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2010年7月 8日 (木)

地方の時代 丁寧に具体化を進めよ

地方の時代 丁寧に具体化を進めよ

7月7日(水) 信濃毎日新聞

 国が持っている財源と権限を地方自治体へ渡し、特色ある地域づくりに自由に取り組めるようにする。民主党が地域主権と言い、自民党が地方分権と呼ぶ改革の目的である。

 実現すれば、中央集権的な行政の仕組みが大きく変わる。自治体が長年求めてきた姿になる。政府には、丁寧に具体化を進める姿勢が求められる。

 菅直人政権は、参院選の公示直前に「地域主権戦略大綱」をまとめた。要点は(1)補助金を廃止し、自治体が自由に使える一括交付金にする(2)国の出先機関を廃止・縮小する(3)自治体の事務を縛っているルールを見直す(4)都道府県の権限を市町村に移す-の四つだ。

 廃止する補助金の中身をはじめ、具体化はこれからになる。選挙対策のため、急ごしらえになった面は否めない。

 注視したいのは補助金の廃止だ。本年度は21兆円あるけれど、社会保障や教育分野の占める割合が大きい。生活保護費や義務教育費といった必要不可欠な経費を交付金に変えても、自治体の裁量は広がらない。自治体に渡す財源の総額を削ってはならない。

 思い出すのは、小泉政権が進めた、国・地方行財政の「三位一体改革」だ。2004年度からの3年間で、補助金4兆円と地方交付税5兆円を削りながら、自治体に移した税源は3兆円だけだった。

 長野県内をはじめ自治体の財政は悪化した。財政の見通しが立たず、合併せざるを得ない町村も多かった。改革が二の舞いになることは許されない。

 分権化は財政力の弱い町村への配慮が大事になる。一括交付金ができても、配分の仕方によっては、かえって財政の悪化を招きかねない。小さい自治体を支える制度設計が欠かせない。

 都道府県から町村に権限を移すにしても、職員態勢など受け皿の充実を図らなければ絵に描いたもちになる。町村の一部事務を都道府県が担ったり、市町村間で事務を分担したりといった、町村の態勢を補う仕組みを探る必要がある。小規模な町村の多い長野県には、積極的に提案してほしい。

 政府はまず、国と地方の協議の場を早急に設けるべきだ。地方の声をよく聞き、綿密に制度をつくっていく準備作業が重要になる。

 各党の参院選マニフェスト(政権公約)をみると、具体策は異なるものの、自治体の財政や権限を強化する方針はおおむね一致している。党派を超え、建設的に議論を深めてもらいたい。

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