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2015年7月29日 (水)

病棟転換型施設を考える兵庫県集会(7月25日)

7月25日、神戸市の新長田の会館で「病棟転換型施設問題を考える兵庫県集会」が行われました。当日JRが不通になるというなか、また大変暑い日だったにもかかわらず、兵庫県下各地から150人が参加しました。フレンズと怒りネットからも8人の参加がありました。集会では怒りネット(フレンズが参加する障がい者団体)として髙見が発言したほか、長期入院の当事者や長期入院者の家族、また精神障がい者にかかわるいろいろな職種の代表から発言がありました。違いを越えた共闘という昨年6・26集会を引き継ぐ集会となりました。
基調講演の杏林大学長谷川利夫さんのお話と、髙見の発言を紹介します。

長谷川さんのお話し。  
(【 】内は髙見の意見です。)

2013・10・17に岩上洋一(特定非営利法人「じりつ」代表理事)の発表がありました。2013年の精神保健福祉法改訂に伴う、厚労省の「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」第6回検討会の中でのことです。「病院で死ぬということと、病院内の敷地にある自分の部屋で死ぬことには大きな違いがある」として、病棟転換施設の導入を主張しました。【死ぬことが目的なのでしょうか。病院の敷地内で生きることが幸せでしょうか。】
その趣旨で病棟転換型居住系施設が動き出し、2015・1・16厚生労働省令が改悪されました。厚労省のQ&Aでは、居住施設は病院と「施錠されたドア」で区切られているだけでよいとされています。
2015・3には日本精神科病院協会が「精神障害者の地域移行及び地域生活支援に向けたニーズ調査」報告書を発表しました。「現状の病状で退院して生活できる可能性―44.2%。賃貸住宅やグループホームを病院敷地内に設置した場合、この患者さんの退院可能性は、あり54.8%。可能性ありと答えた場合の理由は、退院意欲の喚起がしやすくなる34.3%、緊急時の対応ができる65.7%(複数回答、病院職員への聴取)。「政策提言」として「職員も患者自身も病院の近くが安心と考えており、病棟の一部を居住の場に改築するといった構造改革も患者自身の選択肢を増やすために必要と思われる」としています。あくまで病棟転換を作りたいという意図的誘導です。
【しかも病院職員へのアンケートです。患者への聞き取りではないのです。そのなかで、44.2%もの患者が直ちに退院できると精神科病院が答えているのです。それならさっさと退院させればよいものを、病棟転換施設で囲い込みを続けようとする図々しさを感じます。あくまで「患者は財産」だと考えているとしか思えません。】
「権利は闘わなければ実現しない。」昨年6・26の意味は、病棟転換、敷地内グループホームを作らせない、強力なカウンターオピニオンの効果がありました。「考える会」が行った調査で回答83自治体中32が「見送った」と回答。(「位置づけた」は39自治体。実際に造っているところは0。6自治体で検討中のところがあるなど予断を許さない状況。)病棟転換問題は人権問題です。障害者権利条約第19条。「障害者が、他の者との平等を基礎として、居住地を選択し、及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること並びに特定の生活施設で生活する義務を負わない。」この原則からすれば病棟転換施設は違法なものです。

当日の集会での髙見の発言原稿。

怒っているぞ!障害者切りすて!ネットワーク関西です。兵庫県精神障害者連絡会でもあります。
今日は大変暑い中、本集会にお集まり下さり、本当にありがとうございます。
7月8日に発覚した千葉市の石郷岡病院における、2人の准看護師による患者殺害は、患者虐待の氷山の一角だと思います。精神科病院では、隔離・拘束の件数は増え続けており、電気ショックがいまだに行われています。
私の友人は、30年前に強制入院となった時の経験から、どんなに症状が悪くとも、二度と入院は嫌だと言っています。また、私どもの会員で、長い間悪い病院に強制入院させられていた方が、病院の金儲けと、患者支配の継続ための、病棟転換施設に強く反対しています。もう閉じ込めは嫌なんです。
政府は、戦後高度成長期に、「危険な精神病者が野放しになっている」とキャンペーンして、金儲けのための民間精神科病院をたくさん作りました。精神科を特例として医者の数が3分の1でいいことにし、看護師の数も少なくていいことにしたのです。このために精神科病院は医療の場ではなく収容の場であることが運命づけられました。
長期入院が続く原因はそればかりでなく、地域福祉予算が貧困すぎることにあります。地域に帰る場所がないのです。生活保護を利用したアパートへの退院やグループホームなどの地域資源があまりに貧困です。精神保健の予算は入院経費に全体の95%が出ているのに対し、地域生活のためにはたった5%しかありません。
その結果、入院者は32万人を超え、20年以上の長期入院者が4万人以上、死ななければ精神科病院から出られない死亡退院者が年間1万8千人もいます。しかし、病棟転換施設は問題の解決ではありません。閉じ込めの継続にすぎません。
 兵庫県や神戸市は地域主権改革法制に基づく特例として、今年1月の厚生労働省令改悪に先立って、病棟転換施設を実施する条例を定めています。しかし、実際に建てているところはまだ全国のどこにもなく、闘いはこれからです。
怒りネットは、長期入院者の利益のため、精神障がい者が地域社会で当たり前に生きるため、精神医療、福祉の根本的変革を目指して、違いを越えて、共に闘っていくことをお誓いして、発言とします。以上。

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http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2014/140220_5.html

投稿: 名無し | 2015年7月29日 (水) 19時29分

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