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2012年12月 7日 (金)

社会保障切りすて、生活保護制度改悪の流れ

生活保護をめぐる、この間の流れを整理していきたいと思います。
8月10日、社会保障制度改革推進法が成立しました。生活保護の給付抑制を明記。社会保障の主要財源は消費税とする。国の財政悪化の原因は社会保障の伸びにあると明記しましたが、これは大嘘です。社会保障費は公共事業費に比べてもはるかに少ないのです。金持ち減税、大企業減税と土木予算が今の財政悪化を招いた原因です。それを少ない社会保障費をさらに削るというのが「推進法」です。
8月17日、13年度予算の概算要求基準が閣議決定。生活保護予算削減を明記しました。
生活保護制度をめぐる流れをもう少し俯瞰すると、2011年2月に、厚生労働省社会保障審議会に生活保護基準部会設置。12年後半に取りまとめの予定です。厚労省は生活保護基準の引き下げの方向を打ち出しています。
12年4月社会保障審議会に「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」設置。12年秋から冬めどに生活支援戦略を策定。ここに9月末、厚労省の「生活支援戦略」案が出された。生活保護に関して就労指導の強化、資産調査権限の強化を謳うものです。扶養困難な場合の説明義務付けをすると言います。誰かが生活保護を受ける場合、親族が扶養できないという理由の説明を義務付けるもので、家族関係の破壊と障害者・弱者の家族のもとへの縛り付けです。
11月17日、生活保護を事業仕分けの対象としました。
総選挙をめぐり
自民党は、給付水準の10%引き下げ、現金給付から現物給付へなどの生活保護制度見直しを公約としました。
維新の会は、現金給付から現物給付へ。最低賃金制廃止、解雇規制の廃止の一方で、企業減税・金持ち減税を公約としました。
「不正受給」は多いのか
生活保護の不正受給は2010年で1.8%、金額にして0.4%に過ぎません。不正は良くないが、それが制度を揺るがすようなものではありません。また働ける人が生活保護で怠けているというキャンペーンは本当なのでしょうか?数字で実際に見ていきます。
生活保護を世帯別にみると、高齢者世帯が42.9%、傷病者・障害者世帯33.1%、稼働年齢とされる18歳~64歳の「その他世帯」は16.4%です。よく言われるのはこの16%が怠け者だという説です。本当でしょうか?
高齢者世帯の定義は「65歳以上の者のみで構成されている世帯」なので、夫婦で片方が64歳以下なら世帯ごと「その他世帯」になります。中程度以下の障害や傷病の場合も「その他世帯」になります。「その他世帯」に相当数の障害者・傷病者が含まれます。また「その他世帯」の3分の1は働いているけれども収入の少ない人です。「その他世帯」の年齢構成をみると70歳以上9%、60歳から69歳が22%、50歳から59歳が24%、19歳以下が18%、合わせて73%が年齢的に就労困難な人です。残りの27%の中に相当数の障害者・病者が含まれているのですから、働けるのに生保を受けている人はごく少数です。その中には非正規雇用で職を失った人などが相当数含まれます。低賃金で貯蓄も出来ない中で失業すれば生保になるのは必然です。
日本の生活保護利用率は1.6%、捕捉率は約20%です。捕捉率というのは収入は生活保護基準以下で実際に生活保護を受けている人の数です。実に800万人が生活保護基準以下の収入にもかかわらず生保を受けていないのです。先進国では捕捉率は高くて9割、低くても5割です。生活保護費のGDPに占める割合は0.5%で、OECD加盟国平均の7分の1に過ぎません。
このような捕捉率の低さの中、1995年から2010年までの統計のある餓死者は累計1084人にのぼります。これが、貧困大国日本の陥っている現実です。

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コメント

OECD加盟国の中で現在日本の社会保障は貧弱ながら、生保の不正受給者、怠け者などの問題を誇張しての生活保護の削減はひどい感じがしますね。

投稿: とくめい | 2012年12月 7日 (金) 21時20分

生活保護は後ろめたいことという風潮がマスコミであおられています。ミニコミの力で押し返したいです。

投稿: | 2012年12月 8日 (土) 11時42分

高齢者4割、傷病・障害者3割、残りの3割に相当数の貧困な母子家庭が含まれているはずです。確か2割くらい。
正規職につけずパートタイムで子育てしている人は、生活保護を受けてどうにか生きて行ける状態と思います。
叔母が5年間くらい、そういう生活でしたが、男の子のトイレは流さないようにして水道代を節約したり、食べ盛りの子達が食事を我慢して、とてもかわいそうでした。10%も引き下げられたら、どんな悲惨な生活になるか。
弁護士で年間7億も稼いでたような人には想像がつかないんじゃないでしょうか。

投稿: | 2012年12月16日 (日) 10時11分

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