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2011年3月10日 (木)

政府・厚労省の動き

政府・厚労省の動きの内、精神障害に関する問題点を以下記します。

2月14日障がい者制度改革推進会議の第2次意見に対する内閣府の法案にするためのガイドラインが示されました。精神障害の問題については文字通り一言も触れない「ゼロ回答」でした。第2次意見では、医療観察法・措置入院・医療保護入院などの強制入院について、保護的な措置が取られるべきであるという趣旨が書かれてありました。それに対して「ゼロ回答」だったわけです。
翌15日には、総合福祉部会に対して厚労省の考えが示されました。これは長文のものなので、以下要約して記しておきます。ここでも「ゼロ回答」というべき答弁がなされています。以下引用。

<第12回総合福祉部会に出された「第1期作業チーム報告書に対する厚生労働省からのコメント」>
【総合福祉部会】
・ 精神障害者に係る地域移行の促進と医療における適正手続の確保
【厚労省コメント】
○ 現在も、医療の必要性や法に基づく適正な手続により入院医療が行われているところ。
【総合福祉部会】
・ 健康、医療及び精神障害者に係る地域移行の促進と医療における適正手続の確保
【厚労省コメント】
○ 精神医療のあり方については、現在、「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」(平成22年6月29日閣議決定)を踏まえ、「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」において検討を開始したところ」
【総合福祉部会】
○ 障害者基本法改正について、いわゆる「社会的入院」の解消、医療保護入院に係る同意を含む「保護者制度」の解消、適正手続の確保、精神医療の質の向上、一般医療における問題点の解消について、根拠となる規定を設けること。
○ 精神医療の法体系のあり方については、一般医療と区別せずに適正手続法を設けるべきとの意見と、精神医療に特化した法律を存置すべきとの意見。
○ 精神病院における認知症患者については、削減した精神病床を認知症患者に転換することを認めるべきでないとの意見と、精神科医は専門的観点から対応すべきとの意見。

【厚労省コメント】
○ 現在、厚生労働省において、障がい者制度改革推進会議の第1次意見を受けた平成22年6月29日の閣議決定に基づいて、社会的入院の解消については平成23年内に、強制入院等のあり方等については平成24年内を目途に結論を得るべく検討を進めています。
○ 具体的には、厚生労働省内に設けられた関係者等から構成される「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」において、① 平成22年9月から12月にかけて、社会的入院の観点も含め、認知症と精神科医療について議論を行い、12月22日に中間とりまとめを行ったところであり、今後、中間とりまとめの具体化を目指して検討を進めることとしています。
② 平成22年10月からは、保護者制度・入院制度について議論を開始したところであり、今後、保護者制度について平成23年夏を目途に検討を行い、その後、入院制度のあり方についても検討を進めて、全体について平成24年内を目途に結論を得ることを目指しています。」
【総合福祉部会】
・精神障害者の非自発的な入院や身体拘束が、「精神保健福祉法」、「医療観察法」等で法的に規定されていること等が、人権保護上問題があるのでは
【厚労省コメント】
○ 現行の精神保健福祉法等においては、指定医による診察や入院措置等についての本人への書面告知、入院患者の病状等に関する定期的な報告や患者本人等からの退院請求・処遇改善請求について第三者機関である精神医療審査会による審査を義務づけるなど、精神障害者の人権確保に配慮した規定を設けています。」
【総合福祉部会】
(1) いわゆる「社会的入院」を解消し、自立(自律)した生活及び地域社会への包摂のための施策の根拠となる規定を設けること。
 ・精神病床の削減を前提
【厚労省コメント】
○ 病床数の削減を行うとすれば、アウトリーチ(訪問支援)体制の推進や急性期精神科救急医療などの地域精神科医療体制の構築に関する施策や、福祉や住まいの場の確保などの地域の受け皿の構築に関する施策が必要であり、これらの施策について併せて検討を進めていくことが必要と考えられます。」
【総合福祉部会】
(4) 精神医療の質の向上に努めることの根拠となる規定を設けること。
【厚労省コメント】
○ 人員配置については、看護職員などの医療従事者数の確保の状況、地域医療への影響等を見極めながら、病床のあり方とともに検討していくことが必要と考えられます。」
【総合福祉部会】
2-1 精神医療の法体系のあり方について
 ・精神医療は医療を受ける者本人の自発的意思に基づいて提供される(精神医療を一般医療と区別しない)ことを法体系の基本としたうえで、やむを得ず非自発的入院や行動制限が行われる場合における人権確保のための適正な手続を定める法律(適正手続法)を設けるべきという意見。
【厚労省コメント】
○ 精神疾患に罹患する者の数は今後ますます増加していくことが考えられますが、一般の医療とは異なる配慮も必要であることに留意が必要と考えられます。
○ 現行法は、精神科医療について、指定医による診察や入院措置等についての本人への書面告知、入院患者の病状等に関する定期的な報告や患者本人等からの退院請求・処遇改善請求について第三者機関である精神医療審査会による審査を義務づけているなど、精神障害者の人権確保に配慮した規定を設けています。
○ 今後さらに、検討チームにおいて、精神保健福祉法上の保護者制度・入院制度について検討してまいります。」
【総合福祉部会】
3 地域生活支援・地域移行に関する議論の整理
【厚労省コメント】
○ 地域移行(地域移行支援システム、住居確保として医療費扶助・住宅扶助の要件緩和及び賃貸物件の公的保証人制度の確立と運用)、就学支援、就労支援について指摘がされていますが、これらについては、既に設けられている「就労」合同作業チーム、「障害児支援」合同作業チームや、今後新たに設けられる「地域移行」部会作業チームにおける検討も必要と考えられます。」

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コメント

【緊急声明】 3月11日発生した東日本巨大地震は、恐るべき大惨事となって労働者階級人民の頭上に襲いかかっている。これは単なる自然災害ではない。人災だ! その典型が今、地震に伴って引き起こされている福島原発の空前の大事故だ。大地震発生の直後に原子炉の冷却装置が機能しなくなったその瞬間から、核燃料棒の破損と大量の放射能流出が不可避となるのはもはや時間の問題だった。実際に冷却が不能になり、原子炉の運転を止めても炉心の温度が上昇し続け、最悪の炉心溶融(メルトダウン)にまで至っている。まさに米スリーマイル島事故や、旧ソ連のチェルノブイリ事故をも上回るような大事故になっているのだ。
ところが菅政権は、直後から報道管制を敷いて事態の隠蔽に走り、放射能漏れや爆発が起きたことが隠し通せなくなってからも、原子炉は「安全」であるかのように言いなし、「一人の健康被害も出さない」などとうそぶいている。ふざけるな! 現場ではすでに多くの労働者が、大量の放射能を浴びながらの殺人的な作業を強制されているではないか! 避難を強いられている周辺住民にとっても、汚染された土地に戻って再び従来どおり生活できる保障はない。大地震が起きれば取り返しのつかない大惨事に直結する危険が一貫して指摘されていたにもかかわらず、この危険な原発を、「安全でクリーン」という大ウソを流しながら、帝国主義国の中でも先頭に立って推進してきたのが日帝だ。とりわけ菅政権は「新成長戦略」の最大の柱に原発輸出をすえて、資本の利益を他の一切に優先する道をひたすら突っ走ってきた。その結果が、まさに今日の大事故を引き起こしたのだ。
津波による被害も同様だ。町や村が丸ごと消失し、死者・行方不明者は数千・数万人に達しつつある。これほどの大災害に発展した原因は、単に津波の大きさだけではない。三陸海岸を中心とした被害地域にはそもそも、地震の際に想定される津波の高さよりもはるかに低い堤防しか設置されていなかった。新自由主義のもとで進んだ地方の経済と社会の徹底的な切り捨て、労働者や農民・漁民への矛盾の極限的なしわ寄せこそが、被害をここまで大きくしたのである。
だが菅政権と日帝ブルジョアジーは、こうした一切を居直り、今や東日本巨大地震による労働者人民の多大な犠牲を徹底的に利用して自らの政治的延命を図ろうと必死になっている。「国難」を叫び、労働者階級人民のあらゆる闘いを「政治休戦」の名のもとに暴力的に圧殺して、逆に菅政権と日帝資本のもとへの全労働者の「挙国一致」的な動員を狙っている。そうすることで、これまでをはるかに上回る大量首切り・非正規職化の攻撃と、TPP参加、沖縄への辺野古新基地建設の強行、そして日米帝による朝鮮侵略戦争の攻撃に一気に突き進もうとしているのだ。これは、崩壊のふちに立たされていた菅政権による、労働者階級人民に対する一種の反革命クーデターだ。
昨年の4・9政治和解の反革命と11・23朝鮮侵略戦争攻撃に続くこの大反革命を、全労働者の怒りの総決起で打ち破ろう! 大恐慌と大失業・戦争の菅政権を許すな! 全原発を即時停止・廃止せよ! 資本主義に未来はない! 犠牲になった数千・数万の労働者人民の無念を晴らし、膨大な被災者を救出する道は、もはやプロレタリア革命以外にない! 資本と闘う労働者階級の団結した決起こそ、この大惨事を真に突破し克服できる唯一の力だ! 今こそ闘う労働組合をよみがえらせよう! 3・20渋谷反戦大デモの爆発で、菅政権打倒へ攻めのぼろう! エジプト革命に連帯して闘おう!

投稿: | 2011年3月13日 (日) 11時10分

もう見ました、大変ですね

投稿: ペルソナ3 同人誌 | 2011年3月21日 (月) 11時34分

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