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2014年12月 6日 (土)

大阪の生活保護訴訟

<衆院選>食費1日800円程度…生活保護 なぜ切り下げ

毎日新聞 125()150分配信 

 ◇大阪の受給者らが切り下げ取り消し求める訴訟準備

  衆院選で安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の評価が焦点になる中、大阪の生活保護受給者らが、国と各自治体を相手取り、生活保護費切り下げの取り消しなどを求める行政訴訟を準備している。国は昨年、長引くデフレで物価が下がったことを理由に減額を決めたが、金融緩和で円安が進み、今は物価が上がっている。二重の苦しみを負う受給者らは「弱者の切り捨てだ」と声を上げる。

  衆院選が公示された2日夕。74歳の無職男性が暮らす大阪府寝屋川市の築約50年の木造アパートは、室温が10度に下がった。節約のためストーブは使わず、毛布2枚でしのぐ。「ぜいたくしていないのに、なぜ切り下げるのか」。寒さと怒りで声が震えた。

  古本店を経営していたが、客足が遠のき、8年前に店を畳んだ。4年前から生活保護を受ける。離婚して子どもはおらず、1人暮らしだ。保護費は月約11万7000円で、家賃を払うと手元に残るのは7万円弱。1日の食費は800円程度に抑え、入浴も週1回の銭湯だけだ。受給してから下着以外の服は買ったことがないという。

  国は昨年8月、保護費のうち生活費に当たる「生活扶助」を減額した。来年4月まで段階的に引き下げ、男性も受給額が月2000円程度減る。円安で食料品の値上げが続き、増税の影響もあってやり繰りは苦しい。月末になると、20円のそばや100円のパック詰め白米などの格安品で空腹を紛らせる。

  衆院選では、保護費の切り下げを巡る議論がほとんど出ていないと感じる。司法の場で窮状を訴えようと、原告になることを決めた。「議員定数削減も進んでいないのに、今回の総選挙は予算の無駄遣いと感じる。立場の弱い者から削るのは納得できない」

  訴訟は今月19日、他の受給者約60人と共に大阪地裁に起こす。「憲法で保障された最低限度の生活を侵害された」と主張するつもりだ。弁護団によると、同様の訴訟は16道県で起こされており、原告は全国で500人以上になる見込みだ。

 【服部陽】

 

  ◇13年度から3年間で670億円削減方針

  生活保護の受給者は9月現在約216万人で、過去最低だった1995年の2.5倍に拡大している。国民の58人に1人が受給している計算で、生活保護費は年間約3.8兆円(このうち国費は約2.9兆円)に膨らんでいる。国は、保護費のうち生活扶助を2013年度から3年間で670億円(約6.5%)削減する方針で、家賃の実費を支給する「住宅扶助」などの見直しも進めている。

  一方、円安による輸入価格の上昇などで、物価は昨年6月以降、上がり続けている。総務省が発表した今年10月の全国消費者物価指数では、昨年10月に比べて食料費が3.8%、光熱水費が4.8%上がった。

  生活保護問題対策全国会議事務局長の小久保哲郎弁護士は「国は生活保護を切り崩し、医療や年金など社会保障制度見直しの突破口にしようとしている」と指摘する。【服部陽】

 

 

 

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