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2013年10月 2日 (水)

年金:10万人審査請求へ 減額取り消し求め

2013年9月23日 毎日新聞 東京朝刊

 

 10月から始まる「特例水準」の解消で年金が減額されるのは不当として、受給者らでつくる「全日本年金者組合」が、全国の厚生局(厚生支局含む)の社会保険審査官に減額取り消しを求める審査請求を12月以降、10万人規模で起こす方針を決めた。厚生労働省によると、年金関連の審査請求の数としては過去最多。

 国民年金や厚生年金などの年金額は物価変動に応じて毎年度見直されるが、現在の年金額は本来より高い水準(特例水準)になっている。国は2012年に成立した改正国民年金法に基づき、今年10月に1%、14年4月に1%、15年4月に0・5%と3段階で計2・5%を減額。厚労省の試算では、国民年金を満額受給する人で月約1700円、厚生年金の夫婦標準世帯では5900円程度の削減となる。これに対し、組合側は約11万2000人の加入者の大半となる10万人規模の集団で審査請求を起こす方針を決定。10月分が支給される12月以降、行政不服審査法などに基づき各地で申し立てる。組合の冨田浩康・中央執行委員長は「低年金の高齢者から年金をカットすれば、生存権の侵害だ。負担は仕送り増加などの形で子供世代にもはね返る」と訴える。請求が認められる公算は小さいとみられるが、請求が退けられれば厚労省の社会保険審査会に再審査請求を行い、集団での行政訴訟も検討する。同省によると、社会保険関連の審査請求は12年度の9723件がこれまでの最多。



解説:特例水準解消 審査請求、今後増加も 年金だけで生活、過半数

 10月から始まる「特例水準」の解消で年金が減額されるのは不当として、全日本年金者組合が組合員10万人規模で減額取り消しを求める審査請求を起こす方針を決めたが、審査請求に踏み切る受給者はさらに増える可能性がある。厚生労働省によると、国民年金だけを受給する年金生活者は2011年度時点で約810万人に上り、平均受給額は月約5万円。貯蓄や仕送りがない場合は生活保護を受給しているケースも少なくないからだ。

 そもそも特例水準は国が高齢者の生活に配慮した措置だ。前年度の物価が下落した00~02年度の3年間に、本来なら年金額を引き下げるところを特例的に年金額を据え置いた。しかし12年の国民生活基礎調査によると、高齢者世帯の平均所得(約304万円)のうち公的年金・恩給(約210万円)は69・1%を占める。公的年金・恩給だけで生活している高齢者世帯も全体の56・8%に上る。こうした状況は、高齢者の生活に配慮して特例水準を採用した10年前(02年)の調査でもほぼ変わっていない。さらに特例水準が解消されれば、今後は物価の上昇局面で上昇率ほど年金額が伸びなくなる。年金財政の安定化を理由にした国の対応だが、受給者側から見れば、時宜にかなっているとは言い難い。国は15年10月から低所得の年金受給者に給付金を支給するが、高齢者の年金暮らしの多くは一層厳しくなりそうだ。

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