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2010年8月21日 (土)

医療観察法初の重大事件

保安処分推進派の山上皓ならなんと言うのでしょうか。こういう事件を防ぐための制度といううたい文句だったはずですが。結局いくら保安処分制度を作っても防げないなら、何百人も同施設に送ったことはどう総括するのでしょうか。もし今回も同施設に送られるのであれば、それこそ一生物にされることでしょう。病気が治ったかどうかではなく再犯の恐れが基準になるのですから。

この人が人格障害なら医療観察法の対象外ですし、刑法で罰せられるべきことでしょう。人格障害の場合は心神喪失・心神耗弱は認められないので医療観察法の対象とはならず、刑法の対象となって刑務所に行くことになります。また、本当に心神喪失・心神耗弱であるのなら、人格障害という過去の診断結果が誤っていたことになります。伊賀弁護士の言うような「必要な制度だが、診断が誤った」ではなく、「不必要な制度な上に誤診が多く、廃止するしかない」と言うべきことと思います。

それからこの「誤診」をしたかもしれないのがまたしても肥前病院というのも気になります。

■医療観察法で初の重大再犯/2人殺害容疑で逮捕の男
<2010年8月4日 共同通信>

 大阪市で5月、男性2人を刺殺したとして殺人容疑で逮捕された男(45)が、事件の約3カ月半前まで、重大な他害行為を行い心神喪失などで不起 訴となった場合
に適用される医療観察法の入院治療を受けていたことが4日、関係者への取材で分かった。

 2005年の施行以来、医療観察法対象者が重大な再犯の容疑で逮捕されたケースが明らかになったのは初めて。同法は症状を改善し再び同様の行為 をせずに社会復帰
させることが目的で、現在、施行後5年の見直し時期を迎えている。制度の是非をめぐる司法や医療関係者の議論に影響を与えそう だ。

 法務省精神保健観察企画官室は「同法の対象者だったかどうかも含め、個別のケースには答えられない」としている。

 男は5月、同市西淀川区の自宅で男性2人の胸などをナイフで刺し殺した疑いで大阪府警に逮捕された。「命を狙われており、やられる前に殺した」 と話し、大阪地検が供述の不自然さなどから精神鑑定が必要と判断し、鑑定留置されている。関係者によると、男は08年、西淀川区のコンビニで客を 殴った傷害容疑で逮捕されたが起訴されず、同法対象者として佐賀県内の指定病院に入院。その後大阪府内の病院に移り、ことし1月末に裁判所の判断 で「処遇終了」となり退院、一般の精神科に通院していた。

 男は1997年に全日空機内で乗員に刃物を突き付けたとしてハイジャック防止法違反容疑で逮捕されたが「心神喪失状態だった」と不起訴になっ た。98年には福岡県での殺人事件で福岡地裁が限定的な責任能力を認定。実刑が確定し服役した。厚生労働省によると、ことし3月1日までに同法の 入院決定を受けた989人のうち517人が退院している。

●心神喪失者医療観察法
 殺人や放火など重大事件の容疑者や被告が心神喪失・耗弱を理由に不起訴処分や無罪となったケースで、検察官の申し立てで裁判官と精神科医による 合議の審判を開き、入院や通院を命令できる手続きを定めた法律。2001年に大阪教育大付属池田小で児童8人が殺害された事件を機に成立、05年 7月に施行された。「密度の濃い医療が提供されている」と評価される一方で「触法精神障害者を隔絶する保安処分だ」と批判も根強い。

●制度は有効だが誤診か
 日弁連医療観察法部会事務局長の伊賀興一弁護士の話
 医療観察法は国が精神科医療に直接責任を持つ初めての制度。その部分で評価すべきで、基本的に有効に機能していると考えている。ただ、今回は医 療観察法に乗せるかどうか判断する際、人格の偏りを病気と誤診してしまったケースではないか。入院中の医療や退院の判断に問題があったとの議論に はならないだろう。そもそも裁判所は「責任能力あり」と判断すべきだった。ただ、刑務所に行っても再犯の防止にはつながらず、今回のようなケース に対応するために別の制度の整備を検討する必要がある。【共同】
 http://www.healthnet.jp/syukan/pages/2010/08/sf201008_2.htm

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