« 怒りネットの厚労省交渉 | トップページ | 怒りネットの厚労省交渉報告 »

2012年2月20日 (月)

福祉新聞より

■障害者新法 支援法改正で対応
■厚労省が原案示す
■名称変えるも「廃止」は見送り
 厚生労働省は7日、障害者自立支援法に替わる新法の骨子を明らかにした。自立支援法の名称を変え、共生社会の実現という理念を掲げ目的規定も設けることで、「自立支援法の廃止」と見なすという。難病患者を障害福祉サービスの対象に加えることなどが要点だが、実質的には自立支援法の改正で、障害当事者らがまとめた新法の骨格提言が、取り入れられたのは一部にとどまる。民主党が公約に掲げた「廃止」は見送られる形だ。翌8日の障がい者制度改革推進会議総合福祉部会では「サギだ」「約束と違う」など怒りや不満の声が噴出した。
 自立支援法の廃止と新法の制定は、2010年6月に閣議決定された。民主党政権が廃止を公約に掲げたことで、自立支援法違憲訴訟団は国と和解。政府は障害当事者らが参画する推進会議を立ち上げ、その下で総合福祉部会が新法の内容を昨年8月に提言した経緯がある。その後の法案づくりは厚労省が進めてきた。
 しかし厚労省案によると、自立支援法という名称そのものは変えるが、実質的には自立支援法の改正で対応する。
 理念では、障害者基本法の改正を踏まえ、可能な限り身近な所で支援を受けられるようにすること、共生社会の実現や社会的障壁の除去に役立つ支援とすることを新たに掲げる。これに合わせて目的規定も改める。難病患者を障害福祉サービスの対象とすることも示した。
 これについて、7日の民主党障がい者ワーキングチーム(WT)で、厚労省の中島誠・障害保健福祉部企画課長は「自立支援法という名称の法律はなくなる。新たな理念を掲げた新法になり、自立支援法の廃止となる」と説明した。
 自立支援法を廃止して別の法律を作ることにすると、現在の支給決定や事業者指定をすべてやり直すことになり現場が混乱するため、自立支援法の改正で対応するのだという。
 骨格提言の反映は一部にとどまる。
 骨格提言は障害程度区分を廃止して新しい仕組みにしたいとしているが、厚労省案は支給決定の仕組みは変えず区分認定の在り方を検討するとした。就労支援体系を再編し労働法の適用なども検討しようと提言していた点も、厚労省案は「就労支援の在り方を検討する」と表現。どちらも、法施行後5年をめどに見直す規定を設ける考えだ。
 利用者負担の原則無償化は、現行でも応能負担で無料の人が9割近いとして特筆せず、共通番号制度における利用者負担の合算の議論を踏まえた検討が必要と指摘するにとどめた。
 また、骨格提言は「国が社会的入院・入所を解消するため地域移行の促進を法に明記する」「計画的な地域生活の基盤整備を法定化する」と打ち出したが、厚労省案では「市町村は地域の潜在的なニーズを把握して障害福祉計画を定めるよう努める」「自立支援協議会の設置を努力規定にする」などとした。
 政府は3月中旬にも法案を固めて提出し、今国会での成立を目指している。
 民主党WTの初鹿明博事務局長は「これで廃止と言えるのか議員の間でも批判はある。提言が反映されるようバージョンアップさせたい」などと話した。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■「サギ」「約束と違う」
■総合福祉部会で不満噴出
 8日に開かれた総合福祉部会では、厚労省案の提示を受け、構成員から「自立支援法を廃止する前提で新法の内容を検討してきたのに、今までの議論は何だったのか」と怒りや不満、失望の声が相次いだ。部会は55人が参加しており、障害当事者だけでなく家族や事業者、専門職、自治体、学識者など広く関係者で構成している。
 佐藤久夫部会長は「厚労省案は、骨格提言との落差が大きい。そもそも部会は政府から新法の内容を提言するよう頼まれたのに、不本意だ。提言内容は、すぐにやれることばかりではないが、いつまでにどういう方向で見直すのか政府は示すべきだ」と述べた。
 佐藤部会長によると、骨格提言の内容を60項目に整理した場合、厚労省案に取り入れられたと呼べるものは、理念の規定、目的の見直し、グループホームとケアホームの一元化の3項目しかないという。
 障害者の範囲に難病患者が追加される点や、障害程度区分の見直し、就労支援体系の見直しなど9項目は、厚労省案では着地点が不明確なため、反映されたとは言えないとした。
 構成員からは「現場の混乱を避けることは大事」との意見も出たが、おおむね厚労省案に対して「サギだ」「約束と違う」「部会に対するゼロ回答ではないか」といった反応だ。
 「民主党が公約に掲げただけでなく、裁判所で和解が成立し、公式文書に大臣が署名したことまでもないがしろにされるなら、国民は何を信じれば良いのか」と民主党の政治の姿勢を追及する意見も出ている。
 これらの声を聞き、厚労省の津田弥太郎政務官は「段階的・計画的に実現を日指す。民主党WTでも厚労省案をたたき台に議論が引き続き行われる。政務3役を中心に民主党とも相談して、政府・与党として取りまとめたい」などと話した。
 厚労省案も骨格提言も、一気に実施は困難という姿勢は一致しており、部会側は実現に向けた工程表を作ることを厚労省と民主党に求めている。

|

« 怒りネットの厚労省交渉 | トップページ | 怒りネットの厚労省交渉報告 »

-報道-」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/517951/54035930

この記事へのトラックバック一覧です: 福祉新聞より:

« 怒りネットの厚労省交渉 | トップページ | 怒りネットの厚労省交渉報告 »