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2010年4月27日 (火)

障害連事務局FAXレターNo、168

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 2010.4.27(火)

大型船「総合福祉部会」、荒海のなか出港

―部会長に佐藤久夫氏、副部会長に尾上浩二氏、茨木尚子氏が選ばれる―



4月27日(火)「障がい者制度改革推進会議」の第一回総合福祉部会が55名という委員の大所帯の中スタートをした。しばらくは、緊急で当面急がれる課題を整理していくとのこと。
 まず初めに推進会議の担当大臣である福島大臣が「総合福祉法の実現、障害者基本法の改正、差別禁止法の制定によって、権利条約を批准できるようにしたい」と挨拶した。

続いて、厚生労働省の山井政務官が「障害者が地域のど真ん中にいる社会が、社会にとっても大事なことである」とあいさつした。

 次に、東室長から55名のメンバー紹介があった。そのあと部会長の選任に移り、森委員から日本社会事業大学の佐藤久夫委員を部会長に推薦したいとの発言があった。山本真理議員からは、当事者の中西委員を推薦したいとあったが、中西委員は辞退した。
 佐藤部会長は「不安もあるが歴史的事業に関われることに大きな喜びを感じる」とあいさつした。
 それから佐藤部会長が副部会長を指名。DPIの尾上委員と茨木委員を指名した。尾上副部会長は「当事者として“はやくゆっくり”頑張りたい」茨木副部会長は「大きな部会なので不安もあるが皆さんの協力によって頑張りたい。」とあいさつした。
 その後、推進会議とこの総合福祉部会との関係や、今後のスケジュールなどについて若干の意見が出されたが、佐藤部会長、東室長らは「総合福祉法ができるまでの間の、当面の緊急な課題を整理していき、その後総合福祉法の在り方について議論をしていきたい」と答えた。



次に当事者委員を中心に、5分間ずつの発言があった。「社会福祉制度は普遍的でなければならず、同一ニーズに対し同一サービスが提供されるべき」(石橋委員) 、「発達障害者支援法ができて、発達障害
は認められてきたが、まだ不十分。福祉法の障害概念の中に発達障害をきちんと入れてほしい」(氏田議員)、「制度改革のロードマップや、総合福祉法への道筋を明らかにし、今できることは法改正してでもやるべき」(大久保議員)、そして大濱委員からは、「地域主権が国会で議論されているが、事業者指定基準が厳しくなる恐れがあり、地域生活していくには問題」などの意見が続いた。
 さらに、知的障害の立場からは、「地域生活を実現していくには、見守り介助がぜひとも必要」とする意見が小田島委員から出され、DPIの尾上委員からは「権利条約や民主党のPTの文書についても、資料とすべき」、「脱施設の目標に向けた立法化を」という発言があった。

また、「精神保健福祉法を改正し、保護者制度の撤廃が必要」(川崎委員)、「盲ろう者にとって情報コミュニケーション保障と、移動支援が必要」(角川委員)、さらには「重度障害者の親たちは施設がなくなるのではないかととても心配しており、署名活動をしている」(北浦委員)、「難聴者にとって要約筆記の養成と、障害認定基準の改正が必要」(佐野委員)などの発言が続いていった。



休憩時間の後、視覚障害者にとって「職場確保、移動支援の充実が特に必要」と、述べたのは田中委員。また、「国庫負担の上限を廃止し、介護保険優先の原則の見直し」などを訴えたのは中西委員。奈良崎委員は「就労ジョブコーチの問題と、障害年金が低い」などと発言した。西滝委員は「コミュニケーション支援事業が進んでいない実態や、手話通訳養成」などを強く訴えた。野原委員は、「諸外国と比べ、日本は長期慢性疾患を福祉の中で位置付けていない」ことを力説した。
 さらに橋本委員は「ALSの人にとって、人工呼吸器をつけるということが、大きな問題となっており、地域生活をするには国による24時間介護保障の実現」などと求めた。「高次脳機能障害の人たちはいまだに制度の谷間におかれているので、障害としてきちんと認めてほしい」と語ったのは東川委員。「てんかんに対するきちんとした法的位置付けと、教育現場での理解を深めるという取り組みが求められている」と福井委員は述べた。

 さらに、藤井委員はJDFの立場から「当面の緊急課題と今後の政策については分けて論議すべき」だとした上で、今後の議論においては「自立支援法訴訟の基本合意などをベースに、きちんとデータを集めて行うことが必要」と述べた。森委員は「障害の範囲や程度区分について、改善が必要である」と述べた。山本委員は「精神障害者が治安の対象とならないようにすることが重要。心神喪失者医療観察法は廃止されるべき。」と発言した。広田委員は「精神障害者社会的入院の解消が進んでいない」実態を強く訴えた。


 野沢委員は、「自立支援法にも良い面はあり、特に、知的障害者の就労が進んでいる」と述べた。最後に発言したのは三田委員で「地域移行のための具体的な政策が必要であり、その実態を調査することが重要」と述べた。



意見発表が終わった後、厚生労働省から発言があり、「平成23年度に実態調査を行いたいので、総合福祉部会の部会長と副部会長、それに数人の行政担当者らによるワーキンググループを作り、議論を進めていきたい」との提起があった。

これに対して、「当事者が少ないのではないか」「もう少し方向が決まってから行ったほうがいい」など疑問の意見がいくつか出された上、尾上、茨木両副部会長も「意見を広く聞いた方がよい」と発言した。終了時間も迫っていたため、次回の部会までワーキンググループは行わない、ということで全体の合意を得た。



自立支援法廃止が決まり、新法づくりが課題とされている今、障害のある本人の権利と尊厳が守られ、安心して障害の重さや軽さ、種類には関係なく、地域社会で暮らせる仕組みづくりに向けた議論を実りあるものにしていかなければならない。自立支援医療の無料化など、総合福祉法を待たずにやらなければならない課題も少なくない。そもそも推進会議が、権利条約批准を実現させるための検証と政策提起の場としての位置づけが強かったという原点と方向性を見失うことのない議論を期待したい。

まさに大型船「総合福祉部会」丸は、荒海のなか出港した。

次回は5月18日(火)。

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