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2015年2月21日 (土)

厚労省の物価偽装 第2話

第2話 異常な下落率

 

 生活扶助費を減らす理由として厚生労働省が挙げたのが物価下落。厚労省が独自に開発した「生活扶助相当CPI」が、2008年の104・5から2011年の99・5まで4・78%下落したと説明しました。

 この下落率は随分大きいです。生活扶助相当CPIは、生活扶助費でまかなう品目についての消費者物価指数です。総務省統計局が公表しているCPI総合指数(調査対象の全品目が対象)の推移を参考までに見てみると、2008年は102・1、2011年は99・7で、下落率は2・35%となっています。

 2001年以降のCPI総合指数の推移も見てみましょう。104・5といった高い水準にはなっていません。ただ、CPI総合指数でも2008年は102・1とそれなりに高い水準になっていました。これは原油高や食料価格などがかなり高くなっていた影響です。厚労省はなぜ、2008年と2011年の生活扶助相当CPIを比べたのか。下落率が大きくなるように意図的に2008年と2011年を比べたのではないか。こういった疑問の声が各方面から湧き上がっています。なぜなのか、筆者もすっきりしません。

 この点はあるにしても、CPI総合指数と生活扶助相当CPIのグラフを見比べると、生活扶助相当CPIの2008年~2010年の下落の度合いが大きいのが目立ちます。筆者があれこれ調べたり考えたりして分かったのは、2008年~2010年については、厚労省が通常の方法とは違う方法で計算したことです。2010年~2011年は、厚労省も通常の方式で計算しています。

 CPI(消費者物価指数)は総務省統計局が担当。国際的なマニュアルに沿ってCPIの計算方法を定めています。厚労省は大胆にもその方法を使わず、別の方式で計算したのです。物価に詳しい学者の意見も参考にしませんでした。総務省統計局にお伺いを立てることもしませんでした。

 ならば、通常の方法で計算したらどうなるか。パソコンのエクセル機能を使えば、なんとか計算できます。筆者の計算では、2010年=100、2008年=101・8です。2008年の101・8から2011年の99・5への下落率は2・26%です。

 通常に計算された生活扶助相当CPIと厚労省独自の方法で計算された生活扶助相当CPIをグラフで見比べてください。独自の計算方法を採用したことによって、下落率がぐーんと大きくなったことが分かります。

 CPIの下落率は、物価がどれだけ下がったのかの「モノサシ」のようなものです。政府がいつも使っているモノサシではなく、厚労省は別のモノサシを使ったのです。そんなことをしていいのでしょうか。ここが物価偽装問題の核心です。

             (白井康彦)

「15.2.20第2話・表とグラフ.xlsx」をダウンロード

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