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2011年12月

2011年12月31日 (土)

2011年を締めるにあたって

障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言では、「介護保険対象年齢になった後でも、従来から受けていた支援を原則として継続して受けることができるものとする。」としており、65歳問題に解答を与えている。

この問題は、64歳以下で介助を受けていた障害者も、65歳のなると介護保険が優先適用されてしまうことにある。自立支援法のなかで勝ち取ってきた介助が質量的に介護保険になると切り下げられてしまう。加齢の為に障害を負った高齢者は満足な介助を受けることが出来ない現状にあるということでもある。

元々介護保険の始まりは、高齢者の医療費を削減するために、というのは健保の企業負担や国費を減らすためだが、医療の中を細分し、介助的なところを介護保険に移したというところにある。残った医療でしかない物を後期高齢者医療制度という、医療という名の介護保険的な制度にした。介護保険の保険料の中でしか介助が保証されない仕組みと同じやり方をしたのだ。後期高齢者医療制度は医療を充実させようとすると医療費は高齢者間で集める保険料の値上げに直結するという仕組みだ。介護保険も介助を充実させようとすると保険料の値上げに繋がる。この介護保険ではじめた制度と同じ仕組みが後期高齢者医療制度だ。

介護保険は高齢者医療から介助的部分を切り離して独自制度にしたものであり、高齢者に対する介助を保障しようとして始まった制度ではない。国と企業の予算削減が一切の目的だ。だから家族介助を前提としており、また度重なる改悪の中、まともな介助を受けることが出来ない制度となっている。介護認定のおかしさは、高齢者でなくとも知っているような常識にまでなっている。自立支援法で受けている介助も満足かといえばまだ足りないと思うが介護保険はそんな生やさしいものではない。また、応益負担であり、自立支援法が低所得者には無料化されたのとは異なる。一割負担が出来ない高齢者は介助が受けられない。

そんな制度に65歳になると移行しなければならない。活動家であれば個別の闘争で移行を阻止することも出来るが、声の小さな障害者だとそうは行かない。みんなが声をあげるべきだというのはそうだ。しかし活動家が中心となって介護保険の撤廃を目指すべきではなかろうか?65歳が近づくとおびえている障害者は多いはず。そういう障害者の声を集めて介護保険そのものを撤廃させることではなかろうか。高齢者の声はなかなか聞こえてこないのが現状だ。それを待っていても仕方がない。

障害者が、自ら勝ち取ってきた必要な介助を受けられないとしたら、それは制度がおかしいのだから、制度改正の運動をはじめるべきだ。それが必然性だ。必要な介助を保障しない介護保険の撤廃。障害者こそ闘おう。2012年の闘争に新たな質を持ち込もう。

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2011年12月29日 (木)

消費税アップと美味い話

政府は、消費税アップに対応して生活保護費などを連動させると発表した。給付つき減税ということも流して、消費税アップに対する国民の抵抗を何とか回避しようとしている。しかし、富裕層に対する減税を行った結果の税収減の責任を低所得者にとらせる税制である、消費税の根本がそのままでは、これらの策が本当にとられるのか疑う他ない。障害年金生活者に対する措置は重度者に限られているようでは、救済も行われないようだ。給付つき減税も「国民総背番号制」が条件である。消費税のアップ分全部を低所得者に限って補填したのでは、税率をあげた効果がないか減ぜられる。そんなことを政府がするはずがない。税率アップの前にこういう美味い話を流して、抵抗をそごうとしているだけと断じておいた方がよかろう。

23(2011)年12月17日 岩手日報 朝刊

生活保護は年5万円負担増 消費増税政府推計 手当加算で軽減検討

 政府は16日、社会保障と税の一体改革で消費税率を5%引き上げた場合、生活保護受給者で年間約5万円の負担増になるなど低所得者の影響についての推計と、負担増の解消策の考え方を明らかにした。

消費増税をめぐっては、低所得者ほど負担感が大きい逆進性の緩和が課題。政府は、各種手当などを加算し、負担軽減を図る方針だ。政府は生活保護世帯の可処分所得を維持するため、毎年実施する保護費の改定に合わせ、消費税引き上げによる影響を反映させる。障害者は1人当たり約4万5千円の負担増。一体改革の中では、障害基礎年金の一定の加算が盛り込まれている。さらに、障害の重い低所得者への特別障害者手当の物価スライドを実施する。ひとり親世帯は約3万5千円の負担増となる見通しで、児童扶養手当の物価スライドを適用する。政府は、一体改革で検討している非正規労働者への被用者保険の適用拡大なども、効果があるとしている。16日にまとまった政府と与党の社会保障改革案では「生活保護基準、各種福祉手当については、物価スライドなどの措置により、消費税引き上げによる影響分を手当額に反映」と明記されている。推計は、障害者は調査を基に平均年収や平均世帯数をまとめるなどした上で、総務省の全国消費実態調査を活用して試算した。

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2011年12月28日 (水)

金持ち優遇の実態

政府・与党は税と社会保障の一体改革の詰めの検討作業中です。
税金では、消費税増税が柱になります。生活保護でも、予算を削りたいという思想で、いろいろ手を打ってきます。
しかし、金持ち優遇の是正が先決ではないでしょうか。
金持ち優遇のデータがあります。

2008年分の申告納税者の所得税負担率のデータです。

「11.12.28syotokuzeihutannritu.pdf」をダウンロード

通常の所得についての所得税は、所得が多いほど税率が高くなります。
大金持ちへの最高税率は今、40%です。
有価証券についての配当所得や譲渡所得は、総合所得に含めず、別扱いが可能になることが多いです。
この分離課税の税率は今、所得税が7%、住民税が3%の計10%。本来は計20%なのですが、証券投資の優遇ということで10%に抑えられています。
大富豪の所得は、この部分の所得の割合が圧倒的に高いです。結果、所得全体に対する所得税額の割合はかなり低くなります。
添付のグラフを見てもらえば分かりますが、合計所得が5000万円~1億円の階層の所得税負担率は28・3%です。この階層が一番負担率が高いです。
この上の階層になっていくにつれ、負担率が下がります。有価証券による所得が多いからなのです。
合計所得が50億円~100億円の階層の負担率は13・5%。自分の感覚では驚くべき低さです。大富豪なのに税金が少ない。

この証券優遇税制は期限延長が繰り返されましたが、野田首相は2013年末まででそれ以上は延長しない、と明言しています。


通常の所得税の最高税率は今は40%でしたが、昔は70%、75%といった時代がありました。そういうこともあって、1億総中流みたいな社会構造になっていました。
今、政府与党は45%に引き上げる案を検討中。

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2011年12月27日 (火)

東京新聞社説に見る生活保護の実態

【社説】
年の瀬に貧困を考える 窮乏から目を背けずに
(2011年12月24日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011122402000067.html

年の瀬は貧しさがこたえる。生活保護者数は史上最悪を塗り替えている。クリスマスも縁遠い困窮者の救済こそが、最優先に据える国の仕事ではないか。

非正規雇用者が40%に近づく現代は、路上生活への落とし穴が潜むといえる。Aさん(61)は派遣会社に登録したのが始まりだ。二〇〇五年ごろから、静岡県内の家電メーカーの工場で働いた。

「月に二十日間で月給は十六、七万円。忙しいときだけ仕事がくるのです。正月などは半月間も休みで、もちろん給料は出ません」

 ◆保護は「肩身が狭い」
 寮費はむろん、テレビや冷蔵庫にもレンタル料がかかる。光熱費なども給料から差し引かれると、「ほとんど手元に残らない」のが実態だという。

「辞めてくれ」という雰囲気を感じて、〇七年に退職したときは五十代後半だった。東京・上野でホームレスへと転落した。福祉事務所に相談し、一時保護の施設から、自立支援のセンターに入寮した。何とか警備員の仕事を見つけたものの、自立できなかった。

「十五時間もの勤務は、体にこたえました。しかも、十二人の大部屋の寮は、勤務時間が異なる人々との集団生活なので、ゆっくり眠れないのです」
 新宿の路上や公園でのホームレス生活に逆戻りした。生活保護を申請した〇八年の所持金は数百円、預貯金千円余り。それでも担当者は「自立支援センターへ」と答えるばかりだったそうだ。

「会社の面接に行っても、住所が自立支援センターだと分かると、断られてしまうのです」
面接に行く電車賃も履歴書の証明写真の費用捻出も苦しかった。支援団体のサポートもあり、現在は都内で生活保護を受けている。アパートに住み、ある施設の宿直員を務める。収入で足りない部分を保護費がカバーするのだ。

 ◆「水際作戦」という非情
「でも、肩身が狭いです。今も自立したいと思い続けています」

生活保護者数は二百六万人と史上最多に達した。不況や非正規雇用の蔓延(まんえん)、雇用保険や年金の制度の脆弱(ぜいじゃく)さなどが原因だろう。

 問題点はまだある。生活保護が最多といっても全人口の1・6%だ。日弁連によると、ドイツでは9・7%、フランスでは5・7%、英国では9・3%である。日本では制度の要件を満たす人の20%弱しか、利用されていないという。保護が必要な人を捕捉できないでいるわけだ。

「行政窓口で『水際作戦』が徹底された結果でもあります。高齢になるほど就職からはじかれるのに、病院の診断で『就労可』を取り付けて、申請を押し返すわけです」(竹下義樹弁護士)

しばしば不正受給の問題がやり玉に挙がり、財政圧迫や受給者の医療費増が問題視される。確かに保護費の急増は行政には悩ましいだろう。だが、不正受給は全体の1・54%にすぎない。受給開始の理由も「収入の減少・喪失」が〇八年の19・7%から〇九年に31・6%へと急増したように、不況と失業が大きな要因なのだ。

 困窮者を見捨てていいはずがない。憲法が生存権を定め、生活保護は「最後の安全網」である。行政が申請権を侵してはいけないし、社会の偏見払拭(ふっしょく)も課題だ。

所得が低く生活が苦しい人の割合を示す貧困率も16・0%と悪化の一途だ。何より子どものいる世帯で貧困率が高まっている事実は見落とせない。

 「とくに母子家庭の貧困率が高いのが日本の特徴です」と東京大大学院人文社会系研究科の白波瀬佐和子教授は指摘する。貧困率の指数はほぼ生活保護水準の生活レベルを示すという。

「母子家庭ではパートなどで朝、昼、晩と三つも仕事を掛け持ちしている母親も少なくありません。低賃金で、一つの仕事だけでは生活が成り立たないのです」

 給食費や文房具などの費用も重くのしかかっている。「仕事に追われ、子どもに接する時間も十分になく、朝ご飯を食べさせられない家庭もあります」

 子どものときに、もう夢ある人生の“階段”を外されているのと同然ではないか。クリスマスの鈴の音も遠かろう。

 ◆生活と教育インフラを
 「人生のスタートラインからこぼれ落ちている状況が、深刻な問題点の一つです。子どもたちの将来を大きく左右します。貧困に伴う不条理な環境にある子どもたちをも包み込む、生活と教育のインフラを整える必要があります」

 野田佳彦首相は「中間層の厚み」を掲げた。その近道は貧困層への手厚い政策だ。就労につなぐ行政努力はもちろん、企業側も国内雇用の拡大を進めてほしい。人の潜在的な力を引き出す手を打とう。それが実を結べば、この暗鬱(あんうつ)な社会が蘇(よみがえ)る契機になろう。


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2011年12月24日 (土)

興味深い新市長のあいさつ

湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長)

くらしの明日 私の社会保障論  『毎日新聞』2011年12月16日付

「福祉は最高収益の投資」

 「深刻化する住宅難、減少し続ける働き口、憂いが深まる伝統市場や路地商圏、競争力が低下している自営や中小企業、増える非正規職。そのどれもが、新しい解決策を求めています」

 先ごろ当選した新市長の就任あいさつ文の一節である。

 新市長は、現政権や既成政党に不満を持つ多くの市民の支持を集めて当選した。

「圧勝」とは言えなかったが、それでも対立候補に7ポイントの差をつけた。弁護士出身でアイデアマンとしても知られ、旧来の政...治家像とは異なる雰囲気に、市民は「やってくれるかもしれない」という期待を抱いたのかもしれない。政策は十分に練りこまれているとは言えず不確実な部分も少なくないが、今回の選挙結果は既成政党に大きな衝撃を与えており、すでに新市長を「台風の目」とする政界再編が始まっている。

新市長のあいさつ文は次のように続く。

 「1%が99%を支配する、勝者が独占し多数が不幸になるという現象は公正な社会ではありません。過度な競争で皆が疲れ弱っていく生活は、公平な世界ではありません」

 たしかに、過度な競争は多数の人々を疲弊させ、社会の活力を失わせるだろう。

それは公正でないだけでなく、効率的でもない。だから新市長は次のようにも言う。

 「福祉は人間に対する最も高利回りの貯蓄であり、将来に対する最高収益の投資です。福祉か、成長かの二分法はもはや通用しません。過去10年の間に、成長が必ずしも福祉をもたらすわけではないということが明らかになりました。むしろ、福祉が成長を牽引する時代になったのです。何よりも我々は、OECD(経済協力開発機構)加盟国で最下位の福祉水準という不名誉から抜け出さなければなりません」

 投資とは、何も企業に対するものを指すだけでなく、また個人の資格取得にかかる費用だけを指すわけではない。新市長がさっそく実現した公約は大学の授業料半額化だった。授業料負担に耐えられず疲弊していく若者の存在は、生産年齢人口が減る中、端的に社会の損失である。それを回避し、人を育てる費用は、貯蓄であり投資だろう。福祉のない成長は、結果的に将来世代の可能性を食いつぶす。

 それゆえ新市長は宣言する。「福祉は施恵ではなく、市民の権利である」と。
 
 新市長とは、朴元淳(パクウォンスン)。10月26日に誕生した韓国の首都ソウルの新市長である。途中まで「あの人」と似ていると思った方がいたかもしれないが、全然違う。そもそも朴氏は「市長こそが市民であり、市民こそが市長なのです」と言い、独裁を掲げてはいない。

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被災地の生活保護打ち切りで不当と裁定

生活保護:南相馬市の打ち切り処分 手続き不備で取り消し

 福島県南相馬市が東日本大震災の義援金や福島第1原発事故の補償金を収入とみなして生活保護を打ち切った問題で、県は23日までに住民3人の審査請求に基づき市の決定処分を取り消す裁決をした。市の手続きに不備があったためで、市社会福祉課は「他の世帯についても手続きに誤りがなかったかどうか確認する」としている。

 裁決は21日付。3人の世帯は義援金などを収入とみなされ、今年5月に保護を打ち切られたり減額されたため、市の決定を不服として7月、県に審査請求をしていた。厚生労働省は義援金を生活再建のために使う場合は収入とみなさないよう自治体に通知しているが、3人を支援する倉持恵弁護士によると、裁決は市の説明や調査が不十分で、正当な理由のない不利益な決定変更を禁じた生活保護法に違反しているとした。義援金の収入認定の是非については言及していない。

 日本弁護士連合会の調査によると、8月時点で福島など被災5県の458世帯が義援金の受け取りを理由に生活保護を止められ、うち233世帯が南相馬市に集中していた。日弁連は11月、「直ちに是正すべきだ」として国や自治体に改善を迫る会長声明を出した。【石川隆宣】毎日新聞」

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2011年12月22日 (木)

生活保護者ら声明採択・・・福祉新聞より

■「政策仕分けの撤回を」
■院内集会 生活保護者ら声明採択

 生活保護問題対策全国会議(代表=尾藤廣喜・弁護士)は2日、衆議院議員会館で院内集会を開いた。生活保護受給者数が戦後最多となり、生活保護が見直される中、当事者が生活実態などを報告し、政府の対応をけん制した。

 生活保護制度をめぐっては、行政刷新会議が11月の提言型政策仕分けで、①生活保護の支給額を就労インセンティブがそがれない水準とする②後発医薬品の義務付けを検討する③翌月償還を前提とした医療費の一部を自己負担にする──ことなどを要望している。開会に先立ち同会議は、この提言を撤回するよう求める緊急声明を採択した。

 声明は、生活保護基準の見直しの方向性について、低い最低賃金や年金を無視しており貧困問題が深刻化すると批判。医療費の一部自己負担は受診抑制を招くと指摘した。また精神科治療の後発医療品の副作用が出る可能性にも触れ、病状の悪化を懸念した。

 その上で声明は、生活保護の補足率を問題視し「貧困の救済に対して、十分に機能を発揮できているかをまずは検証すべき」と主張。一方、雇用や年金などの制度の漏れを小さくすることで、生活保護受給者の増加を抑えるよう求めた。

 座談会には、元路上生活者や障害者、シングルマザー、アルコール依存症の人など様々な立場の人が参加した。
 コンビニをパワハラを受けて退職したと言う中年男性は、生活保護を受けながら、週2回ほど日雇いで働く。[自分のペースを守りながら、仕事やボランティアなどで社会と関わっていきたい]などと話した。
 元路上生活者の80歳代男性は、食費は月3万円で、1日に3食食べることは少ない。妻も子どもも亡くしており、墓参りに行く被は節約のため1日何も食べないという。
 生後すぐ脳性まひになり、車いすで生活している男性は、現在の住宅扶助では車椅子に対応できる広さがある家には住めないと主張。アルコール依存症の治療をしている中年男性は「集団療法の治療に来る人の約9割は幼い頃に虐待された人などで、20代の若い人もいる」などと報告した。
 精神科に通院する20代男性は「もし医療費の一部自己負担が導入されれば、食事の回数を減らすしかない。政府は当事者の話を聞いてほしい」と求めた。生活保護から脱却したシングルマザーは「生活保護があるからこそ、助走をつけて挑戦できる。絶望する制度にならないようにしてほしい」と見解を述べた。

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生活保護打ち切り410世帯

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河北新報 2011年12月21日水曜日
生活保護打ち切り410世帯 義援金や弔慰金収入認定 宮城
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/12/20111221t11016.htm
 東日本大震災の義援金や災害弔慰金が収入とみなされ、生活保護の支給が打ち切りとなった、仙台市を除く宮城県内の被災世帯が11月1日現在で410世帯に上ることが20日、県の調べで分かった。義援金などのうち生活に不可欠な自立更生費分を除いた額が基準を超え、「保護を要しない」と判断された。
 県によると、生活保護が打ち切られた世帯数は石巻市82、多賀城市62、東松島市59、気仙沼市55、塩釜市35など。沿岸5市で計293世帯に達し、全体の7割を占めた。
 被災して義援金などを受け取った生活保護受給世帯は、仙台市を除く県内で約1200世帯あり、このうち約34%が打ち切られたことになる。
 義援金などを収入とみなすのは、厚生労働省の通知に基づく措置。義援金などから家具、家電の購入費や教育費などを含む自立更生費を差し引いた額が、最低生活費の6カ月分を超える場合、保護が廃止される。
 県社会福祉課は「国の制度を踏まえて対処しており、特に厳しくしているわけではない。各市福祉事務所などへの実地監査を通じ、不適切な廃止措置が生じないよう指導していく」としている。

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2011年12月21日 (水)

貧困は日本社会の最大の矛盾

日本の貧困率が過去最高を上回った。子どもの貧困率、女性の貧困率も過去最高になっている。御用学者は景気が上向けば庶民も潤うといって富裕層への減税や大企業減税を進めてきた。その結果、大企業の社内留保は膨大な額になったが、庶民にはかつてない非正規化と賃下げが襲っている。月に9万3千円以下で暮らしている人の人口は全人口の16%、2000万人を上回っている。子どもの貧困率も16%だ。貧困が世代をついで引き継がれる。

生活保護受給世帯は1.6%に過ぎない。過去最大といわれているが、14%以上もの人が生活保護以下の収入でありながら、保護を受けていない。

その対極で、人口の1%の人が富の20%を独占している。大企業はかつてなく儲けておりながら賃金に反映させず内部留保している。

もう我慢の限界を越えている。消費税で更なる収奪を行おうという資本家から、奪い返そう。消費税でなく富裕者課税だ。富める者から貧しい者へ富の再分配だ。それも嫌なら権力を貧者に渡せ。

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日本人2000万人以上が月収9万3千円以下の収入

2011年7月に公表された2009年の相対的貧困率は、16%と、前回調査時2006年よりさらに0.3ポイント悪化し最悪となった[i]。相対的貧困率を測定するために使う所得とは、等価可処分所得の中央値の半分に満たない世帯員の割合である相対的貧困率[ⅱ]とは、そうして割り出した収入によって、日本に住む人を、所得の低い人から高い人からへ順番に並べまん中にあたる人の所得(中央値。年収224万円)の半分に満たない人の割合である[iii]。具体的な金額は、単身世帯で月収9万3千円未満、4人世帯で同じく18万6千円未満の世帯に属する人口の割合となる。単身者で家賃込みの9万3千円は相当厳しい生活である。この水準の人口が16%ということは、国民6.3人に1人が貧困状態にあり、当時の人口に換算すると2040万人が貧困だったことになる。
[i]2011年7月12日厚生労働省「H22年国民生活基礎調査の概況」
[ii]世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得である。世帯で必要とする生活費は、世帯合理化分があるため、単純に世帯員の人数倍とはならない。この世帯合理過分を平方根で調整する。例えば2人世帯の場合は、生活費は2倍にならず、√2=1.4倍程度の生活費増にとどまると考える。つまり〔2-√2〕分が世帯合理化分となる。同じく3人世帯の場合は√3=1.7倍程度、4人世帯で√4=2倍となる。
[iii]相対的貧困率の算定方法はOECD共通の物差しとなっている。ただ、EU諸国は、中央値の半分では低すぎるとして、60%未満を貧困層としている。

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2011年12月17日 (土)

20~64歳の単身女性、3割強が貧困 母子世帯は57%

2011年12月9日 朝日新聞
 勤労世代(20~64歳)の単身で暮らす女性の3人に1人が「貧困」であることが、国立社会保障・人口問題研究所の分析でわかった。2030年には生涯未婚で過ごす女性が5人に1人になると見込まれ、貧困女性の増加に対応した安全網の整備が急がれる。
 07年の国民生活基礎調査を基に、同研究所社会保障応用分析研究部の阿部彩部長が相対的貧困率=キーワード=を分析した。一人暮らしの女性世帯の貧困率は、勤労世代で32%、65歳以上では52%と過半数に及んだ。また、19歳以下の子どもがいる母子世帯では57%で、女性が家計を支える世帯に貧困が集中している。貧困者全体の57%が女性で、95年の集計より男女格差が広がっていた。非正規雇用などの不安定な働き方が増え、高齢化が進むなか、貧困が女性に偏る現象が確認された形だ。阿部部長は「女性の貧困率は、年齢とともに高くなる。今後は生涯未婚率の上昇も見込まれ、結婚を前提とした社会保障制度は成り立たない。最低保障年金や単身加算など、女性が一人でも暮らしていける制度に変えなければならない」と指摘している。
 ○多い非正規雇用、結婚にも頼れず
 女性の貧困は男性よりも見えにくい。派遣など非正規で働く女性は約1218万人(2010年)で、女性雇用者の54%を占める。男性は539万人で19%。法政大学の武石恵美子教授は「女性は非正規で働くと固定される傾向がある」と話す。国は税制の配偶者特別控除や年金の第3号被保険者などを導入し、妻が夫の扶養にとどまる働き方を「奨励」してきた。結婚はいわば低賃金女性の「社会保障」だったが、今は男性の雇用も揺らいでいる。今年9月、結婚相談所オーネットが20代~40代の未婚男性900人に聞いたところ、「結婚したい」と答えたのは68%。30代では5年前の調査より10ポイント以上低く、全体の6割が「現在の収入では恋愛も結婚も難しい」と回答した。若い単身女性の低収入は、高齢女性の貧困に直結する。年金の月額が4万円に満たない女性は全国で261万人(09年度末)。厚生労働省の試算では、25歳の単身女性が生活保護を受給した場合、生涯支給額は1億円超。25歳の男性が受給する場合より1300万円多く、財政に与える影響も大きい。
 ◇キーワード<相対的貧困率> 世帯所得を基に、国民一人ひとりの可処分所得を算出し、それを順番に並べて、真ん中の人の所得の半分(07年調査では114万円)に満たない人の割合をいう。09年の日本全体の貧困率は16%。経済協力開発機構(OECD)も同様の指標を使っている。

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2011年12月15日 (木)

医療保護入院が無効化

最近行われた、指定医研修で明らかにされた事実です。医療保護入院が無効化されています。民事係争中の家族とその親族は医療保護入院の保護者の資格が法律上存在しない。行政の長が代わってできるか?それも係争中の場合はグレーゾーン。すなわち、医療保護入院を無効化するには保護者となっている家族を民事提訴すれば良いということです。この事実はドメスティクバイオレンスの時に夫から逃れるために使えるということで、その専門家の間ではよく知られたことだったらしい。最近、実際にこの手段を行使して某県立病院を退院した人がいたことから、一般的にも使えることが明らかになった。指定医研修で公開されたので何処に出してもよい情報です。

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2011年12月 8日 (木)

仕分け、官僚が「指南書」 

≪仕分け、官僚が「指南書」 発言案を複数提供、社会保障分野≫

2011年12月8日 11:14


★政府の行政刷新会議(内閣府所管)が11月に実施した「提言型政策仕分け」の社会保障分野で、事務局側が、問題提起の例文を複数挙げた「アンチョコ案」、「取りまとめの方向性」などをまとめた虎の巻的な資料を作成し、仕分け人にそれに沿う発言を促していたことが関係者への取材で分かった。

資料は内閣府の職員が財務省の官僚らの意見を踏まえて作成。
社会保障費抑制を図る財務省の意向と重なる記述が目立ち、提言の大半がその方向でまとまった。

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■仕分けについて刷新会議事務局長の加藤秀樹・構想日本代表は「常に『ぶっつけ本番』」とPR。
丁々発止の議論を政治家がリードする格好になっているが、実際は官僚を中心に議論
の方向性までお膳立てし、政治主導を演出していた。
同会議によると、別の分野でも財務官僚らと協議して同種の資料を作成し、仕分け人に「アドバイス」した可能性もあるという。

2日間行われた社会保障の仕分けでは3、4人の国会議員と6人の民間人が仕分け人
を務めた。


■西日本新聞が一部の写しを入手した「政策仕分け〈社会保障〉の当日の流れ(案)」はA4サイズの資料。年金や生活保護など七つのテーマごとに当日の段取り説明の「シナリオ案」、「アンチョコ案」、取りまとめの方向性を選択方式で具体的に示した「取りまとめの方向性」などが記載されている。

資料の作成過程では、仕分け人の意見も聞いたというが、「アンチョコ案」には財務省の問題意識が網羅され、「生活保護の見直し」には、会場で配布された財務省主張の資料の表記と一致する例文もあった。「取りまとめの方向性」も同省主張の施策が目立った。

関係者によると、この資料を使った事前勉強会が、仕分け人を招いて複数回開かれた。

本番数日前の最終会合には財務省の主計官らも参加。事務局側が「こういう形でご発言いただければ」「議論の落としどころは、このような形を考えている」などと述べたという。

発言の強制はなかったというが、仕分け人の一人は「完全に台本だと思った」と話す。

別の仕分け人は「官僚が振り付けをして議論したかのように取り繕うことに疑問を感じた」と証言した。

当日は「アンチョコ案」に沿った発言が出る一方、それに沿わない意見も数多く出た。

各仕分け人の評価を基に、まとめ役の議員が集約した提言には、本来より高い年金支給の特例水準の解消、生活保護の医療費の一部自己負担導入など、会場で財務省が提案した23項目のうち21項目の要素が事実上、盛り込まれた。

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●事前の助言当然
▼小林利典・内閣府行政刷新会議事務局総括参事官の話

ディベートで勝つために議論の方向性を事前に想定するのは当然だ。
省庁側をどう攻めるかについて、いわば検察官的立場の財務省と話し合ったり、仕分け人にアドバイスしたりすることのどこが問題か。
それを聞くか聞かないかは仕分け人の判断だから誘導ではない。議論が想定通りにならなかったテーマもある。
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●ある意味やらせ
▼新藤宗幸・元千葉大法経学部教授(行政学)の話

財務省と内閣府の官僚たちが、シナリオのようなものを作り、「民間有識者」として集めた一部の歳出削減派の仕分け人を使って、自分たちを支持する世論をつくろうとしたということだ。
議論を誘導しようとしたのは明らかで、ある意味でやらせだ。
政府に九州電力の「やらせメール問題」を批判する資格はない。

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◎提言型政策仕分け
国の主要政策の課題を公開の場で議論する、野田政権としては初めての「仕分け」。
11月20―23日の4日間、都内で実施された。
個別事業の存廃を仕分け人が判定する過去3回の「事業仕分け」とは異なり、問題点を洗い出して政策の方向性を提言するのが目的。
与党議員と民間有識者の仕分け人が、社会保障、原子力・エネルギー、地方財政、農業、外交など10分野で25の政策テーマについて論議した。
事務局の行政刷新会議によると、61万人がインターネットでの生中継にアクセスしたとされる。

=2011/12/08付 西日本新聞朝刊=

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2011年12月 5日 (月)

もんじゅを廃炉に全国集会

高速増殖炉もんじゅを廃炉にしようと、全国集会がよびかけられ1400人が集まった。

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集会場のプラザ万象大ホールは廊下まで人が溢れました。

集会は前福島県知事の佐藤栄佐久さん、元もんじゅ訴訟弁護団の海渡雄一さん(福島みずほの夫です)、元京大原子炉実験所講師の小林圭二さんがそれぞれ講演しました。

もんじゅは猛毒であり原爆の材料であるプルトニウムを燃料にします。そして作り出されるのはそのままで原爆の材料となる純度の高いプルトニウムです。原発で燃料を燃やすことでさらに原発の燃料を生み出すという「核燃料サイクル」の要に当たるものです。原発の燃料であるウランは資源量が限られており、化石燃料よりも少ないのです。それが化石燃料に取って代われると言う根拠になっているのが「核燃料サイクル」です。原発で燃料を燃やすことで新たな原発の燃料を生み出せると言う絵が描けるからこそ資源の少なさを糊塗できるのです。

ところが高速増殖炉が出来ないとなれば「核燃料サイクル」は全くできず、ウランの少なさがすぐに問題となります。だから日本の政府は1日5500万円すでに1兆3300億円もかけてもんじゅを維持しているのです。来年度予算にも215億円が計上されています。

もんじゅは出来てから16年間事故を繰り返し、ただの1キロワットも発電していません。危険なナトリウムを冷却材に使用しています。ナトリウムは空気に触れると燃え、水と触れると爆発します。1600トンも使用しています。1955年にはナトリウムが燃える事故を起こしています。一旦高速増殖炉を作ったり計画していたアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスはすでに撤退しています。

もんじゅを廃炉にしないと、もしメルトダウン事故を起こしたら、福島の水素爆発の数万倍の死の灰を撒き散らす核爆発がおきやすい構造になっています。そうなれば日本の半分が人の住めない汚染地域になるかもしれません。

もんじゅは直ちに廃炉にしないといけません。核と電力会社とそれに政治献金をもらった政治家と電力会社に支配されたマスコミを打倒しよう。

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2011年12月 1日 (木)

医療観察法廃止!全国集会開かれる

「安心安全」と人権



「実態を隠した国会報告は許さない!「共同声明」で新たな運動を広げよう!医療観察法廃止!全国集会」が東京・南部労政会館で開かれ72人の参加のもと、熱心な議論が交わされた。


基調報告は、障がい者制度改革推進会議のメンバーで、全国「精神病」者集団の関口明彦さんがおこなった。「観察法は(日本が批准しようとしている)障害者権利条約の理念の示す方向性と逆行している。人権と倫理の基準の問題だ。『疑わしきは罰せず』の原則がある。社会の在り方として、自分の安全・安心のためには、多少の悪には目をつぶる、多少の人には泣いてもらうという論理が働いている。」観察法では、「精神障害者」はもしかしたら犯罪をするかもしれないし、しないかもしれないけど(擬陽性という)、隔離しておく方が安全・安心だという論理で収容されるのだが、「人権の重要性を社会がいかに判断するのかという倫理の問題だ。」「医療従事者でも観察法を知らない人は多い。弁護士や他の運動領域の人にも知らせ、分かり合っていくことが重要だ。共同声明運動で各分野の運動体に働きかけて『運動』にしていこう。」


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 精神科医の高木俊介さんが特別報告を行った。精神病院のあり方全般の根本的な批判がなされた。なかでも、今ホットなアウトリーチ(訪問医療)に関するところを報告する。「厚労省に『精神医療構想会議』が設置され自殺とアウトリーチをどうするかを議論してきた。家族会がアウトリーチを求めた。」(アウトリーチとは医者や医療従事者が病院や診療所で患者を待っているのではなく、積極的に地域に出て行って、地域で暮らす「精神障害者」の治療をおこなうこと。「精神障害者」の地域自立生活が進む面と、裏を返して「地域が巨大な施設と化する」ことになってしまう恐れもある。)「『検討会』が設けられ、地域医療の名の元にアウトリーチだけが始まった。4月から試行事業として始まった。地域での、入院を前提としないケアを研究しようということで始まったが、日本精神病院協会がそれに反発して、精神病院がほとんどをおこなう事業にしてしまった結果、入院前提の事業になってしまった。日精協とズブズブに結びついた厚労省精神保健課の課長通達一つでひっくり返ってしまった。」


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観察法は「障害者権利条約」に反する


 東(ひがし)俊裕さん(障がい者制度改革推進会議室長、元国連障害者権利条約特別委日本代表顧問、弁護士)が講演を行った。「推進会議の第6回で精神医療について議論した。『医療観察法による強制入院、精神保健福祉法による措置入院は、国連原則に反し、障害者権利条約は国連原則より厳しい基準をとっている。』『可能性を根拠にした処分である(保安処分)』『憲法違反のおそれがあり、権利条約に反する』などの多数の問題があるという意見があった。問題無しとする委員は一人もいなかった。推進会議の第1次意見の中で『精神障害者』に対する強制入院制度である医療観察法、精神保健福祉法による強制入院の問題を立てて本人の同意をとらない入院は検討すべき問題があり見直すべきであるとした。それを受けた閣議決定で、強制入院・強制医療介入について制度のあり方を検討し、平成24年12月までに結論を出すことになった。第2次意見でも『自らの選択による医療』『精福法・観察法廃止を含む抜本見直し』を書いた。しかし第2次意見をベースにした障害者基本法改正では『精神障害者』に特化した改訂をできなかった。障害者基本法改正では「障害者」の定義を『医療モデルから社会モデルへ』変えた。『医療モデル』では、障害があるために大変な思いをする人がいるから、その人たちの福祉増進をすることであったが、改正法は、社会的障壁によって大変な思いがあるから、どんな重度の『障害者』であっても、社会の中で分け隔てられることなく共生できるという社会を作ろうとする。保護の対象から権利の主体へ変えた。」「基本法はこの方向性に反するものは問題ありとする。これからは、基本法で定められた、今後の障害者制度の実施を監視する『障害者政策委員会』が重要になる。確かに今までドラスチックな改革はないが今後も議論していこう。」


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 フロアから、全国「精神病」者集団の山本さんが「アウトリーチについて厚労省本郷課長補佐は『周囲が困った時に介入する、強制的に押しかける』と言っている」と、地域の施設化に繋がるのではないかという趣旨で糾したのに対し、高木さんは「アウトリーチをやる以上は精神病院を閉鎖しろと言っている」と返した。日精協のつまみ食いのいいとこ取りを許さぬ、地域自立生活に繋がる地域医療が求められるものではないかと思った。


3つの方針


 指定発言が何人かからあった。弁護士で医療観察法をなくす会の事務局長の池原さんからは、「法制定から8年数か月がたった今、法をどうしても廃止するという決意・熱情が圧され気味ではないか?今後の方針を3つ提起する。①共同声明を昨年1年間議論してきたがまとまらなかった。文言ではなく、働きかけ、運動の相互作用を考える。関連する団体、医療関係者、障害者、反貧困運動関係者などに学習会を出前する。②議員勉強会を開き人数を増やしていく。③推進会議の成果物に反することをなぜするのかと省庁に迫っていく。成果物を使いこなす」と提起された。


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 弁護士の大杉さんからは「刑の一部実刑法案か出ている。一種の保安処分だ」と。


 精神科医の岡田靖雄さんからは「改正障害者基本法で『精神障害者の防犯』が言われている。全体を読めば『精神障害者』が被害にあわないようにすると読めるが、この言葉だけを読むと『精神障害者』による事件を防ぐとしか読めない。日本の中に『精神障害者』と犯罪を結びつける偏見はまだまだ残っている。曖昧な言葉は偏見の基礎になる。」と。


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 その他に、北海道から、精神科医の金杉さんから、観察法で収容されている当事者の家族から発言があった。


「精神障害者」と犯罪


 討論では、「10・12に怒りネットの厚生労働省交渉を行った。総合福祉法に制度改革推進会議総合福祉部会の骨格提言の中身を書き込ませるための交渉だった。『精神障害者』に関して、いまだに大部屋に雑魚寝のところがある。厚労省は『見つけたら指導している』というが見つかるほどまだあるということだ。任意入院で閉鎖処遇されている人が3万人以上いる。社会的入院7万6千人を解消すると言ってから8~9年経つが、厚労省の退院支援事業で退院した人は2800人くらいしかいない。こういう状況にもかかわらず、精神医療審査会で退院や処遇改善が認められたのは申請者の2~3%に過ぎない。明らかな差別がある。差別が罷り通る原因として『精神障害者』と犯罪を結びつける人が多いことがある。『健常者』が自分たちの安全・安心のために『精神障害者』は遠ざけて置け、隔離しておけと差別を容認している。この差別は国家・マスコミが作り出した、『精神障害者』は犯罪を犯しやすいというデマに根拠があり、なくすことのできるものだ。実際には『精神障害者』の犯罪率、再犯率は『健常者』よりもかなり低い。障がい者制度改革推進会議や総合福祉部会の議論では、差別法である観察法はなくさなければならないとなる。厚労省に実施を迫って行こう。地道な運動の力で差別をなくしていこう」と発言があった。


 その他にも「精神障害者」などから「『精神障害者』は犯罪の加害者ではなく被害者になる方が多い」などの発言があった。


 全体を通して問題の鮮明化が図られた。医療観察法を許す社会の中では、アウトリーチも地域の施設化になってしまう。日精協が厚労省を通じて精神医療を支配している全体状況を突破しないと、いくら善意でアウトリーチをやろうとしても体制に飲み込まれてしまう場合もある。「精神障害者」の地域自立生活を実現するためには、犯罪と「精神障害者」をことさらに結びつけ、「健常者」の安全・安心のためには「精神障害者」を人間として扱わなくても良いという考え方をなくさないといけない。厚労省の弱点は、正面からは「精神障害者」を差別しても良い、「精神障害者」の人権を守らなくてもいいとは言えないことだ。地域での様々な運動体との共闘を追求し観察法を廃止し、「精神障害者」差別を糾していこう。

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