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2016年12月31日 (土)

地域力強化検討会「中間とりまとめ」を具体的に見る

 1226日に公開された、厚労省の「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)」の「中間とりまとめ」を具体的に見て行きたいと思います。

そもそもの出発点である「ニッポン一億総活躍プラン」ではどういうことが閣議決定されたのでしょうか。「(地域共生社会の実現)子供・高齢者・障害者など全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる『地域共生社会』を実現する。このため、支え手側と受け手側に分かれるのではなく、地域のあらゆる住民が役割を持ち、支え合いながら、自分らしく活躍できる地域コミュニティを育成し、福祉などの地域の公的サービスと協働して助け合いながら暮らすことのできる仕組みを構築する。また、寄附文化を醸成し、NPOとの連携や民間資金の活用を図る」と、その意図が「住民に役割を持たせ」「助け合わせる」ことであるとされています。

さらに、「(具体的な施策)育児、介護、障害、貧困、さらには育児と介護に同時に直面する家庭など、世帯全体の複合化・複雑化した課題を受け止める、市町村における総合的な相談支援体制作りを進め、2020年~2025年を目途に全国展開を図る」と介護としょうがい、育児等を一体で、25年までに全国展開するとされています、

 「中間とりまとめ」では「「具体的には、社会福祉法第4条(地域福祉の推進)では、『福祉サービスを必要とする地域住民』について、『地域社会を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるように、地域福祉の推進に努めなければならない』とされている。~介護、子育て、障害、病気等にとどまらず、住まい、就労を含む役割の場の確保、家計、教育、そして孤立などにまで及ぶ。それらの人たちは、あらゆる分野の活動に『参加する』だけではなく、『日本一億総活躍プラン』にあるとおり、『支え手側と受け手側に分かれるのではなく、地域のあらゆる住民が役割を持ち、支え合いながら、自分らしく活躍できる地域コミュニティを育成』する主体であるべきである」と「一億総活躍」の中身が、子育て、しょうがい者、介護、病気にとどまらず、貧困や教育など生活の多くの分野を一体化させ、そこに住民を動員し、「支え合う地域コミュニティ化する」ことが狙いだとしています。

従来福祉の担い手であった国や自治体は一歩引き、「自治体は、(具体的な)体制をつくっていくことに、最終的な責任を持つとともに、地域の実情に応じた体制をつくるために関係者との間で必要な機能について共通認識を持てるような働きかけをすることが必要である」とその役割を大きく後退させます。

 国の役割は、「国においては、『我が事・丸ごと』を、平成29年の介護保険制度の改正以降の一連の福祉の制度改革を貫く基本コンセプトに位置づける、との考え方のもと、必要な措置を順次、早急に講じるべきである」とその推進の役割を明確にし、また「国においては、(具体的な)内容について、『地域で自由に決める』ことを強調し、自治体に委ねてしまうのではなく、なぜそのような機能が必要なのか、各自治体で丁寧に話し合うような支援をしていくことが必要である」と首根っこは押さえておくことを強調しています。

 では具体的な内容は何なのでしょうか。「『住民に身近な圏域』での『わがこと・丸ごと』=他人事を『わがこと』に変える働きかけをする機能」「福祉の領域だけではなく、商業・サービス業、工業、農林水産業、防犯・防災、環境、まちおこし、交通、都市計画なども含め、人・分野・世代を超えて、地域経済・社会全体の中で、『人』『もの』『お金』そして『思い』が循環し、相互に支える、支えられるという関係ができることが、地域共生社会の実現には不可欠である」「自分や家族が暮らしたい地域を考える」「住民が主体的に地域課題を把握し解決を試みる体制づくり」などと「相互の支え合い」「互助」が新たな福祉のイメージとして語られます。 

「元気な高齢者の力を生かした事業の展開や、各地で広がっている『こども食堂』もその一例ということができるかもしれない」と、既に住民が自発的に取り組んでいる「こども食堂」まで取り込もうと貪欲な意図を語ります。

「行政や専門機関は、そうした地域住民と連携り必要な後方支援をしていくことで、包括的な体制を作ってことが必要である」というのが行政の役割であるとされ、福祉の主体は行政ではなくなります。これが一つの肝になっています。

「自治体が主導して単に有資格者を『配置する』という形ではなく、~自治体は支援する立場に回りつつ、地域で誰がその役割を担うのがふさわしいか、関係機関がどう連携してその機能を果たすのかなどを協議して決めていく過程が重要である。例えば、介護保険制度の地域支援事業における生活支援コーディネーターを活用し、活動の範囲を高齢者だけではなく、全ての世代の人を対象に拡大していくことも、方法の一つとして検討できる」と行政の役割を後退させるばかりではなく、介護保険を全世代に拡大する、すなわち、しょうがい者福祉や子育ても「保険化」してしまうという意図が語られます。既に高齢者福祉は介護保険によって国や自治体の義務から外されています。育児も保険化が進んでいるといわれます。それをさらに進め、しょうがい者福祉も保険化する、すなわち国や自治体の義務ではなくすということが語られているのです。「互助」という名の「助け合い」に転化してしまうという意図なのです。

単なる「保険化」にとどまらず、ボランティアの活用による、住民「互助」に市民を動員することが狙われています。

 

社協の役割が強調されています。「地域住民、福祉以外の分野に関わる団体や企業の幅広い活動につなげていくため、社会福祉協議会の役割は重要である。特に、ボランティアセンターは、ボランティアを通じたまちづくりのためのプラットフォームとなる『街づくりボランティアセンター』(仮称)へと機能を拡充させて、関係機関と協働していくことについて、検討する必要がある」と、福祉の保険化さらには、「互助」による住民が担い手になることを前提に、ボランティアの積極的活用が進められようとしています。これは、社協の質的転換です。ボランティアを支配の道具として市民を動員するものに変えてしまうのです。

 

さらに「地域福祉計画は、社会福祉法では、策定は任意とされ~『我が事・丸ごと』の体制整備をすべての自治体で促進するためにも、任意から義務化するべきである」と社会福祉法の改悪によって体制整備すると、具体的プランが語られています。

私たちしょうがい者が恐れて阻止してきた、しょうがい者福祉と介護保険の統合がこのような形で準備され、子育ての保険化まで進められようとしているのです。「ニッポン一億総活躍プラン」とはこういう具体的な攻撃であったことが、今明らかになりました。しょうがい者は早急に理論武装して、反撃の陣形を創る必要があると思います。

 

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