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2011年2月 2日 (水)

EUとフランスの差別禁止法制を学ぶ

障害連事務局FAXレター No.204 2011.1.31(月)

EUとフランスの差別禁止法制を学ぶ

―第2回差別禁止部会、他の審議会等との関係の質問が出る―

1月31日(月)差別禁止部会は本格的議論に入った。第2回差別禁止部会は、諸外国の
法制度の報告だった。

はじめにEUの報告が部会の協力員でもある引馬知子氏(田園調布学園大学准教授)か
らあった。

 報告では「1980年代からのインクルーシブ社会を目指す国際的動向の中で、EUの雇用均等一般枠組指令が発効され、加盟国に強制力をもたせた」と発表された。

  質問の中で、障害の定義について出されたが、「EU内に8000万人の障害者がいる、ということで、その基準については今後改めて調査していきたい」とした。

  また、「合理的配慮とポジティブアクション(積極的差別是正措置)は違う概念としてとらえている」ともした。

EU指令をもとに、イギリスで訴訟を起こしたコールマン事件があるが、救済の方法については加盟国によってそれぞれ違うとのこと。

  雇用以外の分野については、各国の独自の動きもあるのが、今後の大きな課題となっているとのことだった。

続いてフランス差別禁止法について、部会の協力員でもある永野仁美氏(上智大学準教授)からあった。

フランスの差別禁止法は、差別禁止に特化した法体系な法律は存在しない、ということであった。1990年に「障害・健康状態を理由とする差別を禁止する法律」というのがつくられたが、これは差別禁止法的な性格をもつのではなく、労働分野も含んだ包括的な法律とのこと。

各個別法に差別禁止規定が盛り込まれている。特徴なのは、刑法典に差別罪が存在し、有罪になると罰金刑に処されるということ、障害の定義は、基本的には社会モデルを採用。委員からの質問の中で「顔にあざがある人は対象になるのか」が出され、差別の定義の中に「外観」による差別も含まれていると答えた。

フランスでは「合理的配慮」は「適切な措置」と呼ばれ、ほぼ同じ概念だとのこと。「適切な配慮」の欠如も差別にあたる。他に直接差別・間接差別があり、差別の立証責任は、刑法典の場合は検事、民事の場合は基本的には被告側(正当性について)にある

行政上の救済機関として「高等差別禁止平等対策期間(HALDE)」があり、調査権限を持ち合わせた独立した行政機関で、和解案の提示や勧告などを行っている。

これらの報告の後、今後の進め方について若干の意見交換があり、「推進会議本体や、厚生労働省管轄の労働政策審議会との関係をどうするか、情報を共有すべきではないか」との指摘がなされ、東推進室長からは「今後の課題として考えていきたい」とあった。

次回は3月14日(月)。

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