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2012年8月

2012年8月30日 (木)

社会保障は極力圧縮

福祉新聞より

■13年度予算の概算要求
 政府は17日の閣議で、2013年度予算の概算要求基準を決定した。社会保障費は8400億円の自然増分の加算を認めた上で、生活保護の見直しなどで極力圧縮に努めるとした。
 概算要求基準は、「中期財政フレーム」を順守し、国債費を除いた歳出を71兆円に抑える方針を明記。その上で、7月末に決定した日本再生戦略で掲げた「エネルギー・環境」「健康」「農林漁業」の最重要3分野や、東日本大震災からの復興対策に予算を重点配分する考えを示した。
 最重要3分野は特別重点要求枠として、「エネルギー・環境」は予算削減額の4倍まで、「健康」「農林漁業」は2倍まで要求できる。その他の再生戦略の関連施策は重点要求枠として、1・5倍まで要求可能とした。また、震災の復興対策予算は特別会計に計上し、要求に上限は設けない。
 社会保障費は、高齢化などに伴う自然増分を加算した額の範囲内で要求する。ただ、財源は明示しておらず、生活保護の見直しなど合理化・効率化に取り組み、極力圧縮に努めることを条件にした。
 医療保険における70歳以上75歳未満の患者負担の取り扱いは、社会保障・税一体改革大網に沿って検討。児童手当(旧こども手当)や高校の実質無償化は、所要額を要求する。
 このほか、公共事業などの政策経費は、前年度比で10%削減する。
 各省庁は、9月7日までに概算要求を提出する。政策経費の削減で稔出できる額は1兆円程度にとどまる一方、特別重点要求枠と重点要求枠の要求額は2兆~4兆円となる見込み。要求総額が71兆円を上回るのは確実で、年末の政府予算案決定までに厳しい絞り込み作業が行われる。
 閣議後の記者会見で小宮山洋子・厚生労働大臣は「社会保障費は、自然増分が確保される。特別重点要求できる3分野の一つに『健康』があり、めりはりの利いた要求ができる。生活保護の見直しは、社会保障制度改革推進法の表現と同じで、今までと特に変わったことはない。具体的な見直しは秋以降、社会保障審議会の特別部会で検討したい」と述べた。

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2012年8月25日 (土)

生活保護を「生け贄」とする平成25年度予算概算要求基準を撤回せよ!

(声明文)
2012(平成24)年8月22日

声なき弱者を犠牲とすることを国是にしてよいのか
 生活保護を「生け贄」とする平成25年度予算概算要求基準を撤回せよ!
                     
生活保護問題対策全国会議  代表幹事 弁護士 尾藤廣喜


1 生活保護を予算削減の「生け贄」とする概算要求基準

 政府は,本年8月17日,2013年度予算の概算要求基準(以下「本概算要求基準」という。)を閣議決定した。
本概算要求基準は,昨年8月に改訂された「『中期財政フレーム(平成24年度~平成26年度)』に定められた『歳出の大枠』71兆円を遵守する」ことを目的として謳っている。そのために「義務的経費も含めた歳出全般について聖域視せず,」「徹底した歳出の効率化を図る」とし,中でも「特に財政に大きな負担となっている社会保障分野についても,これを聖域視することなく,生活保護の見直しをはじめとして,最大限の効率化を図る。」としている。さらに,別紙(1(1)①)では,年金・医療等に係る経費の高齢化等に伴う自然増(計8,400億円)については容認する姿勢を示しつつ,重ねて「生活保護の見直しをはじめとして合理化・効率化に最大限取り組み,その結果を平成25年度予算に反映させるなど極力圧縮に努める」ものと強調している。
要するに,①「歳出の大枠71兆円」を遵守するために,これまで聖域とされてきた社会保障分野の支出を削る,②そうは言っても,高齢化に伴う自然増(8,400億円)は止めようがないので,その分も含めて生活保護を見直すことで削る,というのである。
しかし,私たちは,このような政府の方針は到底容認できない。


2 生活保護費が増えるのは当然であり,むしろ深化・拡大する「貧困」に対応できていないことが問題である 確かに,近時,生活保護利用者数と生活保護費は年々増加している。しかし,それは,不安定・低賃金の非正規労働者が全労働者の3分の1を超え,失業率も高止まりしたままである等雇用が不安定化していること,高齢化が急速に進んでいるのに年金制度が脆弱で生活保障機能が弱いことなどに起因している。原因は,生活保護制度にあるのではなく,その手前のセーフティネットが脆弱であることにある。「貧困」の拡大によるすべての負荷が生活保護制度にかかっていることが問題なのである。
 しかも,増えたとは言え,わが国の生活保護の利用率(全人口のうち生活保護利用者数が占める割合)は僅か1.6%であって,先進諸国(ドイツ9.7%,イギリス9.3%,フランス5.7%等)の中では異常に低い。これは,生活保護の捕捉率(利用資格のある者のうち実際に利用している者が占める割合)が2~3割り程度と,これも異常に低いことに起因している。現在の日本では,700万から1000万人もの人々が,本当は生活保護を利用すべきなのに利用できていないのである。
 今年に入ってから,札幌市,さいたま市,立川市,南相馬市などで、これまでハイリスクとは捉えられていなかった複数世帯での餓死・孤立死事件が相次ぎ,貧困のさらなる深化・拡大とセーフティネットの破綻がますます明らかとなっている。
 すなわち,今の日本は,生活保護利用者が増えて当然の社会構造にあり,むしろ,貧困の深化・拡大に生活保護利用者の増加が追いついていないことこそが問題なのである。この事実を冷静に直視する必要がある。


3 財政目的での生活保護の抑制は餓死・孤立死・自死等を必ず招く
 1で述べたとおり,本概算要求基準では,社会保障や生活保護を「聖域視しない」という言葉が繰り返されており,自民党政権末期の小泉政権下で掲げられた「聖域なき構造改革」路線が亡霊のごとく復活している。
 小泉政権は,「骨太の方針(経済財政運営と構造改革に関する基本方針)」によって,社会保障費の削減策を相次いで打ち出した。その結果,「厚生労働省の直轄地」「生活保護行政の優等生」と言われた北九州市において,2005年から2007年にかけて3年連続で生活保護をめぐる餓死・自死事件が相次いで起こった。同市では,生活保護予算を年間300億円以下に抑える等の「ヤミの北九州方式」と呼ばれる徹底した歳出抑制策を講じたがため,こうした悲劇が頻発した。
こうした社会保障費の抑制策に対する国民の厳しい批判が沸々と沸き起こって,歴史的な政権交代につながったことは記憶に新しいところである。
そもそも,生活保護制度は,憲法25条が保障する生存権を具体化した「最後のセーフティネット」と言われる制度である。「最後」ということは,そこで受け止められなければ後には何もないということである。まさに,人の命,生き死にに直結する制度である。だからこそ,本来,財政的見地から給付を制限するようなことがあってはならず,健康で文化的な最低限度の生活は,必ず保障しなければならないのである。
にもかかわらず,こうした生活保護制度をターゲットとして,財政的見地から抑制,削減を図ればどうなるか。その結果は自ずと見えている。困窮者は否応なく餓死,孤立死,自死,貧困ゆえの犯罪に追い込まれ,全国各地であまたの悲劇が生まれるであろう。


4 今ほど生活保護の役割が大きくなっているときはない。なのになぜ生活保護を狙い打ちするのか。
 
 上記のとおり,今ほど生活保護の役割が大きくなり必要とされているときはない。にもかかわらず,なぜ生活保護が狙われるのか。それは,第1に,生活保護の削減は,基礎年金の削減を招き,さらに,就学援助金等各種低所得者施策の限度額の引き下げにつながるからである。これによって,国・企業の「貧困層」に対する財政支出(負担)を節約することができる。また,第2には,生活保護を利用している人々は,高齢・障がい・疾病等さまざまなハンディを抱え,孤立させられ,声をあげにくい状況に追いやられているからである。また,他の社会保障分野に比べて,私たちを含めて当事者や支援者の運動が,残念ながら,まだまだ全市民的な広がりをみせるまでに浸透しきれていない状況にあるからである。要は,弱くて叩きやすいからターゲットにされているのである。
 しかも,今回人気お笑いタレントの母親の生活保護利用を自民党議員らがやり玉にあげたことによる異常なバッシング報道の余波で,今や,生活保護に対する悪しきイメージが定着している。政府・財務省は,この時期を狙って,生活保護を叩けば,強い反発もなく,自民党政権時代からの懸案であった生活保護基準の引き下げ等も実現でき,社会保障費全般の抑制へと大きく舵を切ることができると見ていると思われる。
 つまり,政府は,最も弱い立場にある生活保護制度をいわば「生け贄(スケープゴート)」として叩いてみせることによって,歳出削減をアピールし,他の制度への波及効果も狙っているのである。これは,憲法で保障された「生存権」を無視し,今こそ生活保護制度が果たすべき重要な役割を全否定する,国家権力による弱い者イジメ以外の何ものでもない。
しかし,民主党は,「国民の生活が第一」をスローガンに政権交代を果たし,社会保障の充実を謳って社会保障・税一体改革を推進し,消費増税法案を可決成立させるや否や,今度は「聖域なき歳出の効率化」を謳い,国民・市民の「生存」に直結し,それを底支えしている生活保護をあえて標的として削減しようというのである。言行不一致もはなはだしいものというべきである。
 

5 私たちは黙ってはいない!

 私たちは,こうした憲法無視や背信を許すことはできない。
 私たちは,心ある政治家に対して,歴史的な政権交代が起きた背景から目を背けず,憲法25条に基づく,所得再分配機能の強化,雇用と社会保障の充実に向けた政策提言と実行を期待する。
 また,厚生労働省に対し,年末の予算編成に向けて,国民・市民の生存権を守る立場に立ち,生活保護も含めて必要な社会保障予算については堂々と増額要求することを期待する。
 さらに,マスコミに対して,目下の日本の貧困者が置かれている状況を直視し,なぜそうした状況が生まれているのかを現場から取材し,事実に基づく冷静で科学的な報道をすることを期待する。
 そして,今の政治の動きに不信と憤りを抱くすべての人々に対して,ともに立ち上がり,声をあげ,行動することを呼びかける。私たちは,これ以上黙っていない。

以 上

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2012年8月22日 (水)

人生ここにあり

イタリアのバザーリア改革を描いた映画「人生ここにあり」がDVDとなってツタヤでレンタルできます。もしまだ見ていないという方は是非ご覧になることをお勧めします。

私が見たのは去年の上映の時だったので、細部は覚えていませんが、バザーリアの改革がどのように波及したのかがよくわかるものでした。映画は精神障害者」の作業所を描いています。薬漬けの中で、いまの日本の作業所と変わらない退屈で非生産的な労働を強いられているところから、薬漬けを脱し、生産的な労働に変わっていく姿を描いています。

バザーリア改革と言っても、バザーリア一人ではどうしようもありません。バザーリアもトロツキストと言われ、精神科医の多くは非協力的でした。そこをどのようにして突破していったのかの一端が垣間見られました。

非常に優れた映画です。

また新しいイタリア映画でバザーリアを描いたものが自主上映されます。「むかしMattoの町があった」というものです。もともとはイタリアでテレビで放映されたものです。まだオープニングの上映しか決まっていませんが、検索すると出てきます。

いずれも、イタリアの改革とは逆方向を向いている日本のおかしさが浮かび上がる映画です。新しい映画の上映運動を広げていきましょう。

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2012年8月20日 (月)

政府が医療観察法検討結果発表

厚労省・法務省は医療観察法の見直しの必要はないという検討結果を発表した。実態を反映しない「検討」もはなはだしい。今精神医療を覆っている医療崩壊。東京以外の地方大病院には精神科医がいなくなりつつある現状を拡大しているのが観察法だ。精神医療国家予算の大半が観察法につぎ込まれ、精神医療の貧困の最大の原因になっている。魅力のない精神科に医者は集まらない。その結果は観察法にも反映し入院から通院に変わったとたんに、この貧困な医療の中に放り込まれることになる。

その他にも、入院の長期化が、平均値の陰に隠れてしまっている問題がある。2年以上の長期在院者がいるがそれが報告の中には反映していない。またその問題とも共通するが、発達障害者など、本来精神医療の対象ではない人が収容されている。その場合「治療効果が上がらない」という名目で入院が長期化して、退院のめどが立たない。

こういう、検討結果を見直させる運動が必要だ。

以下、福祉新聞より

■医療観察法 早急な改正は不要
■厚労・法務省 施行状況を検討

 厚生労働省と法務省は7月31日、医療観察法(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療および観察等に関する法律)の施行状況の検討結果を公表した。「施行状況はおおむね良好で有効に機能している」として、早急な法改正の必要性は認められないとした。

 検討は、両省が同法の付則第4条に基づいて国会に報告した統計データの分析と、実務に携わっている16人の関係者へのヒアリングを踏まえて行われた。

 2005年7月15日から10年7月31日までの約5年間の施行状況によると、審判について①当初審判では、1078人の入院決定、324人の通院決定、303人の不処遇決定がされる一万、60人の申し立て却下決定がされた②入院中の対象者の退院等審判では、2102人の入院継続等確認決定、475人の退院許可決定、119人の処遇終了決定がされた③通院中の対象者の処遇終了等審判では、138人の処遇終了決定、13人の通院期間等延長決定、10人の再入院決定がされた──とした。

 入院処遇については、入院した人のうち608人が退院し、平均在院日数は574日だった。
 地域社会における処遇は799人に行われ、475人が退院許可決定、324人が通院決定を受けた。

 一方、ヒアリングでは「審判の申し立ての前提となる検察官の責任能力の判断や捜査段階の精神鑑定について、評価や診断の差異が大きい」「入院期間の長期化への対応や指定入院医療機関の医療の質の向上が課題」「地域での受け入れ先や住居確保が困難」などの意見が出された。

 こうした意見などを踏まえ、まとめでは①立法当時にあった「身体拘束が行われる」といった懸念は払拭されてきている②社会復帰を促すため、入院段階から地域の医療・保健・福祉関係者、社会復帰調整官との連携が図られている③地域社会における処遇は、関係機関による援助が処遇実施計画に基づいて的確・円滑に行われている──などと評価。「早急に法改正をすべきとまでは認められない」と結論づけた。

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2012年8月18日 (土)

郵便局がおかしい

お盆休みの間、郵便配達が乱れています。これは休みの人が多くて要員配置ができないせいかと思います。休みが終わったら正常化されることを願っています。

ところが、郵便局に勤めている人に聞くと、そう簡単なことではないというのです。今要員不足は深刻で、全体の2割3割の欠員があるのも例外ではないというのです。郵便配達は今では、しんどい割に賃金が安いので定着率が悪いそうです。欠区というその日は配達しない区域が当たり前にあるというのです。そういえば、配達のない日がよくあることに気が付きます。

事態は深刻で、管理職の底が抜けているそうです。昔は管理職はいかに正常に郵便を配達するかを考える存在でした。今はそんなことに管理職の関心はないというのです。欠区ができても平然としているそうです。管理職はいかに職員の発言力や団結力を削ぐかしか考えていないのです。そのために配達力を削いでしまう施策をどんどん平然とするのです。その典型が配転です。これには局を越えたものと局の中の班を越えたものとがあります。ベテランで多くの区を覚えている人を配転してしまうのです。当然配達力はどんどん落ちていきます。

管理職や郵便局会社は、配達力をどんどん落としてでも局員の発言力や団結力を削ぎ落した方が良いと考えているのです。そのあおりを受けて、欠区が当たり前、配達されない日があっても当たり前の郵便局になっているのです。

これが小泉行革です。

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2012年8月13日 (月)

10月14日の集会のチラシ

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今年も秋の障害者の集いを行います。皆さんの集いへの参加と賛同をお願いします。

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2012年8月10日 (金)

生活保護は恥じゃない。デモンストレーションの報道

生活保護:「恥じゃない」利用者ら霞が関をデモ
毎日新聞 2012年08月08日 21時24分(最終更新 08月08日 21時46分)
http://mainichi.jp/select/news/20120809k0000m040075000c.html

 「命をつなぐ生活保護は恥じゃない」。生活保護の利用者や支援者らが8日、東京・霞が関の官庁街周辺をデモ行進した。

 当事者の声を知ってもらおうと有志が企画、約100人が参加した。
「苦しい時みんなで使おう生活保護」「改悪にNO」などと書かれたボードを持った参加者が「厚生労働省は当事者の声を聞け」「財務省は人の命(にかかわること)を財源(の有無)で語るな」などと、それぞれの庁舎前で訴えた。

 生活保護を巡っては3月時点の受給者が過去最多の210万人を超え、お笑い芸人が母親への扶養義務を果たさなかったことが批判されたことなどから、「バッシングの声が高まり制度改悪につながるのでは」と不安の声が上がっている。【遠藤拓】

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生活保護 最後のとりで 失明、車いす…役所は「働けないのか」
2012年8月9日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012080902000121.html

 私たちの暮らしを左右する社会保障と税の一体改革関連法案が、国会で与野党の攻防の「取引材料」にされた八日。その周辺をあるデモ隊が練り歩いた。「生活保護は恥じゃないぞ」。声を張り上げた多くは、いま生活保護を利用している人たちだ。
 (小川慎一)

 「ぜひ知っておいてほしいことがあります。生活保護は最後のとりでなんです」。東京・霞が関周辺の車道。車いすで生活する日笠方彦(まさひこ)さん(51)=東京都練馬区=は、歩道にいるサラリーマンたちに訴えかけた。この日デモに参加したのは百三人。支援団体の呼び掛けなどでつながった。

 生活保護を利用して十年。一九九五年三月、自宅でバイクの修理中、タンクに移し替えたガソリンにたばこの火が引火し、大やけどを負った。会社を解雇され、再就職が決まったばかりだったというのに、両目の視力、左足は膝から下、両手も親指以外を失った。

 退院後、千葉県内の施設に入所したが、「ここで死ぬのではなく、街に出たい」と一人暮らしを決めた。銀行口座の残高が二千円となり、生活保護を申請することに。だが役所の窓口で男性職員から言われた一言は思いがけないものだった。

 「あなた、働けないんですか」  日笠さんは「まさか自分に言っているとは思わなかった」と話す。ハローワークに電話しても、できる仕事はないと言われ続けてきた。口座残高を見せた途端に、職員が女性に交代し、申請の手続きが順調に進んだことを、今でも忘れられないでいる。

 「いま振り返ると、水際作戦だったのかな」と日笠さん。
保護費抑制のため、申請用紙を渡さないなどして、間口を狭くしている自治体もあるとされる。窓口で門前払いされ「おにぎりを食べたい」と書き残して餓死した男性もいた。

 最近では、タレントの母親の受給が問題視されるなど、一般の人たちからの生活保護バッシングともいえるような状況も生まれている。財政難の中、生活保護を抑制しようという動きは国でも地方自治体でも強まる。消費税が増税されて生活が厳しくなっても、制度そのものが手厚くなる可能性は低い。

 「国会では、財源か解散かの話ばかりで、ちゃんと僕たちを見ていない」。視力を失ったまなざしが、民意を託されたはずの人々の茶番を見つめている。

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2012年8月 8日 (水)

8・6ヒロシマ平和の夕べ

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8・6ヒロシマ平和の夕べ、集会が行われた。講演を京大原子炉研の小出裕章さんが行った。詳細は関実ブログに出るであろう。ここに書くのは個人的感想です。

小出さんは、日本の原子炉は核武装と同等の意味をもっていることを強調された。ニュークリアという核を意味する英語を原子力と翻訳し、戦争には核、平和利用には原子力という訳を当てはめたことによって、本質が見えなくなった。原子炉を持つことは核兵器製造能力を持つことだ。日本の支配階級はそのことを極めて明確に意識してきた一方で、大衆にはその意味を知らせないようにしてきた。マスコミは支配の道具としての本質を発揮して国民をだます尖兵を買って出た。今日マスコミの信頼性は地に落ち、民衆は他の方法で情報を得ている。

しかし彼はまた、だまされた民衆にはだまされたという責任があることを強調する。私は騙されていただろうか?本質は分かったつもりだったが、原発など無くても電力は足りているという確信はなかった点で、やはり騙された責任があるだろう。覚醒した数十万人の背後には、騙されたことを知った数百万人がいることを忘れてはならない。

騙されていた民衆には騙されたという責任がある。

その小出さんが出演し良心的な放送で知られた「たね蒔きジャーナル」が存亡の危機にあるという情報が流れている。まだ確証を得ていないが、支配者にとってはけぶたい番組だ。支配者は真実を民衆がしることを何よりも恐れている。「たね蒔きジャーナル」は同じ過去を持つ沖縄の三上ディレクターと双璧をなす真のジャーナリズムだ。

真実を知ってしまった、物事には両面があることに気が付いた民衆を黙らすことはできない。騙されていた責任は再びは騙されないことで取っていきたい。

今は小さくとも真実を知らせ続ける媒体となることで、「種まきジャーナル」や三上ディレクターと連帯していきたい。

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2012年8月 1日 (水)

日弁連会長声明

社会保障制度改革推進法案に反対する会長声明

民主党、自由民主党及び公明党が今国会で成立を図ることにつき合意した社会保障制度改革推進法案(以下「推進法案」という。)は、「安定した財源の確保」「受益と負担の均衡」「持続可能な社会保障制度」(1条)の名の下に、国の責任を、「家族相互及び国民相互の助け合いの仕組み」を通じた個人の自立の支援に矮小化するものであり(2条1号)、国による生存権保障及び社会保障制度の理念そのものを否定するに等しく、日本国憲法25条1項及び2項に抵触するおそれがある。

すなわち、推進法案(2条3号)は、「年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、国及び地方公共団体の負担は、社会保険料負担に係る国民の負担の適正化に充てることを基本とする」として、年金・医療・介護の主たる財源を国民が負担する社会保険料に求め、国と地方の負担については補助的・限定的なものと位置付けており、大幅に公費負担の割合を低下させることが懸念される。

また、推進法案(2条4号)は、社会保障給付に要する公費負担の費用は、消費税及び地方消費税の収入を充てるものとするとしているが、財源の確保は、憲法13条、14条、25条、29条などから導かれる応能負担原則の下、所得再分配や資産課税の強化等の担税力のあるところからなされなければならない。

さらに、推進法案(4条)は、新設する社会保障制度改革国民会議の審議を経て社会保障制度改革を具体化する立法措置を講じるものとしているが、社会保障制度改革をめぐる国民的議論は、全国民の代表である国会において、全ての政党・会派が参加し、審議の全過程を国民に公開すべきであり、内閣総理大臣が任命する僅か20名の委員による審議に委ねることは民主主義の観点から不適切である。

最後に、推進法案(附則2条)は、「生活保護制度の見直し」として、不正受給者への厳格な対処、給付水準の適正化など、必要な見直しを実施するとしている。しかし、生活保護受給者の増加は不正受給者の増加によるものではなく、無年金・低年金の高齢者の増加と非正規雇用への置き換えにより不安定就労や低賃金労働が増大したことが主たる要因である。むしろ、本来生活保護が必要な方の2割程度しか生活保護が行き届いていないことこそ問題である。給付水準の見直しについては、最も低い所得階層の消費支出との比較により、保護基準を引き下げることになりかねず、個人の尊厳の観点からも是認できない。

当連合会は、2011年の第54回人権擁護大会において、「希望社会の実現のため、社会保障のグランドデザイン策定を求める決議」を決議した。しかし、推進法案は、上記のとおり、社会保障制度の根本的改悪、削減を目指すものとなっており、当連合会の決議に真っ向から反する法案である。

よって、当連合会は、今国会で推進法案を成立させることに強く反対するものである。
2012年(平成24年)6月25日

日本弁護士連合会
会長  山岸 憲司

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