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2011年10月

2011年10月30日 (日)

10・28大フォーラムと反原発

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10.28JDF大フォーラムは第一会場の日比谷野外音楽堂を満杯にし、第二回会場にも入れ切れない、10000人が参加しました。

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創ろう みんなの障害者総合福祉法を!10.28JDF大フォーラム アピール

 JDF(日本障害フォーラム)は、結成以来、障害者権利条約の策定-批准に向けて取り組んできました。今、条約批准に向け「障がい者制度改革推進本部」と、そのもとに「障がい者制度改革推進会議」が設けられ精力的な議論が進められています。推進会議は、「私たち抜きに私たちのことを決めないで!という条約の基本精神に基づいて運営されており、まさに画期的なものです。

 昨年6月にまとめられた「障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見)」では、障害者基本法改正、障害者総合福祉法、障害者差別禁止法制定などの改革のロードマップが示されました。その後、第一次意見を受けて、「制度の谷間のない支援の提供、個々のニーズに基づいた地域生活支援の整備等を内容とする障害者総合福祉法(仮称)の制定に向け、平成24年通常国会への法案提出、25年8月までの施行を目指す」などとした閣議決定がなされました。

 昨年4月には、推進会議のもとに、障害者および家族、そして多くの関係者による「総合福祉部会」が設けられました。「障害者権利条約」と、自立支援法訴訟の「基本合意文書」を指針に、さまざまな立場の構成員が議論を重ね、今年8月30日に「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」が、構成員55人の総意としてまとめられました。9月の推進会議の了承を経て、蓮舫・障がい者制度改革推進本部副本部長に手渡されました。

多くの障害者・家族・関係者は、この骨格提言に大きな期待を寄せています。
 
 東日本大震災は、計り知れない程の甚大な被害を私たちに及ぼしましたが、一方で、あらためて共生社会のあり方を考えさせてくれました。「一人ひとりの存在が心より大切にされ、誰もが排除されることなく社会的に包摂される」とした骨格提言に基づいた法制定がなされるよう、私たちは国会と政府に対し、以下の点を強く求めます。



1.55人の総合福祉部会構成員の総意としてまとめられた骨格提言の重みを受け止め、 
法案化とその制定に際して、骨格提言を最大限尊重し反映させること。


2.骨格提言が反映された障害者総合福祉法を立法化するため、十分な予算を確保すること。



 2011年10月28日

    創ろう みんなの障害者総合福祉法を!10.28JDF大フォーラム参加者一同

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怒りネットは、ビラまきをしていましてが、第一会場が満杯では入れなくなったため、第2会場に。

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経済産業省前では、福島のお母さんたちが200人で座り込みをしていました。

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2011年10月27日 (木)

■誰もが地域で生活していける法制度を勝ち取ろう!

■厚生労働省の敵対を打ち砕こう!

 日比谷に結集して闘ってきたわたしたち障害者は、「障害者自立支援法」の廃止を政府に約束させ、そのための法制度を勝ち取るその間際に迫っています。「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(以下、骨格提言)の内容を1ミリたりとも変更させることを許さず実現させましょう。しかし、こうしたわたしたちの前進を阻もうとする勢力の姿もますます明らかになってきました。障害者の声を無視して進められた昨年の「自立支援法改定法」の成立過程を、決して忘れることはできません。

 政府の推し進める「地域主権戦略」は、地域間格差をますます拡大させ、障害者の地域生活を」実現するための地域基盤整備を破壊するものです。そもそも、国の社会保障費をとことん削るために行われているこの政策は、生存権や法の元の平等を踏みにじる憲法違反の政策です。

 権利法とすべき障害者基本法は、官僚をはじめとする勢力によって、大きくゆがめられた改定となってしまいました。その国会審議の過程では、自民党が「障害者は権利など主張するな」という露骨な姿勢を表明し、みんなの党からは「差別を禁止すると、経済活動の自由や政治活動の自由が侵害される」などの発言が行われています。また、これらの人々から精神障害者を犯罪者予備軍とする許しがたい発言が行われました。

●骨格提言を踏みにじろうとする厚労省

 今、わたしたちが当面する最大の問題は、骨格提言の内容に対し最も敵対するコメントを発表してきた厚労省が、「自立支援法」に変わる「障害者総合福祉法」の案を書くという状況です。

 2月と6月に発表された厚労省のコメントでは、「障害者に介助者をつけると金も人材もかかるから、一人で生活できるように訓練すべき」と言った内容が繰り返し書かれています。そして、近々行われる実態調査においては、その質問項目において、介助時間の希望を最大でも「3時間以上」としか表明できないようにしているのです。

 地域間格差を解消していくことに対しても、これを否定する発言を繰り返しています。制度における国の責任の明確化についても、「地域主権戦略」を盾にこれを拒否しています。

 精神障害者を踏みにじり続けている精神保健福祉法や医療観察法について、「精神障害者の人権確保に配慮した規定を設けています」としてあくまでこれを護持する姿勢を示しています。しかし、患者のベッドの間に仕切りのカーテンすらない精神病院の状況をいまだに存続させているのです。医療観察法では、すでに17人もの自殺者を出しているのです。

 怒りネットは10月12日に、厚労省との交渉を行いました。そこで示された厚労省の姿勢もひどいものです。以下は厚労省発言の一部です。
 「骨格提言につきまして、どういったところが法律を改正する必要があるのか、また法改正ではなく制度の運用レベルで改善できるのかどうなのか、ということも含めて検討しているところです。当然、すべて提言に盛り込まれている中身につきまして、すべてできるかどうかというところは、ここでお約束できるものではございません」

 これでは、骨格提言をいかに無視するかを検討しているということではないでしょうか。
 さらに、「障害程度区分」については、「一定の役割を果たしている」、「一律的に客観的に評価する指標というのは、ある時点では必要」との発言が繰り返されました。「程度区分」と結びついたホームヘルプの国庫負担基準を守り、介護保険との連動性をあくまで護持しようとしているのです。

 怒りネットは、今後もこうした厚労省の姿勢を許さず、とことん追及して行きます。

★人類史の岐路にたって、あるべき社会を実現しよう!

 3月11日の震災と原発事故は、わたしたちに現代文明とはなんだったのかを突きつけています。被曝する労働者なしには、1日も運転できない原発。その危険な原発を、経済的に苦しい地域に押し付けてきた構造。そして、核技術そのものが、先住民や障害者などの人体実験をも行って進められてきた歴史。広島・長崎の被爆者に対する日本人の中の差別を許してきた結果、今福島の人々に差別が向けられる状況。そして、出生前診断などの優生政策がまた強められていく状況も生まれています。

 わたしたちがこうした差別の構造を許してきた結果です。もう2度と後退することは許されません。こうした立場に立って、被災地救援に取り組むと共に、差別を許さない社会を作り出すことこそが真の復興です。世界の反原発の運動、1%の人々が世界の半分の富を独占することに反対する運動など、世界中の市民がこうした社会の実現に向けて動き出しています。わたしたち障害者の今日の結集もそうした一翼を歴史的に担ったものであると思います。

 しかし逆に政府は、「税と社会保障の一体改革」として、社会保障のきりすて、消費税増税、法人税減税という社会的格差をますます推し進める政策を行っています。生活保護法の改悪をはじめ、介護や医療制度の改悪などが行われようとしています。他方、東電の賠償も、結局は電気料金の値上げや増税で行う方向が推し進められ、日本の富を握る人々は責任も問われず原発をさらに推進しています。

 原発関連の国の予算支出が毎年4500億円、米軍への支出が毎年7000億円など。福祉予算の財源がないなどと言わせてはなりません。心中の相次いだあの06年頃を忘れてはなりません。1歩も後退することなく闘いましょう。
 
 
   

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2011年10月23日 (日)

10月12日の怒りネットの厚労省交渉・質問と回答

質問項目のうち精神障害者に関するところ
[Ⅵ]精神医療と人権
 総合福祉部会は、精神保健福祉法や医療観察法で精神医療が規定されていることに、人権上問題がある、と指摘していますが、これについて2月コメントの中で貴省は次のように述べています(p33)。
 「○ 現行の精神保健福祉法等においては、指定医による診察や入院措置等についての本人への書面告知、入院患者の病状等に関する定期的な報告や患者本人等からの退院請求・処遇改善請求について第三者機関である精神医療審査会による審査を義務づけるなど、精神障害者の人権確保に配慮した規定を設けています。」
 この点について質問します。
(精神障害者についての厚労省コメントだけでは、厚労省の考えが明らかにならないため、質問の範囲を広げて質問した。回答は文書によるものと、口頭によるものがあるの。口頭によるもので文書にはないものはテープ起こしをし「」で括った。)
(回答者は、厚生労働省精神障害保健課精神医療係係長高橋氏、医療観察法医療体制推進室羽島係長。)
質問 内科や外科では、一人ひとりの入院患者はカーテンで仕切られたベッドを利用していますが、精神科では大部屋に雑魚寝の場合が多くみられます。また精神科で個室と言うと保護室になってしまいますが、そこの環境は到底一人でゆっくり休むと言うものではありません。これらの設置基準は法律や規則などでどのように定められているのですか。
回答。「資料として紙で渡してあるが、医療法上と通知2本で定めている。医療法では精神に限っていないが、病床の床面積の基準が定められていて、精神病室については精神疾患の特性に踏まえた適切な医療の提供及び患者の保護のために必要な方法を講ずることという記載がある。病室の構造は要約すると鉄格子等必ずつけるという取り扱いは止めてくれということです。建築基準の改正通知が出ていて、病室はベッド式、和式を問わず生活場所としての雰囲気を出すことが必要であると定められている。面積、建物の構造上、窓の採光、通風機能の面を定めている。
大部屋に雑魚寝という指摘だが、確かにそういう病院はあると認識しています。毎年全国の精神科病院に対して都道府県が監査を必ず1回入ることになっていて、それに加えて厚生労働本省の方で、全部の病院とは言いませんが、いくつかの病院には直接入っていて雑魚寝の場合もあったということで報告が上がってきている。患者のプライバシー等あるので、間仕切りを設けるよう指導をさせていただいている。」
(文書回答)医療法施行規則で病室の床面積が定められている(*詳細な数値などを示している)(*保護室の設置基準についての資料あり。)
質問 任意入院の患者数と、その中で閉鎖処遇を受けている患者数を示してください。また、措置入院の患者数とその中で閉鎖処遇を受けている患者数、及び、医療保護入院の患者数とその中で閉鎖処遇を受けている患者数も示してください。
回答。平成20年の630調査(6月30日の調査なのでこう呼ぶ)で、任意入院患者数 184573人 うち開放処遇を制限:33674人(約18%)
 措置入院患者数1803人 うち終日閉鎖1701人(約94%)
再質問。630調査で任意入院の全閉鎖、夜間閉鎖をあわせると約17万人という数値があるが、この違いは何か?
回答。630調査の2の精神科病院在院患者の状況というところの表で見ている。(630調査の違うページで違う数値が出ている。どういう数値の違いなのか不明であった。)
質問 貴省の把握している精神病院における社会的入院と判断される人の数を示してください。
回答。(文書回答)社会的入院数(受け入れ条件が整えば退院可能)、平成20年度619千人(入院患者の20.2%)(患者調査)(619百人の間違いと思われる)※患者調査における「退院可能精神障害者数」は医療機関の主観によるものであるところから、目標値とするには適当でなく、「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」報告書(平成21年9月24日)(別紙抜粋)においても、「別の客観的な指標」が必要である旨が提言されている。
再質問。以前言われた数値から1万人も減っているのはなぜか?
回答。「これは下に小さな字で書かせていただいたんですが、結局受け入れ条件が整えば退院可能という判断がですね、医療機関の主観によっておりまして、その都度の630の時に多少変動があるということで、さっぴきで退院した、地域定着したひとが何人いるかという事ではなくなっている。調査のとり方がそうなっているということでございます。
問い。退院した数は2819人ということですね。
回答。そうですね。」
質問 また、現行の精神障害者地域移行・地域定着支援事業で、地域に定着した人の数を示してください。地域に定着できたとする判断の根拠と、どのような住まい(グループホーム、一般住宅など)かの内訳も示してください。
回答。精神障害者地域移行・地域定着支援事業で地域に定着した人数は、(平成15~21年度まで(7年間)で)2819人である。(別紙あり。平成15~17年度まではモデル事業、平成18~19年度までは精神障害者退院促進支援事業として実施。平成20~21年度については、精神障害者地域移行支援特別対策事業として実施。)
平成21年度内に地域移行(退院)時の居住先。「支援に関わらず確保されていた自宅」25.5%、「退院に際し新たに契約した借家」24.8%、「共同生活援助(グループホーム)」20.3%、他には、共同生活介護(ケアホーム)、精神障害者福祉ホームなど。
質問 精神医療審査会について、ここ5年の患者側の申し立て数、審査にかけられた数、申し立てから審査結果が出るまでに要した日数(最長と平均)を示してください。
回答。(5年分の回答があるが平成21年のみ記載する)
○退院請求 請求件数2909、審査件数2091、審査の結果適当とした件数2016、審査の結果不適当とした件数62。(2.1%)
○処遇改善請求 請求件数384、審査件数265、審査の結果適当とした件数251、審査の結果不適当とした件数12(3.1%)
○請求受理から結果通知までの平均日数 32.5 
請求受理から結果通知までの最長日数87。
質問 心神喪失等医療観察法について、以下のデータを示してください。法施行後から現在までの法の対象となった患者の自殺数、自殺未遂者数、死因の不明な患者数、死因の不明な理由(いずれも入院と通院を分けて)
回答。入院者で自殺4人、病死2人、死因不明者はいない。
「通院処遇の方につきましては法律自体が法務省との共管の法律になりまして、通院処遇の方は保護観察所で社会復帰調整官の方が対象者をケアしていくという形をとっておりまして、厚労省では詳細な数値というものを承知していないという状況でございます。」
質問 観察法で現在入院中の人の詳細な在院日数(例えば、月数ごとの人数など)
回答。平成17年7月15日の法施行以来平成20年7月31日までで、退院者608人、平均在院日数574日。(平成22年10月の国会報告による)
平成20年の630調査で在院日数1年から5年のものは118人。5年以上のものはいない(法施行5年であり当たり前だが)。
質問 単科の精神病院をなくしたイタリアの実践について、貴省の見解を示してください。
回答。「厚生労働省として諸外国の制度に対する見解はない。担当者としての見解を述べさせていただく。イタリアの場合は日本と。東邦大の水野先生が研究されているようで、それを読んでいるのだが、日本とに違いはやはりありまして、確かに精神科病院、イタリアの場合強制的というか、ゼロに持って行った。単科の病院については。そういう場合に、日本でも7万人も退院できない方がいる中で、急に7万人も入れる病院を無くしてしまうということになりますと、それだけの受け入れする地域がなければ成り立たないということがある。イタリアの場合、地域間の格差等により、宿舎、退院先がないままストリートピープルになってしまったという悲しい状況もあるので。諸外国の状況といえども精神科病院の病床数を減らすという意味でイタリアの実践を病床数を考える上で、重要な要素となるので検討していきたい。現在、保護者制度の検討会をしていて、そこでもイタリアに限らず、諸外国の例を紹介しながら議論を進めて行きたいと思っている。」


総評 社会的入院7万人(6万人と言うが)を退院させる時に、受け入れ先がない中で病院をなくすとストリートピープルになると言うが、地域の受け入れ先を作らないのは厚労省そのものである。7年間の制度による、社会的入院からの退院者数2819人、21年度で、うち公的な受け入れ先50%?自宅25%、新規アパート25%という数値を前にして、良くこんなことがいえるなと思うのは当然である。
ただ、厚労省は2819人という回答をしているが、本省以外で自治体独自の退院支援の取り組みが大阪府で行われている。大阪府以外については不知だがこの数がカウントされていない回答である。大阪府の事業でも2千数百人と大勢に影響を与えるものではないが府下の社会的入院は解消したといっているようである。
   イタリアでも、バザリア改革を快く思わない病院当局者が、受け入れ先の確保をしないままに患者を放り出したということはあるようだ。それを盾にして、イタリアでもストリートピープルが生まれたと、バザリア改革にけち付けするのはいかがなものか。
   任意入院で185千人中、17万人が全閉鎖、夜間閉鎖の病棟にいる。
改善しているというがいまだに雑魚寝の病室もある。原則開放の個室でないと安心して眠れないと思うがそれには程遠いのが現状である。
厚労省の言う第3者機関では、退院・処遇改善の請求もほとんど通らない(2.1%、3.1%)のが現状である。総合福祉部会の挙げる第三者機関の必要性がかえって証明されている。「精神障害者」の実感とかけ離れた数値である。
   これでは精神障害者の人権が守られているとは到底言えない。
   総合福祉部会の骨格提言にあるように、OECD平均値並みの予算をつけて、退院促進の公的施設、民間住宅の確保を進めるべきである。精神科医療に今でも1兆5千億円が使われていると言う数値も聞かれる中で、使途が間違っているのだ。
7万人もの人権が不当に侵害されている中、精神障害者福祉等言ったところで大嘘としか言いようがない。直ちに地域の受け入れ先を作って退院させるべきだ。
厚労省の官僚が挙げた、東邦大の水野氏の書いた(編集した)本を研究対象として読み始めている。水野氏はイタリアへの留学経験がある。官僚の言ったイタリアについての研究ではなく、病院・診療所で待っているのではなく、地域に出て行って診療を行うことについての本。東京の「みなとネット21」、福島県の「ささがわプロジェクト」を肯定的に取り上げている。「みなとネット21」は東京港区で「精神障害者」の地域生活をサポートするNPO。「ささがわプロジェクト」は既存の精神病院を解散して地域生活に繋げた例。関西では京都の高木俊介医師らの「ACT-K」が有名だが、水野氏の研究の対象外。
「病」者集団が言う、厚労省の行う「アウトリーチ」批判は、保険医療では本人同意のない医療は出来ないところ、予算をつけて本人同意抜きの強制医療を行うことを批判したもの。このような「地域の施設化」をどのように回避しながら、「精神障害者」の地域自立生活をサポートするのか?患者会の役割は?兵庫県の実施しているピアサポート電話をどのようにそこに繋げるのか?といった問題意識でさらに研究していきたい。
「地域の施設化」とは病院・診療所を出て地域医療を進める上で、地域が巨大な施設に転化することを糾すもの。強制権限を持った「アウトリーチ」ではだめということなど。医療機関などに見つからずに地域生活をしている「病者」を探し出して強制医療を行うことは、保健所や、差別的な地域住民の通報により介入し強制入院に繋げることになる。厚労省が実施している「アウトリーチ」ではそうなる。
厚労省の「アウトリーチ」試行は3県(奈良など)で実施されているようだが、詳細については今後、質問していきたい。奈良では専任の職員は2名しか配置されず、医師等は病院等と兼務している状態。予算の問題でそうなっている。

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2011年10月15日 (土)

10・9三里塚

10.9三里塚全国集会に行ってきました。沖縄からも参加がありました。

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関西からは70人が参加。発言する関西実行委員会

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北総農民

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市東孝雄さん

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1045人が参加。壇上は市東さんの会。

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10月11日には市道封鎖を許さない裁判がありました。北原さん。

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総括発言をする萩原進さん

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2011年10月13日 (木)

昨日、10月12日、怒っているぞ!障害者切りすて全国ネットワークで厚生労働省交渉を行いました。身体障害者、知的障害者、精神障害者の問題を取り上げました。そのうち、精神障害者に関する質問と厚労省の回答を記します。昨日は時間切れの中で、質問をみんなに判るようにはできなかったので、参加された方にも不親切な交渉の進め方になってしまいました。下記のとおり質問と回答、再質問をまとめました。分からないところはぜひ質問してください。

[Ⅵ]精神医療と人権
 総合福祉部会は、精神保健福祉法や医療観察法で精神医療が規定されていることに、人権上問題がある、と指摘していますが、これについて2月コメントの中で貴省は次のように述べています(p33)。
 「○ 現行の精神保健福祉法等においては、指定医による診察や入院措置等についての本人への書面告知、入院患者の病状等に関する定期的な報告や患者本人等からの退院請求・処遇改善請求について第三者機関である精神医療審査会による審査を義務づけるなど、精神障害者の人権確保に配慮した規定を設けています。」
 この点について質問します。
(1)   内科や外科では、一人ひとりの入院患者はカーテンで仕切られたベッドを利用していますが、精神科では大部屋に雑魚寝の場合が多くみられます。また精神科で個室と言うと保護室になってしまいますが、そこの環境は到底一人でゆっくり休むと言うものではありません。
   これらの設置基準は法律や規則などでどのように定められているのですか。
回答。医療法施行規則で病室の床面積が定められているが、確かに雑魚寝の病院はある。都道府県が年1回監査に入り、厚労省も独自に入っている中で、間仕切りを設けるように指導している

(2)   任意入院の患者数と、その中で閉鎖処遇を受けている患者数を示してください。また、措置入院の患者数とその中で閉鎖処遇を受けている患者数、及び、医療保護入院の患者数とその中で閉鎖処遇を受けている患者数も示してください。
回答。平成20年の630調査で、任意入院患者数 184573人 うち開放処遇を制限:33674人(約18%) 措置入院患者数1803人 うち終日閉鎖1701人(約94%)
再質問。630調査で全閉鎖、夜間閉鎖をあわせると約17万人という数値があるが、この違いは何か?
回答。不明。(630調査の違うページで違う数値が出ている。)
(3)   貴省の把握している精神病院における社会的入院と判断される人の数を示してください。
回答。社会的入院者は、平成20年619千人(入院患者の20.2%)(619百人の間違いと思われる)
再質問。以前言われた数値から1万人も減っているのはなぜか?
回答。医療機関の主観によるものであることから調査のとり方の問題である。
問い。また、現行の精神障害者地域移行・地域定着支援事業で、地域に定着した人の数を示してください。地域に定着できたとする判断の根拠と、どのような住まい(グループホーム、一般住宅など)かの内訳も示してください。
回答。地域移行地域定着支援で地域に定着した人数は、2819人である
平成21年度内に地域移行時の居住先。自宅25.5%、新たに契約した借家24.8%、グループホーム20.3%、他にケアホーム、福祉ホームなど。
(4)   精神医療審査会について、ここ5年の患者側の申し立て数、審査にかけられた数、申し立てから審査結果が出るまでに要した日数(最長と平均)を示してください。
回答。(5年分の回答があるが平成21年のみ記載する)
○退院請求 請求件数2909、審査件数2091、審査の結果適当とした件数2016、審査の結果不適当とした件数62。
○処遇改善請求 請求件数384、審査件数265、審査の結果適当とした件数251、審査の結果不適当とした件数12
○請求受理から結果通知までの平均日数 32.5 
請求受理から結果通知までの最長日数87。
(5)   心神喪失等医療観察法について、以下のデータを示してください。
問い。法施行後から現在までの法の対象となった患者の自殺数、自殺未遂者数、死因の不明な患者数、死因の不明な理由(いずれも入院と通院を分けて)
回答。入院者で自殺4人、病死2人、死因不明者はいない。通院については法務省担当であり承知していない。
問い。現在入院中の人の詳細な在院日数(例えば、月数ごとの人数など)
回答。平成17年7月15日の法施行以来平成20年7月21日までで、退院者608人、平均在院日数574日。
平成20年の630調査で在院日数1年から5年のものは118人。5年以上のものはいない(法施行5年であり当たり前だが)。
(6)   単科の精神病院をなくしたイタリアの実践について、貴省の見解を示してください。
回答。厚生労働省として諸外国の制度に対する見解はない。担当者としての見解を示す。東邦大の水野の研究による。(日本で)7万人退院できない人がいる中、7万人を入れる病院をなくした場合、受け入れの地域がないといけない。イタリアでも地域格差があり、受け入れ先がないままストリートピープルになった例もある。しかし、重要な要素として検討したい。保護者制度の検討会の中でも検討している。
総評。社会的入院7万人(6万人と言うが)を退院させる時に、受け入れ先がない中で病院をなくすとホームレスになると言うが、地域の受け入れ先を作らないのは厚労省そのものである、5年間の退院者数2819人、うち公的な受け入れ先50%、自宅25%、アパート25%という数値を前にして、良くこんなことがいえるなと思うのは当然である。
   イタリアでも、バザリア改革を快く思わない病院当局者が、受け入れ先の確保しないままに患者を放り出したということはあるようだ。それを盾にして、イタリアでもストリートピープルが生まれたと、バザリア改革にけち付けするのはいかがなものか。
   任意入院で185千人中、17万人が全閉鎖、夜間閉鎖の病棟にいる。
改善しているというがいまだに雑魚寝の病室もある。原則個室でないと安心して眠れないと思うがそれには程遠いのが現状である。
処遇改善の請求もほとんど通らないのが現状である。
   これでは精神障害者の人権が守られているとは到底言えない。
   総合福祉部会の骨格提言にあるように、OECD平均値並みの予算をつけて、退院促進の公的施設、民間住宅の確保を進めるべきである。
7万人もの人権が不当に侵害されている中、精神障害者福祉等言ったところで大嘘としか言いようがない。直ちに退院させるべきだ。

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2011年10月 6日 (木)

厚生労働省交渉

怒りネットの厚生労働省交渉が決定しました。

日時は10月12日、13時開場、13時30分までに結集し、14時から16時まで交渉です。

場所は、衆議院第一議員会館第一会議室。最寄り駅は地下鉄丸の内線「国会議事堂前」です。第一議員会館の1階入り口付近に案内人がいると思います。

交渉は、総合福祉部会報告に対する2月と6月の厚労省コメントについて、全面的に行います。総合福祉部会の「骨子」が8月30日に発表されましたが、それに先立って、2月と6月に厚労省がコメントを出しています。「国民の合意」「予算の制限」「地域主権改革」などをたてにして、部会の中間報告に当たるものを否定するという許しがたいものです。

総合福祉部会は、予算の問題に対し、「OECD諸国の平均並み」の支出を明確に求めています。1兆円増に相当するそうです。それを事務局に過ぎない厚労省が勝手に否定する等許すことは出来ません。

多くの国民が自立支援法廃止・障害者が地域で生きるという障害者の要求を正当なものと認めています。「地域主権改革」は憲法の否定です。

私たちが厚労省に求めることはたくさんありますので、怒りネットの質問状をまとめて出しています。最初に、質問状に対する回答を全てさせてから、議論に入りたいと思います。

質問状は下記アドレスをクリックしてください。

「situmonnjou.doc」をダウンロード

多くの皆さんのご参加をお願いします。

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2011年10月 5日 (水)

骨格提言を推進会議が了承

福祉新聞より

■障害者総合福祉法
■骨格提言を推進会議が了承
■蓮舫担当大臣に手交

 障がい者制度改革推進会議は9月26日、「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」を了承し、蓮舫・内閣府特命担当大臣に手交した。「骨格提言」は、障害者など55人が部会で障害者自立支援法に代わる新法を検討し、8月30日にまとめたものだ。蓮舫大臣は提言書を受け取り、「厚生労働省にしっかり議論してもらいたい」と発言。また9月27日には、蓮舫大臣から報告を受けた小宮山洋子・厚労大臣が「与党とも相談しながら来年の通常国会への法案提出を目指したい」と発言した。今後、厚労省が法案作成を担当する。

◆厚労省、法案の作成へ

 民主党政権は、障害者権利条約を批准するための国内法整備として、制度改革の三本柱を①障害者基本法の改正(今年7月に成立)②総合福祉法の制定③障害者差別禁止法の制定──としている。これらの検討は、首相が本部長を務め全閣僚で構成する「障がい者制度改革推進本部」のもと、障害者や家族が構成員の過半数を占める推進会議に託されている。

 ただ、総合福祉法については、サービスを利用する側だけでなく事業者や自治体関係者、研究者なども交えて議論する必要があるとして、推進会議は昨年4月、55人が参加する総合福祉部会を設置し、検討を依頼。その検討結果として骨格提言がまとまり、9月26日、部会から推進会議へ報告、了承された。

 骨格提言は、障害のない市民との平等と公平などを主眼とする。社会的入院・長期施設入所を解消すること、障害程度区分に代わる新たな支給決定の仕組みを作ることなどが要点だ。

「障害者」の定義を包括的な規定にすることや、例えば卒業後と就労など制度間の空自を解消する支援体系にすることなども盛り込まれている。

 同日は、推進会議を代表して藤井克徳・議長代理が「万感の思いを込めて手渡す」と述べ、佐藤久夫・部会長も立ち会い提言書を蓮舫大臣に手交した。

 蓮舫大臣は「率直な意見交換があったと聞いている。提言を担当大臣として、また(推進本部)副本部長として受け止めた。今後は厚労省にしっかり議論してもらいたい。当事者や関係者の本音が詰まっていることも含め、私から小宮山大臣に話す」と述べた。

 今後、骨格提言の内容を法律の条文にする作業は、厚労省が担当する。昨年6月に閣議決定された制度改革の工程表によると、「2012年の通常国会への法案提出、13年8月までの施行を目指す」予定だ。

 9月27日の会見では小宮山大臣が、閣僚懇談会で蓮舫大臣から、提言書を受け取ったと報告されたことを説明。「障害者の思いをくみ取った検討をお願いしたい」と言われたという。

 これに対し小宮山大臣は「私からは、提言の内容は当事者の思いが込められたものであり段階的、計画的に実現を目指していくものと受け止めていること、また厚労省としては与党とも相談しながら、まずは来年の通常国会への法案提出を目指して検討作業を進めていきたいということを発言した」と話した。

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2011年10月 4日 (火)

怒りネット通信48号

10月28日、日比谷に集まろう!
国家官僚をはじめとする福祉きりすて勢力と闘おう!

■障害者基本法成立過程をどうとらえるべきか
                    古賀 典夫

 障害者基本法改定法は、7月28日に参議院内閣委員会で審議と採決が行われました。そして、翌日の本会議で採決され成立しました。内容は、衆議院を通過したものと同じです。改定前の法律と比べれば、いくつかの改善はありましたが、法文中の6箇所に「可能な限り」という言葉が挿入され、「障害者制度改革推進会議」が目指した権利法とは程遠いものとなってしまいました。
 4月22日の法案提出以降もJDFは、5月24日、7月22日と民主党宛ての要望書を出し、国会議員への働きかけもいろいろな団体が行ってきたようです。しかし、わたしたちも含めてそのような運動にとどまり、大衆的な国会行動も組まないままでした。7月22日のJDFの要望書は、付帯決議への要望が主たるものでしたが、その趣旨は全く反映されていません。
 他方、8月30日に総合福祉部会が「骨格提言」を取りまとめました。取りまとめられた文章は、この原稿を書いている9月4日段階ではまだ公表されていませんが、次の『怒りネット通信』では紹介したいと思います。そして、いよいよ「障害者自立支援法」に代わる総合福祉法の作成が始まったのです。ここでわたしたちが念頭に置かなければならないのは、この法律案文の執筆を行うのは、総合福祉部会に対する厚労省のコメントの執筆者と同じ人物たちによって書かれるであろうということです。何しろ総合福祉部会の事務局は、障害保健福祉部企画課企画法令係なのですから。
 『怒りネット通信』の前号に引き続き、今回の号では、6月23日に示された厚労省のコメントについて、宮崎さんに書いていただきました。怒りネットとしては、この厚労省のコメントについて、厚労省と交渉を行い、問題点を追求することにしております。日程などにつきましては、改めてご連絡いたします。多くの皆さんのご参加をお願いします。
 総合福祉法は、「障害者」の生活・生き死にのかかった法律です。障害者基本法をめぐる運動にとどまることは絶対に許されません。10月28日の日比谷集会は、これまでを超える結集が必要です。「障害者」の大衆的な行動が必要です。

 今、政府による社会保障・福祉の切り捨てが進められています。5月12日に厚労省が発表した「社会保障制度改革の方向性と具体策」では、「社会保障制度改革と財政健全化を同時に実現」すべきとして、「これまで以上に、給付の重点化、選択と集中、優先順位の明確化」を行う、としています。そして厚労省は、生活保護法の改悪を来年の通常国会で行う、としています。そこでは、保護基準の見直しも打ち出されています。
 イギリスやオランダでは、財政削減政策の中で、介助時間が削減されるという事態になっています。イギリスでは、これに抗議する「障害者」が8千人のデモを行い、裁判闘争も闘われています。ちなみに、イギリスもオランダも権利条約の加盟国です。
 こうした国内・国際情勢が、「障害者制度改革」にのしかかってきているのであり、障害者基本法とその審議にも現れていると思います。闘いなくして、わたしたちは生活を守れませんし、1歩の前進もあり得ません。
 以下では、参議院内閣委員会の障害者基本法審議について紹介します。「数十年前に戻ったのではないかと思った」との感想が出されるほど、それはひどい内容でした。現状の把握として是非お読みいただきたいと思います。

★参議院内閣委員会を傍聴して

 わたしたち怒りネットは、6月15日の衆院内閣委員会の時と同様に、朝からビラまきを行い、傍聴に入りました。ほかには、きょうされんや障全協関係の人々が数十人傍聴に入りました。
 この日の内閣委員会には、厚生労働委員である社民党の福島議員と共産党の田村議員が特別に質問するという場面がありました。ここではまず、この会議の速記録をも見つつ、何人かの議員の発言の紹介から始めたいと思います。

●「障害者」の権利を否定する自民党

 7月28日の参議院内閣委員会で、自民党の山東昭子議員は「障害者自身も特別な権利意識は捨てて社会に溶け込んでもらいたいと思います。」と発言しました。
 さらに、自民党の衛藤晟一(えとう せいいち)議員は、「障害者制度改革推進会議」の第2次意見(昨年12月17日)を読んだ感想の中で、次のように述べます。
 「権利論が中心となって、やっぱり社会全体でお互いを尊重し合って共生していく社会を目指すという理念が、途中から共生という理念が強く盛り込まれましたけれども、出てきましたけれども、やっぱりちょっと希薄だったんではないのかなという感じを持っていました。」
 つまり、衛藤氏によれば、「権利論」と「社会全体でお互いを尊重し合って共生」するということは、対立関係にあるのです。これと同じような発言を6月15日の衆院内閣委員会でも耳にしました。それは、自民党の松本純議員の発言でした。
 「障害者基本法の改正に当たっては、障害者の権利を強調するような意見も出されていましたが、それぞれが権利を主張し合うということよりも、相互に助け合う方が、障害の有無にかかわらず共生する社会を実現するという改正案の理念に沿うのではないでしょうか」

 「障害者」の権利を否定するというのは、自民党の党としての見解であるということでしょう。
 わたしにとって、このような発言が遠慮なく出されてくるということは、率直に言って驚きでした。近代市民革命以後に形成された民主主義の概念では、少なくとも建前としては、市民の権利を守り調整するのが国家の役割だったのではないでしょうか?。この党の「自由」「民主」にしても、このブルジョア民主主義の概念から名づけられたもののはずです。改憲政党としてその建前さえも捨てようとしているようです。
 この自民党の「相互に助け合う」政治、「お互いを尊重し合って共生」する政治のもとで、わたしたちが経験したのは、「自立支援法」成立によって、次々と心中が起こる社会でした。共生どころか、死に追いやられる社会でした。
 自民党が否定したいことは何なのでしょうか。「障害者」が自らの存在、命を守るために権利を掲げて、国歌や社会に対して発言し行動することだと思います。そんなことはせずに、恩恵に甘んじろ、と言いたいのだと思います。しかし、甘んじていたら殺されるのです。
 この自民党の権利に対する考え方は、わたしたち「障害者」の場合にだけ語られているのではないと思います。憲法十二条で記されている権利を守る不断の努力として、自民党の政治生命を絶つべきだと思います。その自民党が、民主党の大連立構想の中で、また政権につくかもしれません。そんな政権に「障害者」の権利条約を結ぶ資格はありません。

●「発達障害者」、「精神障害者」を犯罪者予備軍とする発言

 さらに、参院内閣委員会で、山東議員は、次のように発言しています。

 「障害の中でも精神的なものに注目をしたいと存じます。それはアスペルガー症候群でございます。一九四四年、オーストリアの小児科医、アスペルガー博士が報告したこの病はアインシュタインやヒットラーなどいろいろな人が持っていたと言われておりますけれども、この病を持った人が全てではないのですけれども、普通の子供が突然十七歳ぐらいになって凶暴になって事件を起こすというようなこともあります。そうした犯罪に結び付くということ、これが非常に心配でございます。二〇〇〇年、愛知県の豊川市で主婦殺害、二〇〇三年、長崎での男児誘拐事件、また二〇〇四年、同じ長崎、佐世保の小学校六年の女子がクラスメートを殺害した。
 いずれもアスペルガーだったとのことでございますけれども、こうした発達障害や心神喪失に関しての法律はできても、日本ではこのアスペルガーや発達障害に関しての調査や研究が遅れていると思います・・・」
 そして、治療はできないのか、と厚労省に問いただしているのです。

 ここで、アインシュタインやヒトラーが「アスペルガー」だった、と言っているのですが、このこと自体が「風変わりな人」、「大きな事件を起こした人」をそのように呼んでいる、というように思います。「アスペルガー」は「発達障害」の一つとされていますが、衛藤議員は、「発達障害者」への専門家の対応を求めます。結局、偏見をもあおりつつ、治療の対象、専門家の監視、という状況において、「発達障害者」と診断された人々を孤立させる方向に追い込んでいくことになるのではないか、とわたしは思います。
 わたしも、「発達障害」と診断された子供を知っていますが、彼にとって重要なのは、彼が安心していられる周りの雰囲気なのだ、と思いました。それとは全く逆の方向に進めているのが、この自民党の人々ではないでしょうか。

 他方、みんなの党の桜内文城議員は内閣府に法律の解釈を質問した、として、次のように述べました。

「内閣府の方に尋ねましたところ、基本的には、精神障害者の方々がなかなか外に出られないケースとか、そういったことがあるのを改善したいということだとお伺いしました。それはそれで確かに、特に基本的人権という観点でいえば重要なことだとも思うんですが、先ほど自民党の山東議員からの御指摘にもありましたとおり、精神障害といいますか、精神異常によって犯罪も幾つか、こうやって重大な犯罪が起こったりしているところでもありまして、そういった犯罪予防的な観点からこの規定についてどのように考えればよろしいのか、お考えをお聞かせください」

 桜内氏の質問は、自民、公明、民主の調整の中で入った部分だったので、公明党の高木美智代衆院議員が回答しています。

 「ただいま、また委員から犯罪というお話がありました。実は、今犯罪によりまして検挙されている人員のうち、精神障害者の占める割合は〇・六%でございます。また、精神障害者は今我が国では二百五十八万四千人、ですから、一億二千万人の人口のうち約二百六十万人というこの比率から見ますと、果たしてこの〇・六%が高いのかどうなのか。私は、こうした多くの誤解があることから、改めてこの数字に基づきまして考えていかなければならないと思っております。
 ちなみに、私がお会いする精神障害者の方たち、本来であれば地域で暮らせる、しかし地域で支える保健や医療や福祉の連携がないということから、余儀なくこの社会的入院をされているという方も多くいらっしゃいますし、またその中には大変心優しい、また傷つきやすい、そういう方が多いということも、これは私の率直な実感として受けております。」
 
 高木議員の適切な答えがあったものの、いかに「精神障害者」への差別・偏見が強いのか、ということが改めて明らかになりました。差別禁止の重要性、ということであれば、まずこのような差別者が政治の中心にいること自体が問題なのです。今後の制度改革の中で、精神医療の強制性の問題、医療観察法の廃止が課題になるとき、こうした議員たちが敵対してくることは間違いないでしょう。
 公明党はかつて、医療観察法を推進しました。高木議員の見解を党の見解だとするならば、医療観察法を自己批判を込めて撤廃する側に回るべきだと思います。

●差別の禁止は問題、とするみんなの党桜内議員

 「このように法律にしてしまいますと、特に共生という言葉でもって一般私人に対して差別禁止ということを余りに強く言い過ぎると、今度は他者の基本的人権ですね、例えば私人間の経済的活動の自由ですとか政治的活動の自由・・・これを少なからず侵害するおそれというのもあるんではないかと考えております」

 「今回の四条二項で「社会的障壁の除去」ということが、国、特に国だと思うんですけれども、に対してやらなければいけないということになっておりまして、素直にこれ解釈していけば、良くない観念を社会的障壁と認めてこれを除去しろというふうに国に命ずるような立て付けになっておりまして、憲法十九条の思想、良心の自由というものについてどうなんだろうと」

 みんなの党とは、新自由主義の党であり、改憲にも賛成の立場をとっています。その立場から、法律による差別禁止に反対しているのです。「私人」などと言っていますが、「経済活動の自由」や「政治活動の自由」とも言っていますので、企業や政治家の差別をも禁止するな、ということになります。これは、社会的「強者」による「弱者」切り捨てを認めよ、という論理に帰着します。彼は、財務官僚出身ですが、こうした思考の官僚が多いのかもしれません。
 
 このほかにも、「地域の学校へ」を主張する親たちへの上述の自民党山東議員の侮蔑発言もありました。
 「中には、かわいいお子さんの将来にとって本当にプラスになるのかどうか分からないけれども、どうも親のプライドが高くて、何でも普通学級に入れたいというようなことは、何というんでしょうか、主張する親御さんが多いようでございます」

 本当に腹に据えかねる発言が相次ぎました。世界的な政治・経済の危機、そして、日本の震災と原発事故という中で、建前によって覆い隠されてきた差別主義が、むき出しになってきているといえるのかもしれません。

●「可能な限り」について

 法案の中に6箇所ある「可能な限り」については、民主党の岡崎トミ子議員、公明党の谷合正明議員、無所属の糸数慶子議員、そして、社民党の福島みずほ議員が質問しました。
 法案提案者の立場にある民主党や公明党の質問に対しては、かなりおざなりな回答が行われていたのですが、糸数議員の質問に対しては衆院の時と同じように村木厚子政府参考人が対応しました。発言は衆院の場合と同じなのですが、やはりこうした官僚の手によって、「可能な限り」は挿入されたことが実感されます。
 「障害者」の権利を否定しようとする自民党などの政治家や官僚との闘いをますます強めなければなりません。

●「障害者政策委員会」の人選を巡る攻防

 この政策委員会は、「障害者」を巡る政府の政策について、資料の提出を求めること、勧告を行うこと、そして、担当大臣の答弁を求めることができるものとして、こんどの障害者基本法改定法で規定された機関です。この人選について、火花が散る状況があります。
 「制度改革推進会議」の二人目の担当大臣であった岡崎議員は、「障害者」を過半数とするよう要請しました。初代の担当大臣であった福島みずほ議員は、現在の推進会議のメンバーを政策委員会のメンバーとすべきである、と主張し回答を求めます。なぜならば、推進会議発足の時点で、5年間続けることを閣議決定していたからです。
 これに対して、自民党の衛藤議員は、「発達障害者関係とか、あるいは福祉サービス事業の提供者」を入れるべきだ、と言います。彼の念頭にあるのは、「自立支援法改定法」を支持した団体の中の「発達障害」関係団体のことなのでしょう。また、「地方公共団体の関係者」ももっと入れるべきだと言います。
 この点について付帯決議の中では、次のように記されています。
 「八、障害者政策委員会の委員の人選に当たっては、障害者政策を幅広い国民の理解を得ながら進めていくという観点から、広く国民各層の声を障害者政策に反映できるよう、公平・中立を旨とすること。」
大連立政権が作られ、自民党などが政権に加わった場合、政策委員会がどのようになっていくのか、ここも重要な点であると思います。

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厚生労働省が第2期コメントを発表
障害者自立支援法延命の政治的誘導をゆるすな
(2011.6.23 障がい者制度改革推進会議総合福祉部会)

 6月23日の障がい者制度改革推進会議(以下「推進会議」)総合福祉部会において、第2期作業チームの各チームから検討結果が報告されました。それとともに、同日「第2期作業チーム報告書に対する厚生労働省からのコメント」(以下「コメント」)なる文書も出されました。第1期作業チーム報告に対するコメントと同じように、作業チーム報告が提起する内容を強く牽制するものになっています。
障害者自立支援法に変わる新法は、第1期および第2期作業チーム報告に基づいて組み立てられる骨格提言に基づいて法案が作られる予定です。厚労省コメントは、その過程に官僚の立場から介入を図り、作業チーム報告が提起する内容をできるだけ骨抜きにしようという意図をもった文書で、強く批判されなければなりません。
今回のコメントの基調も第1期コメントと同じく、「国民の理解が得られにくい」「財源の確保が難しい」「公平性・透明性の面から課題がある」というものですが、今回はさらに「一部改悪障害者自立支援法」(いわゆる「つなぎ法」)で実施済みとか、他省庁との調整が必要、あるいは厚労省の他の審議会で審議中というような論の立て方が出ています。総合福祉部会という枠組みそのものを軽視する姿勢を公然ととり始めたといえます。

今回のコメントも、全部で67ページにおよぶ大部なものです。各部会作業チームの報告ごとに意見をまとめています。それに沿ってポイントになりそうな部分のみ取り上げてみました。

1.「選択と決定・相談支援プロセス」部会作業チーム
    障害程度区分について、「制度の公平性、限られた資源の重点的な配分を担保している」として、全面擁護。「障害の程度については、全国一律に客観的に評価する指標が必要」と、必要な支援の質と量は当事者の生活状況によって異なるという「障害」認識の基本を依然として否定。
    「現行のサービス利用計画は、本人中心支援を重要な視点として策定されている」というのは明らかなウソであり、「協議調整とは、現行の市町村と本人との間の支給申請・支給決定を巡るやりとりとどのように異なるのか」というのは、現行の仕組みは単なる“聴き取り”であって“協議”ではないことを隠蔽するもの。
    さらにガイドラインについて、「(水準を)先進地域に合わせた場合に、他の地域がそれについていけるか??遅れている地域に合わせた場合??先進地域の水準が引き下げられるおそれ」と、マイナス要素をあげつらう。作業チームは「その地域の他の者との平等を基礎として生活することを可能とする支援の水準」と明記し、地域における平等性の確保を主眼においているが、コメントはその趣旨を意図的に無視。

2.「地域移行」部会作業チーム
    地域の基盤整備を進めるために時限立法で数年間にわたる「地域基盤整備戦略」を定めて集中的に予算をあてるという作業チームの提案に対して、厚労省は①各自治体の障害福祉計画②「つなぎ法」を始めとする4つの各種事業・制度③厚生労働科学研究を始めとする2つの研究・検討事業を列挙して、現行で同じような取り組みがされていると主張。つまり、現在の取り組みで足りているということ。

3.「地域生活の資源整備」部会作業チーム
    「障害者」主導で介助体制を組むパーソナルアシスタンスについて、「客観性・透明性・公平性をどのように担保するのか慎重に検討」と、第1期コメントに続いて否定。「障害者」本人の生活選択権を全面否定しているのと同じ。「一人ひとりに介護職員が常時付き添うということになれば、非常に多額の財源及び人材が必要となるため、国民の理解を得ながら検討する必要」というのも、第1期コメントと同じ。
    国庫負担基準については「国の厳しい財政状況を考慮し、国費を公平に配分する機能…今後とも必要」と固執。国の財政状況を最優先する姿勢を崩さない。

4.「利用者負担」部会作業チーム
    「負担能力がある方まで無料とすることは…他の法律や制度との整合性が求められる」「障害のある方についての支援のみ全て無料とすることについては、国民的な議論が必要」。負担能力があるというのは、どのレベルの所得のことか。一般の人よりも低い所得状況を強いられている状況を無視して、あたかも「障害者」だけが“特権”をあたえられるかのようなデマゴギー。

5.「報酬や人材確保等」部会作業チーム
    作業チームが提起する福祉職棒給表の法定化には、「民間事業者の給与水準を国が規制することは難しい」と難色を示し、現行体系での報酬改善も財源論を盾に消極的姿勢。民間事業者の安上がり雇用で現場を回したいという意図の表明。
    作業チーム報告は、現行の社会福祉士等の福祉専門職には当事者の立場に立った支援に欠けると指摘した上で、新しい仕組みにおける相談支援専門員は行政と対峙してでも「障害者」の自己決定を支えることを職務義務とするべきと提起。それに対してコメントは、「資格関係団体の意見を踏まえ」と問題を曖昧に。

6.「就労(労働及び雇用)」合同作業チーム
    ここで目につくのが「各省庁において…結論を得ることになっている」という言葉。全部で6ヵ所におよぶ。労働分野における差別禁止・合意的配慮・雇用率適用範囲の拡大・職場における支援のあり方等だが、いずれも労働・雇用の主管官庁である厚労省の守備範囲のはず。経営者レベルの判断を気にしていると思われる。経済産業省の判断を待つということか。
    それと、労働政策審議会の審議との兼ね合いを問題にしたところも2ヵ所と目立つ。

    作業チーム報告は、日中活動事業を「就労系事業」と「作業・活動系事業」の2つに再編してどちらを選ぶかは「障害者」本人の自己選択によるとしていることに対して、客観的な選別方法に固執して難色を示す。また、作業・活動系事業について、「『自立訓練』…といった他のサービス類型との関係について整理が必要」とし、「訓練」的要素を残すことを図っていると思われる。
    また作業チームは、就業上必要な支援を明らかにする総合的なアセスメントの仕組みを導入する仕組みを提起していることに対して、「客観的な評価指標づくりが困難」と論点をずらして否定。作業チームの提起するアセスメントシステムというのは、職場における人的配置の保障や企業と就労支援機関(家族)との連携を公的なシステムとしてどのように作るのかという問題意識だと思われる。「障害者」個人の評価ではない。

7.「医療(その他の医療一般)」合同作業チーム
    ①難病②医療的ケア③精神科医療の3つに分かれているが、コメントで非常に目立つのが、厚労省内部に設置された各種委員会で検討中という主張。全部で6ヵ所この医療分野では他の項目以上に、厚労省の囲い込み姿勢が露骨。

難病の概念整理をするために当事者が参画した審議会を設けることを提起する作業チームに対して、「どのような状況であれば法律に基づく給付の対象になるのか…どのような基準で認定するのか…具体的な改革の内容が明確にならなければ制度設計は難しい」と無視(実質的に拒否)。
医療的ケアの面では、家族以外の第三者(介護者)がケアをできるようにするという作業チームの提起に、消極的。
精神科医療の面では、地域移行に必要な条件整備について非常に消極的。
 A.住まい:生活保護の医療費扶助・住宅扶助の充実(単独支給)については、「(生活保護は)生活需要全般を過不足なく支えるもの…慎重に検討」
 B.居住地の選択権(特定の居住施設での生活を強いられない):
       改訂障害者基本法「可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保」を引き合いに出す。
 C.退院を促進するための医療費負担軽減:
       「費用負担の軽減は、入院期間の長期化や、認知症を含めた社会的入院を助長するおそれ」「地域で暮らせる社会資源の整備を優先すべき」。悪質なウソ。
また、病院内の不適切な対応の防止や、病院へのヘルパー派遣に対しても、「安全を確保する観点から…(当該病院の)看護要員に代替するような付き添いは禁止」と否定。

8.「障害児支援」合同作業チーム
    作業チームは、①児童福祉法において「障害児」の基本的権利を規定して、児童一般施策と「障害児」施策を重層的に保障する②地域社会の身近な場所において専門性の高い療育を活用できるようにすること③適切なケアマネジメントに基づいて、総合的な個別支援計画を制度化すること、を提起。
    これに対してコメントは、児童福祉法との兼ね合いでは児童福祉分野の関係者全体との合意が必要と牽制。作業チームは、「子ども・子育て会議」(仮称)や「子ども・子育て新システム事業計画」(仮称)への「障害児」関係者の参画を求めているが、厚労省は他省庁との検討が必要と逃げの姿勢。
    身近な場所での療育の提供については、「検討が必要」を乱発。個別支援計画については、「つなぎ法」で取り入れられているという姿勢。
    全体に共通する事項として作業チームは、権利擁護のシステムとして「オンブズパーソンの制度化」を提起。当然これは「障害」のある子どもの権利を守るためのものだが、厚労省は意図的に一般論のオンブズパーソンに問題を拡大。「児童福祉分野のその他の関係者による議論な場で議論…児童福祉全体の議論の中で決定されることが必要」と、逃げの姿勢。

 「推進会議が厚労省との団交の場になってしまっている」…推進会議のある部会メンバーの方の言葉です。厚労省は事務方にすぎません。部会での論議を充実したものにする準備をして、そこで出された提起を形にすることが、本来の仕事です。それとはまったく逆のことをしているわけで、そこには「障害者自立支援法を延命させたい」という国家官僚としての政治的意思が強く働いていることは間違いありません。
 8月30日の総合福祉部会で、新法の骨格提言がまとまりました。いよいよ法案作りの段階に入ります。そして、法案を執筆するのは、ほぼ間違いなく厚労省です。厚労省への監視を強めるとともに、「障害者」や支援者の大きな運動の力で、本当に「障害者」の立場に立った新しい法律案を作らせましょう。

(宮崎)

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