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2010年4月 3日 (土)

―第6回推進会議から―

司法手続き、障害者を想定していない


ある離婚調停で、調停員が全盲の母に対し、「あなたは全盲だから子育てできないでしょ!」と決めつけたとのこと。

3月30日(火)の第6回障がい者制度改革推進会議では、司法手続きなどについて、凝縮した議論が交わされた。この他、障害児、医療のありかたについても話し合われた。

まず、司法手続きについて、被疑者が障害者である場合、コミュニケーション保障という観点から、権利の告知の仕方など、被疑者の権利を守る手立てがあまりにも行われていないということが、全体の共通認識となった。これは、取調べ、逮捕、裁判、判決、どのレベルにおいてもその様な手立てがないとされた。

その上に立って、「弁護士によって差が出てしまう」という現実が明らかにされていった。

法務省によれば、新受刑者のうち、IQ69以下の人が20%以上も占めているとされているが、これは司法側の障害者に対する無理解によるものが多く、合理的配慮など、障害者の権利を保障する仕掛けが必要だとする議論も行なわれた。

また、「刑務所内で精神科医の配置が少なく、医療的配慮が必要だ」という意見も出された。

司法手続きに関しては、障害者基本法に明記することや、障害者差別禁止法の創設等によって、様々な障害者の権利を保障していくことが今後の課題とされていった。



次に、障害児の問題に移った。多くの委員からは、障害児については、児童福祉法の中で取り組まれるべきが本来の姿である、という意見が出された。

そして、一元化された総合的な相談窓口の必要性と、特性に対応した窓口の必要性についての両方が出された。

さらに、児童デイサービスについて「一般の放課後児童対策などとも一体化して、実施されることが検討されるべき」という意見があった。

市町村を基本とした相談支援体制については「安定的に市町村として取り組めるよう国の支援方策が必要である」との発言もあった。

さらに、児童施設問題について「仲間たちは児童施設からそのまま大人の施設に送られてきました。大人の都合を押し付けないでほしい」との強い発言がだされた。

そして、児童福祉法で行っていくという原点は、「医療モデルから社会モデルの考え方へとかえていくことなのだ」という指摘もあった。



最後に医療のありかたについて。「精神医療は一般医療法に包摂し、精神保健福祉法という特別な医療法体系を見直すべき」で意見は一致した。「精神障害を理由とした特別な強制的医療制度を設けることを見直すべきか」についても多くの委員は見直しを必要という立場をとった。さらに医療観察法における強制医療介入については、約半数程度の委員が権利条約違反だとし、精神医療について他科と比べて、供給水準が低い現状にあるという認識を多くの委員が示した。

「社会的入院は諸外国に比べて長期の在院日数となっており、差別である」という意見も出され、さらに「保護入院だと医者が言ったことに親が拒否できない実態がある」などの発言も出た。



一般医療について、様々な受診拒否が行われているという実態が改めて浮き彫りにされた。



福島大臣は冒頭、「カナダ大使が障害者は特別な能力を持つ人と言われた。そういう社会を実現すべく推進会議で努力している」と挨拶した。今、「障害」の表記についても議論されているが、筆者はこの考え方に必ずしも同意することはできない。ポジティブに捉えようという考え方は理解できるが、障害者をやはり「特別な人」としてしまうのか、という感想をもつ。障害者は「社会を構成する市民」のひとりに過ぎないのであり、その人の権利をどう保障するかが、今まさに課題となっているのである。



次回は4月12日(月)交通アクセス、建物、情報アクセスと所得保障など。

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