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2017年7月

2017年7月24日 (月)

リメンバー7・26神戸アクション

昨日の、兵庫県の取り組みの報告です。

リメンバー726神戸アクションの呼び掛けた、去年の7・26の相模原事件で、19人の殺害された人を追悼し、26人の傷つけられた人に連帯し、忘れないぞというデモンストレーションが160人のしょうがい者、「健常者」の参加で行われました。みんなは西元町から元町を経て、三宮までの兵庫県一番の繁華街であるアーケード街を約1時間かけて歩きました。

昨日は、HMさん、HJWさん、HJMさん、IWさん、MYさん、MBさん、SMさん他大勢の友人・知人が来ていました。これも私を力づけてくれるものでした。感謝です。

わたしは途中トイレに行きたくなり、元町でデモを抜けました。これはいつもデモに行く時は数時間前から水分摂取をしないのですが、昨日はそれだと熱中症が心配されたので、水分制限に留めたため、約1時間でトイレに行きたくなったものです。私のしょうがい特性です。

そういうことはありましたが、「施設に入れるな」「精神病院に入れるな」というデモコールが私の気持ちにぴったり来ました。「分けるな」という単純なことが、色々理屈をつけて否定されるのが今の社会です。「しょうがい者は生きている価値がない」というU被告の言葉が、形を変えて「しょうがい者は一人前の人間ではない」「しょうがい者は生きていること自体が不幸だ」という価値観となって強制されてくる。

「しょうがい者は不幸じゃない」とデモをして叫ばないといけない社会の側からの制限。

それに対して、幾人かの個人の呼びかけに応えて、160人ものしょうがい者、「健常者」が集まったことは、私の自信になりました。「仲間がいる」「孤立しているんじゃない」という確かな印だったからです。呼び掛けて、準備をしてくれたメンバーに感謝します。

 

以下主催者からの報告です。

<リメンバー 7.26 神戸アクション : Remember 7.26 Kobe Action

723 18:29

 

  

関西一円、遠くは富山県、愛知県などから駆けつけた160人を超える障害者・健常者が参加して「障害者を殺すな 7.23 神戸デモ」が行われました。

 

多くの方々の協力とカンパがあってはじめて実現したデモでした。心からありがとうございます。

 

毎月の街頭での追悼行動8月以降も続きます。

 

次回、第13回「リメンバー 7.26 神戸アクション」は、8月20日(日)午後4時から6時、神戸マルイ前(雨天決行)です。

 

どうぞお越しください。>

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2017年7月19日 (水)

ひょうせいれん声明 7/19

精神保健福祉法改悪案参院通過を弾劾し廃案を求める声明

 

         2017年7月19日兵庫県精神障害者連絡会・フレンズ

 

精神保健福祉法改悪案は5月17日の参院本会議で自・公・維新・無所属の賛成、民進・共産・社民(自由)の反対で可決し衆院に送られました。修正案が賛成多数で可決しました。修正の内容は、警察が入る「精神障害者支援地域協議会」を措置入院だけでなく医療保護入院に拡大する等という実質改悪の内容です。措置入院は都道府県知事・政令指定都市市長の同意による強制入院で数千人が対象なのに比して、医療保護入院は親族や市町村長の同意による強制入院で対象者は十数万人になります。しかし、実現可能性が疑われる法案です。政府は措置入院を対象とした場合で専門職200人の増員が必要だとしていました。医療保護まで対象とするなら単純計算で専門職3千人~4千人の増員が必要になる計算です。今の福祉切り捨て予算の中でそのようなことが現実的とは思えません。増員なき福祉切り捨てになることは明白です。

法案は衆院では審議入りせずに継続審議となりました。私たちはあくまで廃案を求めます。

 

自見はなこ議員の差別暴言

 

5月11日の参院厚労委員会での審議の時の、日本医師会の組織内候補である自民党の自見はなこ議員の発言は驚くべきものでした。「監督されているという妄想は病気の症状だ」という、多くの精神しょうがい者にとって大きな衝撃を受けた差別暴言でした。

自見議員は、「議論に出ておりましたような、監督されているんじゃないかというような妄想もこれも一つの病気の症状でありますので、ここは一貫してみんなでサポートしているんだというメッセージを送っていただきたいと切に願っております」と発言しました。

これは、「監督されていると思うのは妄想だ」という以外の意味には採れません。精神しょうがい者が何を言おうが、何を叫ぼうが、みんな「妄想だ」と切って捨て、無意味化する、それが精神保健福祉法改悪を推し進める側の論理なのです。

「みんなでサポートしているというメッセージを送る」というのも精神しょうがい者は地域自立生活の主体ではなく、「福祉をしてあげる」だけの客体だという決め付けですから、駄目です。

精神しょうがい者を管理と監督の対象としか考えていない政府答弁を繰り返される中で出たのがこの発言です。「善意」を振りかざして人間を否定するというこの法案の本質を最もよく表しているのです。

 

パターナリズム批判

 

自見はなこ議員は差別発言をしたのみならず、改悪案は『措置入院時に精神医療審査会の審査を義務付ける良い制度改革だ』と言っています。精神医療審査会というのは、不当な強制入院を監視し是正する第三者機関というふれこみでつくられたものです。しかし、実際にその委員を務めるある弁護士は、審査会の内情は、極めて事務的に判子を押すだけの強制入院追認機関に過ぎないと実態を暴露しています。3時間に150通の書類に目を通し、事務局は承認の判子を押せと圧力をかける。おかしいと思い不承認と書けばその理由をただ働きで書くことを要求されたそうです。自見はなこ議員に顕著な「パターナリスティックな制約」こそが今回の改悪案の中身なのです。「パターナリスティックな制約」とは、「国家が個人の利益を保護するために課す、自己決定権に関する制約を意味する表現。特に、未成年が喫煙や飲酒を行うなどの、『自己加害』と見なされる行動に対する制約を指すことが多い。」(実用日本語表現辞典より)

 

パターナリズムとインフォームド・コンセント

 

パターナリズムは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益になるようにと、本人の意志に反して行動に介入・干渉することです。日本語では家父長主義、父権主義と訳されます。

パターリズムの立場の人は「インフォームド・コンセントなど幻想だ」と主張します。また日本精神科救急学会ガイドライン(2015年版)では、「自発的入院と非自発的入院の分水嶺はインフォームド・コンセントが成立するか否かだ」としています。精神しょうがいの状態の人には事理を分別できない人がいるという前提に立っています。

しかし、一旦落ち着いた状態の時に話して分からない人はいないのです。障害者権利条約12条に提示されている、誰もが精神的「能力」と無関係に法的能力を持つことの確認、すなわち精神しょうがい者にはインフォームド・コンセントが成立しない場合があるという前提から考えるのではなく、誰に対してもインフォームド・コンセントを保障しなければならないという前提に立つべきなのです。

3月24日に行われた院内集会で内田博文九州大学教授は次のように発言しました。『警察と医療機関や福祉機関では行動規範が異なる。警察は対象者に不信で接し、医療機関や福祉機関などの本来の指導理念は信頼であり正反対である。支援策としては逆効果であり、対象者を監視する社会を作り出す。』

この発言は、法案の本質を突いていると思います。改悪案に特徴的なパターナリズムは、インフォームド・コンセントの原則に反し、支援にならないばかりか、国家による強制や監視社会をもたらします。

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2017年7月18日 (火)

5/14集会報告集発行です

今年5月14日の「相模原事件と精神保健福祉法「改正」」集会の報告集の出稿を終えたました。10日ほどで印刷できてきます。

読売新聞の原昌平さんの講演と、質疑応答などです。

報告集のご注文は

gen1951@nifty.com

まで、お願いします。(すでにうかがっている方は結構です。)

表紙カラー、本文モノクロで48ページ、領価300円です。

代金は冊子を受けとってから、同封の郵便振替用紙にてお願いします。

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2017年7月 9日 (日)

「組織論への道」を支持します

西山志郎さんの「組織論」に応えて、ネットで友人たちに呼びかけました。今必要な提起だと思います。いろいろとマイナスの反応もあるでしょうが、へこたれないで頑張って欲しい。良い反応も多いと思います。言われるように、色々な過程を経て10年でものになるものと覚悟して、ともに10年を歩んでいきましょう。
あまり密な「組織」ではなく緩やかな連合体がいいと思います。通信で繋がった緩やかなものがいいです。出入り自由、通信に投稿する権利を持った、精神しょうがい者の緩やかな連合体で通信で繋がっているというのがいい。かつて密な「組織体」ではろくなことがなかったので。
ネットで、規約もない緩やかな連合体がいいという意見がありました。「規約」などと言う前に、いかにしてつながるかが大事だと返しました。西山さんが個人的にステータスを求めない人だということが私がこの運動を支持する大きな理由です。かつて、全国連合体を求める運動は幾多ありましたが、個人的ステータスを追い求める「独裁者」が現れて、ろくな運動にはならなかった歴史があります。
西山さんが個人的ステータスを求めない人であることの上で、この連合体はステータスを追い求める人物を排除したものにする必要があると思います。それは規約によって作られるのではなく、相互の信頼に基づいて作られる、信頼を基礎とした連合体である必要があります。西山さんが手を挙げたことは、そのような相互の信頼に基づいた連合体を作にぴったりくる人物だと思います。
「独裁者」が現れないようにするためには、「旨み」のない運動であること、苦労はあっても利権はない運動であること、社会的ステータスを作らない運動であることが必要です。それは西山さんという人格によって保障されている面があります。組織ではない組織として、通信で繋がった緩やかな連合体と目指していきたいです。

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2017年7月 7日 (金)

組織論への道

大阪高槻の光愛病院の歴史ある患者会である灯会の代表の西山志郎さんの「決意表明」です。西山さんの了解を得たのでみなさんにお送りします。私はこの呼び掛けに応えようと思います。あまり密な「組織」ではなく緩やかな連合体が良いと思います。かつて密な組織ではろくなことがなかったので。

 

組織論への道

 

とんでもないことが生じた。二人の道は神様としか歩めない。打ちひしがれている。しかし夢を持ちたい。組織論への出発だ。あらゆるグループが散らばった。今それぞれがバラバラに歩んでいる。これを組織論で統一させねばならない。あと十年かかってもグループ組織論を持って統一されねばならない。今はバラバラである。共通点があるならばそれぞれの考え方を組織化させねばならない。まず各グループの出している通信に組織論の紙上討論を望む。全国-全世界から「きちがい」の言葉を意識化してなくさねばならないこと。十年かかっても後の仲間達に組織化への道をさし示させねばならない。全体で前進する。一つの理想を呈した。うけとめてほしい。全世界が一つにならねばならない。今、通信は五十人程にしか呼びかけているに過ぎない。いろんなしょうがいを乗り越えてゆかねばならない。小さい小さい灯会の私が朝思いついたことである。

 

 

男女とは冷房の中筆をとる

組織論確立すべし入道雲

 

 

灯会代表:西山志郎

ともしび通信(悩みのとりくみ)333号(2017年7月号)より

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2017年7月 5日 (水)

自見発言に抗議する共同声明賛同人

自見発言に抗議する共同声明につき、賛同が増えましたので公開します。

共同声明団体名(順不同)

「骨格提言」の完全実現を求める10・27大フォーラム実行委員会/全国「精神病」者集団/怒っているぞ!障害者切りすて!全国ネットワーク/全国一般労働組合東京南部トータルサポートたいとう分会/兵庫県精神障害者連絡会/医療保護入院制度を考える会/障害連(障害者の生活保障を要求する連絡会議)/難病をもつ人の地域自立生活を確立する会/Korean Alliance on Mental Illness(韓国)/国立武蔵病院(精神)強制・隔離入院施設問題を考える会/夜回り団体 みみず/リメンバー 7.26 神戸アクション/自立生活センターびんご/特定非営利活動法人 自立生活センター くれぱす/自立生活センター星空/一般社団法人  ONE MORE/おたすけclubぴあかん/プチ大阪兄弟姉妹の会/心神喪失者等医療観察法をなくす会/心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク/刑法改悪阻止!保安処分粉砕!全都労働者実行委員会/部落解放同盟兵庫県連合会/特定非営利活動法人てんぐるま/リメンバー7.26東京アクション/さまりたんプログラム/神経筋疾患ネットワーク/自立生活センターリングリング/木村クリニック/八王子精神障害者ピアサポートセンター/障害者問題資料センターりぼん社/音楽集団 歩笑夢/自立生活センターアークスペクトラム/障害者生活支援センター・てごーす/cilもりおか/アイアンドユウ/関西合同労働組合/自立生活センター・昭島/北部自立生活センター希輝々/自立生活センターアシストミル/エンパワメントふちゅう/自立生活センターAJU車いすセンター/Consumer Action Network Mental Health Lanka(スリランカ)/Ubuntu South Africa(南アフリカ)/すべての人に尊厳と人権を!ヘイトクライムをなくそう!神戸連絡会/福祉・介護・医療労働者組合(ケアワーカーズユニオン)/自立生活支援センター フリーダム21/安心できる介護を!懇談会/特定非営利活動法人自立生活センター福岡/新空港反対東灘区住民の会/全国一般労働組合東京南部ケアワーカー連絡会/全国一般労働組合東京南部フットワーク新宿分会/CILくにたち援助為センター/泉州☆精神障害者俱楽部「青い鳥」/NPOこらーるたいとう/大阪精神障害者連絡会/「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議/劇団態変/人権平和高槻市民交流会アスφネット/世界精神医療ユーザーサバイバーネットワーク/自立生活センター スリーピース/尼崎伊丹三里塚実行委員会/障害当事者による人権研究所‘ja`/障害者が街で共に生きるみんなの麦の家/NPO法人 CILだんない/全国一般労働組合東京南部

賛同(個人・敬称略・順不同到着順)

佐々木信夫/岩崎晶子/髙見元博(兵庫県精神障害者連絡会代表)/渡海優/吉川健明(医師・当事者)/白田幸治(こころのピアズ代表)/西山志郎(灯会代表)/宮﨑一(ガチャバンともに生きる会)/浦松祥子/弥永修/井上博之(看護師)/白石裕(東灘区住民の会)/柴田明(精神科医師)/佐々木伸良/府川政人/辻淳子(夜回り団体 みみず)/合田享史(当事者の家族)/宮野吉史/木村政紘(精神科医)/梶原義行/岩野政樹/坂内孝雄/金秀浩(医師)/木原和子/阪本林太郎/寺下眞治(個人)/辻田雄一(嘉飯山地区精神障害者家族会会員)/栃本一弥(NPO法人なゆたの会役員)/南守(ケアワーカーズユニオン執行委員長)/長谷川唯(研究員)/津端:叡/松原康彦/早坂智之/仙城真(リハビリテーション科医師)/野島美香(市民)/志賀直輝(ケアワーカーズユニオン、安心できる介護を!懇談会)/宮本博志/矢島由里子/猿渡達明/近藤基(知的障害者)/近藤英子(母)/高橋亮也(精神保健福祉士)/中川裕之/内藤美樹/後藤和佳子/永嶋靖久(弁護士)/たにぐちまゆ/池田宜弘/上野卓治/浜島恭子/吉田明彦(精神障害当事者)/石地かおる(身体障害当事者)/水野浩重/谷口健人(CILだんない)/藤井理嘉/三角忠(編集工房朔)/鈴木敬治(鈴木敬治さんと共に移動の自由をとりもどす会)/松田耕典/和泉健一/古賀滋/橋本利昭/菅原和之/和田孝雄(前高槻市議)/横田眞人/山本眞理(全国「精神病」者集団会員)/有馬秀雄/清水裕(精神保健福祉士)/盛田容子/古賀典夫/澤野治(夜回り団体みみず)/桜井まり子(自立生活センターグッドライフ)/瀧柳洋子(基準該当事業所「新しい空」代表)/船山良成/山本由美子/森律子/橋本成子/安原荘一(客員研究員)/石田勝啓(関西合同労働組合執行委員長)/大野ひろ子(介護労働者)/住田雅清/武藤光政/川英友(社会福祉士・静岡英和学院大学助手)
(公表不可2人)

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2017年7月 1日 (土)

精神保健福祉法改悪案成立阻止しました

6/8院内集会

 

6月8日衆院第一議員会館にて150人の参加を得て、精神保健福祉法改悪案を許さない第3回院内集会が行われました。私が注目したのは精神医療審査会の内情を暴露した弁護士の発言、措置入院の体験談、薬物依存症の当該の発言でした。

日本医師会の組織内候補である自見はなこ議員は「監督されているという妄想は病気の症状だ」という差別発言をしたのみならず、改悪案では措置入院時に精神医療審査会の審査を義務付ける良い制度改革だと言っています。精神医療審査会というのは、不当な強制入院を監視し是正する第三者機関というふれこみで幻想を煽っています。しかしその委員を務める弁護士は審査会の内情を、極めて事務的に判子を押すだけの強制入院追認機関に過ぎないと実態を暴露しました。3時間に150通の書類に目を通し、事務局は承認の判子を押せと圧力をかける。おかしいと思い不承認と書けばその理由を只働きで書くことを要求された。自見はなこに顕著な「パターナリスティックな制約」(注)こそが今回の改悪案の中身だと弾劾しました。「パターナリスティックな制約」というのは父権主義的な制約という意味です。

措置入院にされた人は、てんかんの発作が起きたから自分で救急車を呼んだが、運ばれた先の精神病院で措置入院にされ、数日間、首手足を縛られて保護室に放り込まれたのです。てんかんの発作で自傷他害の恐れがあったでしょうか。東京では救急で運ばれた人は措置入院にして縛ることが多く見られます。

薬物依存症からの回復を望む女性たちのための日本で最初の民間施設であるダルク女性ハウスのメンバーは、警察が精神医療に関われば薬物依存症患者はますます医療から遠ざかることになり、マイナスが大きいと述べました。

私は兵庫県では役人は「患者のための良い事をしているのに、なぜ反対するのか」と言っていること。自見はなこの差別的発言に抗議する共同声明に賛同をと訴えました。

 

衆議院審議入りせず―成立阻止―継続審議に

 

3月24日(130人)、4月25日(250人)、6月8日(150人)と短期間に3回行われた院内集会やその間の国会前の座り込み、参議院厚労委員会の傍聴には延べ800人近い精神しょうがい者、しょうがい者、支援者、国会議員や秘書が参加し、自見はなこ議員に特徴的な「パターナリスティックな制約」を加えようとする精神保健福祉法改悪案を押し返しました。最初は議論なく成立すると言われていたものを36時間の参議院における審議の上に、衆議院では審議入りを阻止したのです。

6月16日に残念ながら自公維新の賛成、民進党は出席拒否、共産党は反対(社民党は衆院厚労委員会に委員がいない)によって継続審議となり、廃案にはできませんでした。次国会では衆議院のみの審議となります。しかし、参議院での修正で医療保護入院にまで対象者を広げるなど、実現可能性が疑われる法案になっています。政府は措置入院を対象とした場合で専門家200人の増員が必要だとしていました。医療保護まで対象とするなら3000人~4000人の増員が必要になる計算です。今の福祉切り捨て予算の中でそのようなことが現実的とは思えません。増員なき福祉切り捨てになることは明白です。さらなる追撃で廃案を勝ち取ろう。

 

(注)「パターナリスティックな制約」

 

 国家が個人の利益を保護するために課す、自己決定権に関する制約を意味する表現。特に、未成年が喫煙や飲酒を行うなどの、「自己加害」と見なされる行動に対する制約を指すことが多い。(実用日本語表現辞典より)

 

〈解説〉パターナリズムとインフォームド・コンセントの衝突

 

パターナリズムは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益になるようにと、本人の意志に反して行動に介入・干渉することです。日本語では家父長主義、父権主義と訳されます。

パターリズムの立場の人は「インフォームド・コンセントなど幻想だ」と主張します。また日本精神科救急学会ガイドライン(2015年版)では、「自発的入院と非自発的入院の分水嶺はインフォームド・コンセントが成立するか否かだ」としています。精神しょうがいの状態の人には事理を分別できない人がいるという前提に立っています。

しかし、強制入院に反対する立場からは、一旦落ち着いた状態の時に話して分からない人はいないということが主張されています。障害者権利条約12条にラディカルに提示されている、誰もが精神的「能力」と無関係に法的能力を持つことの確認、すなわちインフォームド・コンセントができない人がいるという前提に立つのではなく、誰に対してもインフォームド・コンセントを保障しなければならないという前提に立つべきなのです。

3月24日に行われた院内集会で内田博文九州大学教授は、警察と医療機関や福祉機関は行動規範が異なるとして、警察は対象者に不信で接し、医療機関や福祉機関などの本来の指導理念は信頼であり正反対である。支援策としては逆効果であり対象者を監視する社会を作り出すと、措置入院の問題にすり替えてはならないとしました。法案の本質を突いていると思います。「してあげる」強制医療=パターナリズムのもたらすものを的確に表現していると思います。

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