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2012年7月13日 (金)

医療保護入院の改定―――福祉新聞より

■精神科入院 保護者の同意不要に
■権利擁護に代弁者
■厚労省法改正へ見直し案
 厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」(座長=町野朔・上智大教授)は6月28日、精神保健福祉法に定める入院制度の見直し案をまとめた。医療保護入院について保護者の同意がなくても医師の診断で行えるよう改めるほか、患者本人の権利擁護のために代弁者を選べるようにする。厚労省は今後、精神保健福祉法の改正案を検討し、来年の通常国会への提出を目指す。
 精神保健福祉法で定める入院制度は、①患者本人が同意する任意入院②本人の同意を得られない場合に保護者の同意を要件とする医療保護入院③自傷他害のある人を対象に都道府県知事が行う措置入院──がある。1年間に精神科病院に入院する患者は約38万人いるが、そのうちの40%(14万人)が医療保護入院で、4%(5000件)が措置入院となっている。
 医療保護入院をめぐっては「権利擁護が不十分」「必要性があっても保護者の同意がないと入院できないと退院できないため、入院が長期化しやすい」「保護者の負担が大きい」などの問題が出されていた。
 また、措置入院については「入院中・退院時の都道府県の関与が具体的に示されていない」「都道府県間で適用のばらつきがある」などの問題が指摘されていた。
 検討チームの見直し案では、医療保護入院について①保護者の同意を必要としない入院手続きにする②入院当初から早期退院を目指した手続きを導入する③権利擁護のために本人の気持ちを代弁する人を選べるようにする④早期退院を促すよう入院に関する審査を改める──こととした。
 具体的には、精神保健指定医1人の診察で入院できるようにし、入院後早期(例えば72時間以内)に病院の退院支援担当者が本人・家族から聞き取りをし退院に向けて支援することを明確に伝えるほか、入院から10日以内に都道府県に提出する入院届に合わせて入院診療計画も提出するよう改める。
 入院診療計画は、権利擁護のために設けられている精神医療審査会で審査し、入院後1年までは本人または代弁者の参画の下で、入院期間の更新の必要性を審査する。1年経過後は、病状や退院に必要となる支援・環境などを病院から報告してもらい、審査会が退院に向けた具体的な指示ができるようにする。
 代弁者については、家族や精神保健福祉士などが想定されているが、具体的な選任手続きなどは今後検討する。
 また、医療保護入院の見直しに合わせ、精神保健福祉法第34条に定める「移送」について、保護者の同意要件を外すほか、対象者の緊急性の要件を撤廃する。
 一方、措置入院については、入院中・退院時の都道府県(保健所)のかかわりを具体的に示し、措置権者である都道府県に責任があることを明確にする。都道府県間でばらつきがある通用については、今後さらに分析・検討を進める。
 見直し案はこのほか、精神障害者の支えを家族だけが担う仕組みから、地域全体で支える仕組みへと改めることが必要不可欠だと指摘。1950年の精神衛生法以来、基本的に変わっていない精神保健医療の仕組みを抜本的に転換させるため、今後も検討を重ねるよう求めた。

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