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2014年1月11日 (土)

障がい者権利条約とインチグリティ概念【3】

条約の精神は肯定できるものだ。問題はそれを実現することであり、中身を実際のものにする過程なのだ。すでに日本政府は、国連勧告に従う必要はないという閣議決定を別の条約に関連して行っている。条約を批准したからと言ってその中身が実現されるわけではない。国内における制度が、階級の要求となって多数派を占めなければ、骨を抜かれることを経験している。
 このような骨抜きを許さぬことは、現実の闘いでしか実現できない。
障がい者権利条約は「その中身を実現する運動を」追求するのではなく、「現実の運動の中身の後を権利条約が追ってくる」と考えた方が良いのではないか。権利条約の核心的中身のひとつは一七条の「インティグリティ概念」であると言われている。精神と身体への不可侵性とでも訳するのだろう。近年の人権概念の核心と言われているものだ。ところが政府はこの語を「心身の健全」と訳している。これでは何のことか分からない。意図的語訳だ。最近の朝鮮学校への「高校無償化」除外についての国連勧告や日本軍慰安婦問題についての国連勧告に対して、安倍内閣の閣議決定で「法的拘束力はない」と決定した。政府にやらせることの大変さをそれ自体で追求するのも一つの方法だが、現実の運動の後を権利条約が追ってくると考えた方が無駄な労力を使わないで済む。現実には権利条約にいいことが書いてあると現実から逃げる方法として使われていたりする。現実の運動の中で、「権利条約にはこう書いてあるではないか」と要求することで、権利条約の中身が実現されていくのだから、運動の方向性はそれでよいのではないか。

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