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2018年5月22日 (火)

Fさんへの質問と回答・概略・コメント付き

国立精神・神経医療研究センターFさんへの質問と回答・概略18429フレンズ

 

★が質問。○が回答です。☆はコメント。

 

★私たち「フレンズ」は昨年出された精神保健福祉法「改正」案に反対してきました。精神医療が治安目的に変わってしまうことへの危機感からです。この「改正」案は前国会で廃案になり、今国会にも出てこないことになっています。真偽のほどは分かりませんが、新聞報道では同じ内容の「改正」案が今後出てくることはないように書かれています。

○私も再三厚労省に問い合わせるが、ガイドラインを作る関係で法案が今後どうなるかは重要。「調整中としか言えない」と言われている。内容についても歯切れが悪い。

★その中で、本年3月27日に厚生労働省は、現行法制で出来ることのガイドラインであるとして、措置入院に関するものと、措置入院後の支援に関する2つのガイドラインを出しました。

★市交渉で警察は入れないと約束しているがガイドラインが出たことで守られないのではないかと危惧する。

○「会議」(保健所設置自治体ごとに作る)には警察は本人が了解すれば入ることが出来る。そういうケースは時々あって、本人が希望するときには排除しない。通常想定できない。

☆「本人が希望する」というのと「了解する」というのはまったく違うのにあえて混同している。希望は本人からすること。「了解」は他者が取ること。意図的混同か。

 

★ガイドラインでは警察を「協議の場」(県・政令市)に入れることになっていますが、措置権者は自治体の長であり、措置診察を行うのは精神科指定医です。それらは独立して権限を行使しなくてはならないはずです。ではなぜ、何を警察と協議する必要があるのですか。困難事例、移送等といった例示されていることは全国統一した決め事にしておけばいいのであり、自治体ごとの、医療関係者などが入った協議の場で決める必然性が感じられません。

 これは兵庫県で実際に起きたことなのですが、警察の中でも公安警察が、特定の患者の情報をよこせと精神科医に迫り、半時間も恫喝を加え続けたということがあります。精神科医は医者の守秘義務を盾にして拒否したのですが、恫喝にはかなり参ったそうです。公安警察を相手にした場合まったく「善意」を期待できない。

 三番目に、天皇制と精神しょうがい者の問題です。植樹祭などで天皇が来県するときには、警察は(公安警察の指示の下ですが)精神病院には「危険な者が外出しないように」という圧力をかけます。これに典型的なのは警察と精神しょうがい者の関係は、疑いと監視監督であるということです。

 全体として、ガイドラインは、警察に対して「善意」を期待しすぎていると思います。生活安全課にせよ警察の仕事は人を疑うことです。医療者や保健所とは行動原理が違うのです。ましてや公安警察は「超法規的」に民衆を監視しています。

○現行法では会議に関わった人間は情報を出さないと書いてある。改正法にも書いてある。病院ごとに守秘義務とは何か徹底するしかない。

★医師・看護では守秘義務を期待できるが事務系では期待できない。

○現時点でも圧力はかかっていて、ガイドラインでお墨付きを与えるという危惧ですね。

警察を入れるか入れないかは本人の意向。本人と支援チームの全員が同意しないと警察は入れない。公安警察までも想定していないが警察には訳の分かってくれない人はいる。

☆「公安は想定していなかった」と言いながら検討を加えることはしない。これでは議論が深まらない。

 

○国レベルだと全自治体が入って地域差、文化、資源、慣習の差が反映されない。県ごとにやらないと。県で何をやるかは、警察官通報がやたら多い。本来のケースではないものが多い。医療側と乖離している。協議することで警察官通報が減った自治体がある。

○公安を想定してはいないが、警察が脅しをかけてくることは多くの医師が経験している。突っぱねるしかない。毎回苦労している。悪意は想定しているが、ガイドラインによっては防御できないです。協議の場は生活安全課を想定している。

★協議の場でも具体的ケースは検討する。仮名でなっていても、個別の事例は上がってくる。それは誰かと問われて答えるという懸念がある。

○ご懸念は分かる。しちゃいけないとは言っているがそこが危うい。

★事件性が険しくなると。新聞沙汰になったケースで実際に警察が精神しょうがい者でこの地区に住んでいるのは誰かとリストを上げていてチェックを入れた例がある。警察は持てる情報はすべて使う。洗いざらい出しなさいと言って来る。警察が事務系に言い、事務系が看護に圧力をかけて出せと言った例がある。

○警察との協議はかなりの自治体ですでに協議をやっている。事件性のあるものを持ち込むのは趣旨と違う。いつの時代の話ですかということですよね。そこは全国レベルで協議に持ち込むことが出来る。警察庁は上がった問題点を厚労省と警察庁で協議することになる。他からも上がってくる。警察庁を巻き込めたのは第一歩です。各県警と警察庁の温度差、地域差もある。あげてもらってから改善していくという方向性を考えるしかない。

○警察官通報は措置通報の7割を占めている。警察とは関わらざるを得ない。警察を排除するとかえって良くない。善意を期待しすぎていると言われれば、その通り、善意を期待しています。悪意が入り込んだときは問題点としてあげていく。その繰り返し。

☆悪意のケースはそれ自体は仕方ないこととされてしまう。「今後の参考」にしかならない。犠牲者は損のし損。

 

○入口なので、何でもかでも連れて来られては困る。警察が受診まで援助している自治体もある。自治体との役割分担をしていく。どこまでが警察の仕事でどこまでが自治体の仕事かを意識合わせをする。警察にいかにメンタルヘルスを分かってもらうかは各国共通の問題。

○相模原事件があって法改正というのはないだろう、違うということはある。契機として措置を見てみたら自治体格差があったという問題が出てきた。

法改正で措置の実効性を変えるより、支援をきっちりしようということだった。

★安倍の一声から始まっている。支援ということではなかった。

○首相の考えと現場では乖離がある。あまりに再入院率が高い。1年間で40%が再入院しているのはおかしい。診療報酬の問題がある。地域で入院ではなく住み慣れたところで医療を受けられることが一番の狙い。そこが伝わりにくい。今入院に財源がシフトされていて、外来があまりにも手うすくて、地域医療従事者も数は増えたけど財源は少ない。入院シフトを地域シフトにしていきたい。一つのきっかけとしたい。

○警察がなぜあれほどクローズアップされたのか、私は理解できない。警察官通報のところを警察と協議しましょうとあるけど、退院後支援で警察が関わるというのは想定していない。

それはオプションであって本筋ではない。それが一番最初に出てくるのは違うだろうと。第一義的に目指したのは地域の支援体制の充実なので。警察が先に出るというのが本当に心外で、元々は地域の支援体制があまりにも手うすいし、医療、福祉の契約型サービスで対応しきれないことに自治体が穴埋めをしていく、自治体がサービスを整えていくというのがもともとの趣旨だった。そこを強調してきたつもりだけど警察が入るというところがやたらとクローズアップされてしまい、非常に心外だ。入ることはあるが限定的な話であって、全体のめざす趣旨から考えると小さいことだ。

○地域の資源を付けていく。交付税は付けたけど交付税の使い道は自治体が決めるから、それを精神保健に付けようと自治体に思ってもらわないといけない。

入院の診療報酬を外来に振り分けてもらいたい。小さいけど積み重ねで外来に手厚くしていきたい。入院はいらないとは思わないがこれほどはいらない。医療者はその人が地域に帰った時をイメージしないのが多い。生活者としての環境を病院側が考えないといけない。

その方がセルフケアできるか、金銭管理できるか、家族、地域から聞く。

国会で警察がうんぬんかんぬんとやられちゃったので、ガイドラインにも一行それが本人の同意とか取らなくてはならないとか入れざるを得ない。それだけなんですよ。変な国会答弁が無ければ入らなかったかもしれないが、国会で約束したことはガイドラインにも書いて下さいというお約束で警察のことが入った。

☆警察を入れると書きながら、おかしいのはそれを問題視する方だという理屈をこねる。結局、精神しょうがい者の立場に立つ人ではない。「善意」ぶっている分たちが悪い。

 

★兵庫方式の当事者の意見は聞いたか。

○兵庫では聞いていない。

★兵庫以外では精神の当事者に聞いたのか。

○はい、それでガイドラインの修正をだいぶしてきた。

★精神しょうがい者は自立能力がないということか。

○ガイドラインに余計なおせっかいはやめようと書いている。支援をしないといけない人は一定割合いる。精神しょうがい者がすべからく濃厚なサービスが必要とは思わない。

☆サービスがないことが「自立」と捉えているようだ。支援を受けて自立しているのはおかしいのか。しょうがい者施策の自立概念ではない。しょうがい者が拒否している介護保険の自律概念そのもの。誰の味方かが良く分かる。

 

★三田の事件。両親が理解していない。地域が理解し一体になってやって欲しい。目に見えないしょうがい、変わった行動をとることへの理解が必要。

○地域の人が当たり前と分かったうえでないと理解進まない。両親が相談しようという選択肢、相談したら偏見にさらされると心配する。そこは本質だと思う。

退院して一定期間支援が必要なのに無くて調子悪くなると地域の偏見につながる。変えていける地域もある。接する機会がないと分からない。地域にはいろんな人がいる。

☆これ自体がとんでもない偏見。変なことをしていたら社会が偏見で見るのは仕方ないということを言っている。「暴れない」「奇声を発しない」「おとなしい」「調子が悪くならない」のが「期待される精神しょうがい者の在り方」だと言う訳だ。「善意」の底が知れる。所詮は役人、精神科医の発想に過ぎず、精神しょうがい者の味方では断じてない。ここにガイドラインの本質が現れている。顔を洗って出直してもらうしかない。

なお、三田の件のことですが、この件は精神医療・精神保健体制とはまったく無関係ですので、訂正させていただきます。被害者は知的障害者と県が公式に発表しているそうです。精神しょうがい者なら檻に入れても仕方ない、精神しょうがい者の件なら親に同情が集まるという誤った世論誘導が最初の報道にさいして行われました。その為、その後もこの誤った情報が独り歩きしてしまっています。うっかり、その世論誘導に乗ってしまうところでした。

 

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