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2015年8月

2015年8月25日 (火)

パブリックコメント

パブリックコメント

「等級判定ガイドライン(案)」に抗議します

2015年8月 日

在宅医療の流れに逆行。うつ病者は入院しないと2級にならない!

新たに示された「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン(案)」はとんでもない内容です。うつ病の場合、入院していないと障害年金の等級判定で2級になれないというからです。

ガイドライン(案)には、「気分(感情)障害」について考慮すべき要素として、「適切な投薬治療などを行っても症状が改善せずに、入院を要する状態が長期間持続したり、頻繁に繰り返している場合は、2級以上の可能性を検討する。」とあります。但し書きとして「例示であり「〇級に該当する可能性を検討する」の記載があっても、そうした場合以外はその等級に該当しないということには必ずしもならない」とあります。わかりにくい文章ですが、『原則として2級にはならないが例外もある』としか読めません。

私の主治医は刑事事件でも犯さない限り、めったなことでは入院させない考えの人です。入院したことによる苦しさが、入院しないことによる苦しさより苦しいと判断したら入院させないという考えからくるものです。患者本位の考え方だと思います。すると私の主治医のうつ病の患者は2級になれないことになってしまいます。私の主治医の患者で、自宅から一歩も出られないほど症状が重度でも入院していないうつ病者や、自殺念慮や自殺企図があっても入院させられなかったうつ病者が実際にいます。入院していなくても、家族が支えていたり、周囲が支えている日常生活が困難なうつ病者はいくらでもいます。

逆に簡単に入院させる考えの医者の患者は2級になりやすいことになります。在宅医療を推進する流れに完全に逆行します。医者の考え方や本人の気持ちが作用するから、入院しているかどうかは症状が重度かどうかの判断基準にはなりません。

障害認定の「目安」と「総合評価」

ガイドライン(案)は「診断書の記載項目である「日常生活能力の程度」及びに「日常生活能力の判定」の平均を組み合わせ認定する等級の目安を設ける。」としています。「程度」は(1)~(5)に分け、「判定」を点数化してこれと組み合わせます。目安の確認作業は機構の担当職員が行ないます。この段階ではねられる人が出てくる可能性があります。

この判定の具体例としている7項目は病気の実相を知るのに適切ではありません。そもそも「精神病者」の症状を知るのに、たった7項目で分かるはずがありません。詳しく本人を知っている主治医の判断が重視されるべきです。共済年金だと本人の申立書がありますが、厚生年金や国民年金でもそれが適用されるべきです。本人のことを一番よく知っているのは本人自身です。本人申立書を認めないという、人間不信に基づくようなやり方は改めるべきです。

「日常生活能力の程度」の(4)だと目安上は障害2級に、(3)だと2級か3級に相当するようです。その目安に総合評価が加えられることになります。「上記等級を目安としつつ、その他様々な要素を考慮し、総合的に等級を判定する。」とあり、この「総合評価」は認定医が行ないます。「総合評価の際に考慮すべき要素の例」に先ほどの文言があります。

また、「投薬を行っている場合はその目的や内容(種類・量(記載があれば血中濃度)・期間)を考慮する。」とこれらも管理の対象となります。現在でもこういう記述をする欄があります。しかし、薬に対する抵抗性などの要素はどう判断されるのでしょうか。同じ薬を同じだけ飲んでも、その人によって効果が違うのは常識です。単純に投薬の量で判断しているとしたら、主治医を信用していないとしか思えません。主治医は信用できないが認定医の権限は絶大というような、医者の間に差別を生む傲慢なことは止めるべきです。

60%以上を非認定にしている兵庫県の精神科医

検討会では、非認定率が60%以上という兵庫県の精神科医(認定医と思われる)の発言に誰も反論しなかったと聞きます。兵庫県のような非認定率の高い県を是正するのではなく、非認定率の低い都道府県を兵庫県並みにするのが目的なのだとしか思えません。いま、兵庫県ではうつ病だと認定が通りにくい状況にあります。兵庫県のある良心的精神科医は「うつ病と書いたら2級は通らない」と語っています。そういうひどい兵庫県に合わせるのなら、厚労省はうつ病を基本的に2級から外すことを狙っているとしか思えません。

うつ病を2級から外す改悪

2級と3級では天地の開きがあります。3級では障害基礎年金がなく、厚生年金に入っていない人だと無年金になります。また、厚生年金だけでは生活できる金額ではありません。ガイドライン(案)通りに改悪されれば、貯金などをすべて失ってから生活保護に移行するしかなくなります。

その生活保護費はどんどん切り下げられており、憲法25条に定められた最低限の健康で文化的な生活を保障するものではありません。現に度重なる引き下げに対する違憲訴訟が闘われています。生活保護に移行できればまだ救われるのですが、すぐにはむつかしい条件がある人だと、完全にはざまにおかれてしまいます。おそらくそういう人は大量に出てきます。

ガイドライン(案)では、2級と3級の間の線引きがどこで行われるのか分からないという現状をなんら改善するものではありません。その現状が医者も「病者」も不安に陥らせているものなのです。改革というならその線引きを明確にし、客観的に評価できるようにするべきだったはずです。むしろその線引きラインを意図的に不明確にしたままで、うつ病を2級から排除しようとしているとしか思えません。ガイドライン(案)の記述は、意図的に線引きをあいまいにしておいて、入院していなければ日常生活はできるという認定を持ち込もうとしているものです。抜本的改革にはならず、改悪にしかならないガイドライン(案)は一から見直すべきです。

財源はいくらでもある

最近、財務省が社会保障費を数兆円も切り捨てる方針を出し、それに基づき「骨太の方針2015」が閣議決定されました。今回の改悪はその一環と思われます。富裕者と大企業に減税の恩恵を与える一方で、低所得者からなけなしの金を奪っていくというのが「骨太の方針2015」であり、アベノミクスです。日本社会には金がないのではなく、巨億の金が富裕者と大企業に眠っているのです。それを吐き出させれば、社会保障の財源はいくらでもあります。「財源がない」「財源を示せ」という論建ては全くのペテンです。財務省が「社会保障の財源がない、プライマリーバランスをゼロにしなければならない」と主張するなら、私は大きな声で「財源は富裕者と大企業にある」と言います。財務省がもはや社会を運営する能力がないというならそれで結構です。私たちが代わって運営していくでしょう。

ガイドライン(案)では、障害年金は地域自立生活を保障するものでは完全になくなります。所得保障のためには、働けない「精神病者」を2級にすべきです。今回検討されているのは全く逆を向いた改悪であり許すことはできません。 以上。

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2015年8月20日 (木)

大フォーラムの声明

「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム 緊急アピール
障害者も安保法制に断固反対します...

私たち「『骨格提言』の完全実現を求める大フォーラム」は、差異の尊重や多様性の重視を基調にした福祉制度の青写真である「骨格提言」の完全実現を求め、障害者当事者が地域・障害種を超えて集まっている団体です。
私たちは、日本が戦争をできる法案、戦争に巻き込まれる法案に、断固反対します。その理由は、戦争は社会の多様性と大きく矛盾し、事故や病気等で誰でもなりえる障害者を切り捨てるからです。
   「骨格提言」は、「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」というもので、2011年8月に障がい者制度改革推進会議総合福祉部会がまとめた文章です。「提言」では、人を線引きしない福祉施策を求めています。この考え方は、日本を含む世界の仲間が長年訴えてきたものであり、昨年1月に日本も批准した障害者権利条約に通ずるものです。
 しかし政府は、その「骨格提言」をほとんど無視して、上記の福祉法と相容れない法制度をつくり運用しています。アパルトヘイトなどの隔離政策がいかに非人道的であるかは常識ですが、政府は障害者の地域生活を支える基盤の充実に消極的で、その結果、多くの障害者が施設に入所して暮らさざるを得ない状況にあります。私たちは、年に1回の日比谷野外音楽堂での集会等を通して、一般市民として障害のない人と同じように、地域で生活していくための具体的な方策を提言した「骨格提言」の内容が実現されるように訴えつづけています。
 戦争は、障害者権利条約や「骨格提言」の内容を根底から否定するものです。戦争は、地球市民を味方と敵に分け、味方をも、国のために役に立つかという観点で分けることになります。そこには、私たちが求めてきた差異の尊重、多様性の重視は存在し得ません。先の戦争中には身体障害者に対しては役立たずとして毒まんじゅうが配られたり、精神病院に拘禁された患者が大量に餓死したという事実があります。戦争になれば真っ先に切り捨てられるのは障害者なのです。
今国会に上程されている安全保障関連法案は、同盟国が攻撃されればやり返す、同盟国が戦争を始めれば参加することを法律上できるようにするものです。政府は、「日本を守るため」としています。しかし、戦争=暴力で生まれるのは、悲しみ・憎しみだけです。アメリカはデマに基づいてイラク戦争を始めました。誤爆も多くしています。為政者の偏った判断で、私たちを切り捨てないでほしいのです。
 私たちは他の団体とも連帯し、安全保障関連法案など戦争につながる法案に反対を表明します。

  2015年8月13日(木)

「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム 一同

「骨格提言」の完全実現を求める10・29大フォーラム2015実行委員会
<呼びかけ団体>(順不同)
日本脳性マヒ者協会 全国青い芝の会/障害者の生活保障を要求する連絡会議/ピープルファーストジャパン/全国「精神病」者集団/難病をもつ人の地域自立生活を確立する会/怒っているぞ!障害者切り捨て-全国ネットワーク/全国ピアサポートネットワーク/兵庫県精神障害者連絡会/神奈川県障害者自立生活支援センター/自立生活センター・グッドライフ/こらーるたいとう/スタジオIL文京/自立生活センター・立川/CILくにたち援助為センター/町田ヒューマンネットワーク/自立生活センター・たいとう/あいえるの会/自立生活センター三田/自立生活センター北/ガチャバンともに生きる会/鈴木敬治さんと共に移動の自由をとりもどす会/自立生活センター福岡/障害者権利擁護センター くれよんらいふ/魔法陣/世田谷介助者ユニオン/基準該当事業所「新しい空」/自立生活センターHANDS世田谷
(2015年8月2日現在)

<連絡先・事務局>
自立生活センターHANDS世田谷
〒154-0021 東京都世田谷区豪徳寺1-32-21スマイルホーム豪徳寺1F
TEL 03-5450-2861/FAX 03-5450-2862/Eメール hands@sh.rim.or.jp

「骨格提言」の完全実現を求める 10.29大フォーラム
2015年10月29日(木)12時から 日比谷野外音楽堂にて

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2015年8月 7日 (金)

障害年金<検討会>で赤信号

とんでもない事態が起きています。

障害年金(2級)が鬱病の場合「入院しなければならないほどの重度者」に限られるということが検討されているというのです。入院はしていない重度者がはねられてしまう可能性があります。それで生活保護に移行できればまだ救われるのですが、それが直ちにはむつかしい条件があり、はざまにおかれてしまいます。

おそらくそういう人は大量に出てきます。申請者の60%以上の人をはねている兵庫県の医者の発言がバンバン通ってしまう検討会だったようで、パブリックコメントの機会がまだありますが、大衆的に跳ね返さないととんでもないことになります。

 

障害年金 地域差検討会の懸念

 <http://blog.goo.ne.jp/yoshinosr/e/28e955e56b4decb063d12729a18b2185>

 

 * 15/08 <http://blog.goo.ne.jp/yoshinosr/m/201508>/05

 * 社労士の障害年金

 <http://blog.goo.ne.jp/yoshinosr/c/f3620f90a367fda2936afe66d8efa1fa>

 

こんにちは!社労士の吉野千賀です!

先週木曜日(平成27年7月30日)に厚労省で開催された「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会(第6回)」を傍聴してきました。

今年2月から始まったこの専門家検討会は、精神・知的障害の障害等級認定の地域差(都道府県差)を是正するために開催されているもので、精神・知的障害の等級判定のガイドライン(目安)を作成することが目的です。

精神障害の等級判定のガイドラインは、概ね出来上がり、今後の予定は、パブリックコメントを経て、再度、専門家検討会を開催するそうです。

パブリックコメントの後に、再度の専門家検討会を開催するスケジュールは、従来の障害認定基準の改正の専門家会合と比較すると、異例です。

パブリックコメントの意見を多少でも参考に検討するのでしょうか。

そうであれば、パブリックコメントで大勢の人が声を上げることで、少しはましな方向に向かうのかもしれませんね。

 

この精神・知的障害の等級判定のガイドライン(目安)は、今年の秋頃には導入される見込みだそうです。

障害年金を受給されている方にとっても、これから裁定請求する方にとっても、私たち社労士にとっても、この精神障害の等級判定のガイドラインが導入された後の影響については、気になるところですね。

 

私は、正直なところ、先行きが心配になっています。

なぜかというと、この等級判定のガイドライン導入後に、精神障害の等級判定が厳しくなるのではないかと懸念されるからです。

 

ガイドライン導入後は、2つのステップで等級判定されることになります。

*1つ目のステップ*は、診断書裏面の「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」を数値化して、目安に沿って振り分けします。

この部分は、日本年金機構の事務方が行うそうです。

 

*この段階で、従来であれば通っていたのに落ちてしまう人も現れるのでないか*、ということが一つ目の懸念です。

 

*2つ目のステップ*は、新たに作成する「総合評価」(←検討会で議論中)を元に、たぶん認定医の先生が、診断書等を読み込んで、等級の最終決定をすることになります。

この「総合評価」の内容については、7月30日開催の専門家検討会で議論されましたが、いやいや、*なんとも厳しくなりそうな気配*がします。

 

これが二つ目の最大の懸念です。

なぜかというと、厳しめの県代表の兵庫県等の認定医の先生が、バシバシ意見を出して他の委員は「そうだね」という感じで、議論を戦わすことなく、そのまま、厳しく修正されているからです。

この辺り、傍聴していて、ゾッとしました。

厚生労働省の会場は行政の省エネ対策ですごく蒸し暑いのに、背筋が凍る想いです。

 

どのようになっていくかというと、まだパブリックコメント前なのでわかりませんが、精神障害でも特に気分障害(うつ病)2級のハードルがグッと上がりそうです。

 

気分障害の総合評価に、*「適切な投薬治療などを行っても症状が改善せずに、入院を要する水準の状態が長期間持続したり、そのような状態が頻繁に繰り返している場合は、2級以上の可能性を検討する。」*という文言を入れることが検討されています(というか、ほぼ決まりです)。

これは、裏返せば、入院を要する水準の状態にならなければ、2級にしないよ、ということにはならないでしょうか。

他にも、気分障害については、診断書に投与量と治療期間の記載をmustにして、本当に適切な投薬治療を行っても症状が改善しないのかどうか、判断したいという意見も繰り返し出されました。

認定医の先生方の発言を聞いていると「やっと神経症(F4)は排除できた、これからは気分障害(F3)だ」という裏の声(行政の声?)が聞こえてきましたよ。

私の杞憂であればいいのですが・・・。

 

今年2月から7月まで、 非公開の検討会が2回ありましたが、私は、傍聴の機会が設けられたこの検討会は、全て傍聴してきました。毎年の障害認定基準の改正の専門家会合も、4年前くらいから傍聴しています。その中で感じたことは、今回の地域差検討会は「座長がその役割を果たしていない」のでは?という疑問です。

座長ではなく、ただの「司会者」になっています。過去に開催された高次脳機能障害や言語機能の障害の会合において、ビリっと官僚にものを言っていた、中島八十一先生(国立障害者リハビリテーションセンター学院長)のような方が座長だったら、この地域差検討会も、もう少し違っていたのではないかと思うのです。

7月30日の第6回検討会では、兵庫県の認定医の発言が長引き(関西の方は話し出すと止まらなくなる?)、最後の議題である*「診断書の記載要領の作成」「日常生活状況をより詳細に把握するための提出資料の運用」を検討する時間がなくなってしまいました。*この議題も重要だったと思いますよ。

パブリックコメントの前に検討するべきではなかったのでしょうか?

座長が座長の役割を果たしていないし、司会者としても時間配分を失敗してしまったのではないか、厳しいようですが、限られた時間内で重要なことを検討しているという認識が欠如しているのではないかと思いました。

そうはいっても、ただ傍聴している立場です。

 

今後、私たちにできることは、パブリックコメントで、大勢が意見を言うことではないかと思います。今回は、パブコメ後に再度の検討会があるので、パブリックコメントでも意見を述べたいと思っています。

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