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2012年10月 4日 (木)

物価の下落と生活保護基準についてのメモ

一部の研究者などから、物価が下落しているので、生活保護基準が少々下がっても健康で文化的な最低限度の生活は保障し得るといった旨の指摘がなされることがある。自民党などは生活保護10%カットを主張している。
総務省が公表している消費者物価指数をみると、平成22年を100とした場合、平成23年の総合指数は99.7と、0.3下がっているという。
あらゆる商品等の物価が均一に変動するわけでは無論なく、たとえば、耐久消費財の下落が大きい(テレビ30.9%、ビデオレコーダー40.0%、パソコンはデスクトップ型が39.9%、ノート型で24.0%、カメラ28.0%の下落)反面、衣食住を中心とする「10大費用」は全体として0.3%しか下落していない。食料が0.4%、住居が0.2%、被服及び履物は0.3%とその下落幅はきわめて小さく、そればかりか光熱・水道は3.3%、交通・通信では1.2%物価が上昇している。前年比で上昇幅の大きかった品目のひとつに灯油があり、18.4%の上昇となっている。物価の変動と生活保護基準を連動させる立場からは冬季加算の増額が検討の俎上にのぼらねばならないはずである。
すなわち、いわゆる衣食住についてみると、下落幅は0.9%に過ぎず、他の品目の動向を加味しても、基本的な生活費に関わる物価が大幅に下落しているといった状況ではない。(家具・家事用品は5.6%と相対的に下落幅が大きく見えるが、その内訳をみると、一般家具の下落幅は2.2%に過ぎず、頻繁に購入する必要性が低い家事用耐久材19.6%や冷暖房用器具10.1%といったところの下落幅が大きいのである)。いずれにせよ、自民党の提案である生活保護基準10%削減正当化の根拠を物価の変動に求めることはできないであろう。

また、物価指数は政策的に変動させることが可能である。
一例をあげれば、平成22年の総合指数は前年比0.7%下落と、今回よりも下落幅が大きかったが、ガソリンや灯油などの高騰にも関わらずこれが実現したのは、同年4月からの公立高校授業料無償化制度の導入によるところが大きい。

自民党がいう生活保護基準10%削減の根拠になるような数字はどこにもない。それではいったい、この10%という具体的な数字はどこから出てきたものと考えればよいであろうか。消費税率を10%に上げた際に、消費税導入時、5%への消費税率アップ時と同じようにその税率分の生活扶助基準アップをせざるを得なくなったとしても、現在の基準に戻るにすぎない状態をつくっておきたいということであろう。少なくとも現状以上に生活保護基準を上げることを避け、あわよくば現状よりも基準を下げる、その数字が10%なのだと考えればわかりやすいのではないだろうか。

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