-闘いは進む-

2018年11月13日 (火)

11/11集会報告

11/11尼崎小田公民館での「ナチスのT4作戦を観る ビデオ上映とお話し」集会を成功裏に終えることができました。

上映したビデオは『優生思想』によるナチスのしょうがい者に対する断種政策(強制不妊政策)が エスカレートしてT4作戦というしょうがい者大虐殺に繋がったこと。市民はハイルヒトラーを叫び、抵抗する者の無いままT4作戦は実行されて行った。市民はしょうがい者が虐殺されていることを知っていながらヒトラー万歳を叫び続けた。一人の神父が立ち上がり「生産性のない者の殺害を承認するならば市民も年を取ったら殺されることになる」と異議の声を挙げた。その声は瞬く間に市民に広がりヒトラーはT4作戦中止を命令した。ナチスと言えど世論を気にしていたのです。しかし、それで終わらなかった。「野生化したT4」が精神科医の主導の下に続けられた。ナチスによる強制ではなく精神科医の自発的主導だった。殺された人数はT4作戦を上回った。精神科医達は戦後も長く沈黙し反省を口にする者は居なかった。殺害現場を訪れた藤井克徳氏は「しょうがい者の人権が否定されるとき、すべての人の人権が侵害される。それは戦争の前触れだ」と回述します。

続いて報告に立った吉田みち自立生活センター三田代表は三田しょうがい者監禁事件について詳述し被害者は施設に移されただけで、自由はいまだに無いことを糾弾しました。被害者が社会の中で自由に暮らせない状態を「解決済み」としてはなりません。

続いて知的しょうがい者、精神しょうがい者、身体しょうがい者や聴覚しょうがい者らから発言を受けました。ナチスの時代は決して過去の出来事ではなく今まさにそのような時代に入っていること。しょうがい者は不幸だという決めつけのもと生まれる前に抹殺されている。しょうがい者の安楽死、尊厳死という名の下に虐殺を行う時代が来ようとしている。三田しょうがい者監禁事件は何ら解決されていない。施設に監禁されているだけだ。加害者が保護者として関わり続けているのはおかしくないか。

視点を変えて、介助労働者の幸せはしょうがい者の幸せにあるという価値観で労働者の運動を進めることが必要だ。

すべての討論が「ピープルファースト」「しょうがい者である前に人間だ」と権利の主体としてのしょうがい者という立場に立脚したものでした。

集会には受付名簿にある人が50人、受付を通らなかった人が数人いたのと、介助者を入れると60人の参加でした。カンパも多く集まり、事前のカンパを含めると赤字は出さずに済みそうです。ビデオをさらに深めた藤井克徳さんの本(「わたしで最後にして」)も10冊仕入れたのが試写会と精神科医に買って貰ったので6冊売れ、11日の集会でさらに3冊売れました。

ともかく無事これ名馬、集会は大成功でした。来て下さった方々、講師や発言者、スタッフのみなさん、カンパを寄せて下さったみなさんも本当にありがとうございました。 この集会の陣形をさらに豊かなものにしてみんなの力を合わせ、しょうがい者差別の厳しい現実、すなわち戦争が近づく中での「優生思想」によるしょうがい者差別の激化と闘って行きたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。

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2018年8月17日 (金)

フレンズ124号

KSKP

フレンズ

編集人:兵庫県精神障害者連絡会

フレンズ・ニュース年間会費1000円

郵便振替 00960-1-140519加入者名共生舎

発行人:関西障害者定期刊行物協会

              大阪市天王寺区真田山町2―2東興ビル4階

事務も精神しょうがい者が行っているので、省力化のため、郵送ではなくEメールで受取っても良いという方は、gen1951@nifty.comにご連絡ください。                                    

 

2018年8月(№124)

 

 次回フレンズ例会は8月26日(日曜日)午後1時にJR神戸駅改札口で待ち合わせです。食事会を行います。いつもと違うのでお間違いの無いように。日頃のストレスを思いっきり食べて解消しましょう。多くのご参加をお待ちします。初めての人も久しぶりという人もぜひ参加してください。今回はお店に予約が必要なのであらかじめ電話下さい。電話は090-3054-0947(髙見)です。

今号は★「私の組織論」怒りネットの古賀典夫さん。みんなで、どういう運動を作るのか考えていきましょう。★三田市知的しょうがい者監禁事件の集会と裁判について。★『不幸な子どもの生まれない運動』は終ったのか? 6・30集会にしょうがい者ら170人参加。★相模原殺傷事件から2年、神戸でデモ。

 

 

私の組織論

 

怒っているぞ!障害者切りすて!全国ネットワーク(怒りネット)・古賀典夫

 

 以前に、フレンズの高見さんから、「しょうがいしゃ運動の組織論を論じよう」と提起されている志郎さん(俳句を投稿されている方)のことが紹介されました。

 ご紹介いただいてからずいぶん時間がたってしまいました。ご紹介いただいた時から書いてみたい思いがあったのですが、ゆとりがなくてできませんでした。何か書きたいという思いがあり続け、以下のようなことを書いてみました。

 

 私としては、当面、現在問題になっている事柄について、様々な発想をもっている人々がともに解決を目指して行動する中で、組織論についての答えは出てくるように思います。

 その上で、まず必要なことは、このような運動を成功させる主体である私たちの向き合い方、実存のありようから考えてみる必要があるかと思います。

 私はとりあえず、次のようなことを考えています。

 

(1)世界の人々の状況から、自らを問い直す

 仲間内だけの発想でなく、まして国内だけの認識や発想でもなく、世界の人々の苦しみ、葛藤、喜びの前に、自らの発想や行動を日々問い返して行きたいということです。

 私自身、世界の人々の状況を把握しているなどとは思いません。常に学び続ける以外にはないと思っています。

 しかし、世界の人々の情況に寄り添って物事に向き合うことが、排外主義に流されることを防ぎ、狭い利害にとらわれることから抜け出る方法だと思っているのです。

「障害者」運動ということで言えば、世界中に「障害者」はおり、あらゆる民族、階層の中にいます。したがって、「障害者」運動そのものが、世界を対象にする以外にないと思うのです。

 

(2)自らが抑圧者となる危険性への自覚

 私たちが差別・抑圧と闘うことは当然であり、生き死にのかかった問題です。また、この闘いへの参加も呼びかけていくことも当然です。

 しかしその中で、自らが抑圧者になってしまうことの危険性を、常に自覚して行動することが必要です。「障害者」運動を考えたときに、このことは非常にわかりやすいと思うのです。様々な「障害者」が出会う中で、それぞれやれることが違うのですから、場面によって、それぞれが相手を無視したりしてしまうことは大いにありうることです。これは、「障害」ということを念頭におかなくても、人間の能力はそれぞれ違うのですから、誰かを無視したり、軽視したり、できないことを責めたりなどすることは在りうるわけですが。

 「障害者」の中には、当然のことではありますが、男性も女性もいます。男性か女性かによって、経験してきたことも実際にかなり違うものがあります。女性の「障害者」がセクシャルハラスメントを受けることはかなり多いと思われます。また、社会的にあるジェンダーに縛られることによって、「障害者」の男性と女性の間にも抑圧が発生します。いやそれだけでなく、「健常者」の女性と「障害者」の男性との間でも、抑圧関係が起きてしまう可能性もあります。

 また、すでに述べたように、あらゆる民族の中に「障害者」がいるのですから、それぞれの民族の置かれた状態が、それぞれの「障害者」の状況を規定します。在日の「障害者」の経験と日本人「障害者」の経験も、実際にはかなり違います。この間でも、日本人「障害者」の側が抑圧者となってしまうことがあるわけです。この場合も、「障害者」が排外主義者として、登場してしまうことも実際にあるわけです。在特会には、一時、「障害者」が一定数加わっていました。被差別部落出身者であるかどうか、あるいは、お金があるのかどうか、など、抑圧関係は様々な部分で発生します。こうした様々な文脈の中で、自らが抑圧者となってしまうことの危険性を常に意識することが重要だと思うのです。

 

(3)人を生かすこと

 運動の仲間内を考えても、そこにいる人たちはみんな個性的な人たちです。得意な部分、苦手な部分、強さ、弱さ、それは様々に違います。

 こうした仲間を生かしあう発想が必要なことは、論を待たないでしょう。そして、これまではあまり一緒に運動をしてきていない人たちが、一緒に運動をしようとすれば、ますますこうした発想が必要だと思います。

 また、社会の中には、様々な必要性から、様々な取り組みを行っている人々がいます。世界的な観点からその活動が正しいものならば、大いに敬意を払うべきだと思います。私たちの側が、当面は一緒に行動することができなかったとしてもです。

 大事なものは、「障害者」をも含む世界の人々の生活です。このためには、いわゆる物取り型の運動も、社会変革運動も、反戦運動も必要です。そして、目的を実現しようとするならば、様々な人々との協力が必要なことは当然です。この協力を作り出すためには、人を生かす発想が必要だと思います。

 

(4)語り合うこと(コミュニケーション)について

 状況の認識、それぞれの考えや立場を理解しあうためには、コミュニケーションが重要であることは、もちろんです。ここでは、言語の壁についてはとりあえずおいておいて、コミュニケーションにおける構えとでも言うべきことを述べたいと思います。

 宗教、思想家、学者の言ったことなどの権威に頼らず、経験を伝えあい、論理をお互いにたどり、理解しあうような語り合い方を作り出していけたら、と思うのです。語り合うことは、お互いの発想を確かめ合うことであり、共通の行動を作り出すには、お互いの発想をすり合わせていく必要があります。ついつい、自分の言いたいことを語るのに一生懸命になることによって、相手の反応や発想を確かめないで進められてしまうこともありがちかと思います。これでは、まとまるものもまとまらなくなってしまうでしょう。もちろん、考えを確かめ合った結果、共同の行動を作り出すことができないこともあるでしょう。しかし、相手がどうしてそのような発想をもってしまうのかを確認することも、けっして無駄ではないと思います。

 

(5)生き方を貫くために闘う

 この立場で、差別・抑圧・搾取と闘うわけですが、では、誰と闘うのかです。

 世界の人々と分かち合うことを拒否する人たちと闘わなければならないでしょう。世界のたった8人が、世界人口の半分の人たちが持つ富と同じ富を独占している、との報告があります。また、自らの権力を保持するために、他国にいる人や周囲の人を抑圧する人々もいます。普通の市民が排外主義者となることもあります。こうした人々に、分かち合うことを呼びかけますが、同時に、抑圧に対しては徹底的に闘うことが必要です。そうでなければ、殺される人、閉じ込められ続ける人、苦しみを受け続ける人たちが存在し続けることになるからです。

 こんなことを考えながら、私自身の思考や行動の在り方を点検して行きたいと思っています。                            (了)



三田市知的しょうがい者監禁事件を許すな6/16集会

 

6/16三田市の知的しょうがい者監禁虐待事件を弾劾する集会が三田市でありました。知的しょうがい者が親によって自宅納屋の中の小さな檻に20数年間監禁されていた事件です。集会は70人くらいの参加でした。被害者本人が集会に来られないこと自体がおかしいと、被害者抜きで事件の処理が行政とメディアによって進められていることのおかしさが糾弾されていました。裁判が被害者抜きで進めないよう申し入れをしたそうです。集会は大フォーラムの呼び掛け団体でもあるCIL三田が主催し、リメンバー7/26神戸アクションが共催しました。大フォーラムからは東京の古賀典夫さん(怒りネット)も参加しました。ピープルファーストの住田理恵さんや尼崎の岸田さんも発言していました。

集会の後、大勢で街行く人にビラを配布し事件を許さないと訴えました。

6/27同事件の神戸地裁判決がありました。執行猶予が付いた極めて軽い刑でした。しょうがい者虐待事件では親に同情が集まるというおかしな世論を背景にしたものです。しょうがい者にとっては許し難い判決でした。検察が控訴しなかったので判決は確定しました。私たちは被害者を地域に取り戻したいです。

また628日付神戸新聞三田版の同事件神戸地裁判決を報じる記事での差別的記述(「これが監禁罪になるのか」という声を掲載)の問題がありました。これについては話し合いの結果、知的しょうがい者と、しょうがい者を地域で育てた親の声を神戸新聞が掲載しました。(詳報次号)。まだまだ問題は山積しています。責任を持って取り組み、しょうがい者が人間を取り戻す闘いの前進を実現しよう。

 

 

630集会『不幸な子どもの生まれない運動』は終ったのか?」にしょうがい者ら170人                                            

 

神戸市内で行われた集会には遠くは東京からも会場にあふれんばかりの170人以上が参加し熱気にあふれるものとなりました。兵庫県の同運動とその賛美、それに対する糾弾の過程が報告されました。『不幸な子どもの生まれない運動』は、1966年から、優生思想に基づき「しょうがい者は不幸を背負った子どもだから生まれないようにしよう」として県が推し進めた施策。羊水診断でしょうがい児を産まれる前に見つけることと、しょうがい者に対する強制不妊手術を県の予算で推し進めました。1974年、大阪青い芝らの抗議行動によって中止に追い込まれました。ところが、2016年、兵庫県立こども病院の移転記念誌に、その運動を賛美する文章が掲載されました。しょうがい者や支援者の抗議によっても、兵庫県はホームページから同記事を削除しただけで記念誌は放置。再度の申入れには回答もしないということに抗議してこの日の集会は開かれました。兵庫県の形式的で謝罪もしない総括もしないという態度にあらためて怒りが湧きました。

同運動を中止に追い込んだ大阪青い芝の元事務局長から当時の闘いが振り返られました。県立こども病院に今年4月まで務めていた看護師から労働者の側からいかに闘ったのかの報告がありました。そして強制不妊手術と今の実態が報告されました。しょうがい女性から出生前診断の差別性が糾弾されました。しょうがい者は不幸だという差別的な決めつけが全くの差別的偏見であり、幸福か不幸かはその人自身が決めること、生まれて来てはならないといったい誰が決められるのでしょうか。さらに、われわれの内なる優生思想を問い、日本の外への侵略の歴史と内での優生思想が同質のものではないかと問う報告がありました。

会場からはピープルファースト兵庫や奈良と京都の脳性麻痺者から発言がありました。私からは日本の精神科病院の74%(私立精神科病院の90%)を組織する日本精神科病院協会(現在会員数1206)が1953年に精神しょうがい者(知的しょうがい者を含む)を社会の危険物だと決めつけ子どもを生まないように優生手術の予算を国に要求したという体質が、最近の「精神科医にも拳銃を持たせてくれ」という日精協誌の主張に至るまで貫かれ、差別は過去のものではないことを発言しました。

寄せられた感想としては「この国が今日参加していた人たちのような人たちだけで出来ていたらいいのにね」というものがありました。

集会を受けて今後兵庫県に対する要求と交渉が続きます。これからも、関心を失うことなく兵庫県に同運動の総括を付けさせるために闘い続けましょう。そして、寝屋川市の精神しょうがい者監禁殺害事件、三田市の知的しょうがい者監禁傷害事件、各地で繰り返されるしょうがい者施設における殺害、傷害事件を許すことなく、また2016726日の相模原市津久井やまゆり園事件を忘れることなく、722神戸の「やまゆり園事件を忘れない。障害者を殺すな」デモンストレーションを闘いました。この運動を10/30「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラムに繋げていきましょう。

 

 

しょうがい者殺傷事件の忘却を許さず神戸デモに150

 

2016726日に相模原市の津久井やまゆり園でしょうがい者19人が殺された事件から2年を迎える722日、リメンバー726神戸アクションが呼び掛けた「障害者を殺すな722神戸デモ―――やまゆり園事件を忘れない」にしょうがい者ら150人が参加しました。元町商店街と三ノ宮センター街という兵庫県随一の繁華街を1時間にわたりデモ行進。兵庫ピープルファーストと大阪のパンジーの知的しょうがい者団体を先頭に「障害者と健常者を分けるな!19人の名前を出せ!施設に入れるな!精神病院に入れるな!同じ学校に通いたい!地域で暮らしたい!障害があっても生まれたい!障害者は不幸じゃない!」とシュプレヒコールをあげ、道行く人々の注目を浴びました。デモの解散集会でパンジーの仲間は「施設はだめ。しょうがい者を施設から助けだそう。」「2度とこのような事件を繰り返してはならない」と声をあげました。世間が事件を忘れていき、被害者遺族の内の3人が名前を出すのを嫌がるため未だに19人の名前も公表されません。この流れに抗する今年で2回目の神戸デモでした。

 

 

《俳句のコーナー》

 

俳句は季節を表す言葉=季語の入った五七五の十七文字の一番短い詩です。肩肘張らず、詩情と心もちが大事です。上手い下手は関係ないので、一度投句してみませんか。初心者歓迎です。和歌でも結構です。

涙出づ一人じゃないと夏帽子  志郎

看護師が水を飲め飲め熱中症  志郎

夏の海子らと作った砂の城   俊彦

通学路子らの声なく夏木立   俊彦

扇風機掃除急いでごろ寝する  晶子

台風一過トコトコインコ足音す 晶子

病葉の一葉逝きて道半ば    元博

不条理事件迫害おそる炎暑哉  元博

 

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2018年8月 7日 (火)

福祉が「再犯防止」目的に転換されようとしている

729日東京都内で、心神喪失者等医療観察法廃止全国集会が行われ92人が参加しました。心神喪失者等医療観察法なくす会/国立武蔵病院(精神)強制・隔離入院施設問題を考える会/認定NPO大阪精神医療人権センター/心神喪失者と医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワークの共催です。新しい視点が立って良い集会でした。「健常者」の再犯防止策を正面から批判しました。福祉が司法の枠内に取り込まれようとしているそうです。専門職団体は職域が拡がるといって歓迎している。いつもの構図です。その専門職の一人が講師で、専門職のレジストを呼び掛けました。

講演は「法制審の『社会内処遇』の問題点とリーガルソーシャルワークの在り方を考える」と題し、社会福祉士・精神保健福祉士・NPO法人サマリア理事長の黒田和代さんが行いました。

講師は本人のための福祉が事件を繰り返して本人が苦しむことも結果として防ぐという実践をしている人。この場合、福祉が事件を防ぐというのは結果であり、防犯が目的ではない。目的はあくまで本人が日々を過ごしやすいように補助することです。

ところが政府は「健常者」や知的しょうがい者の再犯が多いと言って、抜本的に再犯防止策を展開しようとしている。政府がやろうとしているのは「社会内処遇」といって福祉の目的を再犯防止に転換すること。「福祉的支援を受ける事」を起訴猶予の条件とし、「逆らったら起訴するぞ」という脅しで「福祉」の「指導・監督」に従わせるというものです。それは福祉を司法の枠内に取り込み、専門職を再犯防止の手先にする。本人のための福祉から転換して「国民のため」、社会防衛のための「福祉」になる。原理が転換すれば手段も変わる。方法も変わる。マジョリティの安心のためにマイノリティの人権を否定する。福祉専門職が再犯防止を目的として管理監督のために動くことの怖さ。大きな転換が始まろうとしていることを見ないといけない。

今は福祉専門職は本人のためを原理原則にしている。テレビドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」の場面を考えてみたら良いのです。福祉職が再犯防止のためにマイノリティに接し始めたらどんな恐ろしいことになるか。医療観察法で事件を起こした精神しょうがい者に対して行われていることが、マイノリティ全体に襲い掛かるのです。無関心であってはなりません。

 集会では、医療観察法経験者のメッセージが読み上げられ、国連・恣意的拘禁作業部会が措置入院に関して違法判断を行った概略が報告されました。

私も発言しました。国立精神・神経医療センターの研究部長藤井千代氏とひょうせいれんの意見交換会での「『病者』の症状が社会が偏見を持つ原因」という趣旨の藤井氏の発言を批判、また、医療観察法病棟での自殺者の多さを批判しました。観察法の下での自殺者は入院者で13人、通院者で自殺と推定される者46人に上ります。「本人のための医療」という表看板とは裏腹にいかに酷いことが行われているかの証左です。

陣形を広げ医療観察法の廃止と「健常者」や知的しょうがい者に対する「社会内処遇」を許さずに闘いましょう。

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2018年7月 6日 (金)

「6・30集会『不幸な子どもの生まれない運動』は終ったのか?」集会報告

神戸市内で行われた集会には会場にあふれんばかりの170人以上が参加し熱気にあふれるものとなりました。兵庫県の同運動とその賛美、それに対する糾弾の過程が報告されました。『不幸な子どもの生まれない運動』は、1966年から、優生思想に基づき「しょうがい者は不幸を背負った子どもだから生まれないようにしよう」として県が推し進めた施策。羊水診断でしょうがい児を産まれる前に見つけることと、しょうがい者に対する強制不妊手術を県の予算で推し進めました。1974年、大阪青い芝らの抗議行動によって中止に追い込まれました。ところが、2016年、兵庫県立こども病院の移転記念誌に、その運動を賛美する文章が掲載されました。しょうがい者や支援者の抗議によっても、兵庫県はホームページから同記事を削除するだけで記念誌は放置。再度の申入れには回答もしないということに抗議してこの日の集会は開かれました。兵庫県の形式的で謝罪もしない総括もしないという態度にあらためて怒りが湧きました。

同運動を中止に追い込んだ大阪青い芝の元事務局長から当時の闘いが振り返られました。県立こども病院に今年4月まで務めていた看護師から労働者の側からいかに闘ったのかの報告がありました。そして強制不妊手術と今の実態が報告されました。しょうがい女性から出生前診断の差別性が糾弾されました。しょうがい者は不幸だという差別的な決めつけが全くの差別的偏見であり、幸福か不幸かはその人自身が決めること、生まれて来てはならないといったい誰が決められるのでしょうか。さらに、われわれの内なる優生思想を問い、日本の外への侵略の歴史と内での優生思想が同質のものではないかと問う報告がありました。

会場からはピープルファースト兵庫や奈良と京都の脳性麻痺者から発言がありました。私は日本の精神科病院の74%(私立精神科病院の90%)を組織する日本精神科病院協会(会員数1206件)が1953年に精神しょうがい者(知的しょうがい者を含む)を社会の危険物だと決めつけ子どもを生まないように優生手術の予算を国に要求したという体質が、最近の「精神科医にも拳銃を持たせてくれ」という日精協誌の主張に至るまで貫かれ差別は過去のものではないことを発言しました。

寄せられた感想としては「この国が今日参加していた人たちのような人たちだけで出来ていたらいいのに」というものがありました。

集会を受けて今後兵庫県に対する要求と交渉が続きます。これからも、関心を失うことなく兵庫県に同運動の総括を付けさせるために闘い続けましょう。そして、寝屋川市の精神しょうがい者監禁殺害事件、三田市の知的しょうがい者監禁傷害事件、各地で繰り返されるしょうがい者施設における殺害、傷害事件を許すことなく、また2016726日の相模原市津久井やまゆり園事件を忘れることなく、722兵庫、726大阪の「やまゆり園事件を忘れない。障害者を殺すな」デモンストレーション、728東京「優生保護法にどう立ち向かうのか」集会などの行動に起ち上りましょう。

三田市の知的しょうがい者Yさんの監禁事件での神戸地裁の判決は、20数年間監禁して執行猶予という軽すぎるものです。しょうがい者虐待事件には親に同情が集まるという現実は許し難いものです。また628日付神戸新聞北摂版の同事件神戸地裁判決を報じる記事での差別的記述(「これが監禁罪になるのか」という声を掲載)の問題など、問題は山積しています。責任を持って取り組み、しょうがい者が人間を取り戻す闘いの前進を実現しよう。

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2018年5月22日 (火)

Fさんへの質問と回答・概略・コメント付き

国立精神・神経医療研究センターFさんへの質問と回答・概略18429フレンズ

 

★が質問。○が回答です。☆はコメント。

 

★私たち「フレンズ」は昨年出された精神保健福祉法「改正」案に反対してきました。精神医療が治安目的に変わってしまうことへの危機感からです。この「改正」案は前国会で廃案になり、今国会にも出てこないことになっています。真偽のほどは分かりませんが、新聞報道では同じ内容の「改正」案が今後出てくることはないように書かれています。

○私も再三厚労省に問い合わせるが、ガイドラインを作る関係で法案が今後どうなるかは重要。「調整中としか言えない」と言われている。内容についても歯切れが悪い。

★その中で、本年3月27日に厚生労働省は、現行法制で出来ることのガイドラインであるとして、措置入院に関するものと、措置入院後の支援に関する2つのガイドラインを出しました。

★市交渉で警察は入れないと約束しているがガイドラインが出たことで守られないのではないかと危惧する。

○「会議」(保健所設置自治体ごとに作る)には警察は本人が了解すれば入ることが出来る。そういうケースは時々あって、本人が希望するときには排除しない。通常想定できない。

☆「本人が希望する」というのと「了解する」というのはまったく違うのにあえて混同している。希望は本人からすること。「了解」は他者が取ること。意図的混同か。

 

★ガイドラインでは警察を「協議の場」(県・政令市)に入れることになっていますが、措置権者は自治体の長であり、措置診察を行うのは精神科指定医です。それらは独立して権限を行使しなくてはならないはずです。ではなぜ、何を警察と協議する必要があるのですか。困難事例、移送等といった例示されていることは全国統一した決め事にしておけばいいのであり、自治体ごとの、医療関係者などが入った協議の場で決める必然性が感じられません。

 これは兵庫県で実際に起きたことなのですが、警察の中でも公安警察が、特定の患者の情報をよこせと精神科医に迫り、半時間も恫喝を加え続けたということがあります。精神科医は医者の守秘義務を盾にして拒否したのですが、恫喝にはかなり参ったそうです。公安警察を相手にした場合まったく「善意」を期待できない。

 三番目に、天皇制と精神しょうがい者の問題です。植樹祭などで天皇が来県するときには、警察は(公安警察の指示の下ですが)精神病院には「危険な者が外出しないように」という圧力をかけます。これに典型的なのは警察と精神しょうがい者の関係は、疑いと監視監督であるということです。

 全体として、ガイドラインは、警察に対して「善意」を期待しすぎていると思います。生活安全課にせよ警察の仕事は人を疑うことです。医療者や保健所とは行動原理が違うのです。ましてや公安警察は「超法規的」に民衆を監視しています。

○現行法では会議に関わった人間は情報を出さないと書いてある。改正法にも書いてある。病院ごとに守秘義務とは何か徹底するしかない。

★医師・看護では守秘義務を期待できるが事務系では期待できない。

○現時点でも圧力はかかっていて、ガイドラインでお墨付きを与えるという危惧ですね。

警察を入れるか入れないかは本人の意向。本人と支援チームの全員が同意しないと警察は入れない。公安警察までも想定していないが警察には訳の分かってくれない人はいる。

☆「公安は想定していなかった」と言いながら検討を加えることはしない。これでは議論が深まらない。

 

○国レベルだと全自治体が入って地域差、文化、資源、慣習の差が反映されない。県ごとにやらないと。県で何をやるかは、警察官通報がやたら多い。本来のケースではないものが多い。医療側と乖離している。協議することで警察官通報が減った自治体がある。

○公安を想定してはいないが、警察が脅しをかけてくることは多くの医師が経験している。突っぱねるしかない。毎回苦労している。悪意は想定しているが、ガイドラインによっては防御できないです。協議の場は生活安全課を想定している。

★協議の場でも具体的ケースは検討する。仮名でなっていても、個別の事例は上がってくる。それは誰かと問われて答えるという懸念がある。

○ご懸念は分かる。しちゃいけないとは言っているがそこが危うい。

★事件性が険しくなると。新聞沙汰になったケースで実際に警察が精神しょうがい者でこの地区に住んでいるのは誰かとリストを上げていてチェックを入れた例がある。警察は持てる情報はすべて使う。洗いざらい出しなさいと言って来る。警察が事務系に言い、事務系が看護に圧力をかけて出せと言った例がある。

○警察との協議はかなりの自治体ですでに協議をやっている。事件性のあるものを持ち込むのは趣旨と違う。いつの時代の話ですかということですよね。そこは全国レベルで協議に持ち込むことが出来る。警察庁は上がった問題点を厚労省と警察庁で協議することになる。他からも上がってくる。警察庁を巻き込めたのは第一歩です。各県警と警察庁の温度差、地域差もある。あげてもらってから改善していくという方向性を考えるしかない。

○警察官通報は措置通報の7割を占めている。警察とは関わらざるを得ない。警察を排除するとかえって良くない。善意を期待しすぎていると言われれば、その通り、善意を期待しています。悪意が入り込んだときは問題点としてあげていく。その繰り返し。

☆悪意のケースはそれ自体は仕方ないこととされてしまう。「今後の参考」にしかならない。犠牲者は損のし損。

 

○入口なので、何でもかでも連れて来られては困る。警察が受診まで援助している自治体もある。自治体との役割分担をしていく。どこまでが警察の仕事でどこまでが自治体の仕事かを意識合わせをする。警察にいかにメンタルヘルスを分かってもらうかは各国共通の問題。

○相模原事件があって法改正というのはないだろう、違うということはある。契機として措置を見てみたら自治体格差があったという問題が出てきた。

法改正で措置の実効性を変えるより、支援をきっちりしようということだった。

★安倍の一声から始まっている。支援ということではなかった。

○首相の考えと現場では乖離がある。あまりに再入院率が高い。1年間で40%が再入院しているのはおかしい。診療報酬の問題がある。地域で入院ではなく住み慣れたところで医療を受けられることが一番の狙い。そこが伝わりにくい。今入院に財源がシフトされていて、外来があまりにも手うすくて、地域医療従事者も数は増えたけど財源は少ない。入院シフトを地域シフトにしていきたい。一つのきっかけとしたい。

○警察がなぜあれほどクローズアップされたのか、私は理解できない。警察官通報のところを警察と協議しましょうとあるけど、退院後支援で警察が関わるというのは想定していない。

それはオプションであって本筋ではない。それが一番最初に出てくるのは違うだろうと。第一義的に目指したのは地域の支援体制の充実なので。警察が先に出るというのが本当に心外で、元々は地域の支援体制があまりにも手うすいし、医療、福祉の契約型サービスで対応しきれないことに自治体が穴埋めをしていく、自治体がサービスを整えていくというのがもともとの趣旨だった。そこを強調してきたつもりだけど警察が入るというところがやたらとクローズアップされてしまい、非常に心外だ。入ることはあるが限定的な話であって、全体のめざす趣旨から考えると小さいことだ。

○地域の資源を付けていく。交付税は付けたけど交付税の使い道は自治体が決めるから、それを精神保健に付けようと自治体に思ってもらわないといけない。

入院の診療報酬を外来に振り分けてもらいたい。小さいけど積み重ねで外来に手厚くしていきたい。入院はいらないとは思わないがこれほどはいらない。医療者はその人が地域に帰った時をイメージしないのが多い。生活者としての環境を病院側が考えないといけない。

その方がセルフケアできるか、金銭管理できるか、家族、地域から聞く。

国会で警察がうんぬんかんぬんとやられちゃったので、ガイドラインにも一行それが本人の同意とか取らなくてはならないとか入れざるを得ない。それだけなんですよ。変な国会答弁が無ければ入らなかったかもしれないが、国会で約束したことはガイドラインにも書いて下さいというお約束で警察のことが入った。

☆警察を入れると書きながら、おかしいのはそれを問題視する方だという理屈をこねる。結局、精神しょうがい者の立場に立つ人ではない。「善意」ぶっている分たちが悪い。

 

★兵庫方式の当事者の意見は聞いたか。

○兵庫では聞いていない。

★兵庫以外では精神の当事者に聞いたのか。

○はい、それでガイドラインの修正をだいぶしてきた。

★精神しょうがい者は自立能力がないということか。

○ガイドラインに余計なおせっかいはやめようと書いている。支援をしないといけない人は一定割合いる。精神しょうがい者がすべからく濃厚なサービスが必要とは思わない。

☆サービスがないことが「自立」と捉えているようだ。支援を受けて自立しているのはおかしいのか。しょうがい者施策の自立概念ではない。しょうがい者が拒否している介護保険の自律概念そのもの。誰の味方かが良く分かる。

 

★三田の事件。両親が理解していない。地域が理解し一体になってやって欲しい。目に見えないしょうがい、変わった行動をとることへの理解が必要。

○地域の人が当たり前と分かったうえでないと理解進まない。両親が相談しようという選択肢、相談したら偏見にさらされると心配する。そこは本質だと思う。

退院して一定期間支援が必要なのに無くて調子悪くなると地域の偏見につながる。変えていける地域もある。接する機会がないと分からない。地域にはいろんな人がいる。

☆これ自体がとんでもない偏見。変なことをしていたら社会が偏見で見るのは仕方ないということを言っている。「暴れない」「奇声を発しない」「おとなしい」「調子が悪くならない」のが「期待される精神しょうがい者の在り方」だと言う訳だ。「善意」の底が知れる。所詮は役人、精神科医の発想に過ぎず、精神しょうがい者の味方では断じてない。ここにガイドラインの本質が現れている。顔を洗って出直してもらうしかない。

なお、三田の件のことですが、この件は精神医療・精神保健体制とはまったく無関係ですので、訂正させていただきます。被害者は知的障害者と県が公式に発表しているそうです。精神しょうがい者なら檻に入れても仕方ない、精神しょうがい者の件なら親に同情が集まるという誤った世論誘導が最初の報道にさいして行われました。その為、その後もこの誤った情報が独り歩きしてしまっています。うっかり、その世論誘導に乗ってしまうところでした。

 

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2018年5月10日 (木)

Fさんとの意見交換会報告(短縮版)

国立精神・神経医療研究センター研究部長・Fさんとの意見交換会報告  2018429フレンズ

 

これは、2018429日に行ったフレンズと国立精神・神経医療研究センター、地域・司法精神医療研究部長・Fさんとの意見交換会の報告です。録音を起こしたものですが、Fさんに確認をとることはしていませんので文責等は編集者にあります。★が質問。○がFさんです。 (フレンズ・髙見元博)

 

★私たち「フレンズ」は昨年出された精神保健福祉法「改正」案に反対してきました。精神医療が治安目的に変わってしまうことへの危機感からです。この「改正」案は前国会で廃案になり、今国会にも出てこないことになっています。真偽のほどは分かりませんが、新聞報道では同じ内容の「改正」案が今後出てくることはないように書かれています。

○私も再三厚労省に問い合わせるが、ガイドラインを作る関係で法案が今後どうなるかは重要。厚労省からは「調整中としか言えない」と言われている。内容についても同じで歯切れが悪い。

★その中で、本年3月27日に厚生労働省は、現行法制で出来ることのガイドラインであるとして、措置入院に関するものと、措置入院後の支援に関する2つのガイドラインを出しました。

★ガイドラインの法的な位置づけについて

「地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドライン」については、「この通知は~技術的な助言であることを申し添えます。」と記載されています。「措置入院の運用に関するガイドライン」においては、「本通知は~処理基準であることを申し添えます。」と記載されています。地方自治法の条文の意味がよく分かりません。「助言」「処理基準」と言いますが、これは自治体に対して何らかの強制力があるものなのでしょうか?

○強制力はないからそれに副(そ)わないからといって罰則はない。参照して全国基準として踏まえて検討してくださいというもの。最大公約数的な基準を示すもの。参照して自治体ごとのガイドラインを作るための参考資料というもの。

助言――こうした方がいいですよ。絶対やらないといけないものでないがお勧め。

処理基準――これが標準ですよというメルクマール。精神保健福祉法詳解という条文解釈の載った分厚い本があるがそれを補完するもの。

★助言というのは弱い感じだけど、処理基準は脅しですよね。指定医の資格剥奪のような圧力のかけ方という国の技がある。

○今回のガイドラインはこれに従わなかったらという強制力はないが、自治体に対する指導ではある。どこまで守るべきかは厚労省にはその都度話をしていて強制力はないと。現行否定はしない、現状追認は良くない、そこのせめぎ合いは難しい。今のマンパワーでは回らない。ガイドラインを作った研究班で、自治体からの意見を聞く窓口を作って厚労省に返し、自治体にも返していく。Q&Aを作る。厚労省の公式見解で回答いただくようにお願いしている。これは急いでいる。

○東京は例外的になる。これは東京ではできないと言われている。東京の意見を取り入れていたら地方では通用しない。都会モデルは良くない。東京は措置の4分の1を占めるから無視できないけど、東京は特殊過ぎる。

○以前からやっていたところにヒヤリングをした。所沢市、岡山市など。運用に関して精神衛生法以来60年、措置は変っていない。地方に任されてきた。標準を示し、絶対的にではない方針を示したから、必ず不具合が生じるから、課題を地方から吸い上げ、早い段階で改善するプロセスがないと破綻する。

地域でちゃんと支援した方がいい方は居て、あるものは提供できるようにする。いらないお世話という人はいる。団体よりピアの方たちから意見を聞いた。

★市交渉で警察は入れないと約束しているがガイドラインが出たことで守られないのではないかと危惧する。

○「会議」には警察は本人が了解すれば入ることが出来る。本人が希望するときには排除しない。そういうケースは時々ある。通常想定できない。例外。

★ガイドラインでは警察を「協議の場」に入れることになっていますが、措置権者は自治体の長であり、措置診察を行うのは精神科指定医です。それらは独立して権限を行使しなくてはならないはずです。ではなぜ、何を警察と協議する必要があるのですか。困難事例、移送等といった例示されていることは全国統一した決め事にしておけばいいのであり、自治体ごとの、医療関係者などが入った協議の場で決める必然性が感じられません。

 日弁連が法改正の「代表者会議」、今回は「協議の場」に相当するものですが、に警察を入れることに関連して、警察と医療関係者保健所などが「顔の見える関係になり情報提供を断りにくくなる」という趣旨のことを言われています。

 警察の中でも公安警察が、特定の患者の情報をよこせと精神科医に迫り、何十分も恫喝を加え続けたということがあります。精神科医は医者の守秘義務を盾にして拒否したのですが、恫喝にはかなり参ったそうです。この事例のように公安警察を相手にした場合まったく「善意」を期待することはできないのです。ガイドラインでは、警察の「悪意」を想定しているようには読めません。

 植樹祭などで天皇が来県するときには、警察は(公安警察の指示の下ですが)精神しょうがい者に対する弾圧を加えます。精神病院には「危険な者が外出しないように」という圧力をかけます。地域の精神しょうがい者は監視されます。

 全体として、ガイドラインは、警察に対して「善意」を期待しすぎていると思います。生活安全課にせよ警察の仕事は人を疑うことです。医療者や保健所とは行動原理が違うのです。警察に付け入るスキを与えてはならないというくらいに、警戒心を持って接するべきだと思っています。

○現行法では会議に関わった人間は情報を出さないと書いてある。改正法にも書いてある。病院ごとに守秘義務とは何か徹底するしかない。

★医師・看護では守秘義務が法的に課され期待できるが事務系では期待できない。

○行政職員は警察から言われた場合のガードは弱いですね。

★警察から精神科病院にも患者の名簿を出せと言って来ている。

○現時点でも圧力はかかっていて、ガイドラインでお墨付きを与えるという危惧ですね。警察を入れるか入れないかは本人の意向。本人と支援チームの全員が同意しないと警察は入れない。研究班で、警察の入るメリットはあるがデメリットもあるのでどうガードするかは話題になった。公安警察までも想定していないが警察には訳の分かってくれない人はいる。この公安警察の動きは前時代的で現代でこんなことがあるのかと。制度を作る時は性悪説を考えないといけない。精神医療は搾取の歴史ですから。

○国レベルだと全自治体が入って地域差、文化、資源、慣習の差が反映されない。県ごとにやらないと。県で何をやるかは、警察官通報がやたら多い。本来のケースではないものが多い。医療側と乖離している。協議することで警察官通報が減った自治体がある。困難事例は児相が関わったり、移送に関しては自治体ごとに運用差がある。移送して措置ではなかった場合、その場その場の判断でやっている。そこを決めたい。一回決めたらそれっきりでなく、人が変わるのでその度に確認していくことが必要。理想論だと言われてしまうが「顔の見える関係」だからと言って本人の了解をとらずに情報を流していいものではない。職業倫理にもとることだ。危険性は確かに増すだろう。医療者も人間なので気を許すことは無いとは言い切れないけど、やってはいけないことです。協議の場は生活安全課を想定している。協議の場には県レベルの人が出てくる。県警と県の医療課を想定している。群馬県では警察と協議しているが個々のケースではない。

★協議の場でも具体的ケースは検討する。仮名でなっていても、個別の事例は上がってくる。それは誰かと問われて答えるという懸念がある。

○ご懸念は分かる。しちゃいけないとは言っているがそこが危うい。

★実際に新聞沙汰になった事件で、警察がこの地区に住んでいる精神しょうがい者は誰かリストを出せとチェックを入れてきた例がある。事件が険しくなると警察は情報を全て取ろうとする。洗いざらい出せと言って来る。それで警察対応する病院の事務系が看護部に圧力をかけて情報を出せと迫った例がある。

○いつの時代の話ですかということですよね。そこは全国レベルで協議に持ち込むことが出来る。上がった問題点を厚労省と警察庁で協議することになる。警察庁を巻き込めたのは第一歩です。各県警と警察庁の温度差、地域差もある。あげてもらってから改善していくという方向性を考えるしかない。

○警察官通報は措置通報の7割を占めている。警察とは関わらざるを得ない。警察を排除するとかえって良くない。善意を期待しすぎていると言われれば、その通り、善意を期待しています。悪意が入り込んだときは問題点としてあげていく。どこまでが警察の仕事でどこまでが自治体の仕事かを意識合わせをする。警察にいかにメンタルヘルスを分かってもらうかは各国共通の問題。バンクーバーでは警察をアウトリーチに入れている。メンタルヘルスを分かっている警察を増やす。出来るだけ短いスパンでガイドラインは改正する。問題点を挙げて欲しい。

【天皇植樹祭の時、警察が外出させるなと言って来て】

○それで外出しなかったんですか。

★医師には圧力はなかったので、うちの病院ではそういうことはなかった。病院の事務方に文書ではなく電話で外出させるなと言って来た。

○大問題ですよね。信じられないけど。精神科病院で信じられない処遇をしているところもあるから。だからこそ警察を警戒することは分かる。警察には精神しょうがいのことを分かった上で適切な対応をして欲しい。権力を持っているからこそ話をして精神しょうがい者を危険視している誤った認識をどの地方でも。

○悪意の病院と悪意の警察が結託したら恐ろしい話ですけど。現代でも起こりうる。相模原事件があって法改正というのはないだろう、違うということはある。契機として措置を見てみたら自治体格差があったという問題が出てきた。法改正で措置の実効性を変えるより、支援をきっちりしようということだった。

○あまりに再入院率が高い。1年間で40%が再入院しているのはおかしい。地域で入院ではなく住み慣れたところで医療を受けられることが一番の狙い。今入院に財源がシフトされていて、外来があまりにも手うすくて、地域医療従事者も数は増えたけど財源は少ない。入院シフトを地域シフトにしていきたい。

○警察がなぜあれほどクローズアップされたのか、私は理解できない。警察官通報のところを警察と協議しましょうとあるけど、退院後支援で警察が関わるというのは想定していない。それはオプションであって本筋ではない。それが一番最初に出てくるのは違うだろうと。警察が入るというところがやたらとクローズアップされてしまい、非常に心外だ。グレーゾーン事例は検討途中ですし、警察が入らないといけないのはどういう場面で、どう運用していくかは次の話なんです。ガイドラインにも書いていない。病院だけが治療の場ではないので、そのあと地域で支援しましょうというのは当たり前。それができていない日本で地域もちゃんとしましょうよと意識付けるのが、今回のガイドラインの一番の狙い。研究班の中では、運用はともかく、退院後支援で警察をどうするという話は出ていない。

地域の資源を付けていく。交付税は付けたけど交付税の使い道は自治体が決めるから、それを精神保健に付けようと自治体に思ってもらわないといけない。入院の診療報酬を外来に振り分けてもらいたい。小さいけど積み重ねで外来に手厚くしていきたい。入院はいらないとは思わないが今ほどはいらない。その方がセルフケアできるか、金銭管理できるか、家族、地域から聞くことが必要。

○国会で警察がうんぬんかんぬんとやられちゃったので、ガイドラインにも一行それが本人の同意とか取らなくてはならないとか入れざるを得ない。それだけなんですよ。変な国会答弁が無ければ入らなかったかもしれないが、国会で約束したことはガイドラインにも書いて下さいというお約束で警察のことが入った。

★精神しょうがい者は自立能力がないということか。

○ガイドラインに余計なおせっかいはやめようと書いている。支援をしないといけない人は一定割合いる。精神しょうがい者がすべからく濃厚なサービスが必要とは思わない。

★埼玉県の試行事業についてご存知のことがあればお教えください。

○埼玉県は通知に合わせてガイドラインを作った。直接は関知していない。情報は知っている。所沢市には診療で入っているので、そこを通じても知っている。

★警察との関係で、教育・研修が必要だと思うが。

○研修はやっていくつもりです。全国レベルでは県警2人ずつだけなので浸透しない。各地で研修会をやって行かないといけない。

★三田の事件。両親が理解していない。地域が理解し一体になってやって欲しい。目に見えないしょうがい、変わった行動をとることへの理解が必要。

○地域の人が当たり前と分かったうえでないと理解進まない。両親が相談しようという選択肢、相談したら偏見にさらされると心配する。そこは本質だと思う。

退院して一定期間支援が必要なのに無くて調子悪くなると地域の偏見につながる。接する機会がないと分からない。地域には色んな人がいるという風にならないと。

★日本の精神病院は多いのか。

○非常に多い。歴史的なことがありすぐに改善できない。医療経営の面でも工夫して上手くやっているところもある。医療経済的に外来シフト、地域支援に金が使われないといけない。

★精神医療の財源の95%は入院に使われているというが。

○今はもうちょっとですが極端ですよ。

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2018年5月 6日 (日)

国立精神・神経医療研究センターFさんとの意見交換会報告

国立精神・神経医療研究センターFさんへの質問と回答  2017429フレンズ

(ロングバージョン)

 

これは、2018429日に行った兵庫県精神障害者連絡会・フレンズと国立精神・神経医療研究センターFさんの意見交換会の報告です。録音を起こしたものですが、講演会などと違いFさんに確認をとることはしていません。ですので文責等は編集者にあります。Fさんの発言はできるだけ起こしていますが、質問については大幅に割愛しています。またできるだけ多くのことを聞きたかったので、個々の間違った意見にも突っ込んでいない場合があります。                           (フレンズ・髙見元博)

★が質問。○が回答です。

 

★はじめに

私たち「フレンズ」は昨年出された精神保健福祉法「改正」案に反対してきました。精神医療が治安目的に変わってしまうことへの危機感からです。この「改正」案は前国会で廃案になり、今国会にも出てこないことになっています。真偽のほどは分かりませんが、新聞報道では同じ内容の「改正」案が今後出てくることはないように書かれています。

 

○私も再三厚労省に問い合わせるが、ガイドラインを作る関係で法案が今後どうなるかは重要。「調整中としか言えない」と言われている。内容についても歯切れが悪い。

 

★その中で、本年3月27日に厚生労働省は、現行法制で出来ることのガイドラインであるとして、措置入院に関するものと、措置入院後の支援に関する2つのガイドラインを出しました。

これに関して、髙見が厚労省の紹介で国立精神・神経医療研究センターにメールで質問を送り、Fさんからお答えをいただきました。(資料別紙)

再度の質問をしたところメールでは意図が伝わりにくいので直接会って話をしたいということで、フレンズ例会に来ていただくことになりました。今日はフレンズもいつものメンバーに加えSさんにも来ていただいています。これは質問に出てくる精神科医の当事者だからです。フレンズメンバーはSさんに遠慮する必要はありませんのでよろしくお願いします。

 

★Fさんの現在のお立場について

(1) Fさんの御所属は、2017年度までは、「国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 社会復帰研究部」において部長を務めておられたと認識していますが、ご経歴など教えていただければ幸いです。

(2)現在の役職として、「地域・司法精神医療研究部長」とのことですが、研究課題などが変わったのでしょうか。

 また、「地域・司法精神医療研究部」とは、どのような研究を行う部署なのでしょうか。

 

○山口県出身。生保のため防衛医大へ。13年半防衛精神科医官。アウトリーチなどもしていた。埼玉県立大教員6年などを経て現職。今年26年目。研究職だが地域へ出て往診もする。地域医療を中心とした研究をしている。

○研究部門の組織編成で11から9部門に。司法精神医学研究部(医療観察法と精神鑑定を研究)がなくなり、地域と司法を並べた部へ再編した。

国立武蔵が名前を変えた。

 

★(3)ガイドラインによれば、「今般、「精神障害者の地域生活支援を推進する政策研究」(研究代表者:国立研究開発法人精神・神経医療研究センター 藤井千代)における検討内容を踏まえ、「地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドライン」を別添のとおり取りまとめ」たとあります。

 藤井さんたちがまとめられた研究論文と厚労省の障害保健福祉部長から出された2つのガイドラインはほぼ同じものと考えて良いのでしょうか?文章における相違点はありますか。

 

○ほとんど一緒です。「おわりに」と他にも課題があり、このガイドラインではその課題に応えられないと書いているところは削除された。行政文書の言葉尻になっている。研究報告書は6月頭には公表される予定。

 

★ガイドラインの法的な位置づけについて

「地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドライン」については、「この通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添えます。」と記載されています。

 「措置入院の運用に関するガイドライン」においては、「本通知(Ⅲ4、Ⅳ11、Ⅷ及びⅨを除く。)は地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の9第1項及び第3項の規定による処理基準であることを申し添えます。」と記載されています。

 そこでお尋ねします。

地方自治法の条文の意味がよく分かりません。地方自治体と国は対等な立場だと思います。私たちは地方自治体と日常的にお話をするわけですが、自治体の意図を越えて国が「命令する」「指示する」ことはできないと思います。「助言」「処理基準」と言いますが、これは自治体に対して何らかの強制力があるものなのでしょうか?それとも「助言」「処理基準」だから自治体は無視してもかまわないものなのでしょうか?

また、この二つのガイドラインに法的な位置づけの違いがあるのでしょうか。あるならば、その相違点を教えてください。

 

○強制力はないからそれに副(そ)わないからといって罰則はない。参照して全国基準として踏まえて検討してくださいというもの。説明会でも自治体からもこの通りやらないといけないのかと質問が出た。最大公約数的な基準を示すもの。参照して自治体ごとのガイドラインを作るための参考資料というもの。

助言――こうした方がいいですよ。絶対やらないといけないものでないがおすすめ。

処理基準――これが標準ですよというメルクマール。精神保健福祉法詳解という条文解釈の載った分厚い本があるがそれを補完するもの。

 

★助言というのは弱い感じだけど、処理基準は脅しですよね。指定医の資格剥奪のような圧力のかけ方、国の技がある。資格を与える与えないという強力な指導力があるのでは。

 

○今回のガイドラインはこれに従わなかったらという強制力はないが、自治体に対する指導ではある。どこまで守るべきかは厚労省にはその都度話をしていて強制力はないと。

自治体で違うところはすぐに全国統一にはできない。現行否定はしない、現状追認は良くない、そこのせめぎ合いは難しい。

強力なお勧めではある。改善もしないのは良くない、基本的にはやってください。努力義務というバランス難しい。

今のマンパワーでは回らない。ガイドラインを作った研究班で、自治体からの意見を聞く窓口を作って厚労省に返し、自治体にも返していく。Q&Aを作る。厚労省の公式見解で回答いただくようにお願いしている。今回は急いでいる。

○東京は例外的になる。これは東京ではできないと言われている。東京の意見を取り入れていたら地方では通用しない。都会モデルは良くない。東京は措置の4分の1を占めるから無視できないけど、東京は特殊過ぎる。

以前からやっていたところにヒヤリングをした。所沢市、岡山市など。

全国に出す場合最大公約数的たたき台に近いこと。運用に関して精神衛生法以来60年、措置は変っていない。地方に任されてきた。標準を示し、絶対的にではない方針を示したから、必ず不具合が生じるから、課題を地方から吸い上げ、早い段階で改善するプロセスがないと破綻する。

ガイドラインは法改正には関わらないので逐条解説で示されていないところのものを示した。

 

★東京では退院後のフォローができない。保健所、警察に丸投げするのではないか。

 

○保健所、警察に投げることは想定していない。警察は支援者ではない。東京の入院者には周辺の人もいる。自治体が入ることで、周辺、埼玉県、千葉、神奈川などとの連携。埼玉は30年度から行うので話が通りやすくなっている。

丸投げのケースはガイドラインでもクリアしきれないところはある。

議論の過程では問題点はたくさん出てきた。どの自治体かとは書けなかったが、報告書の中では書いている。全体で見れるように公表する。

地域でちゃんと支援した方がいい方は居て、あるものは提供できるようにする。いらないお世話という人はいる。書類を整えるためにガイドラインが使われることは本意ではない。

全国「精神病」者集団のKさんとは会うことはある。団体よりピアの方たちから意見を聞いた。

「措置入院のガイドライン」は本来的に強制力はない。指導の根拠にはなる。

 

★市交渉で警察は入れないと約束しているがガイドラインが出たことで守られないのではないかと危惧する。

 

○「会議」には警察は本人が了解すれば入ることが出来る。そういうケースは時々あって、本人が希望するときには排除しない。通常想定できない。

私の父が精神しょうがい者で家を出てしまい警察が連れて来てくれるのを繰り返していて事情を知ってもらっていて、地域で暮らしていた。警察がまるっきり支援の手助けにならないとも言えない。例外。

 

★ガイドラインでは警察を「協議の場」に入れることになっていますが、措置権者は自治体の長であり、措置診察を行うのは精神科指定医です。それらは独立して権限を行使しなくてはならないはずです。ではなぜ、何を警察と協議する必要があるのですか。困難事例、移送等といった例示されていることは全国統一した決め事にしておけばいいのであり、自治体ごとの、医療関係者などが入った協議の場で決める必然性が感じられません。

★以下はメールでお送りした質問です。今日のメインの質問です。

 日弁連が法改正の「代表者会議」、今回は「協議の場」に相当するものですが、に警察を入れることに関連して、警察と医療関係者保健所などが「顔の見える関係になり情報提供を断りにくくなる」というような趣旨のことを言われています。また都道府県ごとに協議会を作るより一カ所で協議した方が合理的だというようなことも言っています。もちろんこれは法改正の批判として言われたことでありガイドラインについて言ったことではありません。それを踏まえても、ではガイドラインはこの日弁連の批判に対しどう対応しているのかという点は、どうお考えですか?

 

 これは兵庫県で実際に起きたことなのですが、警察の中でも公安警察が、特定の患者の情報をよこせと精神科医に迫り、半時間も恫喝を加え続けたということがあります。精神科医は医者の守秘義務を盾にして拒否したのですが、恫喝にはかなり参ったそうです。ガイドラインで「会議」に例外的にでも警察が入っていいことになっています。また「協議の場」には警察が入ります。警察の中でも生活安全課を想定した場合にあっても「善意」を前提にすることは甘過ぎる期待でしょう。しかもこの事例のように公安警察を相手にした場合まったく「善意」を期待することはできないのです。公安警察は「超法規的」にでも情報収集しており民衆を監視監督し刃向わないようにするのが仕事です。ガイドラインではこのような公安警察が関与するというケースを想定されていますか?ガイドラインを読む限りでは、警察の「悪意」を想定しているようには読めません。この点はいかがですか?

 

 三番目に、天皇制と精神しょうがい者の問題です。植樹祭などで天皇が来県するときには、警察は(公安警察の指示の下ですが)精神しょうがい者に対する弾圧を加えます。精神病院には「危険な者が外出しないように」という圧力をかけます。社会で暮らしている、天皇制に沿わない精神しょうがい者には入院させられない場合は警察の監視が付きます。これに典型的なのは警察と精神しょうがい者の関係は、疑いと監視監督であるということです。これも私の体験と親しい精神科医が経験したことを含めて兵庫県で実際に起きたことです。

 

 全体として、ガイドラインは、警察に対して「善意」を期待しすぎていると思います。生活安全課にせよ警察の仕事は人を疑うことです。医療者や保健所とは行動原理が違うのです。ましてや公安警察は「超法規的」に民衆を監視しています。私は警察に付け入るスキを与えてはならないというくらいに、警戒心を持って接するべきだと思っています。この精神しょうがい者の感覚とガイドラインの乖離をどうお考えですか?

 

以上の4点について、お考えをお聞かせください。これは特殊な立場ではなく、兵庫県で患者会運動をしていたら実際に起きたことを前提とした質問ですので、よろしくお願いいたします。

 

○現行法では会議に関わった人間は情報を出さないと書いてある。改正法にも書いてある。病院ごとに守秘義務とは何か徹底するしかない。

違法薬物のケースで公務員としての義務より守秘義務を優先してかまわないことになっている。

 

★医師・看護では守秘義務を期待できるが事務系では期待できない。

 

○行政職員は警察から言われた場合のガードは弱いですね。

 

★兵庫県でも名簿を流したという例があった。簡単に協力する。

 

○現時点でも圧力はかかっていて、ガイドラインでお墨付きを与えるという危惧ですね。

警察を入れるか入れないかは本人の意向。本人と支援チームの全員が同意しないと警察は入れない。

研究班で、警察の入るメリットはあるがデメリットもあるのでどうガードするかは話題になった。

公安警察までも想定していないが警察には訳の分かってくれない人はいる。

この公安警察の動きは前時代的で現代でこんなことがあるのかと。

制度を作る時は性悪説を考えないといけない。精神医療は搾取の歴史。ガイドラインで不具合が出たらただちに修正しないといけない。

○国レベルだと全自治体が入って地域差、文化、資源、慣習の差が反映されない。県ごとにやらないと。

県で何をやるかは、警察官通報がやたら多い。本来のケースではないものが多い。医療側と乖離している。協議することで警察官通報が減った自治体がある。

困難事例、児相が関わったり、移送に関しては自治体ごとに運用差がある。移送して措置ではなかった場合、その場その場の判断でやっている。そこを決めたい。一回決めたらそれっきりでなく、人が変わるのでその度に確認していくことが必要。

理想論だと言われてしまうが「顔の見える関係」だからと言って本人の了解をとらずに情報を流していいものではない。産業医の場合もそうだ。職業倫理にもとることだ。危険性は確かに増すだろう。医療者も人間なので気を許すことは無いとは言い切れないけど、やってはいけないことです。

公安を想定してはいないが、警察が脅しをかけてくることは多くの医師が経験している。突っぱねるしかない。毎回苦労している。悪意は想定しているが、ガイドラインによっては防御できないです。

協議の場は生活安全課を想定している。協議の場には県レベルの人が出てくる。県警と県の医療課を想定している。群馬県では警察と協議しているが個々のケースではない。

 

★協議の場でも具体的ケースは検討する。仮名でなっていても、個別の事例は上がってくる。それは誰かと問われて答えるという懸念がある。

 

○ご懸念は分かる。しちゃいけないとは言っているがそこが危うい。

 

★事件性が険しくなると。新聞沙汰になったケースで実際に精神しょうがい者でこの地区に住んでいるのは誰かとリストを上げていてチェックを入れた例がある。警察は持てる情報はすべて使う。洗いざらい出しなさいと言って来る。

 

○協議会で議論することではない。警察との協議はかなりの自治体ですでに協議をやっている。協議会の趣旨とは違う。事件性のあるものを持ち込むのは趣旨と違う。無茶な話ですよね。

 

★医師の感覚ではできない。事務系が看護に圧力をかけて出せと言った例がある。

 

○いつの時代の話ですかということですよね。そこは全国レベルで協議に持ち込むことが出来る。警察庁は上がった問題点を厚労省と警察庁で協議することになる。他からも上がってくる。警察庁を巻き込めたのは第一歩です。各県警と警察庁の温度差、地域差もある。あげてもらってから改善していくという方向性を考えるしかない。

埋もれてしまって真正面から議論されない。今後課題に関しては蓋をしない。出していく。

○警察官通報は措置通報の7割を占めている。警察とは関わらざるを得ない。警察を排除するとかえって良くない。善意を期待しすぎていると言われれば、その通り、善意を期待しています。悪意が入り込んだときは問題点としてあげていく。その繰り返し。

入口なので、何でもかでも連れて来られては困る。警察が受診まで援助している自治体もある。自治体との役割分担をしていく。どこまでが警察の仕事でどこまでが自治体の仕事かを意識合わせをする。

警察にいかにメンタルヘルスを分かってもらうかは各国共通の問題。

力になる人が増えて欲しい。

バンクーバーでは警察をアウトリーチに入れているのは極端だが、メンタルヘルスを分かっている警察を増やす。

出来るだけ短いスパンでガイドラインは改正する。問題点を挙げて欲しい。

 

★天皇制は警察の中でも特別な位置づけのようだ。

 

○それで外出しなかったんですか。

 

★医師には圧力はなかったのでそういうことはない。病院の事務方に文書ではなく電話で外出させるなと。

 

○大問題ですよね。信じられないけど。精神科病院で信じられない処遇をしているところもあるから。

時々、病院にいってびっくりすることがある。

だからこそ警察を警戒することは分かる。

警察には精神しょうがいのことを分かった上で適切な対応をして欲しい。権力を持っているからこそ話をして精神しょうがい者を危険視している誤った認識をどの地方でも。

 

★公的な偉い会議ではあまり話したくない人が出てくる。善意の警官だけを想定すると公的な所に出てくる公安的な警察が出て来られると全然違う風になりそう。

 

○まったくそういう場を持たないより、場を持ってかえていく。一歩を踏み出さないといけない。ガイドライン作成には田中先生にも協力いただいた。(兵庫こころの医療センター長)

対警察では嫌な思いをした先生は多い。話す場を持たなければ始まらない。

問題点は上げていく。

各自治体で警察との関係にも工夫している。

 

★悪意の医療機関もある。

 

○悪意の病院と悪意の警察が結託したら恐ろしい話ですけど。

そこは、過去の話ではなくブラックボックスがある。現代でも起こりうる。そういう意見は上ってきやすいように、国の標準ですよと出したことで話しやすくなると思う。

相模原事件があって法改正というのはないだろう、違うということはある。契機として措置を見てみたら自治体格差があったという問題が出てきた。

法改正で措置の実効性を変えるより、支援をきっちりしようということだった。

 

★安倍の一声から始まっている。支援ということではなかった。

 

○首相の考えと現場では乖離がある。あまりに再入院率が高い。1年間で40%が再入院しているのはおかしい。診療報酬の問題がある。

地域で入院ではなく住み慣れたところで医療を受けられることが一番の狙い。そこが伝わりにくい。今入院に財源がシフトされていて、外来があまりにも手うすくて、地域医療従事者も数は増えたけど財源は少ない。入院シフトを地域シフトにしていきたい。一つのきっかけとしたい。

警察がなぜあれほどクローズアップされたのか、私は理解できない。警察官通報のところを警察と協議しましょうとあるけど、退院後支援で警察が関わるというのは想定していない。

 

★想定していなくても予想はできた。

 

○それはオプションであって本筋ではない。それが一番最初に出てくるのは違うだろうと。第一義的に目指したのは地域の支援体制の充実なので。

警察が先に出るというのが本当に心外で、元々は地域の支援体制があまりにも手うすいし、医療、福祉の契約型サービスで対応しきれないことに自治体が穴埋めをしていく、自治体がサービスを整えていくというのがもともとの趣旨だった。

そこを強調してきたつもりだけど警察が入るというところがやたらとクローズアップされてしまい、非常に心外だ。入ることはあるが限定的な話であって、全体のめざす趣旨から考えると小さいことだ。

 

★印象は大きい。今回は外しておいて、警察は10年後くらいにすれば当事者は安心してサービス受けられる。

 

○グレーゾーン事例は検討途中ですし、警察が入らないといけないのはどういう場面でどう運用していくかは次の話なんです。ガイドラインにも書いていない。

イギリスだったら強制入院の後は支援するというのは出ているけど、当たり前のこと。

病院だけが治療の場ではないので、そのあと地域で支援しましょうというのは当たり前。それができていない日本で地域もちゃんとしましょうよと意識付けるのが、今回のガイドラインの一番の狙い。

研究班の中では、運用はともかく、退院後支援で警察をどうするという話は出ていない。

退院したらすごく薄くなる。地域の支援が手うすい。

 

★そこで出てくるのが警察。

 

○地域の資源を付けていく。交付税は付けたけど交付税の使い道は自治体が決めるから、それを精神保健に付けようと自治体に思ってもらわないといけない。

入院の診療報酬を外来に振り分けてもらいたい。

小さいけど積み重ねで外来に手厚くしていきたい。

入院はいらないとは思わないがこれほどはいらない。

根拠となるものを出して地域に回す。

医療者はその人が地域に帰った時をイメージしないのが多い。

生活者としての環境を病院側が考えないといけない。

その方がセルフケアできるか、金銭管理できるか、家族、地域から聞く。

国会で警察がうんぬんかんぬんとやられちゃったので、ガイドラインにも一行それが本人の同意とか取らなくてはならないとか入れざるを得ない。それだけなんですよ。変な国会答弁が無ければ入らなかったかもしれないが、国会で約束したことはガイドラインにも書いて下さいというお約束で警察のことが入った。

 

★兵庫方式の当事者の意見は聞いたか。

 

○兵庫では聞いていない。

 

★兵庫以外では。

 

○はい、それでガイドラインの修正をだいぶしてきた。

 

★精神しょうがい者は自立能力がないということか。

 

○ガイドラインに書いているが、余計なおせっかいはやめようと書いている。支援をしないといけない人は一定割合いる。精神しょうがい者がすべからく濃厚なサービスが必要とは思わない。

 

★「措置入院の運用に関するガイドライン」について

(1)「3.一次診察と二次診察の運用」の記述において、「措置診察を行う2名の指定医が被通報者を診察する際に、一次診察と二次診察を分けて行うか同時に行うかについては、いずれの運用でも差し支えない。」と記載されています。

 同時に診察を行う場合、指定医それぞれの独立した判断ができるのかどうか、疑問に思われます。

 

○逐条解説に書かれていることそのまま。東京都は同時。判定は別々にやる。結果が違うことはある。本人負担が少ないのがメリット。

 

★兵庫は同時が多い。本人負担が少ないというのは後付けの便利な説明だ。行政職員の負担が少ないからだ。グレーゾーンを合わせやすく措置になる傾向がある。

 

○本人が移動しなくて良くて別々の診断がベストだ。埼玉県は移動時間が大きい。患者負担が大きい。ガイドラインではどちらがどうと書ききれなかった。

 

★(2)「地域の関係者による協議の場」の記載の中で、「各都道府県等において、地域の精神保健医療福祉体制等について協議する既存の会議体がある場合は、当該会議体を協議の場として位置付け、当該会議体にその役割を担わせることとして差し支えない。」とあります。

 ここで念頭に置かれているのは、精神保健福祉法第九条における「地方精神保健福祉審議会」ということでしょうか。

 そのほかにも、想定されている「会議体」はありますか。

 また埼玉県の試行事業についてご存知のことがあればお教えください。

 

○地域によって話し合いの場があれば活用して差し支えない。救急の話し合い場がある。そこに関係者を増やす。自立支援協議会精神科部会があればそこでも良い。会議を増やすと自治体の負担が大きい。

埼玉県は通知に合わせてガイドラインを作った。直接は関知していない。埼玉の人は研究協力者に入っているので、情報は知っている。所沢市には診療で入っているので、そこを通じて知っている。

 

★その他

 措置入院の運用の仕方については、自治体間でかなり違う運用が行われていると聞きます。東京のように、精神科救急を措置入院で行っている自治体もあります。

 このような自治体間の運用の違いについて、どのようにお考えでしょうか。

 

○東京は緊急措置を乱発している。他自治体と違う運用。緊急措置と精神科救急はイコールではないので良いとは思っていない。ドラスティックに変えると混乱する。通報がやたら多いのでシスティマティックに動かないと受ける病院がない。夜間救急は都立が受ける。緊急措置と決めておかないと回しきらない。

医療費は外国人が多いのでとりっぱぐれはある。本来の運用とは外れるので是正が必要。

 

★用意した質問は以上です。そのほかの質問があればよろしくお願いします。

★警察との関係で、教育・研修が必要だと思うが

○研修はやっていくつもりです。全国レベルでは県警2人ずつで浸透しない。各地で研修会をやって行かないといけない。

不十分ということは分かっている。第一歩として良い方向に行かないと仕方ない。

本人の意思が第一。

病院は入院だけでなく地域を見て欲しい。

必要な人が同意しないことはある。他国では同意なくとも対応できることはしている。本人が助けを求めて来たら対応できる態勢をとっておく。

悪用されないように気を付けないといけない。

 

★三田の事件。両親が理解していない。地域が理解し一体になってやって欲しい。目に見えないしょうがい、変わった行動をとることへの理解が必要。

 

○地域の人が当たり前と分かったうえでないと理解進まない。両親が相談しようという選択肢、相談したら偏見にさらされると心配する。そこは本質だと思う。

退院して一定期間支援が必要なのに無くて調子悪くなると地域の偏見につながる。変えていける地域もある。接する機会がないと分からない。地域にはいろんな人がいる。

 

★日本の精神病院は多いのか

 

○非常に多い。歴史的なことがありすぐに改善できない。どう考えてもおかしい。

医療経営の面でも工夫して上手くやっているところもある。医療経済的に外来シフト、地域支援に金が使われないといけない。

 

★精神医療の財源の95%は入院に使われているというが。

 

○今はもうちょっとですが極端ですよ。長く入院していると、地域に行けるのに怖くなるという副作用がある。

 

★質問は以上です。Fさんにおかれましては、今日は遠路はるばる、またご丁寧にありがとうございました。深く御礼申し上げます。これに懲りず今後もよろしくお願いいたします。

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2018年2月20日 (火)

自見はなこ議員からの回答

自見はなこ議員の「監督されているという妄想は病気に症状だ」という国会での精神保健福祉法改悪案審理の席上での発言につき。自見はなこ議員から216日に撤回と謝罪を求める質問状への回答のファックスが届きました。質問に全く答えておらず、謝罪もしない、「誤解だ」という内容の全く誠意を感じられない回答ですが、昨年5月以来働きかけを続けて来て出てきたものがこれであり、これ以上反省と謝罪を求めても出てくるものはないのではないかと思われます。

今後は「患者」と共に歩んで行く、支援をするのだというなら退院後支援計画に警察を入れない等の対応を求め、「福祉の充実」に向けたより具体的な中身について話し合いを求めていく等の前向きの対応をしていきたいと思います。精神保健福祉法改悪に限らず福祉全般についての話し合いを今後も求めていきます。

具体的に話し合いの場が設定されましたらまたお知らせいたします、その折はよろしくお願いします。

皆様のご理解を賜ればと思います。

 

髙見元博

 

以下、自見はなこ議員からのファックス

 

 

兵庫県精神障害者連絡会

代表 髙見元博 様

前略 この度のご質問の件については、昨年5月に共同通信の取材を受け、別紙の通り返答をさせていただいており、私の真意についてはご説明申し上げましたので、ご理解を賜ればと存じます。

別紙添付させていただきます。

平成30216

自見はなこ

 

 

 

「やはり退院後支援計画というものは、みんなであなたのことを考えていますよと、一緒にみんなで多職種で考えていますと、どの地域に行ってもそこでちゃんと引き継ぎもいたしますし、そしてあなたが社会、地域で暮らしていけるように考えていますよという、この温かいメッセージの下にあるんだと、これを是非前面に打ち出していただきたいと思っております」と述べました通り、私としては医師として、精神医学の症状として妄想をお持ちの患者様もいるため、患者様に不安を与えないように、より一層の丁寧な行政運営を強く求める主旨でした。

 なお、「議論に出ておりました」というのは、今回の私の質疑の中の「議論」ではなく、この1ヶ月以上の他の参院厚生労働委員と厚労省との「今までの議論」を指しております。

 何れにしましても、患者様、ご家族と共に歩んでいく気持ちに変わりは全くございません。精神医療、福祉の充実のために共に頑張ってまいりましょう。

平成29518日  自見はなこ

 

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2017年11月16日 (木)

大フォーラムの動画

10・27大フォーラムの模様がユーチューブで見られるようになりました。

一度ご覧ください。

https://youtu.be/ToflYHjzxG4

 

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2017年11月 6日 (月)

10・27大フォーラム発言原稿

精神保健福祉法改悪案再上程阻止

 

 

兵庫県精神障害者連絡会の髙見です。

前国会に提出された精神保健福祉法改悪案は衆院解散で廃案になりました。

しかし次期国会には必ず再上程されます。

どのような法案だったでしょうか。

被告Uには措置入院歴があったことをもって、安倍首相は精神保健福祉法の改悪が必要だと指示しました。

しかし、U被告は精神しょうがい者ではなく、自己愛性パーソナリティ障害でした。

差別思想の確信犯で、今でも同じ主張をしています。

ところが、安倍首相は今年1月の施政方針演説で「相模原事件を繰り返さぬ為に措置入院の見直しをする」と発言し、指示しました。

法案は措置入院体験者を警察や行政が監視するというものです。

3度の院内集会、国会前座り込みや国会での追及など、精神医療を治安の道具にするなという激しい批判の前に、政府は法案の説明文から、再犯防止目的の文言を削りました。

しかし法案は変更なしです。

参議院先議で1カ月と10日、計36時間の長い審議が行われ、正論の前に簡単に強行採決ができませんでした。参院で採決されても衆議院で審議入りできなかった。

正論が勝ったということは今後の闘いにとって重要です。

自見差別発言

日本医師会の組織内候補である、自民党の自見はなこ議員の発言が、この法の本質を典型的に示しています。

「監督されているという妄想は病気の症状だ」という差別発言です。

精神しょうがい者が「監視されている」と、主張するのは妄想だとし、人間の言うこととして取り上げる必要はないとする、存在否定の暴言です。絶対許せません。

また自見は「措置入院を精神医療審査会の対象としたことは大変意義深い」と言いました。

しかし、精神医療審査会は事務的、形式的に強制入院を追認するだけの機関です。人権擁護の機関では全くありません。

さらに自見は「みんなでサポートをしているんだと、温かい治療計画なんだというメッセージを国としても、末端に及ぶまで送っていただきたい」と発言しました。

それを受けて、国は「監視ではない、支援だ」と強調するようになりました。

しかし、「支援だ、任意だ」と言いながら事実上の強制です。支援は強制されるものではありません。

自見の発言はパターナリズム、すなわち家父長主義、父権主義的強制の典型です。

パターナリズムは本人の利益のためになることだと称して権力主義的に強制することです。

しかし、この改悪案は本人に何の利益もない、再犯防止を目的にした警官による監視を、強制します。

パターナリズムに名を借りた、国家暴力の行使であり、実質的保安処分です。

精神医療を警察権力の手先にするものです。

兵庫県方式

兵庫県では精神保健福祉法改悪案を、先取りして実施しています。

兵庫県方式では、措置入院だけでなく、医療保護入院という家族の意志による強制入院や、本人の意思による任意入院までも、警察の監視の対象になっています。

入院形態を問わず、「入退院を繰り返している人」すべてが、行政による監視対象です。

その数70人を超えています。

その対象者の5%から10%以上が警察に売り飛ばされています。

国はこう言って言い逃れています。「警察も防犯だけではない。警察も医療その他の援助の関係者に該当する場合がある。自殺のおそれがある、繰り返し応急の救護を必要とする患者の支援を目的とするものであり、例外的なケースだ」と言っています。

しかし、10%が「例外」ですか。警察官は医療者にはなれません。

警察の原理は人を疑うこと。医療の原理は人に寄り添うこと。そもそも原理が全く違います。

警官は医療行為をしても、医療法違反には、ならないのでしょうか。

こうして地域挙げての再犯防止体制が出来上がっています。

そこに精神しょうがい者自身が、ピアサポーターとして加担させられるかも知れないのです。

私たちは警察の手先になることを拒否します。

再上程阻止

精神保健福祉法改悪案は、相模原事件の再発を防ぐどころか、精神しょうがい者にヘイトクライムを加えるという、U被告と同じ差別主義的襲撃です。

しょうがい者が勝ち取ってきた障害者権利条約を踏みにじる悪法です。

思想信条や、しょうがい種別を越え、しょうがい者と「健常者」の壁を越えた連帯でもって、

精神保健福祉法改悪案再上程阻止!兵庫県をはじめとする、自治体による法案先取りの制度の廃止を!闘い取りましょう!!

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