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2013年11月20日 (水)

生活保護法案 参院委可決 申請に壁、扶養義務強化

2013年11月13日 東京新聞 朝刊
 

 参院厚生労働委員会は十二日、生活保護費の抑制策を盛り込んだ生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案を自民、公明の与党や民主党などの賛成多数で可決した。
 民主党以外の野党では日本維新の会とみんなの党が賛成。共産、社民両党が反対した。両案は衆院より先に、参院で審議が行われている。政府・与党は十三日の参院本会議で可決して衆院に送り、今国会中に成立させる方針。改正案は保護の申請時に、本人の資産や収入などを記した申請書の提出と所定の書類提出を義務付けるなど、申請手続きの厳格化を盛り込んだ。扶養を断る親族に説明を求めることができるようにするほか、扶養義務者の収入や資産状況について、勤務先や銀行などを調査することができるようにするなど、扶養義務も強化する。不正受給対策として罰則の引き上げや返還金の上乗せも明記。自立支援法案は、自治体に生活困窮者向けの相談窓口設置を義務付ける。政府は両案を先の通常国会に提出。与党と民主、みんなの四党は申請手続きを厳格化する規定を一部緩和する修正で合意。両案は四党と維新や生活の党などの賛成で衆院を通過したが、参院選前の与野党対立の影響で廃案になった。政府は今国会に修正を反映させ、両案を再提出した。

 「拙速だ」関係者ら批判

 参院厚生労働委員会で可決された生活保護法改正案。有識者や関係者から「自治体が窓口で申請を拒む水際作戦が合法化される」と懸念が出ているのに、同委での審議はわずか八時間半。短時間での採決に対し「拙速だ」などと反発が強まっている。同改正案は先の通常国会で、十二時間ほど衆院厚労委で審議されて衆院を通過。参院でも八時間ほど審議されたが、審議未了・廃案になった。今年の通常国会では、マイナンバー法が衆参両院で二十七時間、消費税転嫁法が十九時間、成立までに審議されている。法案に反対する研究者の共同声明の呼び掛け人の一人、布川日佐史(ふかわひさし)法政大教授(公的扶助論)は「貧困が拡大する中では、生活保護を利用しやすくすることが社会保障改革の土台。だが、今回の『改正』はそれに全く逆行する。申請の壁を一層高め、親族に責任をかぶせ、困窮した人たちの利用を難しくする」と指摘。「(成立すれば)生命に関わる事件が各地で起こることになる。慎重な審議と見直しを強く求める」と訴えた。声明には千百二十六人の賛同者が集まった。
 弁護士らでつくる生活保護問題対策全国会議代表幹事の尾藤広喜(びとうひろき)弁護士は「問題点が多いのに、十分な審議をせずに採決したのは極めて問題だ」と指摘。「貧困が進む中で生活保護を利用しやすくするのが大事なのに不正受給対策という名のもとに水際作戦を助長する。成立したら、貧困化がますます進み、餓死、孤立死が頻発するんじゃないかと心配する」と述べた。NPO法人自立サポートセンター・もやいの稲葉剛理事長は「申請手続きが厳格化されるという批判に対し、厚労省は『今までと変わりない』と説明している。それなら、なぜ法律を変える必要があるのか一切説明がなかった。非常に拙速だ」と批判。「衆院は通常国会で一度通過しているので、実質的審議を省く動きがあると聞いている。今まで出てきた問題点にきちんと答えてもらいたい」と、慎重な審議を求めた。

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