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2010年4月

2010年4月29日 (木)

制度の谷間は「不条理」 障害者会議で団体ヒアリング

障がい者制度改革推進会議は19日に第8回会合を内閣府で開き、関係団体のヒアリングを行った。意見を述べたのは、会議にも総合福祉部会にも構成員を出していない団体で、計12団体が出席。制度の「谷間」に置かれ福祉サービスを利用できない人や、制度の対象とされていないことを「不条理」だと訴える人らの問題が提起された。

 中でも待ったなしとされたのは、「障害者手帳を持たない難病者は介助などを受けられずにいる」(難病を持つ人の地域自立生活を確立する会)、「植物状態と言われる遷延性意識障害者は、医療から『治療は終わった』と言われ、福祉からは『障害が重すぎて受け入れられない』と言われ、大部分が在宅生活。ヘルプレス状態が続いている」(全国遷延性意識障害者・家族の会)などだ。

 「学校教育だけでは学齢児のもつニーズは充足されない。放課後活動の制度化が必要だ」(障害のある子どもの放課後保障全国連絡会)、「障害者支援に関わる法制度には障害名として自閉症を明記し、支援体制の整備・強化を」(日本自閉症協会)といった意見もあった。

 また無年金問題を巡っては、「訴訟をしても保険(拠出)原理の壁で解決しなかった。せめて過渡的な措置として特別障害給付金の支給対象拡大と支給額アップを」(学生無年金障害者訴訟全国連絡会)、「国民年金法から国籍条項は削除されたのに、すでに20歳を超えていた在日障害者は救済されず、特別障害給付金制度からさえ排除されている」(年金制度の国籍条項を完全撤廃させる全国連絡会)との訴えがあった。

 一方、会議で「新たに作る障害者総合福祉法には地域生活の権利を明記する」と方向性が出た点に、異論を唱えた団体もあった。

 「障害者権利条約第19条の『特定の生活様式』が入所施設を指しているとして会議では解体が議論されているようだが、ニーズを無視して入所施設を否定すると、権利条約で不幸になる人が出てくる」(全国知的障害者施設家族会連合会)という。

 なお、会議はこれまでに障害者基本法の抜本改正、障害者差別禁止法や障害者虐待防止法の制定など、権利条約に沿った論点の洗い出しを一通り実施。これを踏まえ、次回からは省庁のヒアリングを始める。
 今後は、構成員らが法改正や新法

制に踏み込んだ意見を述べてきた点について、新政権のもと省庁側も積極的な見解を示すかどうかが焦点となる。

 

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2010年4月28日 (水)

―第9回推進会議、法務省、文科省、総務省ヒアリング―

議論白熱「インクルーシブ教育」




第9回障がい者制度改革推進会議が、4月26日(月)福島大臣の出席のもと行われた。

 この日は法務省からのヒアリングをまず最初に行った。中村政務官は「民事、刑事ともに手話通訳など障害者に対する適切な配慮をこれまで行ってきているが、みなさんから足りないところがあれば意見を出して頂ければありがたい」と述べた。

 東室長からは「そのような配慮は裁量で行っているのであり、法的な裏付けがあって行われているのではないのではないか」「差別禁止という視点できちんと明確化させたほうがよいのではないか」と総括的な提起がなされた。

 さらに、他の委員からは「手話通訳などの訴訟費用はどなっているのか」「通訳が付けられていないケースもある」また、「要約筆記も重要」「実態として知的障害者に対する適切な配慮がなされていない」などなどの発言が出た。
 これに対して法務省側は「手話通訳などは訴訟費用に含まれていて、敗者側負担」「通訳が付けられていない事例は承知していない」「知的障害者への対応は文書で指示している」などと噛み合わない回答が多かった。

人権救済機関の設置については、「そう遠くはない時期に実現をするよう検討したい」と述べた。

 続いて文部科学省のヒアリングに移った。
 高井政務官が出席し、「文科省としてはインクルーシブ教育と特別支援教育は矛盾しないし、両立するもの」との考え方を示した。一方で、「地域の学校を原則にした場合の予算は、特別支援教育を基本とした場合の約10倍のコストがかかる」という試算も明らかにした。   

これに対して、東室長から総括的質問で「就学先の決定のあり方について、教育委員会の権限と保護者の権限とどちらが優先されるのか」「去年の民主党の政策では、インクルーシブ教育を進め、保護者本人の希望で学校を選択できるようにする、とあるが、この点についてどう考えるか」とした。これに対し、高井政務官は「保護者の意見を十分に聞きながら総合的に決めていくということであり、制度的には就学先の決定権は教育委員会にある」と答えた。

 福島大臣も「障害のある子が地域から排除されている実態がある。文科省は考えてほしい」と異例の注文をした。それに対して、高井政務官は「そのような現実はあってはならないと考える」との認識を示した。

 地域の学校に子どもを通わせている親もヒアリングで発言「障害が重いからということで、親が付き添いを強要され、様々な場面で淋しい思いをさせられている」と述べた。
 その他、全国特別支援学校長会、全国特別支援学級設置学校長協会、全国特別支援教育推進協会が発言し、「就学先の一元化は混乱を招く」「特別支援教育は子どものニーズにあった教育をしている」と発言する一方で、障害児を普通学校へ・全国連絡会の徳田氏は「障害の重い子を持つ親たちは特別支援学校に行かなければならないというふうに行政から刷り込まれてしまっている場合が多い」と述べるなど、様々な立場からの意見が出されたが、文科省から改めて文書で回答をすることになった。

 最後に総務省。階政務官は「政権放送の字幕付きについては、原口総務大臣が参院選を前にNHKと交渉をしているところである」と語った。公職選挙法改正問題と絡み、微妙なニュアンスであった。成年後見を受けている人たちの選挙権を付与の問題は、「単にこれまでの経過の問題であり、本質的な問題ではない」という認識が明らかにされ、「検討していきたい」と述べた。
 

最後に、尾上委員から「地域主権の考え方が内閣府などを中心に出されているが、障害関係法令も含まれており、重大なので、関係省庁とのヒアリングを行ってほしい」との提起があった。
 

次回は5月10日(月)厚生労働省などとのヒアリング。

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2010年4月27日 (火)

障害連事務局FAXレターNo、168

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 2010.4.27(火)

大型船「総合福祉部会」、荒海のなか出港

―部会長に佐藤久夫氏、副部会長に尾上浩二氏、茨木尚子氏が選ばれる―



4月27日(火)「障がい者制度改革推進会議」の第一回総合福祉部会が55名という委員の大所帯の中スタートをした。しばらくは、緊急で当面急がれる課題を整理していくとのこと。
 まず初めに推進会議の担当大臣である福島大臣が「総合福祉法の実現、障害者基本法の改正、差別禁止法の制定によって、権利条約を批准できるようにしたい」と挨拶した。

続いて、厚生労働省の山井政務官が「障害者が地域のど真ん中にいる社会が、社会にとっても大事なことである」とあいさつした。

 次に、東室長から55名のメンバー紹介があった。そのあと部会長の選任に移り、森委員から日本社会事業大学の佐藤久夫委員を部会長に推薦したいとの発言があった。山本真理議員からは、当事者の中西委員を推薦したいとあったが、中西委員は辞退した。
 佐藤部会長は「不安もあるが歴史的事業に関われることに大きな喜びを感じる」とあいさつした。
 それから佐藤部会長が副部会長を指名。DPIの尾上委員と茨木委員を指名した。尾上副部会長は「当事者として“はやくゆっくり”頑張りたい」茨木副部会長は「大きな部会なので不安もあるが皆さんの協力によって頑張りたい。」とあいさつした。
 その後、推進会議とこの総合福祉部会との関係や、今後のスケジュールなどについて若干の意見が出されたが、佐藤部会長、東室長らは「総合福祉法ができるまでの間の、当面の緊急な課題を整理していき、その後総合福祉法の在り方について議論をしていきたい」と答えた。



次に当事者委員を中心に、5分間ずつの発言があった。「社会福祉制度は普遍的でなければならず、同一ニーズに対し同一サービスが提供されるべき」(石橋委員) 、「発達障害者支援法ができて、発達障害
は認められてきたが、まだ不十分。福祉法の障害概念の中に発達障害をきちんと入れてほしい」(氏田議員)、「制度改革のロードマップや、総合福祉法への道筋を明らかにし、今できることは法改正してでもやるべき」(大久保議員)、そして大濱委員からは、「地域主権が国会で議論されているが、事業者指定基準が厳しくなる恐れがあり、地域生活していくには問題」などの意見が続いた。
 さらに、知的障害の立場からは、「地域生活を実現していくには、見守り介助がぜひとも必要」とする意見が小田島委員から出され、DPIの尾上委員からは「権利条約や民主党のPTの文書についても、資料とすべき」、「脱施設の目標に向けた立法化を」という発言があった。

また、「精神保健福祉法を改正し、保護者制度の撤廃が必要」(川崎委員)、「盲ろう者にとって情報コミュニケーション保障と、移動支援が必要」(角川委員)、さらには「重度障害者の親たちは施設がなくなるのではないかととても心配しており、署名活動をしている」(北浦委員)、「難聴者にとって要約筆記の養成と、障害認定基準の改正が必要」(佐野委員)などの発言が続いていった。



休憩時間の後、視覚障害者にとって「職場確保、移動支援の充実が特に必要」と、述べたのは田中委員。また、「国庫負担の上限を廃止し、介護保険優先の原則の見直し」などを訴えたのは中西委員。奈良崎委員は「就労ジョブコーチの問題と、障害年金が低い」などと発言した。西滝委員は「コミュニケーション支援事業が進んでいない実態や、手話通訳養成」などを強く訴えた。野原委員は、「諸外国と比べ、日本は長期慢性疾患を福祉の中で位置付けていない」ことを力説した。
 さらに橋本委員は「ALSの人にとって、人工呼吸器をつけるということが、大きな問題となっており、地域生活をするには国による24時間介護保障の実現」などと求めた。「高次脳機能障害の人たちはいまだに制度の谷間におかれているので、障害としてきちんと認めてほしい」と語ったのは東川委員。「てんかんに対するきちんとした法的位置付けと、教育現場での理解を深めるという取り組みが求められている」と福井委員は述べた。

 さらに、藤井委員はJDFの立場から「当面の緊急課題と今後の政策については分けて論議すべき」だとした上で、今後の議論においては「自立支援法訴訟の基本合意などをベースに、きちんとデータを集めて行うことが必要」と述べた。森委員は「障害の範囲や程度区分について、改善が必要である」と述べた。山本委員は「精神障害者が治安の対象とならないようにすることが重要。心神喪失者医療観察法は廃止されるべき。」と発言した。広田委員は「精神障害者社会的入院の解消が進んでいない」実態を強く訴えた。


 野沢委員は、「自立支援法にも良い面はあり、特に、知的障害者の就労が進んでいる」と述べた。最後に発言したのは三田委員で「地域移行のための具体的な政策が必要であり、その実態を調査することが重要」と述べた。



意見発表が終わった後、厚生労働省から発言があり、「平成23年度に実態調査を行いたいので、総合福祉部会の部会長と副部会長、それに数人の行政担当者らによるワーキンググループを作り、議論を進めていきたい」との提起があった。

これに対して、「当事者が少ないのではないか」「もう少し方向が決まってから行ったほうがいい」など疑問の意見がいくつか出された上、尾上、茨木両副部会長も「意見を広く聞いた方がよい」と発言した。終了時間も迫っていたため、次回の部会までワーキンググループは行わない、ということで全体の合意を得た。



自立支援法廃止が決まり、新法づくりが課題とされている今、障害のある本人の権利と尊厳が守られ、安心して障害の重さや軽さ、種類には関係なく、地域社会で暮らせる仕組みづくりに向けた議論を実りあるものにしていかなければならない。自立支援医療の無料化など、総合福祉法を待たずにやらなければならない課題も少なくない。そもそも推進会議が、権利条約批准を実現させるための検証と政策提起の場としての位置づけが強かったという原点と方向性を見失うことのない議論を期待したい。

まさに大型船「総合福祉部会」丸は、荒海のなか出港した。

次回は5月18日(火)。

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2010年4月24日 (土)

5・9精神医療学習会

5月9日に保安処分病棟に反対する有志連絡会と木村クリニック患者有志の主催で、「精神医療学習会・精神病院を捨てたイタリア」を開催します。ビラと地図を添付します。

精神病院のほとんどを廃止したイタリアの実践から学ぶという趣旨の学習会で、実際にイタリアに見学に行って来られた光愛病院看護師の有我譲慶さんに講演をいただき、イタリアの実態を聞くなかから、私たちの進むべき方向性について考えて行きたいと思います。イタリアがすべてすばらしいとか、まったくダメとか、ではなく、先入観を持たずに学ぶということではないかと思います。

私たちは医療観察法に反対し、強制医療に反対するのですが、では何を目指すのかを考えてもいいのではないでしょうか。何を目指すかを提示しないといけないという論法には反対ですが、先人の実践のなかから学ぶということはありと思います。

5月9日日曜日午後2時から、高槻市富田コミュニティセンターです。

関西一円の方のご参加をお待ちしています。

「100509.pdf」をダウンロード Img016028

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2010年4月17日 (土)

バザーリアの改革【3】

反バザーリア派との闘い

バザーリアはトリエステ県だけで満足しなかった。イタリア全土から精神病院をなくすための法律・バザーリア法の制定に尽力し、同法は成立、イタリアでは単科精神病院は姿を消した。といっても根強く隔離収容を追及する精神科医たちはたくさん残っており、バザーリア派と反バザーリア派はいまでも激しく争っている。バザーリア自身は急病で亡くなっているのだが、そのあとを継ぐ医師や医療従事者たちが頑張っている。

バザーリア法により単科の精神病院はすべて廃止されたが総合病院の精神科病床は残っている。また地域精神保健センターには小規模の入院施設がある。司法精神病院には約1000人が収容されている。反バザーリア派はそれらを閉鎖的な精神病床として活用している。

また地域精神医療センターを十分に生かさずに精神病院の閉鎖だけを行った地域もある。これでは「精神病者」はホームレスになってしまうしかないが、反バザーリア派の策謀だ。

地域精神医療センターを機能させずに患者を精神病院から追い出した先例としてアメリカのケネディ改革がある。ケネディは精神病院入院者の削減と地域精神保健を志していたのだが、入院者削減の方を成立させた後、地域保健制度を整備する前に殺されてしまった。後継の大統領はそういう志はなかったから、ただ単に患者を病院から追い出し、大量の「精神病者」のホームレスが生まれてしまった。後のレーガン改革でその反動は加速され、極めて多数の「精神病者」のホームレスがいるのが現実だ。

日本の惨状

外国のことばかりではなく、日本でもホームレスの6割以上が「精神病者」だ。

日本人は歴史的総括を苦手としている。例えば、日本では、ナチスの反省のような契機が欠落している。天皇制は人間性の否定という歴史的評価を経験していない。国体からしてそうなのだが、総括しない国民性はあらゆる面に現われている。

日本でも精神医療改革運動は、やはり1970年代の革命の嵐とともに存在していた。関東での精医連(東大精神科医師連合)や関西でのプシ共闘(精神科医全国共闘会議)という形で一定の大きな勢力をもっていた。しかし、時間とともに大多数の精神科医は体制側に転向してしまい、少数の医師たちが私たちと行動をともにしている状態だ。その消滅に何の総括もなかったから、今日の精神科医たちの惨状をもたらしているといって過言ではない。

日本では33万人の精神科病床入院者の内、社会が受け入れればいつでも退院できる症状の人が10万人いる。(厚労省の発表では6万人から7万人)。平均在院日数でも日本は諸外国と比して群を抜いて高い。さらに精神科医療からも弾き出された形でホームレスになった人が、ホームレスの内6割を占めている。地域保健サービスも無いに等しい。精神病院を追い出されてもホームレスになるしかないのでは、社会的入院の解消にはなりがたい。精神医療改革が何よりも求められる所以(ゆえん)だ。

一方で、60年代末頃から自主的・自立的な患者会が生まれて独自の文化をなしている。ひょうせいれんはその一つとして、自立的に運営されている。精神科医師たちの医療改革運動が患者会に介入した時期があり、また精神科医療従事者に支配されている患者会というものは今でもある。しかし、それでは自由を求める患者会とはなりがたい。あらゆる支配介入から自由となりながら、医師とも連携を取っているのが本来の患者会のありようだ。

国際的にも改革派と保守派が激しく争っている。日本でもまた、激しい抗争が闘われてきたし、今も闘われている。きちんとした歴史的総括の中から、闘いの方向性を見つけることもまた私たちの仕事であろう。

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2010年4月 8日 (木)

障害児教育の変革のはじまった日 第5回推進会議、鳩山首相も出席

「親が地域の普通学校を選択して、普通学校に行き、それなりに大変ではあったが、近所に学校の友達がいてくれたことは学校生活を振りかえるにあたって、意味ある大きなことだった」と中西委員は語った。さらに「障害児の親など多くの関係者が特別支援学校の設置を求めているが、地域の学校できちんとしたサポート体制がない今、それはある意味当然のこと」とも中西委員は続けた。

行われた「障がい者制度改革推進会議は、教育について時間を割き、多くの委員から現在の特別支援教育についての問題が指摘されていった。 尾上委員は昨年、脳性マヒのため地域の中学校への就学を拒否され、その後、裁判によって就学を認められたという事例を取り上げ「これはほんの一つの事例に過ぎない。今もこうした問題はたくさん起きている」と述べた。そして、学校教育法施行令で、障害のある子の就学先を特別に取り扱っているという問題点を指摘した。

大谷委員は「障害のある子が教育に関して日々差別にさらされている現実、特に強制的に別学させられている実態を考えるべき」と発言した。 一方、清原委員は「特別支援教育は決め細やかな教育をしており、教育に関する議論をするにあたっては文部省科学省を交えた慎重な議論すること」を求めた。

 門川委員は「視覚や聴覚障害者にとって障害のない人のペースに合わせて学習することが難しいことが多く、特別支援教育も大切である」と語った。

障害者基本法の中に、障害児の教育の在り方について盛り込むことや、教育基本法の差別禁止条項に 障害を盛り込むことについては、多数の人たちが賛成している。 学籍の在り方については、意見が分かれたが、本人や親の選択権を保障していくことについては多くの委員のほぼ共通した意見となった。

「聴覚障害者の場合、小学校低学年まではコミュニケーション支援というよりも教育・言語力の養成そのもの」という意見も出た。 合理的配慮についてはいかなる理由があっても生徒の立場に立って行われなければならないという意見もあった。

さらに、堂本委員からは「学校教育施行規則第5条を廃止し、本人や親に就学先の学校を選択する権利を保障すべきだ」という発言があり、佐藤委員も基本的には学籍は地域の学校に一つにしながら、その上で、本人や親の要望に沿った教育のありようが様々に保障されるべき」と発言した。

次のテーマは、障害の表記の在り方について。「なぜ、そういう論議をする必要があるのか。なんのためにするのかを掘り下げて考えていく必要がある」との発言があった。 「障害という言葉に対し、社会を変革する存在としての障害者として認識しており、そんなにこの言葉に抵抗を持っていない」との発言もあった。

東室長からは「多様な表記方法が認められてもいいかもしれないし、近く開かれる国語審議会・文化審議会に石ヘンの碍を認めてもらうことによって多様な表現法が可能になるかもしれないので、この問題は広く意見を今後も聞きながら集約していきたい。」とした。

最後に、政治参加の問題。選挙広報などに点字版がないことや、国会中継などに字幕・手話がない問題が取り上げられた。さらに、成年後見を受けると、選挙権と被選挙権を奪われてしまう問題などが議論の中心となった。

鳩山首相が急きょ出席し、その挨拶の中で「この推進会議でやられていることを特別なこととならないように今後はしていきたい」と述べたことを受け、「首相も言うとおり4時間後にはネット配信できているのだから、国会中継に字幕などをつけられないわけがない」という発言もあった。

藤井議長代理は「これらの問題について次の参院選から行うようにすることが推進会議のひとつの存在理由かもしれない」と述べた。

 最後に福島大臣が「これからも熱心な議論をお互い頑張っていきましょう」と挨拶した。

次回は議題は医療、司法手続き、子どもなど。4月からは第3月曜日も開催したいとの意向が東室長からあった。

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2010年4月 3日 (土)

―第6回推進会議から―

司法手続き、障害者を想定していない


ある離婚調停で、調停員が全盲の母に対し、「あなたは全盲だから子育てできないでしょ!」と決めつけたとのこと。

3月30日(火)の第6回障がい者制度改革推進会議では、司法手続きなどについて、凝縮した議論が交わされた。この他、障害児、医療のありかたについても話し合われた。

まず、司法手続きについて、被疑者が障害者である場合、コミュニケーション保障という観点から、権利の告知の仕方など、被疑者の権利を守る手立てがあまりにも行われていないということが、全体の共通認識となった。これは、取調べ、逮捕、裁判、判決、どのレベルにおいてもその様な手立てがないとされた。

その上に立って、「弁護士によって差が出てしまう」という現実が明らかにされていった。

法務省によれば、新受刑者のうち、IQ69以下の人が20%以上も占めているとされているが、これは司法側の障害者に対する無理解によるものが多く、合理的配慮など、障害者の権利を保障する仕掛けが必要だとする議論も行なわれた。

また、「刑務所内で精神科医の配置が少なく、医療的配慮が必要だ」という意見も出された。

司法手続きに関しては、障害者基本法に明記することや、障害者差別禁止法の創設等によって、様々な障害者の権利を保障していくことが今後の課題とされていった。



次に、障害児の問題に移った。多くの委員からは、障害児については、児童福祉法の中で取り組まれるべきが本来の姿である、という意見が出された。

そして、一元化された総合的な相談窓口の必要性と、特性に対応した窓口の必要性についての両方が出された。

さらに、児童デイサービスについて「一般の放課後児童対策などとも一体化して、実施されることが検討されるべき」という意見があった。

市町村を基本とした相談支援体制については「安定的に市町村として取り組めるよう国の支援方策が必要である」との発言もあった。

さらに、児童施設問題について「仲間たちは児童施設からそのまま大人の施設に送られてきました。大人の都合を押し付けないでほしい」との強い発言がだされた。

そして、児童福祉法で行っていくという原点は、「医療モデルから社会モデルの考え方へとかえていくことなのだ」という指摘もあった。



最後に医療のありかたについて。「精神医療は一般医療法に包摂し、精神保健福祉法という特別な医療法体系を見直すべき」で意見は一致した。「精神障害を理由とした特別な強制的医療制度を設けることを見直すべきか」についても多くの委員は見直しを必要という立場をとった。さらに医療観察法における強制医療介入については、約半数程度の委員が権利条約違反だとし、精神医療について他科と比べて、供給水準が低い現状にあるという認識を多くの委員が示した。

「社会的入院は諸外国に比べて長期の在院日数となっており、差別である」という意見も出され、さらに「保護入院だと医者が言ったことに親が拒否できない実態がある」などの発言も出た。



一般医療について、様々な受診拒否が行われているという実態が改めて浮き彫りにされた。



福島大臣は冒頭、「カナダ大使が障害者は特別な能力を持つ人と言われた。そういう社会を実現すべく推進会議で努力している」と挨拶した。今、「障害」の表記についても議論されているが、筆者はこの考え方に必ずしも同意することはできない。ポジティブに捉えようという考え方は理解できるが、障害者をやはり「特別な人」としてしまうのか、という感想をもつ。障害者は「社会を構成する市民」のひとりに過ぎないのであり、その人の権利をどう保障するかが、今まさに課題となっているのである。



次回は4月12日(月)交通アクセス、建物、情報アクセスと所得保障など。

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