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2011年6月 1日 (水)

怒りネット通信46号

遅くなりましたがお届けします。

●障害者の地域社会で暮らす権利をかちとるぞ!

●民主、自民、公明、官僚の一体となった障害者制度つぶしをゆるさないぞ!

もくじ
・「障害者」制度改革をめぐる攻防―10年秋から現在   P2
・10・29日比谷に1万人               P13







 
「障害者」制度改革をめぐる攻防ー10年秋から現在

                          

 古賀 典夫

 昨年11月29日、日比谷集会から今日まで、「障害者自立支援法改定法」をめぐる闘い、「障害者制度改革推進会議」(以下、推進会議)の意見を大きく裏切る今年2月の政府の姿勢、3月11日の東日本大震災、そして、4月22日、障害者基本法改定案の国会上程など、さまざまな動きがありました。これらの動きを捉えることに汲々としており、まとめて文章を書くことができず、つい『怒りネット通信』の発行が遅れてしまいました。申し訳ありません。
 大震災と原発事故という中で、日本社会はこれからどうすべきなのか、ということがすべての人の課題となる中で、「障害者制度改革」もますます重大な時期を迎えようとしています。5月の連休明けには、障害者基本法改定案の国会審議が始まるかもしれません。8月ないしは9月には、推進会議の総合福祉部会の意見のとりまとめが行われ、その後具体的に法文のとりまとめが進むことになります。
 障害者基本法改定案は、推進会議の第1次意見、第2次意見を大きく下回るものです。これと同じことが総合福祉法で起こるとしたら、「自立支援法」と変わらないものとなってしまうのではないか、との危機感を感じます。今こそ、運動そのものが問われていると思います。
 まずこの原稿では、この間の動きをまとめてみたいと思います。

★「自立支援法改定法案」との闘い

●10月29日の国会デモは、その後の事態を予見させた

 1万人の結集に高揚した日比谷の集会後、わたしたちは国会への請願デモに加わりました。気合のこもったシュプレヒコールをとどろかせながら、一路国会に向かいました。請願デモに対しては、これを支持する国会議員が衆議院議員面会所と参議院議員面会所で出迎えてくれるのが通例です。
 06年から続く請願デモに対する議員の出迎え状況について、この日、明らかな変化がありました。出迎える議員が少ない。いや、民主党議員がいないのです。
出迎えたのは、共産党と社民党だけなのです。
 通常国会で廃案となった「自立支援方改定案」が再び民主党も加わって上程されることをわたしたちは予感しました。

●「自立支援法改定法案」賛成を表明する9団体声明

 11月2日に、以下の9団体が「自立支援法改定法案」に賛成する声明を挙げました。
 全日本手をつなぐ育成会、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会、全国地域生活支援ネットワーク、日本発達障害福祉連盟、日本知的障害者福祉協会、全国重症心身障害児(者)を守る会、日本発達障害ネットワーク、日本重症児福祉協会、全国児童発達支援協議会

 このうち半数ぐらいは、育成会と近い団体です。別の観点から注目されるのは、05年に「自立支援法」の成立推進に名を連ねた「身体障害者」関係の団体や「精神障害者」の家族の団体はここに加わっていない、ということです。
 にもかかわらず、民主党内部では、この9団体が「障害者」の多数の声を代表しているかのようなデマが流れていたようです。「障害者」関係のことに精通していると見られてきた石毛衆議院議員の事務所からさえそんな話が出てきたのです。誰が流したデマか分かりませんが、議員一人一人がその不明を恥じてほしいものです。

●「自立支援法改定法案」再上程

 11月12日、衆議院厚生労働委員会の理事懇談会で、民主党から17日の委員会で「自立支援法改定法案」を採決したい、との意向が示されました。自民党などとはすでに水面下で打ち合わせができていたようです。この時点では、まだ法案の文面さえ厚生労働委員には配られていませんでした。
 これに対して、社民党と共産党が反対して、16日の理事懇談会で改めて検討することになりました。
 怒りネットは15日に、厚労委員への働きかけを行いました。議員事務所を回ると、改定案に反対するファックスが各地から届いているのが分かりました。難病の会の山本さんにも出会いました。何しろ、改定法案では、難病の人は全く対象とされていません。そして、日比谷の大フォーラム実行委員会も17日には国会前の行動を決めました。しかし、わたしたちとは反対に育成会が賛成陳情を行っているのでした。
 この日の午後3時過ぎ辺りから、厚労委員に法案が配られ始めました。内容は、通常国会に出されたものと同じですが、厚さ3.5センチ、11万2880文字というものです。改定法案は、現行法と読み比べなければ分からず、この法案について、いえば、「自立支援法」だけでなく、児童福祉法、精神保健福祉法など、関連して改定される法律を多く含んでいます。またも、ほとんどの委員は読まずに採決することが予想されます。ある自民党議員の秘書は、通常国会の際の採決について、ほとんど読まないまま採決したことを認めていました。
 
 それにしても、通常国会で衆議院での採決が行われて以降、6月7日には推進会議が第1次意見を発表し、総合福祉部会が「障がい者総合福祉法(仮称)の制定以前に早急に対応を要する課題」を発表しています。また、民主党は、41団体からのヒアリングを行ったと言います。それにもかかわらず、一言一句変わらない法案を出してくるということは、「障害者」の声など取るに足らないものとして扱っているということなのではないでしょうか。
 そして、今回もほかの法案との取引であることがマスコミでも報じられています。政府提出の国民年金法の改定案を成立させる代わりに、自民党は「自立支援法改定法案」の成立を条件としたと言うのです。

 16日、衆院厚労委の理事懇談会は、17日の採決を決めてしまいます。この採決に対して質疑は行われず、希望する党が発言するだけで、30分以内に採決というひどいものです。
 17日午後1時から大フォーラム実行委員会の集会が、衆議院第2議員会館前で開かれました。怒りネットは、午前中から兵庫の高見さん、岩崎さんも参加して、議員への働きかけを行いました。そして、30人で大フォーラムの集会に合流しました。厚労委員会では3時過ぎからこの法案が議題となり、共産党の高橋さんと社民党の阿部さんが反対の発言を行いました。傍聴席からは、このお二人の発言を支持する声が上がります。しかし、3時25分、傍聴席からの怒号の中採決が強行されます。高橋さん、阿部さん以外はすべて賛成にまわりました。
 採決後、意味不明の付帯決議が上げられます。
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障害保健福祉の推進に関する件(案)
政府は、今後の障害保健福祉施策の実施に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一平成二十五年八月までの実施を目指して、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて、障害保健福祉施策を見直すなど検討すること。

二指定特定相談支援事業者がサービス等利用計画案を作成する際に、障害者等の希望等を踏まえて作成するよう努めるようにすること。
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 一は、総合福祉法のことを言っているようですが、あくまで検討するにすぎません。二は、改定法の中身として、市区町村の支給決定の前に利用者側が作成させられる利用計画案のことを言っているようです。「指定特定相談支援事業者」にこの作成を頼んだ場合、計画案が訪問系の国庫負担基準以内に押さえ込まれてしまうのではないか、との批判を意識したものと思われます。しかし、「障害者等の希望等を踏まえ」るとなると、何を踏まえるのでしょうか?

 大フォーラムは、抗議集会を行い、兵庫や広島からの参加者も含め400人の怒りの声が響きます。そして、翌日の本会議を初めとしてとことん闘いぬくことが確認されました。
 18日12時47分、衆議院本会議は一切の質疑も発言もなくこの法案を可決してしまいます。大フォーラムは150人の結集でこれに抗議し、参議院での闘いを確認しました。

●参議院での闘い

 参院厚労委の状況は、最短では25日に「自立支援法改定法案」がかけられるのではないか、との予測がありました。24日の理事懇談会で、この日程が決められることになっています。そこで、大フォーラム実行委員会では、24日、25日、26日の連続行動を呼びかけました。
 これに先立つ21日には、怒りネットの茨城の人たちを中心に「地域でいきる権利かその否定か-私たちの生活を決めるのは誰か ~「障害者」の闘いは今~」というテーマで講座を開き、大フォーラム実行委員長の太田さんに講演していただきました。
 大フォーラム実行委員会の闘いは、上述した三日間に加え、29日、30日、1日、2日と続きました。毎回200人から500人の人々が結集し、議員事務所への働きかけと参院会館前での集会を続けました。参院の議員定数は242人です。それを上回る人たちが参院会館のすべての事務所を回りつくすのです。怒りネットも毎回一つのフロアーを担当しました。参加者も、関西、広島、東北や北海道など各地から結集されていました。怒りネット関西の人たちも、この間2度にわたって参加しました。
 参院では補正予算の審議が続いていました。また、自民党が問責決議案を上げる関係で、自民党の国会対策関係者からは、党員に一切の委員会審議に応じるな、との指示が出ていました。そんな関係もあり、25日、30日、12月2日の厚労委は開かれませんでした。他方、自民党の厚労委員からは、委員会を開きたいという働きかけが党の執行部に対して行われていたようです。
 大フォーラム実行委員会が参院会館内で会場を確保するのは、福島みずほ事務所に頼んでいました。福島さん自身、改定法案の成立を阻止するために、いろいろな働きかけを行ってくれていたようです。共産党の田村智子議員と共に、厚生労働委員長や民主党の参議院議員会長の所に申し入れもしてくれました。初代の「障害者制度改革推進会議」の担当大臣であった福島さんは、今では大フォーラム実行委員会の担当議員という感じでした。
 他方、育成会や知的障害者福祉協会などは、ファックスを含めた法案成立推進陳情を行ってきました。しかし、陳情者の数やファックスの量では明らかに反対派が圧倒していました。そして、育成会の地方組織からも、たとえば「東久留米市手をつなぐ親の会」、「吹田市手をつなぐ親の会」などが改定法案の廃案を地域のほかの団体と共に要請するに至ります。
 
 ところが、12月1日の夜になって、民主党と自民党の国会対策関係者の間で、会期末処理で合意します。民主党が成立させたい能力開発機構関連法案と国民年金法改正法案を継続審議とすることを条件に、自立支援法を採決するということがそこで決められました。そして、2日午後の厚労委の理事懇談会で、3日午前9時10分から厚労委を開き、そこで「自立支援法改定法案」の質疑を行い採決することが決められてしまったのです。そして、12時からの本会議で採決するという日程までが決められました。こんなことは会期末としては異例中の異例です。この戦いへの参加者は憤りました。
 3日朝、強い雨が降りしきる中、大フォーラム実行委員会の集合時間午前8時には、多
くの仲間が続々と結集してきます。怒りネット関西の京都の仲間も来てくれました。多くの人が傍聴に入り、ほかの人は参院の行動で厚労委の様子をテレビで見つめました。
 反対質問を田村議員と福島議員が行います。前日の理事懇談会では、この二人が闘って、15分ずつの質問時間を確保しました。
 田村議員は、厚労委の運営に抗議すると共に、改定法案が大きな制度変更を含んでおり、これが本当につなぎ法案なのか、と批判します。特に、「障害児」の関係施設については、「障害」種別をなくして一元化し、この福祉制度の実施主体も都道府県から市町村に移行するという児童福祉法の大きな改変点を指摘しました。
 福島議員は、「障害者制度改革推進会議」を無視するやり方に激しく抗議します。「でたらめなんですよ。つまり、障がい者制度改革推進会議を、政権挙げてこの世の中で障害者政策を変えるとやっていて、総合福祉部会もやっているんですよ。たくさんの障害者が入っている。そこの意見を正式に一度も聴かなければ、一度も説明もしなければ、一度も協議をしてないんですよ。・・・このようなやり方そのものについて強く抗議をいたします。」
 この二人が重ねて反対意見を表明する一方、みんなの党の川田龍平議員が賛成意見を述べます。彼個人としては、この法案に反対したかったようです。みんなの党にも働きかけたそうですが、反対するとはならなかった。そこで、提案者や厚労大臣に答弁を求め、総合福祉法への足場を固めたい、との方向を模索していたようです。しかし、結果としては、賛成意見を述べる状況になってしまった。
「自立支援法」の廃止ということについては、語気強く語ってはいたのですが、もたらした結果は、彼も賛成するのだから問題はないという雰囲気作りに一役かってしまうことになったのではないでしょうか。
 そう言えば、議員への働きかけをする中で、党の上層部が決めてしまったのだからどうしようもない、との話をいくつか聞きました。たとえば、民主党の障害者プロジェクトチームの谷議員の秘書の方は、ヒアリングした団体の中で賛成意見が決して多くはなかったことを認め、次のように述べました。「党全体との関係があって、わたしたちの上の国会対策関係とのこともあり、なかなか思うようにはいかない。わたしたちは意見も言ったし、反対もしたけど、そうはいかなかった。確かに、説明責任を果たしていない、と言われればそのとおりです。ヒアリングをした41団体の人たちに対しては、わたしたちは赤っ恥をかいてますよ」

厚労委の採決では、田村さんと福島さんを除いて賛成。この採決に抗議して怒りネットの仲間が強制的に退場させられました。
 本会議では、共産党と社民党、そして無所属の糸数慶子さんが反対しました。
また、6月に涙を流して党の中でも反対していくことを語った金子恵美さんは保留しました。上述した国会の状況からすると、この保留は勇気ある行動だったと思います。
 そして、大フォーラム実行委員会は抗議の集会を開き、300名が結集しました。

 この秋の闘いに参加された方々は本当にみんな必死でがんばったと思います。
とりわけ、きょうされんの方々のがんばりと結集力に支えられたところが大きかったと思います。しかし、6月のように2000人を超えるような結集が実現できませんでした。怒りネットからの参加者数とDPIの参加者数がたいして変わらないというのも不思議な感じをうけました。

★障害者基本法改定案をめぐって

 推進会議は昨年12月17日に、第2次意見を発表しました。これは主要に障害者基本法の改善のための意見です。内容としては、第1次意見よりもさらに重要な記載が行われています。たとえば、「現行の精神保健福祉法及び医療観察法については、その廃止を含め抜本的に見直」すことの必要性が述べられています。
基本法については、「障害者」の権利法としていく方向がうちだされました。
 この第2次意見の内容を条文の形にまとめ上げたのが日弁連の「障がいのある人の権利と施策に関する基本法改正要綱案の提言」です。

 これにたいして政府の側は、2月14日の第30回の推進会議に「政府部内で検討中」としながら、基本法の改定案を示しました。しかし、その内容は第2次意見とは大きくかけ離れたものでした。

そもそもまったく権利法にはなっていません。「障害者」が地域で生きることも、だれと暮らすかの選択も、必要なコミュニケーション手段の選択も、可能な限りでしか認められない条文となっています。法案の中で4カ所にわたって「可能な限り」という言葉が出てきます。教育については、地域の学校でともに学ぶ内容は全く盛り込まれていません。
 以上、指摘した以外にも多くの問題があり、次々と「障害者」団体から抗議の声明が上がります。JDF(日本障害フォーラム、大きな「障害者」団体が加盟)は、具体的に書き直す個所と内容を記した統一要求書を提出します。
こうした中で、政府の側も調整に手間取ったようで、推進会議の開催も延期されます。そして、3月11日の午前中に、第3回の「障害者制度改革推進本部」が開かれ、さらに手直しを経た基本法改定案が了承されます。こうして事実上政府案がつくられたのです。
多少の改善があったのは、主に次の所です。教育については「可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ」という言葉が入りました。これで法文全体で「可能な限り」は五つとなりました。
「刑事手続きにおける配慮等」とされていた27条の見出しが「司法手続きにおける配慮等」と改題され、刑事だけでなく民事についても「障害者」に適切な配慮を行うべきことが規定されました。
 この午後に東日本大震災が発生。3月14日に予定されていた推進会議はさらに延期され、開かれたのは4月18日でした。いくつかの改善点はあったものの、本質的には変わっていないこの法案に対して、委員からはクレームが出されますが、すでに政府案となっている法案はこれ以上変更されず、4月22日には国会に提出されます。
 
●総合福祉部会での厚労省の許せぬコメント

 推進会議に検討中の法案が示された翌日2月15日には、総合福祉部会が開かれました。そこでは厚労省より「第1期作業チーム報告書に対する厚生労働省からのコメント」が示されました。これは、作業部会に分かれて総合福祉部会が検討してきたことについてのコメントなのですが、そこには、権利条約の観点も「障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と国(厚生労働省)との基本合意文書」の観点も一切ありません。ただ、「自立支援法」と「地域主権戦略」の立場からいちゃもんをつけているというものです。
 その内容は、かなり重大な問題をはらんでいます。総合福祉法を権利法とすることに反対し、24時間の介助保障を実現させようとする記述に対しては、一人で暮らせるように訓練することなどを強調しています。「障害者」の権利保障についての国の責任を明確にする記述に対しては、「地域主権戦略」を対置しています。憲法よりも「地域主権戦略」を上位においているようです。

 なお、福祉関係施設の人員、設備、運営に関する基準を条例に委任してしまおうとする「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」については、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」と名前を変えて、衆院を4月22日に通過しました。題名だけでなくいくつか修正点があるため、改めて参院に送付され、総務委員会にかけられています。


●「自立支援法改定法」を推進した9団体は

 2月26日、この9団体は、「障害のある方との共生社会を実現するための市民フォーラム」と題する集会を開きました。「厚生労働省行政官」と一緒に行っていくことを打ち出しているこの9団体は、厚労省の土生栄二障害福祉課長に「平成23年度の障害者福祉について」話をさせただけではなく、厚労省の意図を体現した発言が相次いだそうです。
 育成会関係の団体と密接なかかわりを持つ野澤和弘氏(毎日新聞・論説委員)と片桐公彦氏(りとるらいふ、全国地域生活支援ネットワーク事務局次長)とは、消費税増税に賛成し、「障害者」の制度を介護保険に統合することについても賛成発言を行ったそうです。
 また野沢氏は、「障害者制度改革推進会議は、現実を考えていない」とか、「権利、権利とばかり言うと反発をかう」という趣旨の発言を行ったとのことですが、彼だけではなく、自民党の衛藤 晟一議員、「全国重症心身障害児(者)を守る会」、「日本知的障害者福祉協会」などが同趣旨の発言を行っていたそうです。さらには、推進会議について、主張できる「障害者」が中心で知的や精神の人たちのことが十分考えられていない、などというデマをも流していたそうです。
 この団体の中には、05年に「自立支援法」が施行される中で、会員が心中に追い込まれて行った経験を持っているところがあるはずです。自らが推進した法律の結果、心中に追い込んだそのことについて、胸に手を当ててから発言してほしいものです。
 しかし、主催者側と参加者との間には意識のギャップもあったようです。なぜなら、招待されたDPIの発言に一番拍手が多かったそうですから。

★今、わたしたちはどうすべきなのか

 「障害者」運動は、今かつて経験したことのない大変な状況におかれていると思います。
 大震災被災地の救援は待ったなしです。「JDF東北関東大震災被災障害者総合支援本部」が立ち上げられ、福島県郡山市や宮城県仙台市に現地本部を置いて、いろいろな団体が協力しながら被災地支援を進めています。怒りネットも微力ながら義援金を集めています。
 現地入りした方々のお話では、いまだに「障害者」の実態がつかめない、とのことです。現地の団体でも、まだ連絡が取れない人がいると聞きます。介助者が避難してしまい、生活が困難になっている方、福祉施設そのものが津波や地震で破壊されている状況など、胸の痛む状況があります。
 しかし、こうした状況の下で「自立支援法」や介護保険制度が、「障害者」や高齢者を苦しめる状況があります。介助者が少なくなっても、新たに介助者を入れようとすると資格制度が邪魔をする。日割りの報酬制度は、被災した福祉施設の存続を困難にする。緊急に介助が必要だったとしても、認定調査をしないと介助を受けられない状況。
 被災地の「障害者」関係者の苦しみは、やはり現在の法体系がもたらしているのであり、被災地支援と「障害者」制度改革は一体で進めないといけない問題です。怒りネットでもそのような論議となりましたし、多くの「障害者」団体がそのように考えていると思います。
 
 総合福祉部会の法案に対する意見とりまとめが、今年8月に予定されています。震災の影響で論議が遅れたために9月になるかもしれませんが。このようなときに、上述の厚労省コメントに対する広範な批判が必要です。
 総合福祉法のためには障害者基本法の内容が重要であることは、いろいろな団体の共通の認識でしょう。JDFも「今後の国会における議論等によるさらなる改正を求めるものである」とその見解で述べています。そのためには、5月以降の運動方針がないといけないのですが、これがどこからも出てこない状況になっています。その原因は、障害者基本法改定案に対するさまざまな意見があるからだと言われます。
 確かに、この改定案は、現行法よりも改善されている部分はあります。他方、上述の厚労省コメントでは、現状の福祉の水準をさらに後退させる可能性があります。障害者基本法が権利法でもなく、「可能な限り」を5箇所も含む中では、こうした福祉の後退を防ぐことはできません。そこで、わたしは、厚労省コメントと基本法改定案を関連付けて批判する運動を展開すべきだと思うのです。
 ほとんどしがらみのない怒りネットがここで運動を切り開きましょう。







■カンパのお願い

 久しぶりに『怒りネット通信』を出しておいて、カンパのお願いをするのも心苦しいところなのですが、お読みいただければ幸いです。
 昨年の秋の過程では、状況の変化に合わせて4種類のビラを作り、国会議員への申し入れ書なども作って行動してきました。その結果、また持ち出し状態で活動を続けております。
 これからの1年を考えますと、障害者基本法の問題から総合福祉法をめぐる攻防が続きます。この中では、05年の時のように、怒りネットが前面に出なければならない状況も予想されます。
 この『怒りネット通信』46号の1週間後には、47号をお届けいたします。通信やビラも精力的に出して行きたいと思います。
 皆さんからのカンパをよろしくお願いします。

●被災地へのカンパもお願いします

 怒りネットとしては、被災地へのカンパを集め、「JDF東日本(東北関東)大震災被災障害者総合支援本部」に送ることにしました。4月段階で、8万円を送りました。ご協力いただいた皆さんありがとうございます。
 今後も集めて送りたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 
 怒りネットにお振込みいただく際には、怒りネットへのカンパと被災地へのカンパの区分が判るように、ご支持いただければ幸いです。

 よろしくお願いします。
 







10・29日比谷に1万人

木村 泰宏

 12月3日、臨時国会の最終日、障害者自立支援法の改正案は成立した。民主党の変質には本当に怒りが沸いた。本年春の、沖縄の普天間基地問題での大裏切りを想えば、今回の裏切りも驚く程のことはないが──。
 10・29大フォーラムは、今年も日比谷に1万人が結集した。反貧困ネットの湯浅誠氏の言葉を借りれば「広い日比谷の野外音楽堂を当たり前のように埋める毎年の障害者の活動、結集力」は大変な力になっている。この運動の力こそが、障害者制度改革の真の推進力であろう。登壇し発言した民主党の各議員(岡本・谷・梅村・石毛)は、自立支援法の改正法案について、一言も触れなかった。自分達が必要だと確信している良い法案であれば、堂々と言えるはずなのに、一言も触れられないのは、自らの不正義と、日比谷に結集したこの運動の力に怯え、恐れているからに他ならない。
 今、障害者の運動が熱い。この力に確信を持ち、ひるまず、たたかい続けよう。
 以下、10・29日比谷野外音楽堂での発言を紹介する。

【主催者挨拶・全日本ろうあ連盟理事長・石野氏】 昨年は、主催三団体の強い団結のもと1万人が結集した。長妻厚労大臣がこの壇上で、障害者自立支援法を廃止しより良い制度を作ると明言した。国政を動かした、障害者運動史に残るフォーラムとなった。違憲訴訟団は今年1月7日基本合意を交わし、4月21日、司法において勝利和解を実現させた。制度改革推進会議は6月7日第一次意見書をまとめ首相に提出し、6月29日閣議決定された。しかし、障害者自立支援法の現行の枠組みに固執する動きが依然とあり予断を許さない。もっと大きな運動が必要だ。

【厚労大臣政務官・岡本充功(みつのり)】障害者制度改革については、総理を本部長とする障害者制度改革推進本部が昨年12月に設置され、本年4月にはその下に当事者を中心とする障害者制度改革推進会議が置かれ、具体的な検討が進められている。この進会議等の議論を踏まえ、6月29日に『障害者制度改革の推進のための基本的な方向について』を閣議決定し政府として障害者制度改革の基本的な方針を示した。障害者総合福祉法について平成24年の通常国会への提出、そして25年8月までの施行を目指すとした。厚生労働省は障害者制度改革推進会議総合福祉部会での議論を踏まえ、この閣議決定に沿って障者総合福祉法の制定に向けた検討を進めていく。障害者施策の発展は、国民の理解を得ながら、透明性・公平性のある安定的な制度設計が不可欠。障害者が当たり前に地域で暮らせる環境・社会を作っていくには、一歩一歩の前進が肝要である。

〈※このあと「集会アピール」が読み上げられ、採択された。アピールでは、制度改革推進会議が、障害者権利条約の実現と自立支援法違憲訴訟の基本合意文書をベースに活発な議論をして画期的な第一次意見をまとめ、閣議決定に至ったこと、しかし5月には政権交代前に出されていた内容をベースにした自立支援法一部改正法案が、当事者抜きに進められ批判が集中したことが述べられ、あくまで前厚労大臣が約束した通り、自立支援法の廃止と、当事者の声が十分反映された新法の実現を求めた。また緊急課題は予算措置の中で具体化すべきであり、介護保険との統合への道を絶対に開いてはならないとし、15点にわたる要望を列挙した。
朗読後、採択されたアピール文を岡本政務官に直接渡す予定で、朗読には10分もかからなかったのだが、岡本政務官が「公務の都合」で既に退場したためできなかった〉

【民主党・谷博之・参議院議員】民主党の障害者制度改革担当プロジェクトチームの座長をしている。昨日も違憲訴訟を起こした元の原告団・弁護団と会合を持ち、重要な内容が指摘された。例えば、自立支援医療を低所得・非課税世帯は無料にすることを、訴訟の中で要請を受け約束もしたが、残念ながら22年度では福祉サービスの分しかできなかった。PTとして来年度の予算編成に向け自立支援医療に約200億の予算を獲得する努力をしていきたい。さらに制度改革推進会議や総合福祉部会の法的な位置づけをし、皆さん方と定期的な協議を行っていくことも前向きに積極的に検討したい。

【反貧困ネット・湯浅誠・事務局長】この広い日比谷の野外音楽堂を当たり前のように埋める毎年の障害者の活動、結集力に敬意を感じている。この運動の力が政府の中に制度改革推進会議を作らせたと思う。そういう場を実現できていない貧困や生活困窮者の活動に照らして、障害者運動の層の厚さを見る思いがする。運動の力が作った推進会議を実りあるものに進めていただきたい。制度の谷間の人たちは、障害施策でも労働市場でも福祉施策でも受け止められずに、その労働市場の周辺を出たり入ったりしている。こうした困難は障害の問題でもあり、その人たちに配慮できない雇用の場、職場の問題であり、その人たちの生存を支えられない福祉施策一般の問題が複合的に絡んでいる。だから私たちは障害や福祉や労働の各分野が手を取り合って、みんなが生活できる社会を求めていく必要があると思う。政権交代直後の、様々な分野での前のめりにつんのめるような勢いが、政治の場でも、運動の場でも若干落ちている。今はある意味では厳しい時期
だと思うが、そういうときこそ、様々なスタンスや分野や立場を超えて結びつくことが必要だと思う。

【竹下芳樹・違憲訴訟弁護団長】弁護団は、1月7日の基本合意を決してゴールだとは思っていない。訴訟は、私たちの願いの裁判の場における形である。だから1月7日の基本合意は、これから国の制度づくりに生かしていく出発点。ところが、古いものにこだわり、もう一度障害者自立支援法の生き残りを図ろうという政治の力がある。この力をもう一度つぶし、この考え方を残そうとする勢力を生き返らせないよう、これからも運動していく必要がある。裁判は終わったが闘いは終わっていない。古い勢力に負けないのエネルギーを示そう。私たちの弁護団の役割は、新しい法律ができるまで続く。

【民主党・梅村聡・参議院議員】参議院の厚労委員という立場と、民主党の団体対応の委員という立場にある。昨年長妻前大臣がこの場で、自立支援法の廃止を明言した。昨年より後退したのではないかとの声もあるが、長妻前大臣が表明した廃止も、新法の制定の議論も着実に進めることは全く変っていない。これまでは政府とプロジェクトチームが平走状態だったが、PTと政府は一体で進めていくことを約束する。勝手に党が独走することはなく、政府と一体であることを誓う。

【民主党・石毛えい子・衆議院議員】去年の今ごろを思い出す。民主党は自立支援法を廃止して新しい総合福祉法を作る約束をした。それまでの期間にも色々課題がある。怒りや不満もあると思うが、新しい法律を作るという方向性は変わっていない。


【共産党・高橋千鶴子・衆議院議員】党の厚労部会長を務めている。昨年は歴史的集会だった。1月には基本合意を結び、制度改革推進会議が持たれ、新法への、当事者を参加させた取り組みが始まったはず。しかし通常国会で障害者自立支援法改正案が突如として出された。この法案は、「私たちのことを私たち抜きに決めないで」という大原則を踏みにじり、今の自立支援法を延命させるものである。突然の闘いにもかかわらず、全国から当事者が連日国会に押しかけ、廃案に追い込んだ。しかし、また同じことを繰り返そうとしている。何としても食い止めなければならない。3つ述べたい。1つは、団結を崩さないこと。一部の要求の取り込みで、運動が分断されてはならない。2つめは、障害者問題を政争の具にさせないこと。先の国会では労働者派遣法の採決との兼ね合いだった。他の
法案との取引で議題に上らせてはならない。3つ目に、医療を含め、応益負担を速やかに撤廃するなど、予算措置でできることはすべき。例えば新制度を検討中なのに、2012年3月までに新事業体系への移行を急ぐ必要はない。緊急に小規模作業所と地域活動支援センターへの支援を行うべき。那須塩原の国立視力障害センターや伊東の重度障害者リハビリセンターの廃止統合は逆行である。精神障害者への交通運賃割引を他の障害と同じように実現すること、障害のある子供達は児童福祉法の中で支援を強めるべき。また福祉施設の設置規準の条例委任など、国の責任を投げ捨てる地域主権改革は反対である。そして障害者制度改革推進会議を法的に根拠付けなければならない。

【社民党・福島みずほ・参議院議員】去年の12月に対策本部ができた。1月に制度改革推進会議をスタートさせた。私はその担当大臣だったので、「あの時日本の障害者政策が変った」といわれるよう実現していきたい。今本当に頑張り時。障害者制度改革推進会議を応援して、内閣法制局を説得して、私たちが望む障害者基本法の改正法案を実現しよう。そして障害者権利条約を批准するためには障害者差別禁止法を作りたい。かつてない形で内閣のど真ん中に制度改革推進会議をつくり、当事者・有識者を送り込んでいる。だからこそ今大同団結してこの三つの法律を成立させていこう。障害者自立支援法の改正法案は邪魔である。これにエネルギーを使うより3つの法律を作って障害者の政策を進めたい。私は障害者制度改革推進会議の生みの親だと思っているので、育ての親と成立のたみにも皆さんと一緒にやりたい。

【新党日本・田中康夫・衆議院議員】冤罪になった村木厚子さん。冤罪はとんでもない話だが、障害者自立支援法作成の担当が彼女である。組織の一員だから本意ではないかも知れないが─。その彼女が今内閣府に戻って待機児童の問題を扱っている。それも大事なことだが、私は村木さんに障害者自立支援法を真の意味での改正の担当者になって欲しい。冤罪はけしからんがそれを乗り越えた人が真の意味で人間のために働いていただきたい。

【制度改革推進会議・室長・東俊祐弁護士】推進会議は、今年の1月から1回4時間、多い時には月に4回、既に22回の議論を行ってきた。6月には4項目の当面の重点課題まとめ、また第1次意見をまとめ提出した。政府はこれをベースに閣議決定した。閣議決定は①基礎的な課題、②横断的な課題、③11に渡る個別分野の大きな3つ枠組みの中でそれぞれの工程表が作られている。②の横断的な課題には、障害者基本法の改正、差別禁止法の制定、総合福祉法の制定の3つの法律が問題になっている。基本法改正については「権利」という観点、「監視の機関」を盛り込む。差別禁止法では「合理的配慮」を日本の法制度に根付かせていく。総合福祉法では制度の谷間のないシステム。こうした議論がなされている。制度改革推進の、残り4年の期間の中で、来年には障害者基本法の改正案、再来年には新しい総合福祉法、翌25年には差別禁止法を出すという工程表ができている。障害者権利条約については、「ナッシング・アバウト・アス・ウィズアウト・アス」というスローガンが当事者の声を反映させる大きな力になった。国々の違い、障害種別の違いという二つの大きなハードル乗り越えるために、徹底的に話し合い、違いは違いとして認めながら共通項を模索して統一的な見解を出していく戦略をとった。この努力がスローガンに力を与えた。権利条約が採択され、舞台はニューヨークから各国に移っている。今、日本国内で一番大事なのは小異を捨てた大同団結しかない。


【全日本ろうあ連盟・小中栄一氏】関係6団体一緒で、聴覚障害者制度改革推進中央本部を立ち上げた。目的はコミュニケーション法の制定である。1つは、かつて手話は「手まね」と言って偏見や差別を受けていたが、今は言語として認められている。いつでもどこでも手話が使え、会話ができる社会を作っていきたい。2つめ、音声だけではない情報提供社会を作っていきたい。3番目は、コミュニケーションは社会参加であるから無料であるべきだと法律に明記して欲しい。4番目は手話通訳の設置・派遣、現在の厚生労働省の通達による不十分な方法ではなく、法律で定めてほしい。こうした内容の運動を展開している。私たちの運動をまとめたパンフレットが「ウィ・ラブ・コミュニケーション」。25年前の運動で120万部普及した「アイ・ラブ・コミュニケーション」を発展させたもの。このパンフの普及と、あわせて進めている運動が、情報コミュニケーションの法整備を求める署名。120万筆を目標にしている。私たちは昔仲間がいなくて、手話もわからないという状態で孤立していた。しかし今は沢山の仲間がいる。手話も誇りを持って使うことができる。仲間と一緒にろうあ者であるという誇りを持っている。障害者として生きていく誇りを、運動を後退させないように実現していきたい。

【全国大行動実行委・横山輝久氏】制度の谷間にある人達と共に自立支援法を粉砕する運動を作り上げていくことが大行動としての課題。私は40年間、介助保障問題をやってきた。かつて厚生省の次官の、国民的合意・国民的理解と言う話を聞いて、僕らはずっと差別されてきた、国民的合意はあんたらの仕事だろと思った。僕ら障害者一人ひとりが生き生きとして、自己主張していけば、地域主権のことや制度改革推進会議も頑張れると思う。地域移行は重要。好き好んで施設や病院にいく人はいない。地域で生きていく、みんなで協力して支えあっていく、そういう運動を一人ひとりが自ら作り上げていくことが今大事ではないかと思う。


【日本障害者者協議会(JD)・大田修平氏】障害者自立支援法に替わる新法の制定と、障害者基本法の改正、障害者差別禁止法の制定という、かつてない障害者制度改革向けた機運が当事者参加のもとに今進められている。日本は先進国の中で障害者関連予算が極めて低い。この状況を改善しなければならない。自立支援法の応益負担で悔しい時代を強いられてきた。今総合福祉部会では権利条約の考え方に則り新法づくりを進め、4点に渡る当面の課題をまとめている。自立支援医療の問題、制度の谷間で苦しむ人達のサービス提供などは今すぐ予算措置で是正させたい。日本では未だに親子心中寸前の状況の人達がいっぱいいる。しかし運動の力で政治を動かしていこう。

【日本難病疾病団体協議会・NPO繊維筋痛症友の会・橋本氏】繊維筋痛症、あまり良く知られていない病気だが、日本には200万人、50人に一人いる。ある日突然身体が痛くなる病気。難しい病気なので、診断できる病院は少ししかなく、医師も不足している。原因がわからず「気のせい」と言われ、たらい回しにされる。使える薬はほとんどなく、効く薬も保険の対象外。繊維筋痛症は難病指定されていないので補助が出ない。見た目には障害者と判断されず、手帳を取ることが容易でない。難病の人たちが生活できるように、経済的に助けてほしい。医療費、ホームヘルプサービス、障害者手帳、以上の点を求めたい。

【全国精神病者集団・関口氏】心身喪失者等医療観察法を許すなネットワークの代表でもある。新しい総合福祉法は、精神保健福祉法の改正でなければならない。国策医療から生等な人間関係を築く必要がある。強制入院の権限は厳しく制限する必要がある。つまり強活者の医療に変えるためには、医療基本法が必要。
障害者権利条約の目的は、精神障害者が施策の対象ではなく権利の対象として扱われること。医者の権力を減少させ、患者との対等な人間関係を築く必要がある。強制入院の権限は厳しく制限する必要がある。つまり強制医療の原則禁止が必要。
人身の自由はすべての自由の根幹。監禁はとんでもないこと。治療を続けていくには医者と患者の信頼関係が不可欠。信頼関係が全くないのが医療観察法。刑罰は司法に、治療は医療にとすべき。たった2週間の傷害で2年の入院、3年の保護観察、こんなことは許されない。刑務所長と病院の院長が同じのはおかしい。ベッド数を3分の1にし、診療報酬を他課との差別をなくして3倍にし、人員配置、特に医師の数を増やすことが必要。

【障害乳幼児の療育に応益負担を持ち込ませない会・中村たか子氏】「この子は3年待てない」と主張して、自立支援法改正法案の早期成立を主張している人達がいる。「待てない」の意味が全然違う。子供も親もこの自立支援法の改正法案でさらに夢が奪われる。いくら負担が軽減されても、応益負担の制度が残っている限り負担は残る。契約制度は自分で施設を探さなければならないが、場所そのものがない。全国どこでも療育が受けられるよう施設を作る、国や自治体の姿勢が求められている。責任を放棄させてはいけない。今、国が検討している「子供子育て新システム」は、自立支援法と同じ応益負担・契約制度、日払いで、具体化されたら、障害児は保育所からもはじき出されてしまう。保育分野の人達との連携も必要。

知的障害のある子供の入所施設で働いている上田という。子供の入所施設にとって契約制度は弊害しかない。保護者が契約したということで、行政が子供達に責任を取らなくなった。保護者の金銭負担も大幅に増えた。利用料を払うために仕事増やして月に一度の面会ができなくなった父親がいる。小遣いがもらえない子供も出てきた。国の施設規準は劣悪で子供達とゆっくり話をすることもできない状況だ。現場の声を推進会議に伝えて新法に反映させたい。

【大阪障害フォーラム・楠としお氏】大阪では一昨年、権利条約の批准を求める地域フォーラムが行われ府下の30団体が結集した。去年、正式に大阪障害フォーラムをつくった。推進会議に8つの大阪からの提言をまとめたので、紹介したい。1つ目は地域移行。精神病院・施設に本人の意思に反して長期間閉じ込められている人を地域に帰していく取り組み。2つ目はグループホームケア・ホームの取り組み。誰かに与えられたホームではなく、自ら積極的に住み易いグループホームを作っていきたい。3点目は多様な日中活動の場を絶対に潰さない、閉鎖させないという取り組み。4つ目は就労支援の取り組み。企業と障害当事者をつなぐ、就労支援ワーカー、ジョブサポーターをもっと増やして一般就労への道を切り開いていきたい。5つ目は、精神障害者が地域で安心して暮らせる運動を強めたい。6つ目はコミュニケーション法の制定を目指す運動に連帯していきたい。7つ目、不十分な成年後見制度を改めていく。そして最後は教育。本人や保護者の意見を最重点に、多様な選択肢をそれぞれ充実させていく。以上8つの取り組みを大阪から推進会議に反映させていきたい。

【沖縄ピープルファーストハイビスカス・大川はじめ氏】6年前から関わっている「カリタスの家」虐待事件や、広島県の福山成年後見人事件、そして奈良の大橋製作所事件など様々な事件に関わっている。障害者虐待を無くそうと言っている中、被害が続いているのだろう。あと、沖縄県では障害者の条例作りを行っている。インクルーシブな社会を作ろう、どんな障害を持っていても、一緒に暮らしていけるようにと活動をしている。様々な障害の人達と一緒に活動している。難病者の方々もいる。

【尾上氏】障害者権利条約に基づく制度改革に大きな期待を持ち、地域・現場で自ら改革に取り組むことが語られた。障害種別を超え、あるいは団体の枠を取っ払って、立場を超えて、取り組んできたこのフォーラムが制度改革に結実し始めている。推進会議の動きを面白くないと思っている人達も厳然といるが、私たちの声、運動が推進会議を動かす。私たちの声なしには、この制度改革推進会議や制度改革も進まない。



【司会】この「10・31」は今年で5回目。あの2005年の10月31日を忘れまいというのがこの「10・31」。今年は非常に大事な時期になっている。臨時国会が12月3日までといわれているが、自立支援法の一部法改正、予断を許さない。現段階では法案を出すとも出さないとも言っていない。この法律は改正ではなく、現行の自立支援法に根っこを下ろすような意味を含んでいる。絶対に出させてはいけない。そういう意味のある今日の10・29である。一番信用できるのは、運動ということ、これを異口同音にいわれた。本物の権利、本物の新法は、与えられるものではなく獲得してこそ本物といえる。運動は団結が必要。団結の基本は、違った意見に耳を傾け共通点を見出すこと。運動を大事にしていこう。

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コメント

今日、作業所の文化まつりに来てあいさつした民主党の阿知波議員は「総合福祉法で、障がい者が頼らずに自分で生きていけるように・・・」などと語っていました。総合福祉法は自己責任を強める法律のように聞こえました。

投稿: | 2011年6月 6日 (月) 00時04分

そうですね。民主党の阿知波議員が障害を持った経験がないのに障害者などに経済の自立を求めるのはおかしい。そのための総合福祉法ではないでしょうね。

投稿: コメント様へ | 2012年11月 8日 (木) 11時52分

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