« STOP! 精神科病棟転換型居住系施設!! news19号 | トップページ | 10・30大フォーラムに参加して »

2014年11月 5日 (水)

STOP! 精神科病棟転換型居住系施設!! news20号

第20号(2014年11月5日)
生活をするのは普通の場所がいい
STOP! 精神科病棟転換型居住系施設!! NEWS

発行:病棟転換型居住系施設について考える会

10.29 埼玉集会 470名が参集

 埼玉県では,日比谷野外音楽堂の6.26集会を受けて,埼玉でも病棟転換問題をテーマに集会を開催したいと,埼玉県精神障害者団体連合会・埼玉県精神障害者家族会連合会・埼玉県精神障害者地域生活支援協議会・精神障害者社会福祉事業所運営協議会・きょうされん埼玉支部・埼玉県セルプセンター協議会の6団体で実行委員会を組織し,集会開催に向けて準備を重ねてきました.
 そして,10月29日(木)当日,500席ある埼玉会館小ホールがいっぱいになるのか,一堂ドキドキしながら開場を待ちました.結果的には470名が集まり,成功の裡に集会が終わりました.ゼロから始まった準備でしたので,会場費の捻出なども課題でしたが,会場カンパで11万円余りが集まりました.

<開会式……>
 開会式は,埼玉県精神障害者団体連合会会長有村律子さんの開会あいさつに始まり,埼玉県議会の議員さんたちが壇上に上がり,各会派を代表してご挨拶をいただきました.各議員の皆さんは集会の最後まで参加し,熱心に話に聞き入っていました.議会でもこの問題を取り上げたいという発言もありました.
<情報共有>
 この病棟転換問題の背景やなぜ病棟転換型居住系施設が問題なのかなど,スライドを使って埼玉県セルプセンター協議会の増田一世が報告しました.
<リレートーク>
 この集会のメインイベントはこのリレートークです.長期入院を経験して地域生活を送っている人など精神障害のある人,家族,民間精神科病院の医師,地域で福祉的な支援を行っている職員など,さまざまな立場の人たちが,壇上で自らの体験や意見を発表していきました.

― 病院の敷地と地域は全然違う!
 初めてこうした舞台に立つ人もいて,一緒に働く職員の手助けも得ながら堂々と発表する姿がありました.また,援護寮(生活訓練施設,現在は宿泊型生活訓練事業など)を利用して,そこで出会った職員に支えられて退院してきたこと,できればあと10年早く退院したかったこと,どんなに開放的でも病院の敷地と地域は全然違うのだと,実感込めて語ってくれました.

― 精神科医の立場から
 民間精神科病院の精神科医は,「自分がこの舞台に立って話をしようと思ったのは,長期入院の患者さんが退院して,地域生活を送る中で退院してよかったといってくれたことが,後押しになった」と語ってくれました.また,「入院中の患者さんの中には退院したくないという方もいて,病院にいるとそこで終わってしまうけれど,その先が大事なんだ」とも話してくださいました.
 精神科病院の押し出す力,院内にいる人たちへの地域からの働きかけ,地域で受け止める力がとても大切であることが伝わってきました.

― 地域での生活が大事
 自身も22年間の経験をもち,さいたま市の自立支援員として,長期入院をされている方への働きかけをしてきた人は,今まで病室だったものに手を加えて退院患者の面倒をみようとはとんでもないこと.精神障害者の人権を無視した馬鹿にした話だと発言.
― 家族の声
 わが子が受けた精神科医療の経験に基づき,1年半にわたった入院が何だったのか,疑問を呈されました.家族がいなかったら,助けてくれる医師がいなかったらと述懐されます.
そして,障害者権利条約が批准した日本で,精神障害者への社会の意識がまだまだ偏見に満ちていると指摘されました.
 また,ある家族は精神疾患になったことを家族に申し訳ないと思わざるを得ない病気であることの不幸を切々と訴えました.

― 権利を意識して!
 「良心的な精神科医がほとんどのはず,今回の問題は一部の精神科病院の問題.精神科病院は貧困ビジネスの真似事をしないでほしい」
 「親は親,子どもの人生は子どもが決める.病院が決めてはいけない.家族依存はおかしい.住まいは人権,権利を権利として使おう」
と精神障害のある人から力強いメッセージがありました.

― 街の中にこそ暮らしはある
 これまで多くの長期入院者を受け入れてきたサポートステーションやどかり(宿泊型生活訓練や日中活動行う事業所)の職員は,「症状があっても,生活上に苦手なことがあっても地域生活はできる.30年,40年と入院していても自分の生活時間を取り戻し,24時間自由な時間のある喜び……そんな当たり前の喜びを感じて,再入院して過ごしている人たち.その人たちは今回の病棟転換問題について,病院の敷地内の生活は,街中生活,街の風を感じながらの生活とは大きく異なると断言している」と言います.

 こうして12組のリレートークは,病棟転換型居住系施設の問題がどこにあるのか,参加者が考える時間となりました.

精神科病棟転換型居住系施設を考える会の長谷川利夫さん(杏林大学)も駆けつけてくださって,埼玉集会の参加者に力強い応援スピーチをしてくださいました.

アピールの採択,埼玉県知事・埼玉県議会議長への要請書の確認を行い,これからが,埼玉県で病棟転換型居住系施設を作らせない活動の正念場だということを確認し合い,10.29埼玉集会は閉会となりました.

→ この時の説明資料やPPTのデータは提供することができます.各地で集会を開催される際に,ご希望の方はご連絡いただければ,お送りします.

生活するなら普通の場所で!共に考えよう! 精神科病床転換型居住系施設in埼玉
アピール(案)

2014年7月1日に厚生労働省で開催された「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に関る検討会」では、精神科病院の病棟を居住施設に転換する「病棟転換型居住系施設」容認の結論となりました。検討会は、長期入院をしている人たちが、地域で安心した暮らしを実現するための検討が目的だったのですが、余った病棟どう使うのかという議論にすり替えられてしまいました。多くの構成員が、終始反対を唱えてきた当事者・家族の反対の声を無視し、「苦渋の選択」「危険な政策」「例外的に認める」といったこの構想への危惧をにじませながらの決定でした。精神科病院の経営を守るための決定であったといえます。
国は精神科病院に長期間入院している人たちの人権を踏みにじる政策を決定しましたが、これから大事なことは、各地で「病棟転換型居住系施設」を作らせない取り組みです。病院に入院している人が帰るべき場所は、「地域」です。現在ある病棟に手を加え、看板を「施設」としてもそこは「地域」ではないのです。

日本の人口は世界の約2%なのに、日本には世界の精神科病床の20%もあります。ここに大きな問題があります。1年以上の入院が20万人、10年以上の入院が7万人、諸外国なら退院しているはずの人が精神科病院に留め置かれているのです。
埼玉県で暮らし、働く私たちは、病棟転換型居住系施設を決して認めず、長期入院を続けている人たちが、地域に帰るための支援態勢を整えていくことに力を合わせていきます。また、検討会で提案された試行事業も認めるわけにはいきません。認めないことが、統合失調症の入院者が激減し、余ったベッドを認知症の人で埋めようという経営戦略、次なる社会的入院を生み出すことを阻むことでもあるのです。

日本は、障害者権利条約締約国になりました。障害者権利条約では「他の者との平等を基礎として」という言葉が36回述べられ、第19条では、「障害者が、他の者との平等を基礎として、居住地を選択し、及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること並びに特定の生活施設で生活する義務を負わないこと」としています。こうしたなかで、「病棟転換型居住系施設」を作ることは国際的に見ても恥ずべき暴挙といえましょう。
どんなに重い障害があろうと地域生活は権利です。地域生活の権利を獲得するためには、家族依存の障害者支援のあり方を大きく変えていく必要があります。
 病棟転換型居住系施設は、人権無視の「あってはならない施設」であり、私たちは、この施設の実現を絶対に許さず、社会資源や地域サービスの構築に力を注ぎ、埼玉県がだれもが普通に暮らすことができる地域となることを強く求めます。

2014年10月29日

生活するなら普通の場所で! 共に考えよう!精神科病床転換型居住系施設in埼玉
10.29集会参加者一同

2014年10月29日
埼玉県知事 上田 清司 様
埼玉県議長 長峰 宏芳 様

埼玉県精神障害者団体連合会長     有村 律子
           埼玉県精神障害者家族会連合会長    飯塚 壽美
           埼玉県精神障害者地域生活支援協議会長 武井 修平
            精神障害者社会福祉事業所運営協議会長 佐藤三枝子
きょうされん埼玉支部長        小野寺孝仁
           埼玉県セルプセンター協議会長     増田 一世
          

 日頃より精神障害のある人たちへの支援につきまして、ご尽力いただき、深謝申し上げます。
 さて、私たち精神障害当事者・家族の会、障害のある人たちを支援する団体では、10月29日に「生活するなら普通の場所で!共に考えよう!『精神科病床転換型居住系施設』in
埼玉」集会を開催いたしました。その集会参加者一同で埼玉県上田清司知事、長峰 宏芳埼玉県議会議長に以下のことについて要請いたします。

要請書

日本は、本年1月障害者権利条約締約国となりました。障害のある人を権利の主体とし、障害のない人と同等の暮らしを実現することを約束しました。しかし、世界中の精神科病棟の約2割を有する日本(人口は世界の約2%)では、精神疾患の治療は入院治療が中心です。さらに、結果的に作りすぎてしまった精神科病棟を住まいの場に変えてしまおうという政策を進めようとしています。長期入院を続けてきた人たちの地域生活の実現ではなく、精神科病棟を住まいに変えて、そこに住むことで退院したことにするという仕組みです。これは、精神科病院の経営を守るための制度であり、入院中の人たちの人権を著しく侵害することにほかなりません。さらに認知症の人たちを受け入れも意図されている動きです。

1.精神科病棟転換型居住系施設(グループホーム、宿泊型訓練施設、ショートステイ,高齢者施設など)を埼玉県で認可しないでください。
2.国に対し精神科病棟転換型居住系施設を容認する施策を早急に見直し、精神障害のある人が地域社会で暮らすための地域支援策の拡充を求める意見書を提出してください。
3.現在精神科病院への1年以上の長期入院を続けている人たちの実態を早急に把握してください。
4.長期入院を余儀なくされている人たちへの住まいの提供、必要な支援体制の拡充について、第4期障害者計画に位置づけて整備してください。
5.精神科病棟転換型居住系施設を認知症の人の受け入れ施設にしないでください。

緊急出版 「病棟転換型居住系施設」問題をめぐって
病棟から出て地域で暮らしたい
精神科の「社会的入院」問題を検証する

A5版 124ページ 定価 1000円 2014年9月 やどかり出版
 病棟転換型居住系施設問題は,看過できない社会問題である精神科病院への「社会的入院」を見かけ上解決してしまおうという動きでした.しかし,日本における「社会的入院」には,歴史的な背景の中,根深い問題が横たわっています.本書は,「社会的入院」問題の背景,その本質を伝えつつ,改革への具体的方策を描き出しています.
 また,3,200人が集まった日比谷野外音楽堂での緊急集会でのリレートークが掲載されています.この人たちの声を社会に広く伝えたい,そんな思いを込めて本書が出版されました.
 全国各地で開催される集会や学習会の資料としてご活用いただければと思います.

目 次
第1部 障害者権利条約からみた「社会的入院」問題
 第1章 「病棟転換型居住系施設」問題の背景と危険性  長谷川利夫
 第2章 社会的入院問題の背景と改革への視座  藤井克徳
 第3章 社会的入院の真の解決に向けて  増田一世

第2部 生活するのは普通の場所がいい
 第1章 新たな局面を迎えた精神障害分野  増田一世
 第2章 6.26緊急集会リレートーク

目 次
第1部 障害者権利条約からみた「社会的入院」問題
 第1章 「病棟転換型居住系施設」問題の背景と危険性  長谷川利夫
 第2章 社会的入院問題の背景と改革への視座  藤井克徳
 第3章 社会的入院の真の解決に向けて  増田一世

第2部 生活するのは普通の場所がいい
 第1章 新たな局面を迎えた精神障害分野  増田一世
 第2章 6.26緊急集会リレートーク

* 地域での集会・学習会の資料で本書をご利用になる場合には,10冊以上ご注文の場合には2割引き+送料でお分けできます.(50冊以上の場合には2割引き+送料無料)
ご注文は,やどかり出版まで(電話048-680-1891~1892 Fax048-680-1894)

病棟転換型居住系施設について考える会
stopbttk@yahoo.co.jp
この『速報』は、複写、転送、転載、大歓迎です。ご自由かつ積極的にご活用ください。
《連絡先》長谷川利夫(杏林大学保健学部作業療法学科)
  TEL.042-691-0011(内線4534)〔携帯電話〕090-4616-5521  http://blog.goo.ne.jp/tenkansisetu

|

« STOP! 精神科病棟転換型居住系施設!! news19号 | トップページ | 10・30大フォーラムに参加して »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: STOP! 精神科病棟転換型居住系施設!! news20号:

« STOP! 精神科病棟転換型居住系施設!! news19号 | トップページ | 10・30大フォーラムに参加して »