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2012年5月31日 (木)

声明 生活保護の扶養義務に異議あり

声明
生活保護の扶養義務に異議あり

2012.5.31
怒っているぞ!障害者切りすて!全国ネットワーク
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産経新聞(5月26日)によると、「小宮山洋子厚生労働相は25日、人気お笑いコンビJのKさんの母親が生活保護を受給していた問題に絡み、生活保護受給者の親族が受給者を扶養できない場合、親族側に扶養が困難な理由を証明する義務を課す生活保護法改正を検討する考えを示した。」「小宮山厚労相は同日午後の衆院社会保障と税の一体改革特別委員会でもKさんの問題に触れ、「扶養義務者は責任を果たしてほしい」と述べ、余裕があるのに扶養を拒む場合は積極的に家庭裁判所へ調停を申し立てる考えを示した。小宮山厚労相は生活保護費の支給水準引き下げを検討する考えも表明。生活保護の受給開始後、親族が扶養可能と判明した場合は積極的に返還を求める意向も示した。」とあります。

昔は親族に扶養の義務があったそうです。私たち障害者にとって、家族はたびたび抑圧者としてあらわれました。親による障害者殺しは昔のことではありません。家族によって障害児施設に放り込まれたり、養護学校を強制されたり、精神病院に強制入院させられた人も少なくはありません。すべての家族が悪いわけではないですが、抑圧に無自覚な家族が多いのも真実です。障害者はその抑圧をはねのけるのが地域自立生活の第一歩ではなかったでしょうか。地域で暮らしたいと言った時に、家族とはぶつからなかった人の方が少数派です。「親族の扶養義務」とは、生活の根本を家族に握られることであり、再び抑圧の下に引きずり込まれることです。

私たちにとって家族制度とは悩ましい抑圧的な響きのある言葉です。扶養義務という名の鎖に再び繋がれることを拒否します。

マスコミでは不正受給が増えているという報道があります。もしそうなら、今の制度で不正を把握できているということを意味しています。かえって、制度を変える必要はないということを示しているのではないでしょうか。

この「扶養困難の証明義務化」が制度化されると、申請手続きのどこかで、行政が親族の経済状況を「査定」して「あなたが面倒を見れるだろう」と圧力をかけることになるということでしょう。証明しなければいけないのが親族の側だとすると、行政がそれを認めなければ生活保護は出ないで、その親族が経済的に当事者の面倒を見ざるをえなくなるのでしょう。

その親族が自立生活に理解がある人間であればまだいいですが、そうでない場合にその親族はどのように動くか。当然、負担になることを押し付けられるわけですから、一番手っ取り早く「施設に入れてしまえ」という発想が出てくるのではないでしょうか?さらに、その親族が勝手に成年後見人をつけて強制的に本人を施設に入れることも考えられます。
K氏の場合は、有名になる前から受けていた保護が問題にされています。この問題で大騒ぎしている片山さつき議員は、自民党の「生活保護プロジェクトチーム」の一員です。このプロジェクトは、生活保護給付水準を10%削減する方針を打ち出しています。そのための生贄としてK氏をやり玉に挙げているのです。小宮山も自民党の生保10%削減に歩み寄っています。私たちがここで踏ん張らないととんでもないことになります。

このような貧乏人いじめの政府のやり方の対極に、富裕者課税論があります。この数十年間、富裕者に対する減税が年間20兆円単位で行われ、貧者に対する増税が進められてきました。また全産業で企業の内部留保という形でため込んだお金は約429兆円(08年度)です。国家予算の一般会計は約90兆円ですからいかに大きな額かということです。金持ち優遇の税制の上に、国家予算も金持ち優遇です。在日米軍のために支出している「思いやり予算は」5年間で1兆円。それどころか世界の軍事費は年間140兆円です。死の商人を太らせているだけの金です。金が溜め込まれているところから徴収すれば消費税などいらないし、「社会保障と税の一体改革」という名の大衆収奪などいらないのです。不正は良くないが、わずかな不正受給に目くじら立てて10%削減を迫る前にやるべきことがあるだろう。

私たちは小宮山厚労相や野田首相の猛省を求めるものです。

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コメント

この声明を弊blogに転載させていただけないでしょうか?よろしくご検討下さい。ご承諾いただけるようでしたら、誠に厚かましいお願いで恐縮ですが、メールにてご一報いただけると幸いです。

投稿: 堺からのアピール事務局・前田純一 | 2012年6月 1日 (金) 06時31分

私は無免許麻薬中毒の人に車で跳ねられ 障害者になり 生活保護とわかり 差別を受け 今でも同じマンションの人に小バカにされ 同じマンションの男性からある人には1万円で体どうと言われて悔しい クーポン 現物至急反対です

投稿: ゆりの | 2012年12月25日 (火) 07時12分

生活保護でいじめられて障害者であることを理解されないとはね。この辺に見えない格差を感じます。

投稿: | 2012年12月27日 (木) 20時03分

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