« 厚労省交渉 | トップページ | 厚労省交渉 »

2013年5月 4日 (土)

パブコメ案

厚労省のパブリックコメント用の文章を作りました。文字数制限が2000文字なのでギリギリです。ご検討をお願いします。文章を加えるという意見は削るところも指定してください。何々の文章を入れ、どこそこの文章を削るという具合にお願いします。



一言でいって、社会保障制度解体推進法である。

 特に見過ごせないのは、第2条に「家族相互」という文言が入ったことである。介護保険成立はすでに社会保障・福祉の公的責任の解体ではあった。しかし、「介護の社会化」が建前であった。即ち、高齢者問題は、家族でのみ担えるものでなく社会全体で担うものという考えで作られたはずである。しかし、今回、「家族相互」とい文言が入り、再び「家族」の役割が強調されたのである。しかも、それが政策提言とかそういったものでなく、法の文言となったことは極めて重大である。障害を持つものは、家族からさえ、疎外・抑圧されている現状がある。私たちにとって家族からの自立こそが求められているのである。

 同法は、以上を基調に、社会保障・福祉を限りなく自己責任原則に追いやろうとしている。

第1に、保険制度を基本とするということである。社会保険制度とは、保険料の支払いと引き換えに給付を受けるということを基本とすることは言うまでもない。即ち、社会保障・福祉を売りかいすることが基本的在り方である。

第2に、「国及び地方公共団体の負担」の主要な財源を消費税とすることである。消費税が所得に対する逆進性をもつものであることは言うまでもない。貧しきものがより負担するということが社会保障・福祉といえるであろうか? 

 社会保障・福祉は、所得や収入が増えるほど支払う税率も高くなるという累進課税をもって所得の再分配を行うことでしか成り立たないのである。社会保障・福祉は、本来、国家等行政が、その財源を持って行なうものである。財源の中心は税であることは言うまでもない。税の制度が、所得に対して累進税をもたず、富める者も貧しきものも同じ税率、あるいは消費税のように所得の多寡と対応しないものであれば、それは結局、それぞれが自己負担しているのとなんら異ならない。

「所得税法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第十三号)附則第百四条の規定の趣旨を踏まえて」というが、同附則でさえ「 個人所得課税については、格差の是正及び所得再配分機能の回復の観点から、各種控除及び税率構造を見直し、最高税率及び給与所得控除の上限の調整等により高所得者の税負担を引き上げる」、あるいは「資産課税については、格差の固定化の防止、老後における扶養の社会化の進展への対処等の観点から、相続税の課税ベース、税率構造等を見直し、負担の適正化を検討する」としているのである。即ち、格差の是正・所得再分配の必要性に触れているのである。しかしながら、社会保障制度改革推進法はこの点に何ら触れていない。

 「負担と給付の適正化」とは何であろうか? 「給付と負担の適正化」とは、所得税、法人税等に所得の再分配機能を担わせず、「給付と負担の不公平感」なる仮像を生み出し、民衆の中に分断を持ち込み、社会保障・福祉を解体しようとするもの以外のなにものでもない。

 第3に、同法が、「不正受給」を取り上げて、生活保護の縮小・切り捨てを行うことを宣言していることである。これを法として規定していることは極めて重大である。生活保護費が近年増大したのは「不正受給」の問題ではないことは明らかである。失業と貧困の蔓延が原因である。政府は、国際競争力強化の下、派遣をはじめとする不安定雇用を蔓延させ、資本強化のリストラを後押してきた。また、規制緩和の名のもとに、中小独立自営業者の生業を破壊してきた。その責任をごまかし、生活保護の切り捨てをもってするなど断じて許されない。

第4に、同法が、国及び地方公共団体の財政悪化の原因を、社会保障制度にかかわる負担のみにしていることである(第一条)。それが政府見解とかではなく法として規定されたことは極めて重大である。財政悪化は、無駄な公共事業や防衛費の拡大、他方での法人税や高所得者に対する減税がおもな原因であることは明らかである。そもそも、憲法にあるように、戦後、日本はいわゆる「福祉国家」を目指したのであり、したがって、社会保障・福祉・医療に一番財源が充てられることは前提である。この前提の上で、財政運営はなされるべきが当然である。まさに、政府の失策を社会保障・福祉に押し付け、これを解体しようとする、ためにする文言でしかない。

第5に、第3に、医療保険給付の対象となる療養や、介護保険の保健医療・福祉「サービス」の範囲の「適正化」である。はたして、現在、医療、介護、障害者福祉、生活保護などあらゆる社会保障・福祉で給付が十分すぎると感じる人がどれだけいるのだろうか?「適正化」というならば、更なる給付の拡大・充実こそが求められているのである。さらに「患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行い、特に人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備すること。」と脳死臓器移植法、尊厳死法案と連動している危惧を感じる。

|

« 厚労省交渉 | トップページ | 厚労省交渉 »

-多事争論-」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/517951/57308559

この記事へのトラックバック一覧です: パブコメ案:

« 厚労省交渉 | トップページ | 厚労省交渉 »