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2013年1月30日 (水)

生活保護740億円削減を許すな

低所得者に負担増を強いる生活保護基準引き下げ


 安倍政権は1月29日、生活保護の大幅な引き下げを閣議決定した。今年8月以降実質1年8か月で、生活扶助基準額を670億円(6.5%)下げ、期末一時扶助金を70億円カットし、総額で740億円(7.3%)減額する。同時に医療扶助などを450億円削減し、また、働いている受給者に認められている必要経費を110億円減額する。受給者の96%が減額され、最大で10%の減額が行われる。とくに子育て世帯が大きな減額となる。
 だが問題はそれに留まらない。生活保護水準を基準としている低所得者への減免制度に影響が及ぶ。住民税の非課税世帯は約3100万人いる。生活保護費と連動して最低ラインが下げられ課税対象となる世帯が増える。また介護保険料や、医療費の自己負担上限、障害者総合支援法の自己負担などが生活保護費と連動しており、自己負担が増える。また最低賃金も連動して下げられるので、労働者の賃金相場にも影響が出ると考えられる。211万人の生活保護受給者にとっての大問題であるだけでなく、他人事と見過ごしていたらとんでもない目に合うのだ。
 この引き下げに先立ち、社会保障審議会生活保護基準部会が報告を出したことをマスコミは大きく報じた。世帯によっては比較した低所得者より2万6千円収入が多いなどと大々的に報じられ、それが引き下げの理由であるかのように論じられた。それは真っ赤な嘘だ。まず比較対象の低所得者には「健康で文化的な最低限の生活の保障」である生活保護費よりも所得の少ない人が、厚労省が認めただけでも35%含まれる。実際には、生活保護費より少ない所得の人が800万人いる。その現実を何とかすべきなのであって、その水準より生活保護費を下げろという議論自体がおかしいのだ。
 しかしそれだけではない。この議論からは全体で約90億円下げるというのが結論になるはずだった。民主党政権の時に厚労官僚はそう描いていたようだった。しかしそれだけでは自民党の選挙公約である10%引き下げに届かない。そこで厚労官僚が思いついたのが、デフレで消費者物価が下がっているというストーリーだったのだ。580億円はデフレ分だというのだ。政府は5.6%も物価が下がっているという。普通に考えて物価は上がっており、下がっているという実感はない。カラクリがあるのだ。まず比較対象となっている2008年は原油価格上昇で飛びぬけて物価の高かった年だ。また、生活必需品はそんなに下がっていないが、消費者物価には家具・家電製品などが含まれる。パソコンの値崩れに典型的だが、家具・家電製品は大幅に値下がりしている。低所得者が家具・家電製品を買う機会は少なくその恩恵を受けてはいない。しかし、それらが下がっている分の5.6%を負担せよというのだ。
 生活保護受給者は211万人おり決して小さな問題ではない。生活保護受給者だけの問題ではない。3100万人の非課税世帯の多くが手取り収入を減らされるのだ。安倍は「強い経済」という言葉を躍らせることで参議院選を乗り切ろうとしている。その中身が低所得者に負担増を強いることなのだ。インフレになり、消費税が増税されればより影響は大きい。低すぎる最低賃金を大幅に上げ、非正規雇用という働かせ方を解消することから始めなければ貧困問題は解決しない。貧困問題をより深刻にする安倍政権や維新の会に任せておいてはならない。

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