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2018年8月 7日 (火)

福祉が「再犯防止」目的に転換されようとしている

729日東京都内で、心神喪失者等医療観察法廃止全国集会が行われ92人が参加しました。心神喪失者等医療観察法なくす会/国立武蔵病院(精神)強制・隔離入院施設問題を考える会/認定NPO大阪精神医療人権センター/心神喪失者と医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワークの共催です。新しい視点が立って良い集会でした。「健常者」の再犯防止策を正面から批判しました。福祉が司法の枠内に取り込まれようとしているそうです。専門職団体は職域が拡がるといって歓迎している。いつもの構図です。その専門職の一人が講師で、専門職のレジストを呼び掛けました。

講演は「法制審の『社会内処遇』の問題点とリーガルソーシャルワークの在り方を考える」と題し、社会福祉士・精神保健福祉士・NPO法人サマリア理事長の黒田和代さんが行いました。

講師は本人のための福祉が事件を繰り返して本人が苦しむことも結果として防ぐという実践をしている人。この場合、福祉が事件を防ぐというのは結果であり、防犯が目的ではない。目的はあくまで本人が日々を過ごしやすいように補助することです。

ところが政府は「健常者」や知的しょうがい者の再犯が多いと言って、抜本的に再犯防止策を展開しようとしている。政府がやろうとしているのは「社会内処遇」といって福祉の目的を再犯防止に転換すること。「福祉的支援を受ける事」を起訴猶予の条件とし、「逆らったら起訴するぞ」という脅しで「福祉」の「指導・監督」に従わせるというものです。それは福祉を司法の枠内に取り込み、専門職を再犯防止の手先にする。本人のための福祉から転換して「国民のため」、社会防衛のための「福祉」になる。原理が転換すれば手段も変わる。方法も変わる。マジョリティの安心のためにマイノリティの人権を否定する。福祉専門職が再犯防止を目的として管理監督のために動くことの怖さ。大きな転換が始まろうとしていることを見ないといけない。

今は福祉専門職は本人のためを原理原則にしている。テレビドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」の場面を考えてみたら良いのです。福祉職が再犯防止のためにマイノリティに接し始めたらどんな恐ろしいことになるか。医療観察法で事件を起こした精神しょうがい者に対して行われていることが、マイノリティ全体に襲い掛かるのです。無関心であってはなりません。

 集会では、医療観察法経験者のメッセージが読み上げられ、国連・恣意的拘禁作業部会が措置入院に関して違法判断を行った概略が報告されました。

私も発言しました。国立精神・神経医療センターの研究部長藤井千代氏とひょうせいれんの意見交換会での「『病者』の症状が社会が偏見を持つ原因」という趣旨の藤井氏の発言を批判、また、医療観察法病棟での自殺者の多さを批判しました。観察法の下での自殺者は入院者で13人、通院者で自殺と推定される者46人に上ります。「本人のための医療」という表看板とは裏腹にいかに酷いことが行われているかの証左です。

陣形を広げ医療観察法の廃止と「健常者」や知的しょうがい者に対する「社会内処遇」を許さずに闘いましょう。

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