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2016年9月

2016年9月23日 (金)

「むかしMattoの町があった」案内

「むかしMattoの町があった」という映画のDVDが付録についた本が出ました。

「精神病院はいらない」という本です。2800円と税で現代書館からです。

イタリアで精神病院を廃止した闘いのことが描かれた映画と本です。

「むかしMattoの町があった」はイタリア国営放送が作成した精神病院を無くしていく過程を描いた映画で、イタリアではテレビで放送され20%以上の高視聴率だったそうです。

この映画は多くの人に見てもらいたいものです。「健常者」はもちろん、他しょうがいの人を含め、精神しょうがい者に対する理解を持っていただくためにぜひ見てもらいたいです。視覚しょうがい者には、字幕なので御免なさい。

私の人生で2度目に感動で涙が出た映画でした。一度目はただの西部劇で「明日に向かって撃て」です。人によって感動するポイントは違いますから、それを押しつけることはできません。この映画で、私はバザーリア(改革を実行した精神科医)が最初に赴任した精神病院で患者を解放していく場面で、自分の自己解放と重ねられたからだと思いますが涙が出ました。

本の方も長年の疑問だったことを、講演の質問者の「病者」が質問していて、「病者」が持つ疑問なのだなと思いました。イタリアで良いことばかりでなく、先進地域のトリエステ県以外ではひどいことも起きていることが書かれており、多面的な観点が持たれています。バザーリアと一緒に、また後継者として精神病院を無くしていった人たちの講演などが中心となっています。バザーリア自身は若くして亡くなっているので、イタリアで実際に何があったのかを知るのには良い本だと思います。

イタリアの精神病院廃止を評価するにも批判するにも、まずはこの映画を見て、本を読んで知って下さい。

映画を見るだけでも、精神しょうがい者への理解が深まるのではないかなと思います。

「160923.pdf」をダウンロード

160923

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2016年9月20日 (火)

むかしMattoの町があった

この本は「むかしMattoの町があった」の映画のDVDがついています。さっそく映画を見ました。最初の方の、バザーリアが赴任した精神科病院で患者を解放していく過程で、患者が解放されて行くところ感動して涙が出ました。自己解放の姿が見られたからだと思います。自分自身の自己解放と重ねられたのかもしれません。最後の方で「病者」がバザーリアに「苦しいから狂うのか、狂っているから苦しいのか」と問う場面がありバザーリアは「わからないんだ」と答えています。自己解放しても、狂っていることに変わりはなく、この人は、戦争の中で発病しているのですが、自己解放してもやはり苦しいのです。この問いは私の問でもあります。そして答えを見つける旅をしないといけないのだと思います。本は2800円と税です。
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2016年9月13日 (火)

フレンズ113号の本文

8・21学習会報告とその後の動き

 

「ともに生きる№10《8・21学習会報告集》」を発行します

 

この学習会は、もともとかなり以前から予定されていたもので15人くらいが参加すると言っていました。その後に、相模原事件が起きて、それがメインテーマになりました。そのため、定員30人の部屋に35人が参加。椅子がなくて「これ以上来たらどうしよう」と思う状況でした。事件後、関西では初めてしょうがい者が相模原事件をテーマに集会をやるということで、関心が集まったようです。

学習会の詳細は「ともに生きる№10」に掲載していますのでそちらをご覧ください。怒りネット全国世話人の古賀典夫さんによる、相模原事件の分かっている限りの詳細な報告と、絶対に許せないことであり、しょうがい者は徹底的に闘うという提起がありました。その後、参加者による熱心で多岐にわたる討論が行われました。殺されたのは自分かもしれないという重度しょうがい者の声や、殺された人たちの名前が発表されないことや、政権幹部が一切事件や犯人を批難する発言を行っていないことに怒りの声、池田小事件の時のように事件の真相が全く分からないうちに犯人が死刑にされて真相が永遠に闇に葬られることが繰り返されてはならないという意見などがありました。

 

その後の情報

 

「ともに生きる№10」の編集後に出た新しい情報としては、Uの措置入院を決めた2人の医者のうち1人が資格を不正取得していたということがあります。この不正取得は全国的に数百人以上いると言われています。不正に取得した資格で下した診断は不当だと思いますが、厚労省は正当だと言っています。常識では考えられないことです。医者ではない者が下した診断だったらどうなのでしょう。無資格ということでは、それと同じことです。人を拘禁する資格を不当に取得した者が下した拘禁の判断を、厚労省はなぜ正当だというのでしょうか。

 

歪んでいる厚労省検討会

 

厚労省検討会委員の松本医師が「Uは精神しょうがい者だ」と憶測する記事をネット雑誌に続いてヨミウリオンライン8/29に掲載しています。Uを診察した訳でもなく、「タラ・レバ」だと言いながらそう言うのです。全くでたらめな話です。

問題の根はもっと深く、この松本医師らが、今後の精神しょうがい者の運命を決める厚労省検討会委員であり、全くデタラメな人間が私たちの運命を決めるというのです。そもそも、事件2日後の政権の関係閣僚会議で、安倍首相が厚労省に「措置後の対応の強化で事件を収めろ」と命令したことから話は歪んでいます。この事件は、「犯罪をするぞと予告していた犯人に犯行を許した」という警察と衆院議長、安倍政権の失態が本質です。良し悪しは別として、今までもネットで犯罪予告をしただけで警察は逮捕してきたのです。それを今回はUを精神しょうがい者だと誤認し、「保護」してしまったがために逮捕できず、精神科医に対応を押しつけたことから対応はこじれました。この最初のボタンの掛け違いが問題なのです。警察事案として対応しておれば事件を防げたかもしれません。だから安倍政権は反省して、安倍や警察が責任を取るべきなのです。

塩崎厚労大臣は、「兵庫方式」を県境を越えて実施できるようにすることで、ごまかし的に事態を収めようとしているように見えます。「兵庫方式」には法的強制力がないという、保安処分推進の側の立場からは「欠点」があることを考えれば刑法改悪や、保安処分新法の制定となるのでしょうが、政権にとってこの事件がそれ程の労力を支払うだけのことと映っているのかは分かりません。9月には厚労省検討会の結論が出るはずですから、それで事態の進展がどうなるか分かるでしょう。兵庫方式については7ページに、厚労省検討会に出された模式図を掲載しています。「兵庫方式」の拡張も新法や刑法改悪も、事態の本質をごまかす政権の悪意から出ています。事件を繰り返さないことにはつながらないばかりか、事件を利用して精神しょうがい者の人権を不当に侵害するものです。

厚労省検討会では措置入院後の対応の強化が検討されています。池田小事件の時には、刑法の心神喪失による免責を受けた人が起こした事件ということで、「心神喪失者等医療観察法」という悪法の制定につながりました。今回は「措置入院になっていた人が起こした事件だから、措置後の対応の強化だ」という短絡ぶりなのです。最初に言ったようにそこに論理のすり替えがあるのです。そもそもUを措置入院にしたことは正しかったのでしょうか。精神科医は誰でもそうしただろうと言います。何百人も人を殺すと言っている人を前にして、どの精神科医でも精神しょうがいを疑うというのです。逆に言えば、それほど今の精神しょうがい概念は幅が広いということでもあります。DSMを作った人自身が、どんな人でも精神しょうがい者だと分類できてしまうという告発をしています。自分は「健常者」だと思っている人でも、精神疾患の病名をつけることができるのです。

 

「健常者」につける「病名」

 

Uは最初躁病を疑われ、その後、二人の指定医(うち一人は偽者)により、それぞれ「大麻精神病・非社会的パーソナリティー障害」「妄想性障害・薬物性精神病障害」だとされました。退院時の判断は「大麻使用による精神及び行動の障害」であり、退院後の324日の外来受診のおりの診断書では「抑うつ状態 躁うつ病の疑い」です。疑いを持つこと自体は誰に対してもできることですし、「大麻精神病」は大麻反応が出たからですがすぐに消えるものです。また「大麻精神病」では「何百人も殺す」という妄想は出ません。

「妄想性障害」は「健常者」に対してもつけることができる「病名」なのです。(5ページ(注)参照)「妄想を持っている」という状態を「しょうがいだ」と言っているに過ぎない「病名」だからです。しかもUの場合すぐに、「これは精神しょうがいではない」と判断されて措置解除になっているのです。Uは「医者を騙して出た」と知人に言い、病院側も「反省し『大麻の影響だったと思う』と言ったから措置を解除した」と言っています。もし精神疾患で妄想を持ったと診断されたのなら、精神疾患の程度が軽くなるまで措置は解除されないはずです。明らかに、精神疾患があるか否かではなく、妄想すなわち極端な思想を維持しているか否かが問題にされさた措置入院であり解除だったのです。精神疾患は「反省したと言ったから治っている」と判断されたりするものではありません。

措置入院自体が12日間で解除されていますが、通常措置解除の時には役所が書類を2週間留め置き、措置解除診断後2週間たたないと解放しないというのが暗黙のルールであるようです。このケースでは措置後すぐに解除の診断があったものと思われるのです。Uが精神しょうがい者なのかどうかは今、落ち着いた状態で診察してみないと分かりません。断定的なことは誰も言えないはずです。今回の事件がヘイトクライム(憎悪犯罪)であることは多くの人が指摘しています。

 

精神しょうがい者の人権侵害を許さない

 

全ては安倍首相の偏見に満ちた誤判と指示から始まっているのです。安倍首相も政権幹部も誰一人としてこの事件を批難するコメントの一つも出していません。逆に、被害者の名前を出さないことで、一日も早く忘却してほしいと願っているかのようです。全ての被害者家族が名前を出さないでほしいと言ったわけではありません。警察の発表の嘘をニューヨークタイムスが暴いています。

警察がネットでの犯罪予告をした者をすぐに逮捕するのは、戦前の治安維持法につながるという指摘があります。警察の権限を拡大させることは間違いです。しかし今回の事件では脅迫状の中身が警察や政権から施設に伝えられず、施設が対応を準備することができなかったという決定的な誤りがありました。警察権限の肥大化ではなく、仮処分などで出来た対策はあったはずなのです。

ひょうせいれんは厚労省検討会が、精神しょうがい者の人権を侵害する結論を出すことを断じて許しません。委員はその持つ大きな責任を自覚すべきです。

 

(注)「妄想性障害」とは

「メルクマニュアル」という、Merck & Co, Inc, Kenilworth, N.J, U.S.A.が提供している、「世界で最も信頼されている医学書の一つ」と謳われている物には、「妄想性障害は、1カ月以上持続する奇異ではない妄想(誤った確信)によって特徴づけられ、統合失調症の他の症状は示さない。妄想性障害は、統合失調症の他の症状を有さず、妄想が存在するという点で統合失調症と区別される。妄想は奇異ではない傾向があるほか、~正常でも起こりうる状況に関係していることが多い。」と書かれており、それが統合失調症患者など精神しょうがい者にではなく、「健常者」に起こることだとされています。

 

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2016年9月 8日 (木)

フェイスブックに10・27大フォーラムのページができました

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