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2014年3月20日 (木)

最低生活保障は多くの民衆の課題【1】

多くの民衆の問題である最低生活保障

 日本では憲法25条で生存権が保障されている。健康で文化的な最低限度の生活の保障だ。これは、日本の労働者民衆が歴史的に勝ち取ってきた権利だ。60年安保闘争と密接に関係した朝日訴訟などの民衆的闘いによって生活保障の実体は勝ち取られてきたからだ。
 最低生活保障を具現化するのが生活保護だ。この「保護」という言葉には問題がある。自治体労働者が「保護してやる」という立場に立ってしまう言葉だからだ。固有名詞として使う場合以外は「生活保障」という言葉の方が良い。

捕捉率
 
 日本では捕捉率が低いという問題がある。捕捉率とは、最低生活保障が必要な人の内、実際に生活保護を受けている人の割合だ。民間の研究では15.3%~18%と言われている。厚労省の資料では「国民生活基礎調査」で、所得のみを考慮すると15.3%、資産要件を考慮すると32.1%だと言っている。
 生活保護を受けている人は約216万人(世帯では約159万世帯)なので、最低生活ライン以下の低所得者の人数は1415万人と推計される。人口の10%を超える数字だ。生活保障が特殊な人の問題ではないことを示している。この中には、低年金・無年金者やワーキングプアが含まれる。
 外国と比較すると、スウェーデンの捕捉率は82%、ドイツは64.6%、フランスは91.6%、イギリスは制度が複数あり47~90%。日本の捕捉率がいかに低いかが分かる。
 生活保障はこの1400万人の問題であるだけではなく、生活保護費を基準にしている最低賃金、就学援助や住民税の減免や医療費の減免措置など、多くの低所得者に影響してくる問題なのだ。

無年金・低年金問題 

 日本では低年金、無年金者が多い。将来無年金者になる年金未納者・未加入者は400万人を超える。公的年金加入者の5.7%だ。よく言われている40%の未納率というのは、国民年金のみの加入者に対する割合のことだ。危機感をアジるために言われている数字なのだろう。経済的に苦しければ、手続きをすれば納付免除や先延ばし可能であり、そういう人は将来低年金となる。また国民年金のみの人はもともと低年金であり、他に所得や資産がなければ貧困世帯となる。免除や先延ばしの措置を受ける人は多く、2004年から05年にかけて納付率を3.3%アップさせたほどである。(割り算の分母が減るから率が上がる。)
国民年金のみの人は自営業者400万人、無業者700万人の他、パート・アルバイトなどの非正規雇用の労働者1200万人が含まれる。パート・アルバイトの女性の内24.6%が国民年金のみである。
 低年金の実態は、年金の人の内、男性では所得50万円未満が7.1%、50万~100万が17.3%、100万から150万が13.5%。女性では50万未満が26.8%、50万から100万が40.6%、100万から150万が17.0%である。他の所得や資産がある人もいるし世帯構成にもよるが、仮に100万以下の低年金者の割合を見ると男性で24.4%、女性では実に67.4%に達する。65歳以上の単身女性世帯の所得を見ると150万円以下の世帯は260万世帯であり、女性単身者に低所得者が多い。

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