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2013年5月

2013年5月31日 (金)

本日衆院委員会で採決

生活保護法改正案 口頭申請を容認 4党合意
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013053002000111.html
2013年5月30日 朝刊

 自民、公明、民主、みんなの四党は二十九日、政府提出の生活保護法改正案の修正で正式に合意した。申請手続きを厳格化する規定を緩和する。民主、みんな、生活、社民の四野党と与党がそれぞれ議員立法で国会に提出した子どもの貧困対策法案の一本化でも大筋合意した。生活困窮者自立支援法案と合わせて三法案は三十一日に衆院厚生労働委員会で可決される見通し。


 政府の改正案は、申請時に資産や収入などを記した申請書の提出と省令で定める書類の添付を義務付けた。これに対し、専門家や支援者から、地方自治体の窓口で申請を拒む「水際作戦」を助長すると批判が出た。


 民主党は二十八日、口頭による申請を認め、事情があれば保護の決定までに書類を提出すればよいとする対案を決定。二十九日に民主、自民、公明、みんな、日本維新の会の五党の実務者が協議した結果、維新が態度を留保したのを除き、四党が民主党の対案による修正で合意した。


 改正案に盛り込まれた(1)自治体は保護開始時に扶養義務者に書面で通知(2)扶養義務者の収入や資産の報告を勤務先や銀行に求め、調査できる-との規定は修正されなかった。


 子どもの貧困法案に関しては、子どもの貧困率を改善する努力義務を政府に課す条文を与党案に付け加える方向で調整している。


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2013年5月29日 (水)

続報

困窮死の女性、実母に金の無心 窓口で生活保護の相談も
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013052901000801.html?ref=rank
2013年5月29日 05時49分

 大阪市北区のマンションで、遺体で見つかった住人とみられる母子について、母親の井上充代さん(28)が昨年10月ごろの転居前、生活保護の相談をし、実母には金を無心していたことが29日、捜査関係者らへの取材で分かった。

 井上さんの口座の残金は二十数円で、しばらく前から通帳も記帳していなかったことも判明した。

 捜査関係者らによると、井上さんは昨年7月4日、大阪府守口市の生活保護担当の窓口に「仕事が見つからなければ経済的に不安定になりそうだ」と相談に訪れた。窓口の職員は仕事が見つからない場合は相談に来るよう伝えたが、その後訪問することはなかった。

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2013年5月27日 (月)

母子が餓死

こういう問題で「それ見たことか」というようなことは言いたくないのですが。起きたことは悲惨です。関西では大きく取り上げられています。
大阪で母子が餓死か 「いいもの食べさせたかった」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG27054_X20C13A5CC1000/

 大阪市北区天満のマンションの部屋で母子とみられる2人の遺体が24日に見つかり、
室内から「子供にもっといいものを食べさせたかった」という趣旨のメモが見つかった
ことが27日、捜査関係者への取材で分かった。大阪府警天満署は、生活に困窮して餓死
した可能性が高いとみている。

 捜査関係者によると、2人はこの部屋に住む井上充代さん(28)と、息子の瑠海(る
い)ちゃん(3)とみられる。部屋に冷蔵庫はなく、食べられる物は食塩だけだった。
電気やガスは止められ、現金は見あたらなかった。井上さん名義の預金口座の残高は数
十円だった。

 司法解剖では2人の死因は特定できなかったが、目立った外傷はなく、井上さんの胃
には内容物がなかった。死亡時期は今年2月ごろで、瑠海ちゃんが先に死亡したとみら
れるという。

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部屋に女性と幼児の遺体 餓死の可能性
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130527/k10014869741000.html

大阪・北区のマンションの1室で女性と幼い子どもが遺体で見つかり、部屋には「食べ
させられなくてゴメンね」と書かれたメモが残されていました。
メモは女性が書いたとみられ、警察は2人が餓死した可能性もあるとみて、調べていま
す。

今月24日、大阪・北区天満のマンションの1室で女性と幼い子どもの遺体が見つかり
、警察は2人で暮らしていた井上充代さん(28)と息子の瑠海くん(3)とみて確認
を進めています。
警察のその後の調べで、部屋から女性が残したとみられるメモが見つかり、「食べさせ
られなくてゴメンね」と書かれていたことが分かりました。
部屋には食べ物がほとんどなく、女性の胃に内容物はなかったということです。
また、口座の残高はほとんどなく、電気やガスも止まっていたということです。
2人はことし2月ごろ死亡したとみられていますが、目立った外傷はなく、部屋の鍵は
かけられた状態だったということで、警察は2人が餓死した可能性もあるとみて調べて
います。

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2013年5月23日 (木)

27日から行動週間に

問題の多い法案が来週、国会審議されます。

生活保護法改悪案は衆院先議で、24日衆院厚労委で趣旨説明ののち、29(水)、31(金)、衆院厚労委員会で審議されます。

精神保健福祉法改悪案は参院先議で、24日趣旨説明ののち、28(火)参院厚労委員会で審議されます。これに対して、全国「精神病」者集団の山本真理さんがハンストします。27(月)から30(木)まで朝10時から17時まで、参議院議員会館前で何も食べずに座り込みます。近くの方はぜひ応援に行ってください。

このように、問題法案が来週国会に掛かります。来週を行動週刊として、取り組みましょう。

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2013年5月20日 (月)

各紙社説

沖縄タイムス社説[生活保護法改正]申請萎縮が懸念される
2013年5月19日 09時37分

(37時間7分前に更新)

 生活保護制度へ厳しい目が向けられる中、政府は不正受給対策を強化した「生活保護法改正案」と、受給手前の生活困窮者に向けた「自立支援法案」を閣議決定した。
 自立を後押ししながら、受給者への厳格な対応も打ち出す内容で、成立すれば1950年の制度施行後、初めての本格改正となる。 
 決定した生活保護法改正案では、不正受給の罰金を現行の「30万円以下」から「100万円以下」に引き上げ、返還金には4割まで加算できるペナルティーをつける。
 保護申請時には、本人の資産や収入を書き込んだ書類の提出を求め、申請者を扶養できないという親族に対しては、理由の報告も要求する。
 背景にあるのは、人気タレントの母親が保護を受けていたことをきっかけに相次いだ「不正受給」報道や、生活保護バッシングである。
 もちろん不正受給へは厳正に対処すべきだ。だからといって申請手続きまでも厳格化するのは、問題が違う。
 そもそも住む所もない路上生活者や着の身着のまま逃げてきたDV被害者が、預金通帳や給与明細、年金手帳といった収入が証明できるものを持っているだろうか。
 北九州市で生活保護の申請を拒まれた男性が孤独死し問題になった時は、家族の扶養義務を重視しすぎた対応が指摘された。死亡した男性は妻と離婚しており、子どもとの関係も複雑だったからだ。
 引き締め策が保護のハードルを高め、必要な申請をためらう事態を招かないか、心配される。
    ■    ■
 法案のもう一つの柱は、自立のための施策の強化だ。
 生活保護法改正案では、就労を促すため、働いて得た収入の一部を積み立て、保護から脱却した後に支給する「就労自立給付金」をつくる。
 自立支援法案では、生活保護に至らないよう、仕事と住居を失った人に家賃を補助する制度を恒久化する。
 受給者の就労インセンティブを高め、保護を受ける一歩手前の人たちに「安全網」を設けるのは、必要な対策といえる。
 ただ自治体で先行する就労支援が、思ったような成果を挙げていないのが気になる。いったん就職しても長続きしないという。
 対象となる人たちは、職業訓練を受ける機会に恵まれず、社会的にも孤立してきたケースが多い。仕事に就いた後も寄り添う「伴走型」の支援でなければ、有効に機能しないということだろう。
    ■    ■
 生活保護を受けている人は1月時点で約215万人。過去最多を更新し続けている。
 貧困の広がりとは裏腹に、受給者に対するまなざしは厳しさを増している。
 そもそも生活保護は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を権利として具体化したものである。生活保護の見直しで一番重要なのは、誤解や偏見のないよう制度の趣旨を社会全体で共有することではないか。
 法改正に求められているのは、不正受給対策と同時に、本当に困っている人がいつでも安心して使えるよう安全網を再構築することだ。
琉球新報社説
生活保護改正案 申請手続き厳格化は疑問
2013年5月20日

 不正受給対策を強化する生活保護法改正案と、生活困窮者自立支援法案を政府が閣議決定した。
 不正受給は許されないし、生活困窮の負の連鎖を断ち切る支援策の拡充も必要である。しかし今回の改正案は、不正受給対策を名目に手続きを過度に厳しくし、法制度を骨抜きにすることにならないか、疑問を禁じ得ない。
 改正案では罰則を強化し、不正分の返還金にペナルティーとして4割加算できるようにしたほか、受給者を扶養できないとした親族に理由の報告を求めることとした。
 問題なのは、生活保護の申請時に、受給者本人の資産や収入などを書き込んだ書類を提出することを明記したことだ。
 現行運用では、住居の賃借契約書や預貯金通帳などの必要書類は申請後に求められれば提出することも可能だが、改正案はこれら書類が申請時にそろっていなければ受け付けないとの趣旨だ。
 しかし、これは厳しすぎる。実際に生活に困窮し、一刻も早く支援を必要としている人に対し、書類が用意できないのなら申請するなとでも言うのか。受給者支援団体などから「申請窓口でシャットアウトする『水際作戦』を合法化するものだ」と反発が上がるのも無理はない。
 政府は「運用はこれまで通り」として、書類不備を理由に窓口で門前払いしないように各自治体に通知するという。しかし運用が変わらないのなら、なぜ法律を改めて明記する必要があるのか。
 不正受給者の割合は受給者全体のごく一部との指摘もある。その対策を重視するあまり、受給のハードルを上げるのは、現在でも本当に必要としている人に行き届いていないとされる生活保護制度を、さらに形骸化させかねない。
 一方政府は、生活保護に至らないよう仕事と住居を失った人に家賃を補助する制度を恒久化するなどの方策を打ち出した。こういった自立支援策は着実に推進してもらいたいが、これは何も、生活保護受給の申請手続きを厳格化しなければできないというものではあるまい。
 生活保護費のうち「生活扶助」の基準額が8月から3年程度かけて段階的に引き下げられる。申請手続きの厳格化案は「最後の安全網」としての生活保護制度をさらに危うくする恐れがある。国会での慎重審議を求めたい。

朝日新聞社説

生活保護改正―弊害が出ないか心配だ

 貧困に陥った人を保護から遠ざける結果を招かないか。国会審議を通じて、現場への影響を慎重に見極める必要がある。
 安倍内閣が生活保護法の改正案を閣議決定した。今国会での成立を目指す。
 懸念が二つある。
 一つは、生活保護を申請するときのハードルである。
 改正法案では、申請時に収入や資産を記した書類を本人が提出することを明記した。
 当たり前のように思えるが、厚生労働省は08年に「保護を申請する権利を侵害しないこと」を求める通知を出し、事情があれば口頭の申請も認めた。
 というのも、福祉事務所では過去、保護費の膨張を抑えようと、色々と理由をつけて申請を受け付けない「水際作戦」が横行したからだ。困窮者の餓死事件を引き起こしたとされ、大きな社会問題になった。
 今回の改正案は、下げたハードルを再び上げたように映る。
 厚労省は「運用は変わらない。口頭での申請も認める」と説明する。書類が必要なことは施行規則に書かれており、それを法律にしただけという。
 現場からは疑問の声も聞こえてくる。
 年金や医療保険は、本人が保険料を支払うことが給付の要件になる。一方、「最後のセーフティーネット」である生活保護では、保護の必要性を証明する最終的な責任は行政側にあるとの認識が浸透してきた。
 しかし、申請書と生活困窮を証明する書類の提出が明記されることで、その立証責任が本人に移り、支給をめぐるトラブルの際、申請者側に過重な負担がかかりかねないという。
 もう一つの懸念は、役所が親族に収入や資産の報告を求めるなど、扶養義務を果たすよう働きかけやすくしたことだ。
 昨年、人気お笑い芸人の母親が生活保護を受けていたことなどをきっかけに、世間には怒りの声が満ちた。それを受けた措置だが、親族の勤務先まで連絡がいく可能性があると知れば「迷惑がかかる」と、申請をためらう人も増えそうだ。
 こうした引き締め策は、悪意のある申請の抑止より、保護が必要で誠実な人を排除する弊害のほうが大きくならないか。
 自民党の議員からは「生活保護は運用を厳しくすれば減らせる」という声も上がる。
 だが、「水際作戦」で餓死が発生したら、世間の怒りはまた行政に向くだろう。バッシングの矛先が、受給者と行政を行き来する。不毛な繰り返しは、もう見たくない。

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2013年5月19日 (日)

年金の目減り

これは、障害年金、老齢年金とも生活保護と併給されている人には関係ない話です。障害年金、老齢年金の金額が生活保護以上にあるなどの理由により、年金のみの人に関係のあることです。

アベノミクスなどにより物価が上がった場合でも、年金は物価上昇率に正比例しては上がらず、差額が出て実質目減りします。物価上昇率が高いほど差額が大きくなるので、年金の実質目減りが大きいそうです。アベノミクスで安倍は年金も上がるから損はないと思わせる説明をしていますが、これは嘘です。この仕組みはマクロ経済スライドと名付けられています。下に解説を付けておきます。物価が下がった時には物価に対応するが、物価が上がっても物価には即対応しないという仕組みです。自公民で決めた制度だそうです。年金を100年安心な制度にするという謳い文句ですが、受給者にとっての安心ではありません。年金財政の放漫財政や少子高齢化の責任を受給者が取らされる格好です。物価スライドも平均値でしか対応しないので低年金の人にはつらい下げ率ですが、マクロ経済スライドも低年金者にしわ寄せされます。このように弱いところから取らずに応能負担にすべきと思います。

ウィキペディアより、マクロ経済スライド

ここでは、国民年金を例にとって説明する(国民年金法については以下、法とのみ記述する)。

少なくとも5年に1度の年金財政は検証され(法4条の3第1項)、将来の財政均衡期間にわたり年金財政の均衡を保つことが出来ないと見込まれる場合は、年金の給付額の「マクロ経済スライド」と呼ぶ調整を行うとされる(法16条の2第1項など)。従来の年金受給額は物価スライド制度として賃金や物価の伸びに応じて増えていた。そして、2005年度から適用期間となった(令4条の2の2など)。

法27条の4に規定があり、マクロ経済スライドについて「調整率」と法律上されているが、5年前の年度から2年前の年度までの各年度の公的年金被保険者等総数の増加率の相乗平均(1項1号)に平均寿命の延びによる給付の増加額を抑えるための一定の指数である0.997(2号)を乗じて得た率を基準とする数値である。厚生労働省の予測では、おおむね0.991になることが予想されている。

そして、調整期間において新規裁定者については名目手取り賃金変動率に調整率を乗じた数値を基準として改定率を定め(法27条の4第1項)、既裁定者(68歳になる年度以降)は物価変動率に調整率を乗じた数値を基準として改定率を定めること(法27条の5第1項)を原則としている。

マクロ経済スライドの仕組みは、賃金物価がある程度上昇する場合(調整率を上回る場合)にはそのまま適用されるが、賃金や物価の伸びが小さく、この仕組みを適用すると名目額が下がってしまう場合には、調整は年金額の伸びがゼロになるまでに留められ名目の年金受給額はを下がることは無いとされる(法27条の4第1項ただし書、27条の5第1項ただし書)。

また、賃金や物価の伸びがマイナスの場合には、賃金や物価の下落の相当分は年金額は下がるが、年金財政の均衡を保つことが出来ない事を理由に年金額を下げることは無いとされる(法27条の4第2項2号ないし4号、27条の5第2項1号、5号及び6号)。しかしながら、マクロ経済スライド制の採用は年金給付額を引き下げる方向に働くとも考えられている。

なお、平成16年改正法附則7条、12条により、2000年度から2002年度までの物価変動率分-1.7%分を反映しないまま据え置いたので、まず、その分を吸収する2005年の物価指数(これ以後に2005年の物価指数より物価指数が下がればその年度)から1.7%の物価上昇があるまで、物価スライド特例が適用され、それを上回ることになって、初めて本則が適用されることによって、マクロ経済スライドが初めて適用される制度となっている。

物価上昇率が2012年現在低迷していて、マクロ経済スライドによる年金額(780,900円×改定率)のほうが、物価スライド特例措置による額(786,500円)よりも低くなっているので、2012年度における実際の年金額は、物価スライド特例措置による額となっている。なお厚生年金においても同様の事態となっている。

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2013年5月18日 (土)

生活保護改悪反対のチラシ

生活保護法が改悪されようとしています。広く市民に訴えて、改悪反対の世論を盛り上げましょう。以下チラシをアップします。

Seiho002
「seiho001.pdf」をダウンロード

http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-129.html


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2013年5月15日 (水)

声明概要版

漫画付きの概要版です。

「130513.pdf」をダウンロード

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緊急声明

                          2013(平成25)年5月15日

違法な「水際作戦」を合法化し、親族の扶養を事実上生活保護の要件とする
「生活保護法改正法案」の撤回・廃案を求める緊急声明
                     

                           生活保護問題対策全国会議
                           (代表幹事 弁護士 尾藤廣喜)

第1 はじめに
 現在,国会において審議されている平成25年度予算案では,「生活保護制度の見直し」によって450億円の財政効果を果たすとしていた。そして,いよいよ自民党厚生労働部会は,本年5月10日,生活保護法改正法案(以下,「改正法案」という。)等を了承し,政府は,これを受け,増え続ける保護費を抑制する狙いで,今国会での成立を目指していると報道されている。
 しかしながら,本改正法案は,これまで違法とされてきた「水際作戦」を合法化・法制化し,保護の要件ではない扶養義務者の扶養を事実上保護の要件化するという,現行生活保護法の根本を前近代的復古的内容に変更する驚愕すべき内容を含んでいる。
これらの内容は,生活保護制度の見直しについて諮問されていた社会保障審議会の「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」の報告書にも全く触れられておらず,これまで議論の対象にさえなっていない。
 しかも,配布されているポンチ絵や法律案要綱にも,全く触れられておらず,こっそりと隠されている。
 わが国の生活保護の利用率,捕捉率は,ただでさえ先進国中で異常に低い状況にあるが,仮に,本改正法案が成立し施行されることとなれば,より一層,生活保護を必要とする生活困窮者が生活保護を利用できなくなり,餓死者,自殺者,親族間殺人等の犯罪の多発という戦慄すべき事態を招くことが必至である。
   本改正法案は,何としても廃案とされなければならない。

第2 違法な「水際作戦」の合法化(改正法案24条1項2項)
1 現行法,確立した裁判例と厚生労働省通知の内容

 現行生活保護法は,保護の申請は,書面によることを要求しておらず,申請時に要否判定に必要な書類の提出も義務づけていない(現行法24条1項)。口頭による保護申請も認められるというのが確立した裁判例であり,保護の実施機関が,審査応答義務を果たす過程で,要否判定に必要な書類(通帳や賃貸借契約書等)を収集することとされている。
 しかし,実際の実務運用においては,要保護者が生活保護の申請意思を表明しても申請書を交付しなかったり,申請時には必要ない疎明資料の提出を求めて追い返す事例が少なからず見受けられたが,これらの行為は,申請権を侵害する違法な「水際作戦」と評価され,数々の裁判例においても違法であると断罪されてきた。
 そのため,厚生労働省も,「保護の相談に当たっては,相談者の申請権を侵害しないことはもとより,申請権を侵害していると疑われるような行為も厳に慎むこと。」として(実施要領次官通知第9),繰り返し現場に警鐘を鳴らしてきた。
 
2 改正法案24条1項2項の内容
 ところが,改正法案24条1項は,「要保護者の氏名及び住所」等だけでなく,「要保護者の資産及び収入の状況(生業若しくは就労又は求職活動の状況,扶養義務者の扶養の状況及び他の法律に定める扶助の状況を含む)」のほか「厚生労働省令で定める事項」を記載した申請書を提出してしなければならないとし,同条2項は,申請書には要否判定に必要な「厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない」としている。
 すなわち,改正法案は,これまで口頭でも良いとされていた申請を必要事項を記載した書面の提出を要する「要式行為」とした上で,要否判定に必要な書類の提出までも必須の要件としている。
 
3 改正法案24条1項2項の効果(=「水際作戦」の合法化) 
 改正法案24条1項及び2項が成立すると,必要とされる事項をすべて申請書に記載し,必要とされる書類をすべて提出しない限り,申請を受け付けないことが合法となる。つまり,これまでは,申請意思が表明されれば,まずはこれを受け付けて,その後に実施機関の側が調査権限を行使して,保護の要否判定を行う義務を負っていたものが,逆に,要保護者の側が疎明資料を漏れなく提出して自身が要保護状態にあることを事実上証明しなければならなくなる。
 これは,これまで違法であった「水際作戦」を合法化・法制化することによって,多くの生活困窮者を窓口でシャットアウトする効果をもつ。
 「生活保護は、憲法25条に定められた国民の基本的人権である生存権を保障し、要保護者の生命を守る制度であって、要保護状態にあるのに保護を受けられないと、その生命が危険にさらされることにもなるのであるから、他の行政手続にもまして、利用できる制度を利用できないことにならないように対処する義務がある」(後記注2小倉北自殺事件判決)にもかかわらず、生活保護を必要とする状況にある生活困窮者に申請時に今回の法改正案のような負担を課せば、客観的には生活保護の受給要件を満たしているにもかかわらず申請を断念に追い込まれる要保護者が続出する危険性が高い。
 また、自治体の福祉事務所が誤った説明で要保護者を追い返す違法行為が後を絶たない現状で、書面を提出しなければ申請と認められないことになれば、後で争いになっても違法行為を行った行政側が「書面で申請書が提出されていない以上申請とは認められない」と強弁する口実を与えることになる。

第3 扶養義務の事実上の要件化(改正法案24条8項,28条2項,29条)
1 現行法と厚生労働省通知の内容

 現行生活保護法は,扶養義務者の扶養は保護の要件とはせず,単に優先関係にあるものとして(現行法4条2項),現に扶養(仕送り等)がなされた場合に収入認定してその分保護費を減額するに止めている。
 しかし,実際の実務運用においては,あたかも親族の扶養が保護の要件であるかのごとき説明を行い,別れた夫や親子兄弟に面倒を見てもらうよう述べて申請を受け付けずに追い返す事例が少なからず見られ,札幌市や北九州市などにおいては,追い返された要保護者が餓死死体で発見され社会問題となってきた。
 これらも,明らかに違法な「水際作戦」であるため,厚生労働省は,「『扶養義務者と相談してからではないと申請を受け付けない』などの対応は申請権の侵害に当たるおそれがある。また,相談者に対して扶養が保護の要件であるかのごとく説明を行い,その結果,保護の申請を諦めさせるようなことがあれば,これも申請権の侵害にあたるおそれがあるので留意されたい」との通知を発出して(実施要領課長通知問第9の2),現場に警鐘を鳴らしてきた。
 
2 改正法案24条8項,28条2項,29条の内容
 しかし,改正法案28条2項は,保護の実施機関が,要保護者の扶養義務者その他の同居の親族等に対して報告を求めることができると規定している。
また,改正法案29条1項は,生活保護を申請する「要保護者の扶養義務者」だけでなく過去に生活保護を利用していた「被保護者の扶養義務者」について,「官公署,日本年金機構若しくは共済組合等に対し,必要な書類の閲覧若しくは資料の提出を求め,又は,銀行,信託会社・・雇主その他の関係人に,報告を求めることができる」と規定している。
 つまり,生活保護を利用しようとする者や過去に利用していた者の扶養義務者(親子,兄弟姉妹)は,その収入や資産の状況について,直接報告を求められたり,官公署,年金機構,銀行等を洗いざらい調査され,さらには,勤務先にまで照会をかけられたりすることとなるというのである。
 さらに,改正法案24条8項は,「保護の実施機関は,知れたる扶養義務者が民法の規定による扶養義務を履行していないと認められる場合において,保護の開始の決定をしようとするときは,厚生労働省令で定めるところにより,あらかじめ,当該扶養義務者に対して厚生労働省令で定める事項を通知しなければならない。」と規定されている。厚生労働省令でいかなる事項が定められるのかは現時点において定かではないが,本声明の末尾に添付した文書例のような通知が想定される。すなわち,扶養義務者に対し,上記の関係機関や雇主等への調査権限の存在(改正法案29条1項)や,十分な扶養が行われていない場合には事後的に要保護者本人に支弁された保護費の支払い(徴収)を求められる場合があること(現行法77条1項)を告知したうえで,その収入,資産状況と扶養の可否や程度の報告を求める(改正法案24条8項)という内容である。端的に言えば,正直に収入や資産状況を告白し,できうる限りの扶養(仕送り等)を行わなければ,官公署・銀行,さらには勤務先にまで洗いざらい調査をかけ,事後的に本人に支弁した保護費の支払いを求めることがあるぞと受け取れる「脅し」の文書が想定されるのである。

3 改正法案24条8項,28条2項,29条の効果(=扶養の事実上の要件化)
 上記のとおり,親子,兄弟等の親族が生活保護の申請をすれば,その扶養義務者は,その収入や資産状況を勤務先も含めて洗いざらい調査され得る立場に立つことになる(仮に,本人が生活保護から自立しても,生活保護を利用していた期間については生涯調査の対象となる)。そして,保護の開始決定前にその旨の警告を受けるのであるから,扶養義務者としては,無理をしてでも扶養を行うよう努力するか,保護の申請をした本人に申請を取り下げるよう働きかけるであろう。
 これは,扶養を事実上保護の要件とするのと同じ効果を持つことが明らかである。
 生活保護を利用しようとする者の親族もまた生活に困窮していることが多く,仮にそうでなくても,関係が悪化したり疎遠になっていることが多い。扶養を事実上強制されることとなれば,生活に困窮する者の大多数が生活保護の利用を断念せざるを得ず,さらには,親族間の軋轢を悪化させる事態が容易に想像できる。

第4 改正法案のその他の問題点
1 後発医薬品の使用促進(改正法案34条3項)
  改正法案34条3項は,「被保護者に対し,可能な限り後発医薬品の使用を促すことによりその給付を行うよう努めるものとする。」と規定している。
 法文上,後発医薬品の使用を義務づけるとはされていないものの,敢えて明文化することによって事実上使用を強制する効果を持つ危険が高い。

2 被保護者の生活上の責務(改正法案60条)
 改正法案60条は,被保護者に「健康の保持及び増進に努め,収入,支出その他生計の状況を適切に把握する」という「生活上の責務」を負わせている。
生活保護利用者の中には,精神的又は知的な障がいや依存症(アルコール,ギャンブル)等のために健康管理,家計管理に支障を来す人も一定数存在する。求められているのは専門的個別的な治療や支援であるが,一方的に被保護者に責務を課すことは,本人を追い込み,問題をこじらせる危険が高い。

3 保護金品からの不正受給徴収金の徴収(改正法案78条の2)
 改正法案78条の2は,不正受給の徴収金(法78条)を保護金品から徴収することを認めている。
法文上,本人の申し出を前提とはしているが,敢えて法文化されることによって,事実上強制され,保護金品の差押え禁止(法58条)規定に違反する結果となる危険が高い。
                                         以 上

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2013年5月14日 (火)

生活保護法改正案 議論なく申請厳格化

2013年5月14日 東京新聞朝刊
 政府が自民党に十日に提示した生活保護法改正案に、保護の申請を厳格化する項目が盛り込まれていたことが十三日分かった。これまでの政府や与党内の議論ではほとんど取り上げられていない内容で、関係者や専門家、受給者の支援団体などから「本当に生活保護を必要とする人が利用できなくなる」「制度の根幹に関わる見直しをこっそり隠すやり方は問題だ」と批判が出ている。政府は十七日にも閣議決定して国会に提出する方針だが、野党が反発するのは必至だ。 (上坂修子)
 改正案は申請時、本人の資産や収入、扶養義務者の扶養状況を記した申請書を提出し、必要な書類を添付しなければならないと新たな規定を設けた。現行は施行規則で住所、氏名、保護が必要な理由を書いた書面を提出すればよく、資産や収入までは入っていない。判例で、口頭での申請も認められている。申請の意思を明確に示すことが難しい人もいるからだ。
 保護の開始時、扶養義務者に書面で「省令で定める事項」を通知することも盛り込まれた。
 生活保護受給者と過去に受けていた人の扶養義務者の収入や資産の状況について官庁や銀行、勤務先、日本年金機構などに報告を求め、調査することができるとの項目も入った。
 制度見直しを議論してきた厚生労働相の諮問機関・社会保障審議会「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」の宮本太郎部会長(中央大教授)は「部会では議論されなかった。(部会がまとめた)最終報告にも入っていない。保護が必要な人への心理的な脅威になることは避けるべきだ」と指摘した。
 生活保護問題対策全国会議の事務局長を務める小久保哲郎弁護士は「これまで違法とされてきた(自治体が窓口で申請を受け付けない)水際作戦を法制化するもので、多くの保護が必要な人を窓口で追い返す効果がある」と批判した。
 厚労省社会・援護局保護課は取材に「政府としては与党に法案審査をしていただいている段階なので、現時点での個別の条文についてのコメントは差し控える」と答えた。

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2013年5月13日 (月)

生活保護法改悪案

○  保護の実施機関等は,保護の決定等のため必要があると認めるときは,要保護者又は被保護者であった者の扶養義務者の資産及び収入の状況等について,官公署,日本年金機構,共済組合等に対し,必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め,又は,銀行,信託会社,雇人(勤務先)その他の関係人に報告を求めることができます(生活保護法29条1項)。

上記は10日に自民党厚労部会が了承し、17日にも閣議決定される生活保護法の改悪案の内容です。怒りネットの交渉では厚労省は扶養義務は民法で規定されたことであり、厚労省として強化する意図はないと繰り返したはず。マニュアルでは強化しないとまで言っていました。ところが出てきた法案は、扶養義務者の勤める会社にまで照会をかけるという内容。だましもひどいのではないか。怒りネットでも抗議声明を出す必要があるのでは?また、マニュアルができたらもらうことになっていましたが、この問題だけでの再交渉もしてはどうでしょうか?それほどひどい内容です。

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2013年5月11日 (土)

5月8日の厚労省交渉の報告

生活保護問題で2つの流れで改悪が進められている。一つは扶助費の削減の動き。これは今年度以降の予算の問題だ。もう一つは生活保護法改悪の流れ。17日にも閣議決定される。法と制度の改悪では家族、親族に対し扶養義務を強化し、ジェネリック医薬品を義務する動きがある。この日の厚労省交渉ではその話がメインに行われた。家賃扶助費の問題と扶助費削減の質問も用意していたが、時間切れとなった。交渉は45人が参加。大半は様々な障害者だ。厚労省側は保護課の係長などの4人。
厚労省はこの場を乗り切ればよいと思っているのか、その場逃れの答弁に終始するが、それを許さない質問が浴びせかけられた。
扶養義務は民法の規定であり、強化する意図はないと厚労省は言う。厚労省の出した課長級会議文書は強化と読めるかもしれないが、具体的なマニュアルではそう書かないと言う。話をずらし過ぎと感じた。マミュアルができたらもらうことになった。再交渉もありだ。
一般家庭の息子・娘が親元から自立する時には生活保護が適用されない。差別的な親元から自立しようとする障害者は、お金があったり支援者がいたら自立生活に移行して生活保護を受けることができるが、そういう条件がなければ家を飛び出しホームレスになってからしか保護が受けられない。なんと冷酷な制度であることか。
ジェネリック医薬品(薬価の安い後発薬)を義務化する意図はないという。効能、主成分が一緒だったらジェネリックとして承認されるので、含有成分が違うものはあるそうだ。「精神障害者」は薬のどの成分が実際に効いているのか分からないからジェネリックを嫌がる人は多い。しかし、医者が処方箋書いたら本人は納得していなくてもジェネリックにしないといけない。それは医者と患者の問題で厚労省は感知しないと。医者と患者の関係が悪ければどうする。医者にジェネリックを使うように圧力かけている。医者を説得できなければ拒否できない。どれだけの人が医者と対峙できるか。
次回、扶助費の問題に絞って7月までに再交渉を設定することに。生活実態から迫っていきたい。

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2013年5月 7日 (火)

厚労省交渉

5月8日怒りネットの厚生労働省交渉を行います。生活保護をテーマにした交渉です。13時集合です。交渉は14時から16時です。衆院第一議員会館第1会議室です。第一議院会館の1階入り口付近で通行証を配布します。

厚労省が自民党に提示した生活保護法改悪案では、家族による扶養義務を強化するため、扶養できない時には理由を明示するように義務付けます。障害者が自立生活をするときには、生活保護による場合が多くあります。障害年金では金額が足りず、生活できない人が多いからです。扶養義務の強化はその自立を妨げるおそれがあります。
ジェネリック医薬品についての質問も出してあります。
予算による扶助費切り下げも問います。

怒りネットは障害者団体なので、扶養の問題にこだわりますが、全般的な問題についても交渉します。厚労省に問うてみたいという方はご参加ください。

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2013年5月 4日 (土)

パブコメ案

厚労省のパブリックコメント用の文章を作りました。文字数制限が2000文字なのでギリギリです。ご検討をお願いします。文章を加えるという意見は削るところも指定してください。何々の文章を入れ、どこそこの文章を削るという具合にお願いします。



一言でいって、社会保障制度解体推進法である。

 特に見過ごせないのは、第2条に「家族相互」という文言が入ったことである。介護保険成立はすでに社会保障・福祉の公的責任の解体ではあった。しかし、「介護の社会化」が建前であった。即ち、高齢者問題は、家族でのみ担えるものでなく社会全体で担うものという考えで作られたはずである。しかし、今回、「家族相互」とい文言が入り、再び「家族」の役割が強調されたのである。しかも、それが政策提言とかそういったものでなく、法の文言となったことは極めて重大である。障害を持つものは、家族からさえ、疎外・抑圧されている現状がある。私たちにとって家族からの自立こそが求められているのである。

 同法は、以上を基調に、社会保障・福祉を限りなく自己責任原則に追いやろうとしている。

第1に、保険制度を基本とするということである。社会保険制度とは、保険料の支払いと引き換えに給付を受けるということを基本とすることは言うまでもない。即ち、社会保障・福祉を売りかいすることが基本的在り方である。

第2に、「国及び地方公共団体の負担」の主要な財源を消費税とすることである。消費税が所得に対する逆進性をもつものであることは言うまでもない。貧しきものがより負担するということが社会保障・福祉といえるであろうか? 

 社会保障・福祉は、所得や収入が増えるほど支払う税率も高くなるという累進課税をもって所得の再分配を行うことでしか成り立たないのである。社会保障・福祉は、本来、国家等行政が、その財源を持って行なうものである。財源の中心は税であることは言うまでもない。税の制度が、所得に対して累進税をもたず、富める者も貧しきものも同じ税率、あるいは消費税のように所得の多寡と対応しないものであれば、それは結局、それぞれが自己負担しているのとなんら異ならない。

「所得税法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第十三号)附則第百四条の規定の趣旨を踏まえて」というが、同附則でさえ「 個人所得課税については、格差の是正及び所得再配分機能の回復の観点から、各種控除及び税率構造を見直し、最高税率及び給与所得控除の上限の調整等により高所得者の税負担を引き上げる」、あるいは「資産課税については、格差の固定化の防止、老後における扶養の社会化の進展への対処等の観点から、相続税の課税ベース、税率構造等を見直し、負担の適正化を検討する」としているのである。即ち、格差の是正・所得再分配の必要性に触れているのである。しかしながら、社会保障制度改革推進法はこの点に何ら触れていない。

 「負担と給付の適正化」とは何であろうか? 「給付と負担の適正化」とは、所得税、法人税等に所得の再分配機能を担わせず、「給付と負担の不公平感」なる仮像を生み出し、民衆の中に分断を持ち込み、社会保障・福祉を解体しようとするもの以外のなにものでもない。

 第3に、同法が、「不正受給」を取り上げて、生活保護の縮小・切り捨てを行うことを宣言していることである。これを法として規定していることは極めて重大である。生活保護費が近年増大したのは「不正受給」の問題ではないことは明らかである。失業と貧困の蔓延が原因である。政府は、国際競争力強化の下、派遣をはじめとする不安定雇用を蔓延させ、資本強化のリストラを後押してきた。また、規制緩和の名のもとに、中小独立自営業者の生業を破壊してきた。その責任をごまかし、生活保護の切り捨てをもってするなど断じて許されない。

第4に、同法が、国及び地方公共団体の財政悪化の原因を、社会保障制度にかかわる負担のみにしていることである(第一条)。それが政府見解とかではなく法として規定されたことは極めて重大である。財政悪化は、無駄な公共事業や防衛費の拡大、他方での法人税や高所得者に対する減税がおもな原因であることは明らかである。そもそも、憲法にあるように、戦後、日本はいわゆる「福祉国家」を目指したのであり、したがって、社会保障・福祉・医療に一番財源が充てられることは前提である。この前提の上で、財政運営はなされるべきが当然である。まさに、政府の失策を社会保障・福祉に押し付け、これを解体しようとする、ためにする文言でしかない。

第5に、第3に、医療保険給付の対象となる療養や、介護保険の保健医療・福祉「サービス」の範囲の「適正化」である。はたして、現在、医療、介護、障害者福祉、生活保護などあらゆる社会保障・福祉で給付が十分すぎると感じる人がどれだけいるのだろうか?「適正化」というならば、更なる給付の拡大・充実こそが求められているのである。さらに「患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行い、特に人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備すること。」と脳死臓器移植法、尊厳死法案と連動している危惧を感じる。

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