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2014年8月20日 (水)

厚労省交渉

怒りネット(全国)では、下記の質問状を出して厚生労働省と交渉を行います。日程については9月10日(水)の14時から16時、東京都千代田区の衆議院第1議院会館第2会議室を予定しています。日程についてはまだ不確定なので、確定次第掲示します。

 厚生労働大臣 田村 憲久 様

◆質問状

怒っているぞ!障害者きりすて!全国ネットワーク
電話連絡先090-6923-2600

 わたしたち障害者にとって、深刻な問題となっている3点の問題につき、それぞれ質問させていただきます。ご回答をお願いします。

★就労継続支援B型利用のアセスメントについて

 昨年4月4日に出された厚労省の通知(障障発0404第1号)によれば、「就労継続支援B型」利用に関して事前にアセスメントを行う体制を来年3月までに整え、来年度以降は、アセスメントを経たうえで、「就労継続支援B型」の支給決定を行うとしています。
 この通知が行政処分的に運用されれば、障害者本人の希望は無視され、一般就労が可か不可かという烙印を押すことになります。そして、日中に通う場所を失ってしまう人も出るのではないか、との懸念をいだきます。
 こうした観点から、以下、質問いたします。

(1)就労アセスメントの結果、「一般就労が可」とされた人は、就労継続支援事業を利用することができなくなるのですか。またその場合、厚労省は責任をもって、職場をその本人に保障することができるのですか。

(2)ある就労継続支援B型事業所から厚労省に問い合わせたところ、「障害福祉サービスの支給決定権限は、区市町村にあり、アセスメント結果(評価)を支給決定に反映させるか否かは、それら自治体の裁量権の問題である。」との答えだった、とも聞きます。

① この見解は、厚労省の正式見解として、確認してよろしいでしょうか。

② アセスメントの方法や時間についても、自治体の裁量にゆだねられているのでしょうか。

(3)一般就労を目指すのか、就労継続支援事業を利用するのかは、障害者本人の希望の問題であり、この希望を応援するのが行政の役割のはずです。学校卒業予定者と就労継続支援事業利用者にこうしたアセスメントを一律に実施することは、障害者と自治体、就労を支援する事業者などに多大な負担をかけるだけのことです。
 このような就労アセスメントの実施そのものを中止すべきではないか、と私たちは考えますが、厚労省の見解を示してください。

★生活保護の住宅扶助基準について

 5月16日に開かれた「第17回社会保障審議会生活保護基準部会」に、厚労省が示した「住宅扶助等について」によれば、厚労省は、住宅扶助基準の見直しについて、この秋にも結論を出すとされています。しかもそこでこの資料で示されている内容は、「住宅扶助基準額は一般低所得者世帯の家賃実態よりも2割程度高い」など、住宅扶助の引き下げありきの姿勢がうかがわれます。生活扶助の不当な引き下げに続く住宅扶助引き下げにわたしたちは反対します。
 私たちは、昨年5月8日の厚労省との交渉において、障害者とりわけ車いすを利用している人が住宅扶助では家賃がまかなえず、生活扶助部分や障害者加算部分から家賃に支出しなければ、住宅が確保できない実態を述べました。また、厚労省側からも「そのような実態があることは聞いている」との趣旨の回答がありました。
 にも関わらず、「生活保護基準部会」に示された資料には、そうした障害者の実態を考慮した記述は、全く見られません。このことに抗議するとともに、以下の質問を行います。

(1)厚労省として、健康で文化的な最低限度の生活を営むことのできる住宅の基準を示してください。また、障害の状況に応じた住宅の基準も示してください。

(2)障害者の場合、家主の差別の結果、住宅入居を断られることがしばしば起きています。それだけ、住宅の確保が困難なわけですが、住宅扶助が引き下げられれば、一層住宅確保は困難となるでしょう。
 そこで、厚労省あるいは政府として、家主の差別を是正させていくための政策を行っていく方針はお持ちですか。

(3)厚労省は、7月と8月に、費保護者の住宅の実態調査を行う、としていますが、障害者のいる世帯、とりわけ、障害者が単身で暮らしている住居を調査したのでしょうか。
 調査して気づいたことを示してください。

(4)車いす利用者の場合、車いすでの使用に耐える床、車いすで動けるスペース、ベッドをおけるスペース、介助者のいるスペースなどが必要となります。そこで、住宅扶助費を3万円以上上回る家賃が必要となる住宅に住まざるを得ない実態があります。このような状況の中で、住宅扶助費が引き下げられれば、現在の生活の継続がきわめて困難になります。
 厚労省は、生活保護を受給する車いす利用者の地域生活を保障する政策を、どのように考えておられるのか、見解を示してください。

★介護保険の65歳(特定疾病の場合は40歳)からの優先適用(障害者総合支援法第七条)問題について

 2010年1月7日に、障害者自立支援法違憲訴訟団と国(厚生労働省)との間で締結された「基本合意」では、第三項で、「介護保険優先原則(障害者自立支援法第7条)を廃止し、障害の特性を配慮した選択制等の導入をはかること。」と記載され、裁判での和解内容としても記載されました。
 この和解内容を元として、「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言(2011年8月30日)が作られました。その中では、以下のように記載されています。
 「【表題】介護保険との関係
【結論】
○ 障害者総合福祉法は、障害者が等しく基本的人権を享有する個人として、障害の種別と程度に関わりなく日常生活及び社会生活において障害者のニーズに基づく必要な支援を保障するものであり、介護保険法とはおのずと法の目的や性格を異にするものである。この違いを踏まえ、それぞれが別個の法体系として制度設計されるべきである。
○ 介護保険対象年齢になった後でも、従来から受けていた支援を原則として継続して受けることができるものとする。」
 このような経緯にも関わらず、12年4月に施行された障害者総合支援法においては、障害者自立支援法の第七条がそのまま存続するという事態が起こりました。その結果、全国各地で大きな問題となっています。そこで、以下の質問にお答えください。

(1)厚労省の今後の施策について、お尋ねします。

① 2012年4月18日衆議院厚生労働委員会において、小宮山洋子厚生労働大臣は、次のように答弁しています。
 「総合福祉部会の骨格提言、これは障害当事者の皆様の本当にさまざまな重い思いが込められた貴重なものだと思っています。……段階的、計画的に実現を目指していくとお約束をしていますので、そのことは当然変わりません。」
 この厚労省見解は、現時点においても変わることはないということでよろしいでしょうか?

② 障害者総合支援法は、施行から3年後の見直しが規定されていますが、上述の和解内容、および骨格提言の内容に基づいた改正は予定していますか?

③ 厚労省は、2007年3月28日に障害者自立支援法第七条の解釈通知(障企発第0328002号、障障発第0328002号)を出し、その中で次のように記載しています。
 「障害者が同様のサービスを希望する場合でも、その心身の状況やサービス利用を必要とする理由は多様であり、介護保険サービスを一律に優先させ、これにより必要な支援を受けることができるか否かを一概に判断することは困難であることから、障害福祉サービスの種類や利用者の状況に応じて当該サービスに相当する介護保険サービスを特定し、一律に当該介護保険サービスを優先的に利用するものとはしないこととする。」
 しかし、自治体の中では、乱暴に介護保険の機械的適用を行う状況があります。
 そこで、法改正を待たずに、この通知の中に、上述の和解内容と骨格提言の内容を記載して、各自治体に徹底させるようにしてほしいと考えますが、厚労省の見解を示してください。

(2)厚労省の認識を示してください。

① 障害者総合支援法の制度では、住民税非課税世帯は、「自立支援医療」を除けば、利用料は無料となっています。しかし、介護保険が適用されれば、新たに利用料の1割負担が求められます。
 上述の「基本合意」の中で、「国(厚生労働省)は、速やかに応益負担(定率負担)制度を廃止」することを約束し、「国(厚生労働省)は、・・・応益負担(定率負担)の導入等を行ったことにより、障害者、家族、関係者に対す る多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけた ことに対し、原告らをはじめとする障害者及びその家族に心から反省の意を表明するとともに、この反省を踏まえ、今後の施策の立案・実施に当たる。」と記載されています。また、2010年12月の障害者自立支援法の海底、および、2012年6月の総合支援法成立に至る過程で、厚労省は、応益負担(定率負担)制度を廃止したとの趣旨の答弁を繰り返してきました。
 にも関わらず、障害者制度の対象者である人々に、一定の年齢で介護保険の応益負担を求めるということについて、どのように考えているのか、見解を示してください。

② 障害者総合支援法の制度である重度訪問介護は、身体・家事・移動・見守りを含めた総合的で長時間の介助制度です。これに相当する制度は、介護保険の制度にはありません。
 したがって、重度訪問介護利用者について、介護保険の制度を適用することは、総合支援法第七条の「自立支援給付に相当するものが行われ」たことにはならないと考えますが、厚労省の見解を示してください。

③ 「障害程度区分」認定の調査項目においては、とりわけ、知的障害者と精神障害者の区分が低く出てしまうことが問題とされてきました。この調査項目は、介護保険の要介護区分認定の調査項目を土台に作られたわけですが、知的障害者や精神障害者などが、要介護区分認定を受けた場合には、より一層低い区分しか適用されないでしょう。
 実際に、精神障害者で、「障害支援区分」2程度の人は、介護保険の要介護認定では、「自立」か「要支援1」と判定されている状況があります。
 その障害者の状況が変わっていないのに、要介護区分認定の結果、介助の種類や時間が減らされるようなことがあってはならないと思いますが、厚労省の見解を示してください。

(3)自治体で起こっている以下の事例について、厚労省の見解を示してください。

①  障害者の制度での介助を受けてきた障害者に対して、介護保険制度利用の申請を行わなかったことをもって、65歳になった日からすべての公的制度による介助を打ち切ってしまった岡山市などの例について。

② 障害者が65歳になって介護保険利用の申請を行わなかったところ、東京都町田市は、障害者総合支援法での解除の給付決定期間を2か月間とし、障害者2か月ごとの手続きを強いています。さらに、障害者総合支援法の日常生活用具の申請を町田市が受け付けない、ということまで行っています。この事例について。

③兵庫県尼崎市は、「障害程度区分2」で従前から家事援助などを受けている精神障害者についても、介護保険の要介護認定の結果「自立」と判定された場合には、介護保険の「要支援1」の介助時間を目安として、障害者総合支援法の制度での対応を行う、としています。その結果、64歳の時と比べて、65歳になってからの介助時間が減らされてしまい、そのことについて苦情が出ていることを、市としても把握している、と言います。介護保険制度での認定を、障害者総合支援法における支給決定に影響させることは、違法であると考えますが、厚労省の見解を示してください。

以上

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