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2014年7月14日 (月)

フレンズ№100

KSKP
フレンズ


編集人:兵庫県精神障害者連絡会
 ブログ http://ikari-net.cocolog-nifty.com/blog/
フレンズ・ニュース年間会費1000円
郵便振替 00960-1-140519加入者名共生舎
                                      
2014年8月(№100)

 フレンズ例会は8月10日(日)午後2時に、JR兵庫駅改札口で待ち合わせです。近くの兵庫勤労市民センターで行います。今回から開始時間が変更になりました。お間違えの無いように願います。2ヶ月間の近況や悩みやなんでも話し合いましょう(*^。^*)。なんでも話してみたら、悩みが解決するかもしれません。初めての方もどうぞお気軽に参加下さい。

 ニュース今号の内容。★臨時福祉給付金のお知らせ ★生活保護(保護を受けていない方にも影響します。低所得者を代表して生活保護当事者は闘っています) ★「病棟転換型居住系施設」(どの精神障がい者にとっても他人事ではありません。もし一生精神病院で暮らせと言われたらどうですか? 誰でも嫌です。でも厚生労働省は今それを実施しようとしているのです)

今号はフレンズ№100記念です。長かった歴史を思うと感無量です。ひょうせいれんは準備会が1994年6月に始まりました。ニュースを発行しだしたのは96年6月からです。20年間に及ぶ歴史の中で様々なことがありました。しかし会合と電話相談は休まずに続けています。会合がある度にニュースを発行してきました。最近ではほぼ2ケ月に1回のペースです。今後もよろしく。

臨時福祉給付金について

 フレンズ前号でお知らせした「臨時福祉給付金」の申請実務が開始されています。申請は、14年7月から始まっています。対象となる精神障がい者で、まだ必要な書類が届いていないという方は、市に問い合わせた方が良いでしょう。対象となるのは、個人市民税(均等割)が課税されていない人。ただし、課税されている人の扶養親族と生活保護利用者は除かれます。

充分な額を要求しよう

障がい年金はこの4月には、法で決まっている1%が引き下げられましたが、その代わりに物価上昇分の0.3%が引き上げられ、差し引き0.7%の引き下げとなりました。年金は物価が上がっても、それに見合うほど充分には上がらないことになっていました。しかし、年金引下げに反対する人が12万人以上も不服審査請求をした影響で、物価上昇分の0.3%が引き上げの対象となったのではないかと思われます。闘えば見返りがあります。
臨時福祉給付金が1回支給されただけでは十分ではありません。今後も必要な額の低所得者対策を要求し続けて行きましょう。

5・12生活保護基準引き下げ一斉審査請求説明会より

5月12日、大阪で表記の説明会がありました。内容を抜粋して報告します。

生活保護当事者が立ち上がる意味

憲法25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
⇒「生活保護基準」は我が国の「健康で文化的な最低限度の生活」の基準(ナショナル・ミニマムという)になっています。
⇒さまざまな低所得者施策と連動しています。
l  最低賃金は「生活保護施策との整合性に配慮」することになっています。
l  地方税の非課税基準は生活保護費と連動しています。
l  就学援助は生活保護費を基準に決められています。
その結果、生活保護費の引き下げは、生活保護利用者で無い人にも影響し、場合によっては月に2万円の負担増も生じることになりかねません。

なぜ生活保護が狙われるのか

生存権保障の「岩盤」となる制度だから、最初の生けにえ、社会保障削減の突破口と位置付けられて狙われ、引き下げが行われたのです。
いま、社会保障・税一体改革という社会保障削減の攻撃がかけられています。
⇒社会保障制度改革推進法では
l  「自助」(自己責任)を強調し、給付抑制を行うことが決められました。
l  附則2条で「生活保護制度の見直し」が定められました。
「不正受給への厳格な対処、給付水準の適正化、就労の促進などをおこなう。」
「正当な理由なく就労しない場合に厳格に対処する措置等を検討する。」など。
「社会保障国民会議報告書」(2013.8.6)では
医療では、70~74歳の自己負担を1割から2割に増額。紹介状の無い大病院の外来受診の自己負担増。高額医療費の限度額見直し。介護では、年金280万円以上で利用者負担を1割から2割に増額。要支援1、2を介護サービスから除外。特養ホーム入所者を要介護3以上に限定。年金では、支給開始年齢の引き上げ(68歳?)。支給額の引き下げが行われます。

生活保護当事者が立ち上がる意味

生活保護基準そのものを守ることはもちろんですがそれに留まらず、生活保護基準と連動する諸制度の利用者を守ることになります。医療、介護、年金などの他の社会保障制度を守る役割を、生活保護当事者は担っているのです。
⇒日本で暮らす全ての人の代表選手として、最初の社会保障改悪の攻防戦を闘うのです。


既に運動の成果が!

保護基準のナショナル・ミニマム性が浸透した結果、政府は「できる限り他に波及させない」と国会答弁しました。昨年8月の引き下げに対する1万645件の不服審査請求運動が、国会・マスコミで取り上げられた結果です。その成果として、
⇒平成26年度の地方税非課税基準の据置き
⇒多くの地域での就学援助基準の据置き
⇒就学援助との連動が政治課題となり、文科省が調査結果を発表。子どもの貧困対策法にも影響。

広がりをもった運動を!

運動は生活保護利用者だけではなく、社会保障制度全般の運動、障がい者運動などと連動することで広がりを実現することができます。1960年代に保護基準を争った、いわゆる「人間裁判」では当時の安保闘争との呼応もあり、労働運動にも広がり国民的運動となりました。その力で運動は勝つことができたのです。
さまざまな運動体、障がい者運動、年金運動、反貧困運動、労働運動などとの共闘を実現しましょう。幅広さを持つことが肝心です。安倍政治の反動性の激しさは、必ず矛盾を生み民衆は立ち上がります。それとの連動性を持つことです。
決してひとりよがりの要求ではないのですから、民衆を獲得できることに確信を持って、運動を進めましょう。

6・26精神障がい者の集会に3200人

STOP!精神科病棟転換型居住系施設!!緊急集会        髙見元博

6月26日、東京日比谷野外音楽を満杯にする3200人の精神障がい者と支援者が集まりました。「生活をするのは普通の場所がいい、STOP!精神科病棟転換型居住系施設!!緊急集会」です。主催は「病棟転換型居住系施設について考える会」。スローガンは「私たち抜きに私たちのことを決めないで。Nothing About Us Without Us。」
もし、「死ぬまで一生、精神病院で暮らせ」と言われたらどうでしょう?誰でも嫌です。しかし、そんなことをいま厚生労働省は実行しようとしているのです。集会が目指すのは、厚労省が進めている、精神病院の病棟を建て替えてアパートやグループホーム、老健施設にし、病院の入院患者をそこに移して、退院させたことにするという施策に反対することです。厚労省は社会的入院が多すぎるという批判をかわすために、数字上だけ入院者を消そうとしています。同時に、大幅な医療費削減の効果も狙っているのです。そればかりではなく、「元精神障がい者」を隔離し続けるという社会防衛さえも狙っているのです。
文字通りの緊急集会で、わずか3週間前に企画されたにもかかわらず、北海道から沖縄まで全国津々浦々から大勢が集まりました。身体障がい者、視覚障がい者、聴覚障がい者など他障がいや、精神科の労組や作業所の労働者をはじめとする労働者も多い。精神障がい者のための集会にこれだけの人が集まったのは歴史的にも初めてのことです。
病院敷地内の「病棟転換型居住系施設」への「退院」では病院の管理監視下に置かれることにかわりはありません。そんなのは退院ではありません。日本語としても退院とは病院から出ることです。多くの精神障がい者が「嫌だ」と声をあげました。それに応える形で精神障がい者団体や支援者が「考える会」を作り、この日の集会を企画しました。

超長期入院者が発言

集会では20年から38年もの超長期入院から社会に出て暮らしている元入院患者が6人発言しました。口々につらかった入院生活と、解放された自由な暮らしの素晴らしさを語りました。もし刑務所に38年間入れられていて、出所場所が刑務所の敷地内に建てられたアパートならどうでしょう。自由になったと思うでしょうか?それがなぜ精神障がい者が対象なら許されるのでしょうか?
入院したのが東京オリンピックの前で退院が1988年という人も発言しました。症状はとっくに良くなっていたのに病院内で労働させられていたのです。「病院の儲けと患者の人生のどちらが大切か?」と病院敷地内への「退院」など絶対に嫌だとはっきり言いました。
続いて全国各地の家族会の代表者が発言。「厚労省の検討会は拙速なまとめをせず、討論を深めて、家族・本人の思いを反映させてほしい」などと述べました。病院労働者、検討会委員が発言しました。検討会委員は「検討会では明確に反対しているのは25人の委員のうち4人だけだ」、「政府の精神障がい者関連予算の内、地域支援には3%しか使われておらず、街での暮らしの支援が弱すぎる」などと述べました。委員の精神障がい者は「転換施設が出来たら退院したいという思いを言えなくなる。私は1年間の入院生活で自尊心をズタズタにされた。患者の身になって考えてほしい。どうやって地域に戻すかを考えてほしい」と語りました。

地域自立生活の立場から発言

続いて精神障がい者2人が発言。私も発言しました。私は怒りネットを代表して、「生活保護を守ることや支え合いで地域自立生活を実現しようとしている。病棟転換施設は地域自立生活を台無しにし、病院で一生を終えることを新たな原則とするものだ。一極集中で地方の病院に医者が集まらなくなっている。通院に対応すれば済むアパートや、医者が極端に少なくて済む老健施設にすることは、病院経営者は歓迎するが、被害を受けるのは精神障がい者や高齢者だ」と発言しました。
国会議員も多数発言しました。メッセージを含め、共産、社民、民主、結い、みんなの各党。障害者権利条約に反するという発言が多かったです。
集会後半では障害者インターナショナル日本会議などの各種の障がい者団体の代表や弁護士が発言。病院労組の代表は「病院が縮小して職がなくなったら自分で職探しをできる」と病院経営を心配する医者たちを批判しました。

患者は「固定資産」!

日本の精神病院には30万人以上が入院していますが、その内、厚労省が認めるだけでも7万人は症状は入院する必要が無いまでに改善しているが、退院先などの社会的資源がないために退院できないでいる、いわゆる「社会的入院」です。実際には10万人以上が社会的入院だと言われています。精神病院の9割が民間経営で患者を「固定資産」(悪徳精神科病院長や悪徳精神科医の間で広く言われている言葉)と見なしていることが原因です。厚労省は10年も前にその解消をすると約束しましたが、その退院はいっこうに進んでいません。批判に迫られた厚労省は、医療費大幅削減の狙いもあり、2013年6月の改正精神保健福祉法成立をうけて、「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針に関する検討会(現:長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策にかかわる検討会)」を立ち上げました。しかしその構成員25人の内、精神障がい者はわずか2人、家族が1人です。一方で日本精神病院協会(日本の民間精神病院の経営者の集まり)の幹部を含めて医師が13名と過半数を占めます。他にも医師以外の病院労働者の利益代表が多数います。障がい者施策を決めるときの国際的な基準である「私たち抜きに私たちのことを決めるな」には程遠いのです。その検討会のなかで施設理事の岩上洋一が「病院で死ぬのと、病院の敷地内にある自分の部屋で死ぬことは大きな違いがある」と「病棟転換型居住系施設」の案を提示しました。
もともと日本の精神病院には全世界の精神科入院患者全体の2割にもあたる入院患者が集中しています。30万人の入院者のうち1年以上が20万人、10年以上が6万5千人、20年以上が3万6千人です。平均在院日数は301日で欧米の平均18日に比べ突出しています。病院で一生を終える人も多く2011年には1万1千人が病院で亡くなりました。毎年同様の多数の人たちが病院で亡くなっています。だからと言って看板を付け替えれば解決するという問題ではありません。死ぬ場所が問題なのではなく、生きる場所が問題なのです。
厚労省も精神病院協会もこの岩上案に乗っかりました。そのための検討会作業部会が作られましたが、その中で反対したのは精神障がい者の1人の他には1人しかいませんでした。検討会に戻されてからも反対したのは精神障がい者2人以外はたった2人です。厚労省によるアンケート調査の結果、1年以上の入院者の多数が「退院したいが病院の敷地内には住みたくない」とはっきり言っています。病院や医者による支配―被支配の構造を脱する脱権力化が必要なのです。病棟転換施設では支配―被支配の構造が継続してしまいます。ダメなのです。
厚労省は結論が出る前に予算904億円を付けました。その財源は消費税です。

闘いはこれからだ

反対の声の大きさにもかかわらず、集会後の7月1日の検討会で多数決で結論が出され、「病棟転換型居住系施設」は作られることになりました。しかし、反対者は8人に増えました。反対意見が強くなったので、全体で実施するのではなく、試行事業にする等の制限も付きました。しかし、試行もだめです。今後、厚労省が具体的なことを決める段階に入ります。国会での追及や、労働者民衆が声をあげることで、厚労省の策動を頓挫させましょう。その後は、闘いの場は都道府県に移ります。都道府県の予算も使うことになるので各議会で審議されるはずです。
まだまだ闘いはこれからです。各種のメディアを駆使し、草の根の宣伝扇動に努め、全国各地で闘いの声をあげましょう。さらなる精神障がい者を反対の陣形に結集し、他障がいを含めた労働者民衆を獲得しましょう。
さらに10・30日比谷野音の障がい者の大フォーラムに大結集しましょう。

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