後の議論となった。
地域生活移行への法定化についてはおおくの委員が賛成し、「施設がなぜ必要とされているのかという原因を探ることが重要。待機者がいるが、地域基盤がつくられればなくなっていく」という意見も出された。
精神障害者の社会的入院・地域移行を進めるにあたっては、精神障害者の保護者制度をなくさなければならない、とする発言も出された。
ニーズに基づくサービスがきちんと行われれば、たとえコストがかかっても、人々の納得を得られるという意見もでた。さらに、聴覚障害のコミュニケーション事業については広域・集団的派遣も必要で個別給付にはなじまないという意見も出された。
利用者負担のあり方については、応益で行うことにほとんどの委員が賛成ではないとした。
医療に関しては、医師が障害者についての知識が乏しすぎ、啓発の必要性が訴えられ、また精神科病院を大幅に少なくしていき、地域医療へと移行させていくことが何人かの委員から指摘された。
さらに、国庫負担基準をなくしていくことが、論点整理の中で出された。
この日の会議は、時間がなく、予定されていた「雇用」については、次回での議論となる。
緊急性の高いものについては、予定よりも早く部会を設置することとなり、総合福祉法の部会が設置されることとなり、部会員の選任については、議長団・政務三役・内閣府の東室長らで、調整されることとなった。
次回は3月1日(月)午後1時から。議題は、雇用、差別禁止法制、虐待防止法、政治参加など。
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